火照りそう メルクル/新日フィル フランス音楽の粋   

2016年4月22日 @すみだトリフォニー

プーランク:「牝鹿」
フォーレ:「パヴァーヌ」
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」全曲

栗友会合唱団(栗山文昭)
ジュン・メルクル/新日本フィルハーモニー交響楽団


実はひそひそ話、わたしは新日フィルが嫌いです。新日フィルを聴きに行くくらいならアマチュアのオーケストラを聴きに行った方がマシ、と悪態をつくくらいに(しかも新日フィルの定期公演のチケットは都内のオーケストラでは高い方)。わたしの、評価の基準は上手い下手ではありません。みんなが音楽をきちんと(分かって)演奏しているか、なんです。今まで聴いた新日フィルは、音楽をいい加減に演奏しているのをそこここで感じたので受け入れられなかったんです。でも、新日フィルの音楽会を良いと評価する人もたくさんいて、わたしも2回3回聴いたくらいで悪口言うのも大人げないなと思い直して、今回3回聴いてみることにしました。「ダフニスとクロエ」(全曲)とか「涅槃交響曲」とか聴きたい曲がプログラムに上がってるしね。これでダメだったら、もう三行半を付けるって息巻いて(えらそーに。上から目線でごめんなさい)。

今日は、メルクルさんの指揮でフランスもの。メルクルさんってフランス人じゃないけど、フランスもの得意。メルクルさん好き♡というのを再発見したのでした。
プログラムは、「ダフニスとクロエ」のことしか頭になくて、最初の曲が始まったとき、プーランクの曲だとは思うけど、、、初めて聴く曲かしら、と思っていたら「牝鹿」は、前にアマチュアのオーケストラで聴いたことがあったんですね。すっぽり忘れてました。
「牝鹿」については辛口です。なにせ、三行半を突きつけるつもりで聴きに来たのですから。耳がささくれたってます。ごめんなさい。オーケストラのせいばかりとは言えないんですけど、管楽器の音が分離せずにお団子のようになって3階席には聞こえてきて、ちょっと重くてお洒落じゃないなぁ。渋滞したパリの道路。プーランクの音楽って軽妙洒脱というか、とおってもお洒落でスマートだと思うんですよ。トップ奏者たちは、わりとお洒落に弾いてる感じなんですけど、後ろで支えてる人、特に和声をになってる金管楽器とかが生真面目に(音を保って)吹いていて、抜けるところが抜けずに重くなってる感じなんですね。

合唱が入った「パヴァーヌ」は、オーケストラの後ろに人が立ったせいか、管楽器のお団子は少し改善されたみたいです。美しい音楽が美しく演奏されたのですが、わたしはフォーレの独特の倦怠感がやっぱり苦手だな、と思い出しました(フォーレの音楽を倦怠感で片付けるところがもうフォーレ知らずを告白していますね、きっと)。

休憩のあと、いよいよ「ダフニス」全曲。第2組曲が有名でよく演奏されるけれども、全曲でも50分程度だから、合唱が入ってコストがかかるけど、もっと演奏されて欲しいなぁ。
メルクルさんは、気合い十分。指揮台を枠一杯に縦横無尽に動きながら、オーケストラをリードし鼓舞していく。オーケストラもそれに応えて、力のこもった演奏。その分、柔らかな光の繊細さは少し後退して(それでも、十分素晴らしかったと思う)、荒っぽさ、ワイルドさが出てきたんだけど、それが、ぐいぐいと進むように指揮された、第1部の「グロテスクな踊り」とか第2部での「戦いの踊り」でとても効果的で活き活きとした演奏を生み出していました。ヴォカリーズの合唱もオーケストラの楽器のように、雲のように同じ雰囲気を作っていて良かった。切れば熱い血の迸り出る熱血のラヴェル。ヴィヴィッドで荒い筆遣いの音楽。アンニュイな午後がいっぺんにエッジの効いたシャープな光りの渦に巻き込まれました。わたしもメルクルさんに熱血指揮されたいなぁ。メルクルさんの音楽やっぱり大好き♡

というわけで、三行半は保留です。次回も良い音楽を期待しています、新日さん。


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by zerbinetta | 2016-04-22 18:58 | 日本のオーケストラ | Comments(0)

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