若い?いや老練です ユーゲントフィルハーモニカー第9回定期演奏会   

2015年3月21日 @すみだトリフォニー

シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
ブラームス:交響曲第3番
バルトーク:オーケストラのための協奏曲

三河正典/ユーゲントフィルハーモニカー


去年、マーラーの交響曲第9番の演奏を聴いて、若者のオーケストラなのに凄〜いとびっくりしてしまったユーゲントフルハーモニカー、今年も聴いてきました。ユーゲントフィルってユーゲントって名前に付いてるのにユース・オーケストラではないのだけど、元々は高校生の選抜オーケストラのOBが集まったオーケストラで、結成から10年たってもまだ若〜い。平均年齢20代?って見た感じ。いろんな世代の人で構成されてる歴史のあるアマチュア・オーケストラも好きだけど、若者のオーケストラも好き。刹那のきらめきがあるし、何よりも若いエキスがだ〜い好き♥

そんな若いオーケストラなので、今日の演奏曲目の中では、若いシュトラウスの出世作、「ドン・ファン」が一番オーケストラにぴったりと思ったのですが、軽く裏切られました。まだ、固かったのかな〜。若者の素直な直線的な演奏が、若書きなのに爛熟したシュトラウスの艶めかしい音楽に合わなかったというか。エロ小説を学級委員長が無表情で朗読する感じ、と言ったら極端すぎるけど、もっとエロ成分が、と思うのは嫌らしい大人の意見かしら。

で、予想に反して良かったのは、枯れた作曲科の代表ブラームスの交響曲第3番。いや、ブラームス枯れてないって。ブラームスの交響曲第3番ってブラームスの交響曲の中で一番演奏するのが難しそう。確かこの間、他の指揮者の人もそうおっしゃっていたし、後ろで細かい音符で動いていたり合わせるのが難しそうだったり。だから、どうなるかなって思っていたら、良い。そうだった。このオーケストラ、若者だからって侮ってはいけなかったんだ。三河さんのバトンの元、老練なマーラーを聴かせてくれたんだった。三河さんの音楽をとても良く体現してる。このオーケストラの良さは、音楽の方向に統一が取れてること。みんなが音楽をよく知っていて同じ音楽を奏でてる。とてもよく練習しているのが分かる感じ。ブラームスは、枯淡の境地の演奏ではないけど、っていうかブラームスってもっとロマンティックな熱い人でしょ、少なくとも形式主義者じゃない、適度に勢いと熱があってとても魅力的な演奏。エロはないけどクラスの人気者が味わい深く朗読しました。

それに輪をかけて良かったのが、バルトーク。細かな表現で、わたし的には疑問に思うところもあったけど、みんながきちんと丁寧に演奏して良かった。では済まされない演奏。まず、オーケストラの音色がいい。銀色にざらざらしてて、心を擦ってくる。そして、もの悲しさ。バルトークの気持ちがそのまま音楽になったみたい。この曲って、そんなこと全部取り払って、オーケストラのヴィルトゥオーゾとしてあっけらかんと明るく演奏することもできると思うけど、今日の演奏は、なんか若者らしい生真面目さでバルトークの孤独を表現していたと思います。そういえば、ショスタコーヴィチの交響曲第7番を茶化すところ、そうではなくて、ショスティの音楽が意味しているところ、ナチスを非難しているんじゃないかって思えました。これはわたしにとって大発見(あとでネットで調べてみたらそういう解釈もすでにあったんですね。知らなかった)。なんかかっこよかったし、心にもずんときました。前の学校ではギラギラとツッパってた転校生がクラスになじめず愛想をふるものの孤独の気持ちは癒やされない感じ。

アンコールはブラームスのハンガリー舞曲第6番。うん、今日はハンガリアン。シュトラウスが惜しいい。リストか誰かにしておけば良かったのに。って違。

このオーケストラすごくいいです。音楽会は年に1回みたいだけど、来年もきっと行く。行きたい。


♪♪
ユーゲントフィルハーモニカーの第10回定期演奏会は、来年2016年3月12日、すみだトリフォニーです。
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by zerbinetta | 2015-03-21 01:47 | アマチュア | Comments(0)

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