ホルンとはズルイ 第5回音楽大学オーケストラフェスティバル 3日目   

2014年12月6日 @東京芸術劇場

柏木恒希:fanfare
桐朋学園オーケストラ

松尾賢志郎:ファンファーレ
国立音楽大学オーケストラ

ブルックナー:交響曲第7番

高関健/国立音楽大学オーケストラ

サンサーンス:ホルンと管弦楽のための演奏会用小品
ブラームス:交響曲第1番

ラデク・パボラーク(ホルン)/桐朋学園オーケストラ


音大オーケストラバトル、3日目は会場を池袋に移して桐朋学園と国立音大の戦い。
ファンファーレは、両者、ファンファーレという曲名(英語と日本語の違いはあるけど)。わたし的には、いわゆるファンファーレっぽいシンプルな柏木さんのが好みかな。

それにしても音楽会の前半が、ブルックナーの交響曲とは。。。超重量級のプログラムだわん。初めて見る高関さんもちびっ子。指揮台より先に音楽会が始まる前に会場でお見かけしたんだけど、声が、、、バリトンの凄く良い声。惚れちゃう。
ツイッターでフォローしてるんだけど、高関さんは楽譜マニア。できる限り自筆譜や異稿に当たってとても良く研究されてらっしゃる。というのが何となく分かる演奏でした。と言っても、神経質ではないんです。丁寧に楽譜を追って、内声とか絡み合う旋律をふんわりと浮かび上がらせて、ブルックナーの音楽を立体的に描くんですね。ひとつひとつの音符を温かく見つめている目。全ての音に神経が通ってる。でも、オーケストラを強制的にドライヴして自分の音楽を押しつけてるのではないんです。多分、練習の中でとても丁寧に音楽を説明して、理解しながら自発的に弾けるまでに持っていく。国立のオーケストラもとっても上手くて、ただ、でもまだ到達点ではなくて伸びしろが十分あるし、もっとこうしたらいいというのも聞こえる。彼らの音楽会もこのあと同じ曲を含むプログラムで予定されているから、それまでにもう少し完成度を上げていくんでしょう。っていうか、ブルックナーのこの曲って、多分、生涯をかけて求めたい高みなのでしょう。高関さんの演奏、本当に良かったな。プロのオーケストラでもじっくり聴いてみたいです。

後半は、ホルンの神さま、バボラークさんの吹き振りでサンサーンス。おおお!いきなりの反則技。バボラークさんの一吹きで会場の世界が変わった感じ。オーケストラもバボラークさんの魔法にかけられて上手に付けてるんだけど、それ以上にバボラークさん。世界の全てがバボラークさん。これにはやられた。今日のオーケストラバトル、桐朋学園の反則勝ちだよ。ホルンの吹き振りって初めて聴いたけど、まあもう言葉が出ない。完璧なテクニックに多彩な音色。金管楽器の輝かしい、でもちょっとふっくらしたばりばりと鳴る音に、木管楽器のようなフェルトのような柔らかな音。もうこのまま、バボちゃんのリサイタルでいいよぉ。ソリスト・アンコールにメシアンの「恒星の呼び声」やってーって思ったけど、もちろんやらず。一応(?!)オーケストラが主役ですものね。
後半の後半は、指揮者バボちゃんでブラームスの交響曲。2楽章のソロとか、4楽章でホルン吹いてくれないかなぁと念じつつ、さすがにそんなことはないです。指揮者としては、技術的には、残念ながらホルニストのレヴェルには達していないんだけど(ホルンなら間違いなく世界のトップ・レヴェル)、それでもオーソドックスに真っ直ぐ攻めてくるブラームスには好感。というか、学生を音楽の渦に引き込んでくる手腕はさすがカリスマ。そして、オーケストラも上手い。さすが、有名音楽家を多数輩出している桐朋学園って感じでした。

終わってみれば良くも悪くもバボラークさんに持って行かれちゃった音楽会でしたけど、ふたつの大学ともとっても上手くて良い音楽を聴かせてくれたので、満足度高かったです。はああ、疲れた(メイン曲2曲は結構キツイ)。
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by zerbinetta | 2014-12-06 22:26 | アマチュア | Comments(0)

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