フレッシュ ピリオド・スタイル! オルケストラ・クラシカ第4回定期演奏会   

2016年4月23日 @トッパンホール

ハイドン:交響曲第85番「王妃」
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番
モーツァルト:交響曲第40番

渡辺美穂(ヴァイオリン)
大森悠/オルケストラ・クラシカ


惑星のあとは、トッパンホールでオルケストラ・クラシカ。大阪フォルのオーボイスト、大森さんの下に集まった東大オケ出身者(大森さんもOBで東大から音楽家になってます)を中心にしたアマチュアの室内アンサンブル。大森さんの元同僚の渡辺さんがゲスト・コンサートマスターをしていて、今日はソリストとして登場。オーボエ吹きの指揮者というと、東京シティ・フィルの初代音楽監督、というかタモリ倶楽部でヘンな指揮者として有名になった、というかヴァイオリニストの宮本笑里さんのお父さんの宮本文昭さんを思い浮かべるという脱線は置いておいて、大森さんは、練習で音楽の表情をオーケストラに伝えるのためにオーボエで吹いちゃうほどの人(オーケストラのサイトから)。さて、どんな音楽を聴かせてくれるのでしょう。実は、失礼ながらあまり期待していなかったんだけど、これがびっくり嬉しい、とてもステキな音楽会だったのでした。

音合わせを聞いたとき、あっ!このオーケストラ上手いって予感がしたんですけど、「王妃」を聴いてその予感が正しかったことを確信。小さな編成(第1ヴァイオリンが7人)のオーケストラなんだけど、しっかり音が出てるし、弦楽器は前から後ろまでみんな上手そう。それをベースに大森さんが自在に音楽を作るのだけど、反応もいいし、とっても音楽がこなれてるの。そしてどうやら、表現はピリオド系。もちろん、現代楽器のオーケストラだけど、アクセントの付け方とか、ピリオド・スタイルの成果を採り入れてる。古典がレパートリーの中心の室内オーケストラの思い切った割り切り方がステキ。それから、メンバーが若く、イケメンが多いのも嬉しい♡

ピリオド・スタイルのカミソリはヴァイオリン協奏曲で凄みを増しました。ヴァイオリンの渡辺さんが、アグレッシヴでシャープな切り込みのモーツァルト。アクセント鋭く小股の切れ上がったモーツァルトとは俺のことだって感じね。モーツァルトでばっさばっさと切りまくる感じが、腑抜けたヒーリング音楽に堕落したモーツァルトと対照的で良いの。(ゲスト)コンサートマスターとして一緒に弾いている渡辺さんをサポートするオーケストラも渡辺さんの意を汲んで、キレキレのモーツァルト。この演奏は素晴らしかったです。
渡辺さんのアンコールは、バッハの無伴奏パルティータ第1番から「ブーレ」でした。こちらはキレキレではなくわりとおとなしめ。即物的な感じかなぁ。

お終いはソロを弾いた渡辺さんも第1ヴァイオリンの末席に加わって、モーツァルトの交響曲第40番。大きな方のト短調。第1楽章の有名な旋律は、ロマンティックな行き方もあると思うけど、もちろん、大森さんの演奏は、それとは一線を画すもの。オーケストラにはチェンバロも入って(前半の演奏にももちろん入っていました)、バスの動きに通奏低音風な彩りを添えていたり、アマチュアのオーケストラでこんなステキなピリオド・スタイルの演奏が聴けてびっくり。大森さんのおおっと思うような独特なテンポの変化やフレージング(特に第3楽章のメヌエットが秀逸)、渓流のような音の流れ、ワクワクして退屈しないほんとに目の覚めるような刺激的なモーツァルトでした。

アンコールにハイドンの交響曲第38番「エコー」からアンダンテ。ヴァイオリンがエコーを交わす(郭公も聞こえる?)のが洒落ててかわいいの。とても気の利いてるアンコール。

大森さんとオルケストラ・クラシカ、常連になりたい。もっと聴きたいと思いました。まだまだ先は長いのに、今年アマチュアで最も印象に残った音楽会になりそう。次回の定期演奏会の日程は未定みたいです。




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by zerbinetta | 2016-04-23 23:10 | アマチュア | Comments(0)

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