初オン・ステージ エッティンガー/東京フィル   

2014年8月5日 @ミューザ川崎

モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番
マーラー:交響曲第5番

菊池洋子(ピアノ)
ダン・エッティンガー/東京フィルハーモニー交響楽団


サマーミューザ、わたしの最終回(結局3回だけ)は、東京フィル。新国立劇場のピットに入ってるのはよく聴いていたけど、コンサートで聴くのは初めてです。ピットではいつも素晴らしい演奏をしていたので今日も期待大。まずは公開リハーサルから。始まる前に、トライアングルの人が音色を確かめるように練習してたのが好感度大です。トライアングルってわたしでも叩けそうって思うけど、下手くそというか無頓着に叩いてるトライアングルの音って良く聞こえるだけに下手すれば音楽を壊しかねないんですね。
エッティンガーさんは細かく丁寧なリハーサルをするのだけど、コンサートマスターの人も自分のパートや他の弦の人たちに指示しまくり。ふたりでリハーサルを進めている感じ。そうそう、エッティンガーさんのリハーサルは基本、英語だけどティンパニの人にだけはドイツ語で指示をしていました。ドイツに留学された方なのかな。

リハーサルと本番の間にはしばらく時間があったので、お向かいの東芝未来科学館に行ってきました。液体窒素で冷やした超伝導で浮遊する物体がレールに沿って走るのを見たり、でも一番面白かったのは、昔のからくり人形や時計のコーナー。昔の技術って凄い、美しい。ちょうど良い時間つぶしになりました。ミューザ川崎に来たらまた寄りたい。

と、関係ないことを書いてたら音楽会の時間。前半は、モーツァルトのニ短調の協奏曲K466。すごくいい曲ですよね。ピアノは、モーツァルトを得意としている菊池さん。なんだけれども、わたし、前に彼女のモーツァルト協奏曲を聴いたとき、あまり印象が良くなくてどうかなぁとは思っていたの。で、今日はどうだったかというと、凄いとは思わなかったけど、誠実な演奏で楽しめました。モーツァルトはこう弾いたらみんなが納得するみたいな。なのでわたしも何かに引っかかることなく素直に音楽に浸れました。短調の曲も菊池さんに向いてるみたい。ただ、この曲の持つおどろおどろしいといってもいいくらいのドラマや不安は後ろに下がって、さりげなく仄かに暗い、というのが先鋭的なモーツァルトを好むむきからは物足りなく感じるんじゃないかしら、とも思いました。さりげなさの中に底の見えない井戸のような暗さが仄めかされるともっと良くなるような気がします。闇の中でドキリとする感覚が欲しいもの。

後半のマーラーは、よく頑張りました。エッティンガーさんの演奏は、体感的にはずいぶんと長く(退屈という意味ではなくて単純に時間的にです)感じられて、実際1楽章の葬送行進曲なんかはかなりゆっくりしたテンポだったんですが、速い部分もあったので実際には、少し長いくらい?そう、エッティンガーさんは、ゆったりとした部分の歌わせ方(フレーズの収め方)に強いこだわりがあって、それがとってもステキなんです。第1楽章と第2楽章が、そんなエッティンガーさんの音楽が思い切り示されていてとりわけ良かったです。東京フィルもよく頑張っていた(特にトランペット)。指揮者の思いはきちんと伝わってきました。ですが、弦楽器が管楽器に比べて少し弱く、指揮者の音楽を100%表現し切れていなかったのが少し残念です。新国立劇場のピットでの演奏が、いつも良いだけに意外でした。
エッティンガーさんのマーラーは、彼の要求をそのままきちんとした形で出せる、例えばフィルハーモニアみたいなオーケストラで聴いてみたいです。全然関係ないけど、ふと思い出した。今日と全く同じプログラム、セーゲルスタムさんとフィルハーモニアで聴いたんだった。フィルハーモニアって指揮者の音楽がわりとそのまま音に出るのでいいのですね。エッティンガーさんの裡にある音楽を脳内変換無しで思う存分聞いてみたいです。
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by zerbinetta | 2014-08-05 19:38 | 日本のオーケストラ | Comments(0)

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