カテゴリ:吹奏楽( 5 )   

うらぶれたホール。。。ジャパン・ウィンド・プレイヤーズ第3回定期演奏会   

2016年2月6日 @多摩市民館

川辺公一:高度な技術への指標
保科洋:風紋~原典版~
藤田玄蕃:天使ミカエルの嘆き
兼田敏:吹奏楽のためのパッサカリア
長生淳:翠風の光

甲斐誠/ジャパン・ウィンド・プレイヤーズ


元吹奏楽部の仲良しに誘われて、行ってきました。多摩市民館が(家から)こんなにも遠いとはつゆ知らず。。。延々と電車に乗って。むー。
世界に伝えたい japan の吹奏楽、と題されたジャパン・ウィンド・プレイヤーズの第3回定期演奏会。仲良し的にはツボだったみたいです。吹奏楽少年だった頃の懐かしの曲が演奏されて。わたしの知ってる曲は、仲良しに聴かされてた「天使ミカエルの嘆き」とアンコールだけだったんだけど。。

「高度な技術への指標」は、吹奏楽コンクールの課題曲。ポップス調の曲が課題曲に初めて(?)採用されたとのこと(仲良しの解説)。もう、ちょっと待って。わたし詳しくないから、仲良しの受け売りでゴー。速いテンポで乱れなく吹ききったのはさすがプロ。最初のトランペットのコロラトゥーラ風の速いパッセージは、わたしも、ほー、と思ったけど、全体になんかリズムが切れないというか、譜面通り吹いて合わせているだけみたいなところが聞こえて、ちょっとリハーサル不足かなって思った。上手なんだけど、もっとやればもっと良くなるのにってもやもやした感じ。それはこの音楽会全体に言えました。合奏の時間が(特に練る時間が)足りなかったんじゃないかって。個々のプレイヤーの音楽のずれが音楽を鈍重な感じにしちゃったみたいな。

わたしの知ってた「天使ミカエルの嘆き」は、だから、なんかわたしの知ってるのと違った感じがしてちょっと感動が薄かったです。お終いの方のファンファーレってもっと匂い立つようにふわっと盛り上がるんじゃないの。天が開けたみたいに。

音楽は「翠風の光」が一番好きだったかな。充実した作品。吹奏楽曲に新しい好きができて良かったです。演奏もこの曲が一番良かったように思います。「風紋」とか音楽が流れるような作品の方が相性が良かったような。

アンコールは「ディスコ・キッド」。コンクールの課題曲だった曲ですけど名曲ですよね。途中、クラリネットの人が立ったので、アドリブで長いソロを吹くのかな(シエナ・ウィンド・オーケストラの演奏@youtubeがそうでした)と期待したら、楽譜通りでした。やっぱり、この曲も何だかリズムが重くて残念。

せっかくのプロの団体なんだから、もっとしっかり練習してアンサンブルを作っていって欲しいと思いました。お客さんが少なかったのも残念です。日本の吹奏楽曲、とても良い選曲だったし、世界的に見て類い稀な吹奏楽大国の日本(USでもイギリスでも吹奏楽の演奏会はほとんどありませんでした)には、まだまだ良い曲たくさんあるし、もっともっとたくさんの人に聴かれて欲しいです。でも、吹奏楽人口、多いと思うのにあまりお客さんが入らないのは、吹奏楽は高校生までで大人になるときっぱり卒業しちゃうからかな。クラヲタさんが吹奏楽の音楽会もたくさん聴きに行くってあまり聞かないし。(でも、本当の問題は別なところにあるんですよね。今は書かないけど)

もうひとつ。会場の多摩市民館が、地方の官営の管理の行き届かない多目的ホールの残念な姿を見るようで悲しかったです。椅子のレザーが破れたままで、チープ感がうらぶれた雰囲気を醸し出していて。。。ハレである音楽を聴くホールとしては、ダメダメだろうな。建てて終わりにするんじゃなくて、そこから良いものを作っていく(中身を!)ことを考えないとゴーストタウンのホールばっかりこれからできてくるんじゃないかしら。
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by zerbinetta | 2016-02-06 19:51 | 吹奏楽 | Comments(0)

