自然と人間 ヤンセン、P.ヤルヴィ/N響   

2016年2月13日 @NHKホール

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
ニールセン:交響曲第5番

ジャニーヌ・ヤンセン(ヴァイオリン)
パーヴォ・ヤルヴィ/NHK交響楽団


兄ビーとN響、前回のブルックナーに引き続いて、今度はブラームスとニールセン。ニールセンの交響曲がもう楽しみ。あの小太鼓をどう処理するのか興味が尽きません。そして、前半にはヤンセンさんの独奏でブラームスの協奏曲。ずいぶん前に、ヤンセンさんが弾くこの曲を聴いたことがあるんだけど、わたしとはどうもそりが合わなかったみたいで。。。でも、そのあと聴いた、シマノフスキの協奏曲はもう、これ以上のものは考えられないと思ったほど素晴らしかったので、今日のブラームスは、日本語でリベンジって言うの?、そんな仕切り直しみたいな気持ちで聴きました。

でも、そんな思いは霧と消えて、ヤンセンさんのブラームスとても良かったんです。前に感じた違和感はなんだったんでしょう。ヤンセンさんの演奏は力みがなくとっても自然。さりげない歌があって、でも、細かいところまでしっかりと目が行き届いていてステキなの。キラキラしない伸びのある音色もとってもきれい。すうっと爽やかに広がるブラームスの青空。ブラームスって暗いとか渋いって言われるけど、透きとおった声で歌われる演奏もいいよね。パーヴォさんとN響は、ヤンセンさんに合わせてパーヴォさんカラー控え目のストイックな、でも時折ドキリとするようなアクセントで伴奏していました。でも、ごめんなさい。わたしの耳はヤンセンさんに釘付けであまりオーケストラを聴いてなかったかも。
ヤンセンさんのアンコールのバッハの無伴奏も同じ路線。爽やかに話すように歌う、清涼飲料水のような喉ごし、耳ごし。もっと聴いてみたいな。

後半のニールセンの交響曲。わたし的には、重箱の隅というか真ん中をつつくように小太鼓の狂気に注目しちゃいます。この小太鼓聴きたさにこの曲聴くし、この小太鼓で演奏の価値が決まっちゃうくらい。で、今日の演奏。すっごーく良かった。パーヴォさんの自信がみなぎっていたし、外から介入してくる余計な音楽(例の小太鼓!)のぐちゃぐちゃ度もかくありなん(もうひとりのパーヴォさんがじゃまをしているみたい)。それに、クラリネットの人が、あの弱音が、素晴らしすぎ。N響にこんなに吹ける人いたのかとびっくり(ちょっと失礼)。
第4交響曲と共に戦争の蔭のある音楽。対立と和解を暗示するような小太鼓とオーケストラ。オーケストラの感動的な歌に引き込まれるように小太鼓のトレモロが走るところがめちゃ好きなんですけど、激しい対立も和解を生み出す希望があるんですね。小さな芽が育っていって全てを包み込み和解する懐の深い自然。破壊を繰り返す人間もいつか自然のように和解を生み出す存在になれるのでしょうか。パーヴォさんの答えは多分イェス。音楽の力を信じ切った演奏からは、破壊から立ち上がる希望を強く感じました。きちんと破壊や狂気が示されてこその確信に満ちた希望。N響もパーヴォさんの棒に応えてほんとに良い演奏でした。すでに、今年のベスト音楽会候補です。
パーヴォさんとの蜜月の間に、ぜひ、ニールセンの音楽をたくさん採り上げて欲しい。ニールセンの名演をたくさん聴かせて欲しい。マーラーいいから、ニールセンやってーーー。
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by zerbinetta | 2016-02-13 21:55 | 日本のオーケストラ | Comments(0)

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