納豆はよく粘るまでかき混ぜるのがいいよ アウローラ管弦楽団第12回定期演奏会   

2015年1月10日 @すみだトリフォニー

スヴィリードフ:組曲「吹雪」〜プーシキンによる音楽的イラストレイション〜
ラフマニノフ:交響曲第2番

田部井剛/アウローラ管弦楽団


年明け、新年最初の音楽会は、去年に引き続いて、アウローラ管弦楽団です。毎年、お正月明けに音楽会してるのかな?こっそりと正直に言うと、今回は、聴きに行くの止めようかな、と思っていたんです。なぜかって、ラフマニノフの交響曲第2番ってあまり好きじゃないから。確かにすぎるくらいに甘美な旋律に溢れてるけど、退屈な音楽なので、この長い曲(といっても50分くらい)を聴き通せるか自信が無かったから。そんな退屈系の曲をアマチュアで聴くのに苦痛を感じてしまうんじゃないかと心配したんです。

今日は新年の華やかな雰囲気だからか(去年もそうでした)、女の人はドレス。ソリストが着るようなドレスで、華やかでいいといえばいいのだけど、男性は普通だし、もう少し抑えた感じのドレスの方がいいんじゃないかって思いました。余計なお世話だけど。

音楽会は、スヴィリードフという初めて名前を聞く人の「吹雪」という曲から。クラシックのと言うより、映画音楽で名を残した人のようで、今日演奏される曲も映画の音楽を組曲にまとめたもの。「吹雪」というので大嵐というか、八甲田山死の彷徨的なのを想像したんだけど、全然違ってメランコリックで暗く、雪はしんしんと降ってる感じ。映画のすじは知らないけど、わたしの頭にはチェーホフのお芝居、「3人姉妹」とか「オネーギン」、あっこれはプーシキンか。ロシアの物語に共通する哀しみを感じました。そうすると、バレエのシーンを想像しながら聴いてしまうんですけど、この音楽、バレエになりそう!ただ、映画に付けて作曲されているので1曲1曲が短くて、音楽的にも完結されていない曲がある感じなので、もう少し膨らませて補ったら、十分全幕もののバレエにできるんじゃないかしら。ほんとの物語がバレエ向きかどうかは分からないけど。
音楽は、とても親しみやすいというか、どこか聴いたことがある感じ、どこかで見たもの悲しい風景、を感じさせるものでした。ヴァイオリンのソロがあったり3階席からのトランペットのソロ(ロシアな感じの重い音ですごく上手かった)があったり曲も変化に富んでいて楽しめました。演奏もちょっとバタ臭い音楽をとても良く表現していてこの音楽の本質をしっかり突いていたと思います。照明の工夫も良かったです。

さて、問題のラフマニノフ。結論は、楽しめた、というか、長く感じなかった。居眠りしなかったし。これって飽きなかったってことですよね。
ラフマニノフの交響曲第2番って納豆みたいですよね(今日の発見!)。甘美な旋律に充ち満ちているとよく言われるけど、実は、旋律の間に何だかもやもやとした音が横たわっていて、ただ旋律をつなげてできている曲ではないみたい。そしてそのもやもや部分(経過句?)がドイツの交響曲みたいに論理的にかっちりしたものじゃなくてファジーで雰囲気的。それがロシアの音楽を分かりづらくしている気がするんだけど、特徴でもあるみたいな。納豆に例えると、豆の部分が美しい旋律で、ラフマニノフの音楽は豆だけ、もしくはドイツの音楽みたいに豆と豆を砕いたものを再構築してできてるんじゃなくて、豆の間には不定形のなが〜〜い糸が引いてる。
演奏は、先に書いたとおり、飽きの来ないものでとても良い演奏だと思うのだけど、欲を言えば、もう少し粘った方が良かったかな。納豆の糸の引き方が足りないというか、旋律と旋律をつなぐもやもやした部分の音楽にもっと粘着力と魅力があればとは思いました。雰囲気で鳴らしちゃうところなので、漠然としてどう演奏していいのか分かりづらいと思うんですけどね。あと、ヴィオラもっと来い!って思うところがときどきありました。

コンサートマスター推しでまとまってる(引っ張られてる?)このオーケストラ(いつもプログラムにコンサートマスターのことが書いてある)、でも、ひとりひとりが音楽を理解して弾いてる気持ちの良いオーケストラのひとつですよね。

アンコールは、「くるみ割り人形」から「松林の情景」。これは、もう少し情感をこめて、心の奥から熱いものがこみ上げてくる演奏の方が好み。バレエもクララと王子の感動的なパ・ド・ドゥだし。あっさり目の表情付けは指揮者の田部井さんの好みなのかな。


♪♪
アウローラ管弦楽団の次の公演は、第13回定期演奏会が5月2日、すみだトリフォニーです。
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by zerbinetta | 2015-01-10 21:29 | アマチュア | Comments(0)

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