フランスっぽくプロコフィエフ 新交響楽団第227回演奏会   

2014年10月26日 @東京芸術劇場

ラヴェル:「道化師の朝の歌」、組曲「ラ・メール・ロア」、「ラ・ヴァルス」
プロコフィエフ:交響曲第5番

矢崎彦太郎/新交響楽団


老舗のアマチュア・オーケストラ、新交響楽団の音楽会。今日はフランス?って、プロコフィエフはロシアの人だし、外国を展転するも最後はロシアに戻っているのでどう考えてもロシアなんだけど、どういう訳かわたしの中でフランスの感じが強くて、なぜなんでしょ?それはともかく、今日はフランスもの得意(ということらしいです。わたしは初めて聴きます)の矢崎さんの指揮。新交響楽団は、常任の指揮者を置かずに、それぞれの音楽会ごとに別々の方に振ってもらってるのですね。

プログラムの前半はラヴェル。フランスの音楽って、わたしの刷り込みというか思い込みかもしれないけど、独特な感じがあると思うんですよ。個々の音色やスタンドプレイが大切にされて、アンサンブルはゆるい感じの方が’らしい’とか。例えばフランスの国民性とイギリスの国民性(日本人に多少近い)の違いやオーケストラの違いってステレオタイプじゃなくて空気として感じることがあるんだ。きっちりしてるイギリスといい加減なフランス(そんなこと言うと日本から直接イギリスに行った人はえええ〜って思うかもしれないけど、フランスから見ればイギリスってきちきちしてると思う。少なくともわたしはそう感じた)。日本のオーケストラってきっちりアンサンブルを整えていくタイプだと思うし、個々の技量ではプロに及ばないアマチュアでは尚更。アンサンブルの精度を高めることで良い音楽を作る、というやり方が多いし上手くいくと思うのだけど、それとは反対のフランス音楽、特にラヴェルの色彩感をどう表現するか楽しみにしてました。

さすが、トップ・レヴェルのアマチュア・オーケストラ、新交響楽団、安心の演奏でした。それぞれのソロも上手くて、プロにはさすがに及ばないものの聴かせてくれます。で、何より、指揮者の矢崎さんがかなり細部まで練習で鍛えてきているというのが分かる感じ。矢崎さん、得意のフランスものをプライドを持って、アマチュアだからと容赦せずに音楽を要求してますね。それについて行ってるオーケストラもさすが(この段落さすがが3回w)。欲を言えば、ひとりひとりの奏者がもう少しわがままに魅せるように(例えば、ビッグバンドなんかでソロの部分をスタンディングするように)なればもっといいな。これまで確か3回、新交響楽団を聴いたけど、このオーケストラ少しおとなしい感じがするんですよね。もっとやんちゃでもいい。それにしても、矢崎さんはフランスものをほんとに得意にしているというのがぷんぷんと分かって、矢崎さんもさすが(4回目w)。

後半は、プロコフィエフの交響曲第5番。これもフランス風?矢崎さんのプロコフィエフは、お洒落っぽくて、重々しさがあまりなくて、軽やか。とまで言ったら言い過ぎかもしれないけど、鉄や銅や銀や亜鉛なんかを溶鉱炉にぶっこんでどろどろと溶かし混ぜるような、おどろおどろしいどろどろ感があまりなくて、そろそろ怪獣が出てくるところね(1楽章の終わりの方)、とワクワクしながら聴いていたのに怪獣出てこなかった。これもプロコフィエフの一面を捉えた解釈だと思う。んだけど、わたし的には、プロコフィエフはありとあらゆる黒くて重いものを溶かした坩堝なんですよね。そしてプラス狂人さ。譜面の中では、狂った世界がぐるぐるしながら、作曲家は一緒に狂っていると演じつつ冷静にエネルギーをくべているみたいな。筒井康隆さん?なのでわたしも冷静に聴いちゃって、プロコフィエフの実像なのかもしれないし、かっこいい音楽ではあったけど、物足りなさも感じたのでした。最後のテープを切るようなかけっこは良かったですけど。


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新交響楽団の次の公演は、第228回演奏会が来年の1月25日、東京芸術劇場です。楽しみにしてます。
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by zerbinetta | 2014-10-26 03:54 | アマチュア | Comments(0)

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