わたしの名演ノート P.ヤルヴィ/N響   

2015年10月24日 @NHKホール

トゥール:アディトゥス
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
バルトーク:管弦楽のための協奏曲

みどり(ヴァイオリン)
パーヴォ・ヤルヴィ/NHK交響楽団

ミドリさんって海外(USとかヨーロッパ)では、midoriの表記なんですけど、日本では名字が付いて五嶋みどりになるんですね。不思議〜〜。
ということで(?)、またパーヴォさん(もう兄ビーとは言えないな)とN響。+みどりさん。以前のN響をよく知っているわけではないけど、パーヴォさんが来られてN響がずいぶん変わっていく(良い方に!)感じを、周りからもわたし自身もひしひしと感じていて、外すことができない注目の音楽会(そう言う割にサントリーの方には不参加なんですが)。

始まりのトゥールさんは、パーヴォさんと同郷のエストニアの作曲家。プログレッシヴ・ロックから音楽活動を始めたそう。ううむ。カラフルで聴きやすい音楽だと思ったけど、1回聴いただけでは、何も残らなかった、かな。リンドベルイさんとかサロネンさんとか、北欧系の作曲家に流行りなのかしら、こういう感じの音楽。その中で、際立つというか頭が抜けるのは大変みたいかも。よく分かってないのに言うのも何ですけど。。。

みどりさんをソリストに迎えたショスティのヴァイオリン協奏曲、予想通りのピンと張り詰めたエッジの効いた演奏でした。わたし、実は、みどりさんが苦手なんですね。ものすごくいいのに、良すぎて、苦しいんです。集中しすぎて息ができなくて窒息してしまう感じ。神経が研ぎ澄まされすぎて鋭利な刃で、いい加減なわたしが切り刻まれてしまう。ショスティの協奏曲だと、中間のパッサカリアはそれが凄くいいんだけど、第1楽章の愚痴には真面目すぎるし、最後はもっとはっちゃけて音量とグラマラスさが欲しかったです。みどりさんは鬼神のようにのめり込んで弾いてたけど、少し潤いがあればって思いました。彼女の特徴のホールを鳴らす弱音(最弱音なのにホールから響いてくる!それもNHKホール!)は健在で、もうこれには参りましたと言う以外に言葉がない。苦手だけれどもやっぱり凄いヴァイオリニストだわ。パーヴォさんとN響は、みどりさんに添って音楽を付けて、みどりさんにのせられた感じもしてとても良かったです。活躍するティンパニも素晴らしかったです。この曲は、カヴァコスさんとかサラ・チャンさんとかいろんな人で聴いてきたけど、みどりさんのもわたしの名演ノートにしっかり記録されたのでした。

バルトークの管弦楽のための協奏曲も輪をかけて素晴らしかったです。各楽器がソロも合奏も含めてしっかりとコントロールされつつ、自発性を伴った音楽で、今のN響の好調ぶりを遺憾なくアピール。インターナショナルで(N響は日本ドメスティックなオーケストラなのに)、バルトーク訛り(ついでに日本訛りも)は聴かれないけど、バルトークの書いたスコアをパーヴォさんのレシピで丁寧に音にしたら、自然に作曲家の心情までもが音楽に立ち現れた名演。後ろに回ったときの弦楽器の絶妙なニュアンス。聴いたことのないそして記憶に刻まれるオケコンでした。この曲のひとつの理想的な演奏ではなかったかしら。哀しみでもない、スポーティなヴィルトゥオーゾでもない、ものすごくスッキリとした感動。あらゆるものが悲しみさえも昇華され純化されて心臓を包みました。





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by zerbinetta | 2015-10-24 20:54 | 日本のオーケストラ | Comments(0)

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