魅惑のボンレスハム 会田莉凡、高関健/シティフィル   

2016年2月11日 @ティアラこうとう

バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番
プロコフィエフ:交響曲第5番

会田莉凡(ヴァイオリン)
高関健/東京シティフィルハーモニック


定期会員になった東京シティ・フィルのティアラこうとうマチネ(全4回)、今日が最終回です。このティアラこうとうシリーズ、安いし、来シーズンはプログラムもとても良いので更新しようと思っていたら、他のオーケストラの定期と丸かぶり。しかも振り替えできない回で。。。もうがっかり。。
あ、気を取り直して。今日は、ウマの合う高関さんと、聴いてみたかった莉凡さんが出るのですご~く楽しみだったんです。もう待ち遠しかった。

莉凡さんはまだ聴いたことがなかったんですけど、シャネルのピグマリオン・アーティストに選ばれていたり、お噂はそこここから漏れ聞いていたのです。そしてブログ。タイトルが「ボンレスハム工場」なんです。本人曰く、食べるのが大好き。でむっちりしたところがボンレスハム?ご自分でそうおっしゃるところが素晴らしい。

始まる前に高関さんからお話があって、莉凡さんがやんちゃだったこと(音楽の話です)など暴露されたり、バルトークの協奏曲、ヴァイオリンをやっていた高関さんも弾いたことのある思い出深い曲であること、などを話されました。高関さんのお話は要点を掴んでいてとても分かりやすいですね。

莉凡さん、この曲を音楽会で弾くの初めてかしら?分かんないけど。丁寧な演奏ですっきりとインターナショナル。その分バルトークの灰汁みたいな民族性、取っ付きにくさが中和されているんですけど、4分音まで素人のわたしでも聴き取れたくらいのクリアさで弾いたのはお見事。わたしとしては、オーケストラで見事にサポートした高関さんにも言えるのだけど、上手くまとまりすぎていて、もっとやんちゃな面が出てくるとより面白かったのにって思いました。若いから冒険できないんじゃなくてはちゃめちゃでもいいから殻を破って欲しかったです。
莉凡さん、ソリストとして非凡なんですけど(韻を踏んでみました♫)、室内楽をやったりゲスト・コンサートマスターの席に座ったり、なんでも好きみたい。将来的には、ソリストとしてではなく、超一流のオーケストラのコンサート・マスターとしてオーケストラをリードするのが向いているのかも知れませんね。超一流のオーケストラのコンサートマスターって、下手すればソリストよりずっと上手いし、ソロ活動をする機会も多いしね。もう活躍し始めてるけど、これからの活躍が楽しみです。まずは、ヨーロッパか北アメリカに行け~~。

後半のプロコフィエフは、わたしにはちょっと整理されすぎてプロコフィエフらしさが薄まっていると感じました。高関さんの音楽は、楽譜マニアっぽいツイートから察せられるように、音楽をとても丁寧に分析してそこから組み立てていく姿勢にいつも敬服しているのだけど、プロコフィエフではそれが裏目に出ちゃった感じ。クリアにいろんな音が聞こえてきて、面白いことにショスタコーヴィチ風に聞こえました。プロコフィエフってわたし的には、いろんな音がかたまりになって聞こえてきて、どろどろの坩堝のような音楽だと思うんです。サイケデリックというか、なんかよく分からないけど凄い、みたいな割り切れないところが魅力だと思うんですね。粗いタッチで描かれた厚塗りのゴッホの風景画のような味わいが魅力で、風景を4kハイビジョンで写し取ったような細部まで鮮明な音楽ではないんじゃない、というわたしの考えを宗旨変えさせるだけの説得力はなかったです。惜しいなぁ。
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by zerbinetta | 2016-02-11 20:45 | 日本のオーケストラ | Comments(0)

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