盤石のブラームス 都民交響楽団第118回定期演奏会   

2014年8月31日 @すみだトリフォニーホール

バルトーク:舞踏組曲、「中国の不思議な役人」組曲
ブラームス:交響曲第1番

末廣誠/都民交響楽団


盤石の安定感。都民交響楽団の印象です。入団するにはオーディションがある上、団員になっても数年に一度、更新オーディションをして高いレヴェルを保っています。アマチュアとは言え高いレヴェルを目指す厳しさを実践しているオーケストラ。それ故に真摯に音楽を演奏することを共有しているのでしょうね。実力的にはもちろん、プロには遠く及びませんが、負けない安定感は素晴らしいのです。

東京文化会館で行われる(今は改装中なので今日はトリフォニー)都民交響楽団の年2回の定期演奏会は無料。というか、往復はがき代104円。往復はがきで抽選に申し込んで、当たれば当日座席指定のチケットと交換します。どのくらいハズレが出るのかは知りません。というちょっとめんどくさい手続き。他に年に1回、有料の特別演奏会があります。維持会員になれば、抽選に参加しなくても年3回の音楽会の指定席がもらえます。こちらは楽ちん。

今日は、相変わらず苦手なバルトークと最近偏愛中のブラームス。それにしても、この選曲に自信の現れを見たような気がする(根拠はないけど)。
舞踏組曲は、「のだめカンタービレ」の中で千秋先輩のコンクールでの課題曲。という認識、わたしは。民謡調の親しみやすい旋律がたくさん出てきて聴きやすい反面、ソロが多いし、テンポの変化や拍子の変化が多くて演奏する方は難しそう。都民交響楽団は、それらの技術的に難しいところはクリアしていて、きちんと演奏されていたんだけど、そこから崩されたところにバルトークの音楽の魅力(多分、みんなが言う、ハンガー語のニュアンスを持った音楽)が出てくると思うのだけど、流石にそこまでは表現し切れていなかったように思います。自発的なルバート。それって、外国のオーケストラが演奏する際に聞かれる不満だけど、そんなところまで要求しちゃいたい、というのは都民響が力のあるオーケストラだからでしょう。

2曲目の「中国の不思議な役人」もどちらかというとマニアックな曲。でも、この曲は舞踏組曲よりも抽象的だし、仄かに東洋風なところもあるので、むしろ演奏しやすいかな。とは言え、ギラギラとエキセントリック、グロテスクなところもある音楽を表現するには、まず丁寧にきちんとした演奏は少しもどかしさも感じました。上手いを超えたリスク・テイキングな音出しができれば、音楽の持つざらざらと心臓を紙やすりで擦られるような気持ちの悪さを表現できたと思います。良い音楽を聴いたで終わってしまった(でも、それだけでも凄いことですが)のが惜しかった。

お終いのブラームスは、もう堂々とした演奏でした。指揮の末廣さんも真っ向勝負で、下手な飾り付けをせず、ブラームスが書いたとおりの音楽をオーケストラの要求していました。それでいてここまで聴かせてしまうオーケストラにはアマチュアとは言え脱帽です。このオーケストラの持つ一種の’生真面目さ’もブラームスの綿密で格調高い古典的な音楽にピッタリでした。わたしの考えですが、都民響は、理路整然なドイツ系の音楽に親和性があるような気がします。末廣さんは都民響の元常任指揮者で、長きにわたって都民響を指揮されてきた方です。そんな親密な信頼関係が、ブラームスの音楽の隙のない緻密さを不足なく聴かせてくれたんだと思いました。

都民交響楽団は、普段プロのオーケストラを聴いている人にアマチュアだったらどこがいい?って聞かれたら、一番にオススメしたいオーケストラのひとつですね。オーソドックスだから。もちろん、アマチュアの世界には独自路線のマニアックなのとか熱さだけはまけないとか、ステキなオーケストラがひしめき合ってるんだけどね。
次の音楽会は、都民響向きのベートーヴェン、楽しみです。


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都民交響楽団の次の公演は、有料の特別演奏会が12月23日、東京文化会館です。今年は第九。
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by zerbinetta | 2014-08-31 00:42 | アマチュア | Comments(0)

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