コバケンは特別 上原彩子、小林/日フィル   

2015年8月7日 @ミューザ川崎

グリーグ:ピアノ協奏曲
シベリウス:交響曲第2番

上原彩子(ピアノ)
小林研一郎/日本フィルハーモニー交響楽団


コバケンさんを聴くのは初めてです。コバケンさんには熱烈なファンが付いていることは知っています。炎のコバケンとかと評されて熱い音楽をする人だということも。でも、ひねくれ者のわたし、皆が熱狂すればするほど引いちゃうのですね。というわけで、ファンの人たちには失礼だけど、1回くらいはコバケンさんを聴いておこう、くらいの気持ちで、ちょうど1回は参加しておきたいサマーフェスティヴァルに出演されるので聴きに来ました。リハーサルも付いてお得。

リハーサルの様子についてはとやかく書く気はないのだけど、始めにシベリウス、それからピアニストの上原さんとのグリーグでした。軽く流すように通しながら(全曲通したわけではありません)、ところどころ止めてコバケンさんが注文を付けるんだけど、とても丁寧な言葉遣いで、へりくだってお願いするみたいな感じ。もう少し威圧的な方かと思っていたら全然違ってびっくり。あっそうそう、シベリウスのあとにアンコール曲のリハーサルもあったんだけど、ここでネタバレ。え〜あ〜こんなぁ〜。私服姿の上原さんは、さばさばしたカリスマ主婦みたいな感じの方。何でもテキパキとこなしそうで凄くかっこよいの。斜に構えた感じも魅力的。

本番は、グリーグの協奏曲から。上原さんって、音楽大学に行っていないという変わった経歴の持ち主なんですね。チャイコフスキー・コンクールで優勝したというだけあって、重く力強いタッチで北欧のグリーグの協奏曲の音にピッタリ。小技や外連を排した上原さんの正面から音楽にぶつかっていく感じも好感度高いです。落ち着いた大人の演奏。今度はブラームスとかベートーヴェンとかも聴いてみたいです。演奏が終わったあとすぐの、大きな声じゃなかったけど、いわゆるフライングブラヴォーがあったんですけど、声の主はコバケンさん。上原さんにブラヴォーの声をかけていました。

コバケンさんのシベリウスは。。。コバケンさんに熱いファンがついていることに納得させられた演奏。シベリウスの音楽とは距離があると思うんだけど、炎のコバケンと言われるのが少し分かった。熱烈にロマンティックに粘る温度の高い演奏だもん。シベリウス的にはこれじゃない感が漂うけど、音楽としてその濃度に納得させられる。コバケンさんの音楽会はひとつひとつが特別なものなんだろうな。オーケストラを時間をかけて鍛えて自分の音楽を作っていくのではなくて、今ある材料で音楽を燃焼していくタイプ。燃え残りがないほど完全燃焼させる。だから、どこかのオーケストラの監督になるよりも客演してひとつの音楽会で燃え切ってしまう演奏を求めているんだ。そういう意味でコバケンさんは特別。彼の音楽にはまったり、はまらなかったり好き嫌いの振幅の激しい人だと思う。曲目によっても違いは出そう。わたしは。。。年に1度、カップヌードルが食べたーーーいって思うくらい、たまには怖いもの聴きたさで聴いてもいいかな。上から目線だけど。

アンコールには、ドヴォルザークのユモレスクを弦楽合奏版で。この曲を生まれてから死ぬまでの人生に例えて解釈するというトンデモ解釈なんだけど、リハーサルのとき種明かしされていて、本番はどうするのかなと思ったら、説明して音楽を始められました。まあなんというかフリーダムというか開いた口がふさがらないと言うか。でもコバケンさんだから許されるっていう感じもあるのよね。

日フィルは、あまり聴いたことがなかったんだけど、今日のコンサートマスターは、千葉さん、チェロのトップに辻本さんの若いピグマリオン・コンビ。オーケストラが予想以上に上手いのに嬉しいびっくり。音楽をよく知っていたし、これからもっと聴いていこう♫まずは定期会員になろっかな。定期会員だとずいぶんお安くなるのよね。
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by zerbinetta | 2015-08-07 15:59 | 日本のオーケストラ | Comments(0)

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