創立60周年 ただ今絶好調 新交響楽団第232回演奏会   

2016年1月24日 @東京芸術劇場

芥川也寸志:交響曲第1番
エルガー:交響曲第2番

湯浅卓雄/新交響楽団


新交響楽団、絶好調でした。
新交響楽団の創立60周年演奏会その1です(今年がその年なので、今年の音楽会の分、その4まであります)。曲目は、新交響楽団の創立に深く関わっている芥川の交響曲となぜかエルガーの交響曲第2番(第1番に比べて滅多に演奏されない曲ですけど(ロンドンの4年間で1回も聴かず)、なぜか日本のアマチュア・オーケストラで2回目です。第1番は1回なので日本では2番の方が人気?)。プログラム冊子には、新交響楽団の創立時の歴史を振り返る興味深い座談会が掲載されていました。今から思うと隔世の感ですね。労音とか。

今の新交響楽団に芥川を直接知っている人がどのくらいいらっしゃるのか分かりませんが、オーケストラのDNAとしてこの交響曲(約20年ぶり、4度目の演奏だそう)の演奏には特別な思いを感じるのかも知れません。
1954年(29歳)作の交響曲第1番は、3楽章はちょっぴりショスティ、4楽章はばっちりプロコフィエフ風のとても分かりやすい音楽。彼らの影響を強く受けていると言っても充実した力作。似てると言っても安易な真似ではなく、音楽が作曲家の血になってる。そしてその血は、オーケストラにも流れている。もちろん、オーケストラの皆さんはどんな曲にも真剣に取り組むと思うんだけど、芥川の曲は、チェコ・フィルが「我が祖国」を演奏するのと同じようなルーツを新交響楽団の演奏に感じさせるんです。染みついているもの。財産ですよね。湯浅さんも戦後日本のオーケストラ作品をたくさん演奏している方で、迷いのない指揮。オーケストラと作品との親和性や熱のこもった演奏と相まってこの曲の魅力を存分に引き出してくれました。若書きの作品って筆の走りが大切で、熱く演奏されてこそ、な感じがします(マーラーの最初の交響曲とか)。とても良い意味で新交響楽団のアマチュアリズムが生きていました。わたし、新交響楽団って下手したらプロ並みの演奏をするオーケストラだと思ってるんだけど(昔の地方オーケストラのレヴェルくらい)、温度の高い迸る音がアマチュアならではの音のように思えて、それが今日は聴かれて(このオーケストラを初めて聴いたとき、芥川の別の曲もあったんですけど少しおとなしく感じました)嬉しかった。このオーケストラ、今、絶好調というか旬な感じがしました。

エルガーの交響曲第2番は、わたしにはうねうねと何かつかみ所のない音楽。なので、シンフォニックな音を楽しむという聴き方なんですけど、オーケストラが十分上手くて音がちゃんと開放的に解き放たれているのですかっとしました。ひとりひとりが情熱を持って音楽を弾いてるので、ほんと、下手なプロのオーケストラを聴くよりずっと好き。残念ながらプロのオーケストラってときどき弾いてる音楽を分かってない人がいるのよね。プロを聴くからこそ耳がとんがって厳しい聴き方になるからかも知れないけど。

60周年の記念年で、特別な思いのある新交響楽団、次も楽しみです。こういうのほど聴いた方がいいと思うのよ。


新交響楽団の次の音楽会は、創立60周年シリーズ2、第233回演奏会が4月10日、東京芸術劇場にて、飯守泰次郎さんの指揮でマーラーの「復活」他です。
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by zerbinetta | 2016-01-24 23:41 | アマチュア | Comments(0)

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