ベートーヴェンの精神 特別演奏会〜吹奏楽による第九〜   

2015年2月20日 @ミューザ川崎

村井邦彦/三浦秀秋:翼をください
村井邦彦/金山徹:虹と雪のバラード
岡野貞一/三浦秀秋:ふるさと
菅野よう子/三浦秀秋:花は咲く
ベートーヴェン:交響曲第9番
(吹奏楽編曲、1福田洋介、2石毛里佳、3小野寺真、4三浦秀秋)

吉田珠代(ソプラノ)、中島郁子(メゾソプラノ)
北嶋信也(テノール)、大沼徹(バリトン)

松元宏康/高津市民合唱団、混声合唱団「樹林」、世田谷区民合唱団
文京シビック合唱団、かわさき市民第九合唱団、神奈川県立湘南高等学校合唱部、
神奈川県立海老名高等学校合唱部、ブリッツフィルハーモニックウィンズ


吹奏楽で弾くじゃなかった吹く第九。去年か一昨年、初演されたのを聴き逃してしまったーっと思っていたら、なんと再演されるというので聴いてきました。どんな風になるんでしょう。ドキドキ。
実は、わたし、基本、原理主義者なので、オリジナル第一主義なのよね。主義というのは堅苦しくておこがましいけど、まあ緩い感じで。だから、吹奏楽もオーケストラからの編曲ものではなくて、吹奏楽のために作曲された音楽が一番と思ってました。編曲されたのはまがい物だ、みたいに。でも、そんな偏狭な考えは、プリエムさんの「海」や今日のブリッツさんのシュトラウスを聴いて改めたのでした。でも、まだそんなに管楽器が大活躍じゃないベートーヴェンの、一部のクラシック音楽ファンからみたら’神聖な’ベートーヴェンの音楽が吹奏楽になるとどう響くのかドキドキ。果たして上手くいくのでしょうか?

さて、今日は、実は、ブリッツ主体じゃなくてほんとは、高津市民合唱団の創立25周年の演奏会なのです。高津市民というから、群馬かどこかの市の合唱団なのかな、なんでミューザで記念の演奏会なんだろうと、勘違いしていたんだけど、川崎の団体なんですね〜。そりゃそうだ。でも何で高津?

前半は、吹奏楽の伴奏で、歌。どれもわたしでも知ってる名曲ばかり。流行り歌じゃなくてずうっと歌い継がれていくんでしょうね。わたしは、札幌オリンピックのずいぶん後に住んだけど、ジャンプ台はいつも見えてたし、歌は知ってたから、「虹と雪のバラード」には懐かしくて涙が出ちゃった。

後半は、いよいよ第九。もちろん、弦楽器はコントラバスだけ。合唱は人数が多くなって(多分前半が高津市民合唱団のみで、第九から他の合唱団が加わったんじゃないかな?)、結構大人数。これが良かったんだよね。
本来なら、弦楽器のみの緊張感に満ちた細かな刻みで始まる音楽が、管楽器のロングトーンで始まると、これはもうどうしようもないんだけど、少し違和感。そして、ちょっと驚きだったのが、管楽器って弦楽器より音がスピーディーだと思ってたんだけど、特に低音(吹奏楽だとチューバとかトロンボーンかな)の音のエッジの立ち上がりが遅い感じがして少し鈍重に聞こえるの。吹く楽器の方がアタックのエッジが効くと思ってたから意外。というようなことを考えた始まりの数十小節。でも音楽が進むにつれてそんなこと気にならなくなって。ベートーヴェンの音楽凄い。オーケストラとはまるで音色が変わってるけど、音楽の力が音から沸いてくる。ベートーヴェンの音楽の本質は、編曲されてもびくともしない。ベートーヴェンの精神は、もっとずっと深いところにあるのね。

吹奏楽への編曲は、各楽章別々に4人の人の手で行われています。わたし的には第2楽章と第3楽章が良かったんだけど、編曲者というより曲との相性かな?実際、最初の3楽章は、ほぼ同じ感じで編曲されていました。オリジナルに基本忠実。楽器を変えたり重ねたりすることで、新しい音色を作っていたところはほとんど聴かれませんでした。でも、楽器を移し替えただけではなくて、吹奏楽ならではの音になっていて面白いの。
それに対して、三浦さんによる第4楽章はより積極的。シロフォン(グロッケンだったかな?)とかベートーヴェンが使わなかった打楽器も加わります。それは効果的にも使われたりしたんだけど、例えば、楽章の最初の方で、前の3つの楽章を改装する部分で、前の楽章では使われなかったシロフォンが使われたりして、全体の整合性に欠けた部分があったのが残念でした。回想なので新しいものを付け加えちゃうと筋が通らなくなっちゃいます。それ以外で、使うのはいいと思うんですけど(でもちょっと派手かな)。

