ピチピチ! プティ・ヴィオロン誕生!   

2014年11月18日 @大田区民プラザ 小ホール

パーセル:ダイドーとエネアス

鈴木麻由(ダイドー)、平澤巧(エネアス)
清水理沙(ベリンダ、第一の魔女)、福島千尋(魔女)
岡崎陽香(第二の侍女、第二の魔女)、品村紗佑里(精霊)、野村京右(水夫)

佐藤駿太/プティ・ヴィオロン


古楽ブームがあって古楽が広く聴かれるようになっている昨今だけど、アマチュアで古楽器を操る人はまだまだ少ないようです。リコーダーを吹く人はいるような気がするけど、アマチュアの古楽器アンサンブルは、まだほとんどないようだし(オーケストラ・オン・ピリオド・トウキョウが2003年創立、日本で初の本格的アマチュア古楽オーケストラみたいです)。そんな中、新しくピチピチの古楽アンサンブルが誕生!アマチュアと言っても、指揮者を含めて全員音楽大学の学生さんで、音楽家の卵たち。セミプロと言っていいですね。

「ダイドーとエネアス」。イギリスの生んだ大音楽家。ロンドンに住んで初めてロイヤル・オペラ・ハウスで観たオペラがこれだったんだけど、バロック・オペラってなかなか観る機会がないから貴重。東京なんて、バロック・オペラ向きの中くらいのホール多いし、セミ・ステージドでやるのも素敵だからもっとたくさんいろんなのが上演されて欲しいんだけど、まだまだ古楽の裾野は狭いのが残念。

大田区民プラザは電車だと下丸子。昔の目蒲線っていうか目蒲線じゃなくなってたのでびっくり。初めて行きます。会場の大田区民プラザの小ホールは、ホールと言うよりステージのある宴会場と言った感じで、客席はパイプ椅子。オーケストラはもちろんピットではなくて、ステージに向かって右手の客席のスペースを仕切ってありました。こんな会場だけど、何だか熱気があって、若者達が準備している中、少し早めに着いていたのでプログラムを読んでいたんですが、これも想いが溢れていてピチピチ跳ねてる感じ。(多分)中心メンバーのひとり、上田朝子さん(アマチュアと言ってもすでにプロの中でも音楽活動をされている方なので名前を出しています)の書かれた解説+個々のメンバーの好きなシーンの紹介が、熱というか愛に溢れていて、しかも聴き所を的確に教えてくれて(聴いててとても役立ちました)優れもの。

音楽会の始まりを知らせる合図が生演奏というのも素敵。プチ贅沢。
「ダイドーとエネアス」。1時間強の短いオペラだけど、有名なアリアもあるし、物語も音楽もテキパキとまとまっていて飽きさせないというかむしろスリリング。そしてそれを見事に聴かせてくれる演奏。ステージも衣装もとてもシンプルでオペラを観る非日常な豪華さはないけれども、でも十分に目で見る物語と音楽の調和がありました。何よりも全員、変に擦れたところがなくて音楽に対して新鮮な喜びが感じられるの。一期一会の会心の音楽会じゃなかったのかと思います。音楽会を終えたときの満足感と言ったら。終わってホールの外で見送ってくれた出演者の満ち足りた顔も素敵だったけど、むしろわたし自身がめちゃ熱くなってた。

全員のアンサンブルのなせる業だと思うので、個々の人を挙げるのは少し気が引けるのだけど、最後、自分の胸で息を引き取っていくダイドーを見守るベリンダ、大粒の涙で泣いていたのがとっても印象的でした。もらい泣き。完全に世界に引き込まれました。
オーケストラもさすが古楽器を勉強している人たち。安心して音楽に身を任せられます。この人達が、学校を巣立って留学とかして、プロの古楽器奏者になっていくなら、古楽器界の未来は明るい。古楽って古い音楽じゃなくて、全身でワクワクドキドキする新しい音楽でもあるの。ひっちゃかめっちゃかで楽しくてアグレッシヴ。古楽のっていうか、古楽って言うの嫌だわ、楽器の形が整う前のカンブリア紀の生き物のようなアヴァンギャルドな楽器を使った、ルール無用の音楽をロックに演奏する人がたくさん増えて欲しい。古楽はおじいちゃんの盆栽じゃないよ。ってわたしまで熱くなってしまったわ。ちなみに全然関係ないけど、チェンバロを弾いてた方の横顔がユジャ・ワンさんに似てました。

ああ、このアンサンブル、これっきりだったらもったいないなぁと思っていたら、次回の音楽会のお知らせが。やったーー!次回は2015年2月27日、杉並公会堂小ホールです。ダンス付き!フランス。「太陽王の愛した舞踏と音楽」です。絶対、行かなくちゃーーー。

追伸
ぐぐぐぐ。その日、衝動で買ってた別の音楽会があったんだ〜。もちろん、これもものすごく楽しみにしてるんだけど。あああ、体がもうひとつ欲しい。プティ・ヴィオロンさん、3回目あるよね。楽しみにしてまーーーす。
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by zerbinetta | 2014-11-18 21:12 | アマチュア | Comments(0)

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