指揮者の力 第5回音楽大学オーケストラフェスティバル 2日目   

2014年11月24日 @ミューザ川崎

音大オーケストラバトル、じゃなかったフェスティバル2日目。今日は3校。

ファンファーレ
近藤憲太:白のためのファンファーレ
洗足学園音楽大学管弦楽団

中山玲央:コールス
上野学園大学管弦楽団

小田実結子:ファンファーレ
武蔵野音楽大学管弦楽団


今日のファンファーレの中では、小田さんのがとても工夫して書かれていて良かったです。各パートに見せ場あり。こういうのって結構重要ですよね(確かヒンデミットが作曲の教科書で言ってたような)。


ウェーベルン:管弦楽のための5つの小品
モーツァルト:交響曲第35番

下野竜也/上野学園大学管弦楽団


上野学園は、意表を突いて(?)小編成。小さな学校なのかしら。しかもプログラムはウェーベルンとモーツァルトという挑戦的なもの。びっくりしました。意気込みを感じると同時に、モーツァルト大丈夫かしら、なんて心配も。だってモーツァルトって譜面面は簡単だけどちゃんと聴かせるのにはものすごく難しいんだもの。
下野さんは写真で見たことはあったけど、本物は初めて。小柄なのにびっくり。写真では分からないものね。わたしもちびっ子なので親近感。
正直、上野学園は、実力的にはまだまだな感じだけど(この大学だけではなく音楽大学を出てもプロの演奏家として独り立ちできる人なんてほんの一握りだものね)、音楽は素晴らしかったの。それは、ウェーベルンでもそう感じたけど、むしろ心配していたモーツァルトの方でびっくり。「ハフナー」交響曲のピチピチした元気の良い魚が跳ねまわるような演奏。素晴らしいモーツァルト。こんな音楽を学生さんから引き出せるなんて、下野さん、ただ者ではないわ。今度ぜひ、プロのオーケストラでも聴いてみたい。いつか聴けるかしら。


バルトーク:管弦楽のための協奏曲

時任康文/武蔵野音楽大学管弦楽団


武蔵野音大は、バルトーク。協奏曲というだけあってソロイスティックな楽器が随所に活躍する作品。だから、個々の奏者の力量が試される怖い曲。演奏する方は緊張するんだろうな。武蔵野音大のオーケストラは、きらりとした技量はまだないものの無難にソロをこなしていくのはさすが。とても丁寧でまとまりのある音楽でした。ただ、もう少しオーケストラの、指揮者の個性が前面に出たらいいんじゃないかなっては思いました。難しいことだけど、バルトークのこの曲がが持つ複雑な感情に迫っていくものが不足していたように感じました。わたし自身もこの曲からどんな感情を引きだしていいのか、もしくはあっけらかんとオーケストラの音を楽しむのがいいのかよく分からないんですが、演奏には、それに対するひとつの回答を求めたかったです。(ごめんなさい。プロの音楽家に言うべきことですね。でも学生でもそこを目指して欲しいから)


レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」「ローマの松」

秋山和慶/洗足学園音楽大学管弦楽団


休憩2回の充実の音楽会、最後は洗足学園音大。指揮は大物というか重鎮(?)秋山さん。すごい昔、確か東京交響楽団を振っていたのを聴いたことがあります。曲は忘れた。
今日は、レスピーギのローマ3部作から、「噴水」と「松」。これがとても充実した素晴らしい演奏。この学校が今日一番上手かったと思うけど、それ以上に秋山さんの音楽が充実してました。変わったことをしているわけではないんだけど、学生から実力以上のものを引き出していたと思います。それにしても、改めて気がついたんだけど、「松」の「カタコンバ」での弦楽器の刻み。親しんでいたカラヤンの演奏では微妙にずらして雰囲気を出してたんだけど、秋山さんのは縦の線をきっちり揃えて、おお、ビート感のある迫力ぅ!って思いました。ひとつだけ、チンピラの言いがかりのような文句(?)を付けるとすれば、最後のバンダのトランペット、きっとトランペット科の学生さんもっといるんだろうから、ステージ後ろのオルガン席だけじゃなくて会場の四方にたくさん配置して立体的な音響を聴かせて欲しかった。わたしのデフォルトが、前にナショナル・シンフォニーで聴いた、突然後ろからもトランペットが聞こえてきた驚きなので。

終わってみると指揮者の差が出た今日の音楽会。アマチュアのオーケストラを聴いたとき、指揮者の音楽よりもオーケストラ自体の音楽に感想が向いてしまうけど(もちろんそれがアマチュアのオーケストラの意義だし聴く方もオーケストラが主体)、指揮者の意図する音楽をきちんと演奏できる音楽大学の学生のオーケストラでは、プロと同じように指揮者の音楽が表に出ますね。それが今日の発見。面白かった。
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by zerbinetta | 2014-11-24 23:02 | アマチュア | Comments(0)

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