演奏そのものはとても良かったの。ってか、第九ってものすごい力があるから、演奏する方も聴く方も本気と書いてマジになる。その気持ちをしっかり受け止めて投げ返す力のこもった演奏でした。
指揮の松元さんは、わたしのイメジでは元気な、音楽を実に楽しく演奏する、聴かせる方だと思うんだけど、もしかすると裏腹に音楽に深みがないと言われるかもしれない。でも、わたし、フルトヴェングラーの音楽が精神的に深くてカラヤンがチャラい、なんて思ったことない感受性だから、クラヲタさんがよく言う深いって分からない。松元さんの第九は、フルトヴェングラーのような雰囲気はなかったけど、音楽に巻き込む力は素晴らしかった。それに、大人数の合唱団の特別な思いがこの音楽に乗り移って、全てを巻き込んでいく、前にも書いたけど、旗を振って民衆の先頭に立つ自由の女神なるベートーヴェンの音楽の世界観そのものだったと思います。わたしたちは、その自由の女神に先導される市民。音楽に巻き込まれて平常心でいられるでしょうか。まさにベートーヴェンの思惑通り、音楽に心動かされて熱い気持ちで音楽会をあとにしたのでした。音楽会に関わった全ての人にブラヴォー。
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by zerbinetta | 2015-02-20 10:35 | 吹奏楽 | Comments(0)

おお腕回してるぅ ブリッツフィルハーモニックウィンズ第20回定期演奏会   

2014年11月3日 @アプリコ大田

三澤慶:overture ”the blitz!!”
シュトラウス/三澤慶:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
ナイジェル・ヘス:「イーストコーストの風景」
石毛里佳:muta in concerto
シュトラウス/小野寺真:「ばらの騎士」組曲

田村真寬(サクソフォーン)
松元宏康/ブリッツフィルハーモニックウィンズ


今年は、シュトラウスの記念年。生誕150年だっけ?でも何だか盛り上がらなくって、あまり聴けないんだけど(オペラの人だからオペラをたくさんやって欲しい)、記念年をなぜか吹奏楽で。それもオリジナルの13管楽器のための音楽、ではなくって、交響詩の編曲もの。どんな風になるのでしょう?ワクワク。ふと思い返してみると、プロの吹奏楽聴くの初めてかも。吹奏楽というと好きな人を見つめてた高校のクラブ活動のイメジだものね。

開演を待っているとステージには誰もおらず、ステージドアも開かない。あれれと思ったら、客席の後ろの方から登場。ここで、チューニングをせずやおら最初の曲を始めればもっとかっこよかったんだけど、おしい。

始まりは名刺代わりの、序曲「ザ・ブリッツ!!」。ミュージック・パートナーの三澤さんが書き下ろした作品。大編成の吹奏楽を使ってかっこいい曲。うん、つかみはばっちり。若手の奏者のアンサンブルだけど、さすがはプロ。イメジしてた吹奏楽とは音が違う。吹奏楽の音って、スカッとするよね。ビールを飲んでぷはーーっとする感じ。

今日は、シュトラウスの音楽を2つ。ひとつ目は交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」。オーケストレイションの天才、シュトラウスの音が吹奏楽になるとどうなるか、期待と不安。吹奏楽の場合、オーケストラの弦楽セクションを主にフルート、クラリネット、サックスに依嘱するのだけど、その弦楽器担当の人たちが前にいて、オーケストラの木管楽器のパートを吹くクラリネットなんかは、オーケストラでの配置のようにその後ろ。っていうのが初めて見るので面白かった。実は最初、木管楽器がどこで吹いているのか分からなかったよ。
その「ティル」、ううむ、ちょっと弾(はじ)けてなかったかな。ティルってそこここで悪戯しまくる鼻つまみ者。もっとはちゃめちゃでも良かったのではないでしょうか。少し安全運転。難しいホルンとか、みんな吹けてたので、いろいろ仕掛けたほうが愉しいに違いないって思いました。

