ファンファーレでお出迎え スダーン/東響 フェスタサマーミューザ開幕   

2014年7月26日 @ミューザ川崎

ベルリオーズ:「ローマの謝肉祭」序曲
シューマン:チェロ協奏曲
サンサーンス:交響曲第3番

ダーヴィド・ゲリンガス(チェロ)
松居直美(オルガン)
ユーベル・スダーン/東京交響楽団


ミューザ川崎が毎年夏に行ってるフェスタサマーミューザkawasaki。首都圏のオーケストラが一堂に会して、チケット代もお安く(都響のように定期公演の方が安いのもありますが)、プレコンサートや公開リハーサル(どちらも当日の本番のチケットが必要)などの得がたいイヴェントも。今年、初めて参加します。川崎はちょっと家からは遠いんだけど、ブザンソンのコンクールで見たダレル・アンさんが聴きたかったのと、この機会にまだ聴いていないオーケストラを聴いてみようとぼちぼち出かけることにしました。今日がその開幕日。ミューザ川崎を本拠地(のひとつ)にしている東京交響楽団でオープニング・コンサート。3時の公演の前に、お昼にオープニング・ファンファーレ、それから公開リハーサルがあります。そりゃもうお昼から聴きに来るでしょ。

10分くらい前に着いたらホールの前の広場にすでに人混みができていたけど、そちらには参加しないでベンチに座って待ちます。どうせちびっ子だから一番前にいないと見れないし、音はどこでも聞こえるし。東響さんの金管楽器と打楽器(ティンパニまで)の演奏会用ファンファーレ。あとで調べたら三澤慶さんの「音楽のまちのファンファーレ」~フェスタ サマーミューザKAWASAKI によせて~ という曲だそうです。音楽祭りの始まりを告げるかっこいいファンファーレでした。金管楽器の編成も大きいしスターウォーズっぽい。これもスダーンさんが指揮されてたんですね。わたし、見えなかったので全然気がつきませんでした。

ファンファーレで開幕するといよいよ楽しみにしていた公開リハーサル。本番を控えたゲネプロですから細かくやると言うより最後の調整という感じ。わたし的には予告編みたいな。それでも、いくつかの箇所をやり直したり、サンサーンスの交響曲の弦楽器のとあるパッセージを「モーツァルトのように(弾いて)」とおっしゃっていたのが印象に残りました。前主席指揮者であるスダーンさんと東響のモーツァルトやハイドンの仕事が、とても実り多い結果を生んだと聞いていたのがさもありなんという感じがしました。

本を読んだり、本を読んだり、2時間ほど時をつぶして、いよいよ音楽会。東京交響楽団は(多分)初めて聴きます。東京といいながら川崎と新潟に本拠を持ってるオーケストラ(サントリーホールでも定期演奏会やるんでしたっけ?)。意外と団員さんに外国人が多いのも特徴かな。さて、どんな風でしょう。あっもう、予告編聴いてるんだけどね。

わたしには東響は、柔らかい色彩のあるオーケストラだと感じられました。色合いが透明で明るい感じ。すっと軽めな感じかな。演奏も丁寧で、「ローマの謝肉祭」なんかはもう少しはっちゃけた感じがある方が好きなんだけど、サンサーンスは良かったです。
真ん中のシューマンのチェロ協奏曲は、チェロのゲリンガスさんの演奏がステキでした。オーケストラの後ろの席で聴いていたんだけど、ミューザ川崎のホールは、わたしに背を向けて弾いているチェロの音が意外なことにわりと良く聞こえてびっくり。演奏は夢見心地な、ついうっかりうとうとしてしまうような、わたし的にはステキなシューマンでした。だって、わたし、シューマンって夢見るように、ほんとに夢見るように聴くのが好きなんですもの。そういう音楽だと思うんですね。アンコールには、(あとで調べて曲名が分かったんですけど)ヴァスクスの「本」という、声つきの無伴奏曲。この曲、多分、前にガベッタさんのアンコールで聴いたことあると思うんだけど(同じ曲がどうかは自信がない)、弾きながらの歌(ハミング)が入るのでちょっとびっくりするけど、面白い曲ですね。アンコールにピッタリ。ゲリンガスさんは大きな拍手を受けていました。

休憩のあとのサンサーンスは、東響の音にぴったりの感じ。スダーンさんも美しい響きを作る人だし。リハーサルのときおっしゃってたモーツァルトのようにというのもすごくよく分かりました。モーツァルトもサンサーンスも蒸留された美しさがある。とてもステキに聞こえたんだけど、わたしは、この曲ってとても人工的な(artificial)なものだと思うんですね。巧みに精巧に作り込まれた音楽。自然(nature)のものではないまさに人の手の技。自然の対極にある人工美=芸術(art)だと思うんです。そう考えたとき、今日の演奏は、ほんのちょっぴりだけ人工的ではない部分、人の手の届かない自然の不確定さを感じたのです。完全に人工的な構成の庭を造るフランス人と、借景を採り入れる日本人の感覚の違いのようなものがあるのかなぁと。とても微妙な曖昧な感想なんですけど。

今日はホルンの後ろの方に座っていたんですけど、この曲ってホルンの1番の人よりも3番(2番かな?)の方が活躍するんですね。管の違いなんでしょうか。あと、スダーンさんと東響って音の出方がほんの少しだけ遅れてくるような気がしました。縦の線が合わないとかじゃなくて(合ってたし)、指揮しているのと音の間にごく僅かな間があるというか。
東響はスダーンさんの時代を終えて、ノットさんとの時代がこれからやってくるんですけど、桂冠指揮者になられたスダーンさんと東響の関係がステキに続いて、いつか彼らのモーツァルトとか聴けたらと楽しみが増えました。
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by zerbinetta | 2014-07-26 23:11 | 日本のオーケストラ | Comments(0)

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