心に残るブルックナー オーケストラ・ディマンシュ第39回演奏会   

2014年9月28日 @かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

ドビュッシー:春
ブルックナー:交響曲第8番

金山隆夫/オーケストラ・ディマンシュ


ごめんなさい。本当にごめんなさい。
と、ごめんなさいから始まるこのエントリー。オーケストラ・ディマンシュがブルックナーの交響曲第8番。アマチュア・オーケストラでブル8(ブルヲタさんはこう呼ぶのよね)。ブルックナーの最高傑作とも言われてる演奏時間が80分くらいある長大、荘厳な伽藍。さすがに難しいでしょう。特にあの荘重なアダージョは途中でへろへろになりそう。金管楽器だって最後まで持つのかしら。なんて斜に構えて、怖いもの聴きたさで出かけてきました。そして、冒頭のごめんなさい。素晴らしい演奏でした!予想を遙かに超える音楽。技術云々じゃないのね。音楽なの。

会場に着くと、この間と同じように金山さんがヴィデオ・カメラのセットをされていて、指揮者といえどもオーケストラの仲間のひとりなんですね、とクスッとしたり。金山さん、このオーケストラの演奏会のほとんどで指揮されていて、20年近くの長きにわたって常任指揮者を続けているんですね。プロのオーケストラでもなかなかない長さ。オーケストラととっても良い関係にあるのでしょう。ステキなことですよね。

音楽会のはじめは、若いドビュッシーの「春」。実は今日のプログラム、ドビュッシーとブルックナー、全く傾向は違うけど、同じ年(1887年)の作曲なんですね。びっくり。とは言え、「春」も印象派のドビュッシーをごく薄く感じるだけでまだまだ若い作品。でも、好きなんですこの曲。音楽会で聴くの多分初めてだったけど。あまり演奏されないものね。
ドビュッシーは、どうしても音色の色彩感が乏しく、弦楽器の弱音の豊かさに欠けるアマチュア・オーケストラには、キツイです。光りがキラキラする西洋絵画が水墨画のようになってしまう感じ。でも、丁寧に演奏されていたし、演奏自体はとても好感度高かったです。何より、この曲を生で聴けて嬉しいし。

休憩のあとはいよいよブルックナー。斜に構えつつドキドキ。でも、その前に、金山さんから曲紹介があって、ワーグナーチューバの音を聴かせてもらいました。ホルンとの音色の違い。結構微妙。

静かなトレモロから始まって、チェロとコントラバスのつぶやくような旋律が浮かび上がってきたとき、ゴクリと唾を飲んだの。なんて歌い回し。途切れ途切れの旋律に歌い回しというのは変かもしれないけど、でも、やっぱり歌ってる。このブルックナーは、凄そう。その、予想外のショックから構築される音楽は、大きな重心を持ってわたしを捉える。なんというか、言葉で説明しづらいけど、音楽のブラックホールに吸い寄せられて、なすがままに身を任せるしかないみたいな。それにオーケストラの人たちの真剣ぶり。これがブルックナーのトレモロだー!と言わんばかりにトレモロに命をかけるヴァイオリン弾きさんがいらしたり、みんながブルックナーの音楽に心酔しきってるみたいな、このオーケストラ、ブルヲタ度高すぎ!心配してたアダージョも聴き進むうちにどんどん音楽に飲まれていって、退屈どころか、ドキドキしてアドレナリン出まくり。オーケストラは全体的に良かったけど、特に金管楽器が、最後までパワーがあって素晴らしかったです。敢えてひとつだけ残念だったことを書くとすれば、弦楽器の人数。第1ヴァイオリンが12人(だったかな?)は少なすぎた。プロのオーケストラでも16人とか18人は使うのに、管楽器に比べて弦楽器の音量に乏しいアマチュアでこれは厳しい。弦楽器の音量がもっとあればなぁという箇所が、例えピアニッシモのところでも、いくつもありました。アマチュア・オーケストラの慢性的な弦楽器不足の話はよく聞くし、エキストラを入れるより毎回の練習に参加するメンバー重視なのかもしれない(それは正しいことだし良いことだと思う)けど、なんとかもっとたくさん座って欲しかったな。こんな素晴らしいブルックナー弾く機会なんてめったにないんだもん(プロでも)。(参加しなきゃ)もったいないよ。

金山さんの指揮も、決して極端なことをやらずに自然に任せて滔々と流れる音楽。金山さんってマーラーよりもブルックナー指揮者なんじゃない?
金山さんとオーケストラ・ディマンシュには超ぶらう゛ぉーー。秘かな心の裡を独白すると、昨日のN響より心に来たかも。


♪♪
オーケストラ・ディマンシュの次の公演は、第6回定期演奏会が来年の4月12日、すみだトリフォニーホールです。
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by zerbinetta | 2014-09-28 23:47 | アマチュア | Comments(0)

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