ヘスの「イーストコーストの風景」は、米国東海岸の地名を冠した3つの楽章からなっていて(「ニューイングランドの3つの場所」みたい)、最後はニューヨークで、ジャズの要素のある賑やかな曲で終わるんだけど、いわゆるザ・吹奏楽のイメジ通りの音。それだけ吹奏楽の音をよく捉えてる曲だと思うんです。聴きやすくて、吹奏楽好きなら誰でも好きになりそう。演奏も安心して聴けました。

石毛さんの曲は、サックスの独奏を伴う、サックス協奏曲。4つの楽章からできてて、バリトン、テナー、アルト、ソプラノと順番に楽器を持ち替えて、サックスは大変そう。特殊奏法は使っていないけど、きっと難しいよね。サックスは、ブリッツのコンサートマスター、田村さん。上手し。それぞれのサックスの持ち味を生かして、わたし的には、音がかたまりで飛んでくるバリトンや歌い手テナーが好きかな。コンサートマスターをもり立てる、伴奏も切れがあって良かったです。

最後は「ばらの騎士」。シュトラウスのワルツはどうかなぁと思ったら、これが意外とはまるのね。このオペラって、オックスのワルツとか下卑なところがあってそれが魅力なんだけど、吹奏楽でやると、街角の楽隊というかホイリゲをまわってる音楽家という感じで雰囲気が出るの。という発見。それに、指揮の松元さんの音の出し入れがとても魅力的なのよね。押して引く加減の絶妙さ。それにぴたりと付いてくるウィンド・オーケストラ。これはいい。それにしても松元さん、クライバーのDVD観たのかな?腕をくるくる回すとこがちょっぴり似てる。まあ、ワルツは、(最初のホルンも)腕、回しちゃうよね。

アンコールには、スパークの「陽はまた昇る」。東日本大震災の復興を祈念して書かれた音楽。大きなクレッシェンドの希望の音楽。まだ、震災の傷跡は消えていないものね。この音楽/演奏は、そのことを思い出させてくれました。希望を伴って。ステキなフィナーレ。ブリッツは、また聴きに来たいな。オーケストラと異なった吹奏楽の音も良いですもの。あとは魅力的で、クラヲタさんも聴きたくなる、ベルリオーズやブルックナーに匹敵する作品がたくさん生まれますように。日本って吹奏楽がものすごく盛んで、根を張る土壌が豊かだと思うから。ブリッツさんの活躍も期待してます。
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by zerbinetta | 2014-11-03 01:38 | 吹奏楽 | Comments(0)

ひとまわりして還ってきた priem wind ensemble 第3回演奏会   

2014年2月16日 @大田区民ホール アプリコ大ホール

アダムス/オドム:「ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン」
池辺晋一郎:「樹々は主張する」ー吹奏楽のためにー
西村朗:秘儀lー管楽合奏のためのー
バッハ/ボイド:幻想曲とフーガ ト短調
木下牧子:序奏とアレグロ
ストラヴィンスキー/アールズ、フェネル:組曲「火の鳥」1919年版

隠岐徹/priem wind ensemble


太陽が1周してここに戻ってきた感じです。プリエム・ウィンド・アンサンブルの音楽会。全てはここから始まりました。これを聴いてアマチュアもいいなって思って、アマチュア・オーケストラの巡礼の旅が始まったのです(プリエムは吹奏楽ですが)。去年、「異国の鳥たち」や「海」がすごく良かったので、今年も音楽会があったら絶対聴こうと思っていました。今年も面白い意欲的なプログラム。いいですね〜。プログラムを見ると今日は、セミプロ(?)のエキストラの人も何人か入っていて(シンセサイザー(アダムスさんの曲)とかピアノ(前回メシアンのソロを弾いた近藤さん)とか吹奏楽の編成にない楽器も加わるし)、何だったらそのまま入団しちゃえばいいのに。実際、去年聴いたときより上手くなってるように感じました。
でも、残念なことに(雪の後遺症がまだあるのかな?)お客さん少なかった。もったいない。

アダムスさん(オドムさん編曲)の「ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン」はアダムスさんらしい作品。オリジナルのオーケストラの方を聴いたことがない(と思う)のだけど、アダムスさんの音が吹奏楽(+シンセサイザー2台)の音に上手く写し取られていました。アダムスさんらしい明るく明滅するリズミックなミニマル(と言っていいのかしら?)音楽です。同じような音型が永遠と繰り返されるので、数えるの大変だな、1度迷子になると元に戻れないぞ、なんて思いつつ、楽しませてもらいました。終わりの方に出てくるトランペットのファンファーレかっこいい。いい曲ですね。

