またまた新星 17歳 山崎亮汰、大井剛史/シティフィル   

2015年7月18日 @ティアラこうとう

ムソルグスキー:歌劇「ホヴァンシチナ」より第1幕への前奏曲「モスクワ川の夜明け」
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
ブラームス:交響曲第1番

山崎亮汰(ピアノ)
大井剛史/東京シティフィルハーモニック管弦楽団


シティフィルさんのティアラこうとう定期、今日は大井さん。
でもその前に、わたしは苦言を呈したい。室内楽をナメたらあかん。いつも開演前にロビー・コンサートをやってくれるんだけど、お願いだからもっと練習して準備して。前回は、クラリネットのソロが活躍する曲だったので個人技で聴けたけど、今日の「フィンランディア」弦楽合奏版は、弾けてない。多分、毎回、順繰りにメンバーを決めてやってるんだと思うんだけど、(難しい曲じゃないから)ささっと合わせただけで弾いちゃう感じかなと想像するんだけど、室内楽のアンサンブルってオーケストラ合わせるのよりはるかに誤魔化しがきかなくて難しいと思うんです。どうか人に聴かせるものやるんならそれなりの準備はして下さい。サーヴィスだからテキトーでいいなんてどうか思わないで。
でも、本番はいいんですよ。わたし的には大好きなオーケストラ。だからそのギャップがねーー。

始まりは、ムソルグスキーの「ホヴァンシチナ」の前奏曲。静かな音楽で心にしみ込んできます。大井さんの音楽は、とても自然で、力みがなくとても美しいんです。音楽で何かを主張してやろうみたいな恣意的なところがなくて(多分そういうところは好き嫌いがあると思うんだけど)、作曲家によって書かれた楽譜の音楽を裏を読むことを排してそのまま音にした感じ。音楽だけで美しい。

プロコフィエフのピアノ協奏曲は、山崎亮汰さんのソロ。今回初めてその存在を知ったんだけど、ピティナ・ピアノコンペティションというコンクール(日本)で昨年、特級グランプリをとった方。なんと現在高校2年生。名前を聞いたことのない人だし(当たり前か)、あまりたいしたことないだろうなんて失礼なことを思っていたら、とんでもない。予想をはるかに超える素晴らしさ。左手の強さとスウィングするようなリズムが、メカニカルな音楽に初めて聴くようなユニークなうきうき感を加えていて素晴らしい。プロコフィエフをこんなに楽しげに演奏するなんて。反面、叙情的な部分は、まだ覚醒していて、これが夢の世界に入ればもっといいのにとは思いました。昼のしがらみから解き放たれた夜の音楽に。でも、この人、前に聴いた牛田さん(と同年代)と共に、スタイルは違うけど凄い才能。これから、技術的にも精神的にも音楽を深めて世界の第一線で活躍するピアニストになって欲しい、というか絶対なれる。親戚のおばさん目線で温かく見守りたい。
ソリスト・アンコールは、スクリャービンのエチュードから「悲愴」。よく弾いている曲なのでしょうか。自信に溢れた演奏でした。

最後のブラームスは、とても自然体というか、明るい爽やか系。ベートーヴェン的な闘争から勝利へみたいな図式ではなく、最後、大らかな自然の中に解放されてハッピーエンドがもたらされるブラームスの時代に合った((市民社会の)闘争よりも成熟の)解釈の音楽でした。第4楽章の晴れやかで気持ちの良いこと。ブラームスが茶渋系なんて誰が決めた?イケメンなんだよー彼は。恋するブラームス。いや、ブラームスに恋するだわ。そして、大井さんとシティフィルも相性良さそう。大井さんとシティフィルは特別な関係には、ないみたいだけど、ぜひ、相思相愛になって良い演奏をこれからも聴かせて欲しいな。
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by zerbinetta | 2015-07-18 23:27 | 日本のオーケストラ | Comments(0)

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