途中で全員入れ替わった アジア・オーケストラ・ウィーク 児玉/大阪交響楽団   

2015年10月7日 @オペラシティ タケミツメモリアルホール

リスト:交響詩「オルフェオ」
ワーグナー:序曲「ファウスト」
ブルックナー:交響曲第9番

児玉宏/大阪交響楽団


アジア・オーケストラ・ウィーク。アジアの普段滅多に聴けないオーケストラが聴けるとあって楽しみにしていたくせにすっかり忘れてしまって、直前にチケット・プレゼントがあって応募したら当たったので聴きに来ました。今年は、大阪交響楽団(ごめんなさい、中国と韓国のオーケストラ。児玉さんをぜひ聴いてみたかったの)。久しぶりのタケミツメモリアル。

大阪のオーケストラ事情を全く知らないので(東京もようよう飲み込めてきたくらいです)、大阪交響楽団がどんなオーケストラか知らないのですけど、堺のオーケストラのようですね。堺というと秀吉の前の戦国時代日本の経済・文化の最先端都市ですね。大好きなくるみ餅がある町。

プログラムは、リスト、ワーグナー、ブルックナーと後期ロマン派爛熟の音楽。ただ、前半の2つは、あまり演奏されない作品。リストの「オルフェオ」は、ハープが指揮台の前。ハープ活躍の曲ではあるんだけど、せっかくハープを目立つところに持ってきたのに、もっとオーケストラを圧倒するくらいに(バランスを崩してでも)弾かせて欲しかったかな。その方が、演奏効果上がると思うんですね。リストの過剰。
ワーグナーの初期の作品(歌劇のじゃなくて演奏会用序曲)もなんかちょっと魅力がないというか、前半の2曲が、あまり演奏されないというのは言わずもがななのかと妙に納得する反面、期待してた(絶賛される方が多かったので)児玉さんってこんなものなのかという疑問も生じて。オーケストラも正直ぱっとしなくて大丈夫なのかと。曲のせいかとも思ったけど、曲の弱点を超えて素晴らしい演奏をする音楽家さんだっているし、大阪交響楽団の活動のひとつのキモってあまり演奏されない音楽も積極的に採り上げるってことらしいから、こういう曲の演奏になれていないわけではなさそうだし。もやもやしながら前半が終わりました。でも、ここでちゃぶ台がえして帰らなくて良かった。

後半のブルックナーは多分、児玉さんの勝負曲。ブルックナーの交響曲を採り上げてきて、とうとう、最後の第9番でその集大成を迎えるという。前半の演奏から凄く心配したんだけど、えええっ、人が変わったの?指揮者をはじめオーケストラの全員が入れ替わってしまったような音。姿形は同じだから魂が入れ替わった?いえ、前半は魂が抜けてた腑抜け?
もうこれが素晴らしかった。悠々としていて何かを仕掛けてくるわけではないんだけど、ブルックナーの音楽だけが聞こえてくるの。演奏効果を敢えて狙ったところがないのにじっくりと聴き入ってしまう集中力が凄い。表情の付け方で、はっと思ったのは、第1楽章の終わりの方の弦楽合奏で静かに奏でられる3連符。なんか、静寂の世界に魂がすうっと引き込まれてしまう感じ。他の部分でも3連符の扱いになんかこだわりがあるなって思いました。これなら、みんなが絶賛するのに納得。もちろんわたしも絶賛。最後の間際のホルンの音(とちってしまった最後の弱音の伸ばしではなくて、その前のフォルテのニュアンス)にちょっと隙があったのが玉に瑕。ミスではないだけに残念。これがなければ超名演だったんだけどな。でも凄いもの聴いた。わたしのブルックナー超名演リストに入れるかどうか悩むぅ。
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by zerbinetta | 2015-10-07 13:21 | 日本のオーケストラ | Comments(0)

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