池辺さんが札幌に仕事場を構えていることを初めて知りました。だから、札幌で行きつけだったおそば屋さんでお見かけしたんだ。雰囲気のいいおいしいおそば屋さんでした。「樹々は主張する」は、樹の根が絡まり合うように短い旋律が打楽器の日本の踊りのようなリズムの上に絡まり発展していくの。和風ショスタコーヴィチの雰囲気も少しあり。
続く、西村さんの「秘儀」は、鈴の音が雰囲気を出していて、古代のシャーマニズムの儀式的なものを表現してると思うのだけど、前半の細かい音で盛り上がってくるところから、長い音で蠱惑的な響きがあって、巫女の踊りみたいな舞踏曲にシームレスにつながっていくさまが面白い。このふたつの曲、相当難しそうだけど、今日の演奏は、それぞれの曲の魅力が伝わるのに十分な演奏でした。だって、曲、好きになれたもん。会場には、西村さんがおいでになってて、紹介されました。

前半の最後は、バッハのオルガンのための「幻想曲とフーガ」ト短調。バッハのオルガン曲の吹奏楽版は盤石ですね。だってオルガンって基本管楽器だから、音色の相性がいいもの。音の出し入れの仕方が、弦楽器ではない管楽器特有の感じがオルガンに近いし、よりカラフルになっていました。音色の統一感や音のバランスが良くて、バッハのオルガン曲の魅力を別の面から聴くことができました。
正直今日は、後半よりも前半の方が良かったです。

休憩のあとは、木下さんの「序奏とアレグロ」。吹奏楽のコンクールの課題曲になった曲だそうです。分かりやすい曲なのかなと思ったら意外とそうでもなかった。というか、中学や高校も参加する(だよね?)コンクールの課題曲なのに、媚びずに妥協なしに書かれているのがすごい。演奏も良かったです。難しそうな曲だけど安心して聴けますね。

最後は、「火の鳥」の組曲。前回のドビュッシーの「海」の吹奏楽版で、あんな繊細なオーケストラ曲が見事に吹奏楽に移ってる!ってびっくりしたので期待したんだけど、わたしにはちょっと編曲に疑問符が。意外なことに、ドビュッシーよりもストラヴィンスキーの方が吹奏楽に合わない?(反対だと思ってた)
なんか、パート感の音の関連性が薄く感じられたんですよね。糊がなくて部品がばらばらになってるみたいな。オーケストラだと弦楽器のパートが、管楽器ゆえに高音や弱音のコントロールを失ってるように聞こえるところもあったし。ストラヴィンスキーのオーケストレイションって、音どおしを強くつなげないように(流さないように)書かれているのかしら?そんな感じだから、奏者がちょっとおどおどしているようにも聞こえました。「火の鳥の踊り」の、オーケストラだと弦楽器のピチカートの音の部分が落ちてしまったのも残念(編曲にはなかったのかもしれませんが)。この不安定な感じは、吹奏楽向きだと思われる「カスチェイの踊り」になっても変わらず、あれよあれよのうちに曲が終わってしまった感じです。もっと良い編曲ないのかな。

アンコールには、ドビュッシーのピアノ曲から。ごめんなさい。「亜麻色の髪の乙女」だったか「月の光」だったか忘れてしまいました。ピアノのとは全く別物だけど、こちらの方が、「火の鳥」より吹奏楽に馴染んでると思いました。

今日は、お客さん少なかったけど、わたしは満足の音楽会でした。わたし好みの攻めのプログラムだし、来年、第4回の演奏会があったらまた聴きに行きます。わたしには原点のような大切な音楽会だから。
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by zerbinetta | 2014-02-16 00:45 | 吹奏楽 | Comments(0)

メシアンへの愛と遙かなる青春の染み priem wind ensemble   

2013年2月3日 @かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

バッハ/シェーンベルク/隠岐徹:前奏曲とフーガ(BWV552)よりフーガ
一柳慧:poem rhythmic for wind ensemble
メシアン:異国の鳥たち
寺井尚行:thread for wind orchestra
ドビュッシー/佐藤正人:海ー管弦楽のための3つの交響的素描

