同窓会! 麻布学園管弦楽部OBオーケストラ設立記念演奏会   

2014年8月10日 @練馬文化センター こぶしホール

黒田崇宏:multi processing II
ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲
チャイコフスキー:交響曲第5番

秋津瑞貴(チェロ)
鈴木優人/麻布学園管弦楽部OBオーケストラ


今年はいろんなタイプ(コンセプト)のアマチュア・オーケストラを聴くのをゆるやかな目標にしてるんだけど、今日は、新しくできたオーケストラの創立公演。というのと、BCJでの鍵盤や横浜シンフォニエッタでの指揮者としても活躍中の鈴木さん一家の息子さん、優人さんの指揮を聴きたいというのもその理由でした。麻布学園管弦楽部のOBのオーケストラ。麻布学園はよく知らないんだけど高校?卒業生関係や父兄さんと思われる方も多くいたみたい。優人さんもこの学校の卒業生なんですね。父兄さんもいらしてました。
優人さんのお話によると麻布学園は男子校だそう。でも、ステージの上には女子も。ということで、純粋卒業生だけではなくてそのつながりの人もいるそう。最初、学校の卒業生で結成されたオーケストラでも時がたつにつれて友達とか卒業生以外の人たちも参加するオーケストラも多いので、華を求めたわけではないと思うけど最初からいろんな人が混じっているのが、これからこのオーケストラがどんなコンセプトになっていくのか興味深いところだし(麻布学園色を維持するのか、普通の社会人オーケストラ的にするのか、とか)、アマチュア・オーケストラの運営を長く続けていく上で難しいところなのでしょうね。

音楽会は、このオーケストラが委嘱した新曲の初演から。作曲の黒田さんは、麻布学園のOBで現在は東京藝術大学の大学院生。曲は、ギターのピックで弦をはじく弦楽器の刻みの上に不規則な音の線が抽象画のように引かれるみたいな感じで、チャイコフスキーの曲がチラリと聞こえたり、でも、わりとありがちな感じで、頭で書かれてはいるけど、まだちょっと足らない満たされない気持ち。ドライになりすぎて友達になれないみたいな。いわゆる、初対面はツン。正直、よく分かりませんでした。演奏する方も、いきなりこれでは合わせるのがやっと、必死に数えてるヴァイオリンの女の子、ときどき落ちたりしてました。これは挑戦ですよね。ロマン派の曲なんかは、たくさん聴くし、歌えるから分かる(音楽を分かるってどういうことだろう?難しく考えないで)というか弾けると思うけど、現代曲はみんながそれほど聴いていないだろうし、そこに至るまでの音楽を消化していないととりつく島がないと思うんです。楽譜通りに合わせることができても、音楽にできるかどうかはかなり難しいんじゃないかって思います。だから、この新しい曲の評価は、今日の演奏だけからは避けるとしても、別の見方をすれば、初演がこのアマチュアのオーケストラに委ねられてるとすれば、このオーケストラが演奏して効果が得られる音楽を作った方が良かったんじゃないかと思ったんです。自分の芸術のために信念を曲げない、というのもありのようでいて、昔の大作曲家さんたちも、依頼主や演奏される音楽家の顔に向いて音楽を生み出してきたんだし、作曲は独り仕事だけど、音楽ってそれを演奏する人とのコミュニケイションが他の芸術にはない枷であるし、魅力だと思うんですね。ちょっぴり場違いかなと感じたし、お互いにもったいないと思うのです。

2曲目は、やっぱり麻布学園のOBの秋津さんをソロに迎えてのドヴォルザークのチェロ協奏曲。この方は、東京藝大の大学院を去年卒業された方。オレがオレがのタイプじゃなさそうで、はったり半分の迫力はないけど、丁寧な歌い回しで良かったです。わたしは、ドヴォルザークはもう少し、ねっとりと幅広く歌うのが好みなのだけど、さらりと端正なのは、ちょっと学生っぽくて、ご本人のフレッシュな風貌とぴったりで納得。爽やか系ドヴォルザーク。この人はオーケストラをバックじゃなくて、室内楽に向いていそう。
アンコールには、バッハの無伴奏組曲の第6番から。わたしはチェロは弾けないけど、見た感じ独特な指使いで、ちょっとユニークな感じのバッハでした。あとでプログラムを見たら、彼、バッハの無伴奏の指運で論文書いていらっしゃるのね。これも納得。無伴奏、全部聴いてみたいと思いました。

最後は、チャイコフスキーの交響曲第5番。この間も聴きましたね〜。優人さんの演奏は、若いオーケストラから彼らの音楽を引き出すように、押しつけがましくなくドライヴして、みんなで音楽を作っていこうってことに重きを置いた感じ。優人さんの個性が光ると言うより、みんなの音楽。ちょっと気がついたことと言えば、第1楽章の伴奏の音をわりと短く刈り込んで行進曲風なのを強調したことかな。1曲目の曲で落ちてたヴァイオリンの子、ものすごく楽しそうに弾いてて、音楽をするってこういうことよね(いいえ、もちろん、難しい曲に挑戦して必死に弾くのも楽しい音楽ですが)、と、気持ちよかった。このオーケストラ、まだまだどのようになっていくのか分からないですけど、今日の初心(今日が初心よね)を忘れずに、いつまでも楽しく音楽でつながっている同じ釜の飯オーケストラでいてと願っています。楽しい音楽の時間は、続けなきゃ。

アンコールには、優人さんの挨拶があって、「校歌」!会場の父兄さんたちも歌うのだけど、ごめんなさい、わたしはこういうの苦手。USにいたときもシーズン・オープニング・コンサートか何かでUS国歌歌えなかったし(歌詞を知らない)、プロムスでもみんなで歌う英国国歌とか歌えなかったし、唯一歌える日本の国歌は、歌わない主義なので歌わないし、というかそんな機会もない、ダメなんですよ、みんなで歌うシリーズ。もちろんわたしがいけないんだし、今日はわたしの方がちん入者なんですけどね。ちょっと学校行事のノリ。いや〜〜、優人さんにこにこと楽しげでした。高校時代に(みんな)帰ったんでしょうね。
そして本当の最後は、ラデッキー行進曲。うわ〜〜これいいい。なんかウィーンのニュウ・イヤー・コンサートみたい。ぎこちなくも手拍子打って(しょうがないよね、慣れてないもん)楽しく音楽会は終わったのでした。
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by zerbinetta | 2014-08-10 01:45 | アマチュア | Comments(0)

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