近藤麻美(ピアノ)
隠岐徹/priem wind ensemble


吹奏楽の音楽会に行ってきました。アマチュアの団体なのでここに載せるのはどうしようかなと思ったのだけど、素晴らしかったし、無料の音楽会ではないので書くことにしました。

吹奏楽の音楽会に行ってきました。聴き始めたとたん涙が出たのは、高校の吹奏楽部の音楽会に好きだったホルン吹きの人を観に行って以来という、忘れていた酸っぱさをうっかり思い出してしまったからかなぁ。わが青春の染み。吹奏楽にはオーケストラにはない独特の音色があるのですね。それがじーんときてしまった。最初のフーガを聴いたときには、それほど上手い団体だとは思わなかったんだけどね。なんか恐る恐る音を出しているところもあったような感じで、上手く吹かなきゃっていう音が聞こえました。
一柳慧さん(オノヨーコさんと一時結婚してらしたのね)の曲は、もっと現代音楽っぽいのを予想してたら、分かりやすい音楽だったのでちょっと肩すかし。吹奏楽の曲って、最近書かれ続けてる音楽でも,分かりやすい音楽が多いですね。演奏団体がアマチュアが多いからかしら。そこがちょっと、クラヲタ、プチ・コンテンポラリー音楽好きのわたしには不満なところ。オーケストラや弦楽アンサンブルの音楽と肩を並べる作品が少ないように思えるんですね。クラヲタさんと吹奏楽ファンの間には飛び越えられない溝がありそうだし。管楽合奏を弦楽合奏が中心になるオーケストラのように扱ってしまうのが良くないのかしらね〜。クラシック作曲家の中にもモーツァルトやシュトラウスとか管楽合奏のための曲を書いた人はいるけど、あまり吹奏楽の音楽会では採り上げられないし。あっホルストはわりとよく演奏されるのかな。

という、もやもやを晴らすようにメシアンの「異国の鳥たち」。そう言えば,メシアンにも管打アンサンブルの曲いくつかありますね。ピアノは近藤麻美さん。わたしもメシアン大好きですけど、このアンサンブルのメシアン大好きっぷりも半端ない。ウェブ・サイトには、特集ペイジまであって、なんと!出てくる鳥の姿と鳴き声が見聞きできる!(外部リンク) この曲をやろうという意気込みが感じられます。演奏も、技術的に難しい曲だと思うけど、かなり練習したのでしょう、音にする以上のものが聞こえてきました。もちろんアマチュアだから完璧とまでは言えないものの、メシアン愛を楽しめました♡最後が3拍子になっていたのがちょっともったいなかったけどね(ぐびっ。細かい。メシアン愛ライヴァル意識丸出し)

休憩の後は、寺井尚行さんの「thread」という曲です。今日は何故か日本人作曲家の作品名が英語で、外国の作曲家の作品が日本語訳で曲名が付いていたのが面白いです。調性がないようであって,メロディがないようであって、リズミックで,とっつきにくそうに見えて分かりやすいツンデレタイプの曲。すぽんと終わってしまって余韻が残る。小太鼓かっこいいよね。

最後のドビュッシーはほんとびっくりした。こんな繊細な曲、吹奏楽に編曲したらどうなるんだって思ったら、めちゃくちゃいいじゃない。これはとても良い編曲。オーケストラとは音色が変わってるけど、海の景色はちゃんとそのまま。ちゃんと、ドビュッシーの香り。さいごはもうちょっと、はっちゃけて欲しかったけど、ここまで緻密な演奏を成し遂げた演奏者たちに大拍手。学校のクラブでもない、プロを目指すアマチュアでもない、社会人のアマチュアのサークルでここまでできるとは。ひとりひとりが音楽が好きで,練習が好きで、目標がはっきりしていて,優れた指導者にも恵まれているのでしょう。なんだかとっても羨ましくなっちゃった。わたしも楽器ができれば、こんな仲間と音楽したかったな。

priem wind ensembleの演奏、ウェブ・サイト(youtubeへリンク)から聴くことができます。次の音楽会の情報はまだないのだけど、ぜひまた聴きに行ってみたいです。
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by zerbinetta | 2013-02-03 22:22 | 吹奏楽 | Comments(2)