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オーケストラの核はどこだろ? オーケストラーダ第8回演奏会   

2014年10月25日 @江東区文化センターホール

ベートーヴェン:交響曲第7番
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
プロコフィエフ:交響曲第1番

久保田昌一/オーケストラーダ


910円でした。
このオーケストラ、音楽会の料金システムが独特で、音楽会の曲にちなんだ数字の値段以上を音楽会が終わったら封筒に入れて払うというの。そして今日の数字は910でした。値段はチラシに出るので、数字の意味をうんうんと考えるのですが、ううむ、ちっとも分からない。3曲に何か共通の数字だろうとは思うのだけど。。。で、会場に行ってもプログラムにも何も書いていないし、答えが、、、分からん。

もーもやもやしたまま始まった音楽会(ってことないけど)はベートーヴェンの交響曲から。普通の音楽会と反対で、一番大きな曲が最初で、「ハイドン変奏曲」を挟んで最後はプロコフィエフの小さな交響曲「古典」。作曲年代順ということでこうなってるそう。ハイドンつながりなら最初にハイドンの交響曲でもいいのかなとも思ったりして(ハイドンもいい曲たっぷり)。

オーケストラーダ、前回聴いた「カルミナ・ブラーナ」の印象がひどく強くて、今日の小編成のオーケストラを観てこんなだったっけか?とちょっとだけいぶかしく思いました。でも、思い起こしてみると、前回も「カルミナ」の前に小さな編成のシューベルトをやっていたんでした。指揮者の久保田さんを中心に集まったこのオーケストラ、プロの人も何人かいらして(今日は、昨日アンサンブル・アクアでオーボエを吹いていた堀子さんがいらっしゃいました)、指揮者講習会をやっていたり、チラシはさみ廃止運動でチラシの代わりにアマチュア・オーケストラのコンサート情報をプログラムに載せたり、福祉施設の方を音楽会に招待したり、ユニークな活動がとっても好感度高くて、演奏自体も「カルミナ」がとてもステキでうんと期待していたんですけど、あれ?ちょっと印象変わったかなって感じました。オーケストラの核って一体どこにあるんだろうって?もちろんひとりひとりの顔を覚えているわけではないので、固定メンバーがどのくらいいるのか分からないんですけど、演奏の印象は(前回の「カルミナ」が大編成であるせいもあるのかもしれないけど)随分変わったのです。
でも、決してがっかりな演奏だったのではないんですよ。みんなとても丁寧に演奏してたし。その分、ノリというか、勢いがなかったんです。ベートーヴェンはもっと来い!って感じの曲でしょ。指揮者の久保田さんは、競馬の最終コーナーで鞭を入れるようなことはなく、大きく構えて落ち着いた感じで音楽を進めていたので、わたし的にはもっとオーケストラを追い込んで崩壊する寸前のスリルとスピード(速さではなくて勢い)を味わいたかったんです。

その点しっとり歌わせる「ハイドン変奏曲」はステキな演奏でした。このオーケストラと指揮者って、今できる一番の演奏をしようとするんじゃなくて、理想的な音楽を頭に思い描きながら演奏しているような気がします。今のレヴェルなら、勢いで押した方が演奏効果も得られるのに、そうはしなくて、まだ手は届かないけど、思い描いた音楽の音を出そうとしてるみたいな。わたしの感じですけどね。

お終いは「古典」交響曲。古典とか言っちゃって実はプロコフィエフらしい一筋縄ではいかない音楽。この曲の前に指揮者の久保田さんから、オーケストラで音を出しつつ解説があって、第4楽章がむちゃ難しいことを強調していました。聴いてる分にはかわいらしいんだけど、水面下では足ばたばた。この曲もステキな演奏でした。指揮者のテンポに必死に付いていくオーケストラ。運動会で競争しているのを応援しているようなはらはら感がありますね。
アンコールで、第4楽章を指揮者なしで繰り返したんだけど、2回目の演奏とあってリラックスしていたせいか、同じテンポでも余裕が感じられました。演奏が全く乱れないし(むしろ本番よりも良かったくらい)、よく練習してきたということがよく分かる演奏でした。ビバ木管楽器。

この若いオーケストラがこれから、どこに行くのか、はよく分かりません。理想を追い求めて良い音楽を追究していって欲しいです。オーケストラの道は長く。。。


♪♪
オーケストラーダの次の公演は、第9回定期演奏会が来年の3月28日、杉並公会堂です。
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by zerbinetta | 2014-10-25 00:07 | アマチュア | Comments(0)

ナンバーワン OB交響楽団第185回定期演奏会   

2014年10月19日 @ティアラこうとう

チャイコフスキー:交響曲第1番
シベリウス:交響曲第1番

中田延亮/OB交響楽団


OBって?チラシを見て、OB交響楽団ってなんのOB?ってか普通OBだったら△△大学OBとかって書くよね?OBってorchestra b×××の略?bって何よ?ってもやもやとした思いが胸を渦巻いたまま、何かを解決するために音楽会に足を運びました。ウェブサイトにも何にも書いてないし。

さて、会場についてプログラムを見て氷解。十把一絡げに大学オーケストラOBということで、なんと!東京のアマチュア・オーケストラの中で最も長い歴史があるのがこのOB交響楽団だそうです。1937年創立。今日も第185回定期演奏会です。(そうだった、随分定期演奏会を続けてるんだな、と思ったのも今日来た理由でした)オーケストラの年齢層も良い具合に高め、いろんな年代の人が混じっているいい感じです。

プログラムは1番。チャイコフスキーとシベリウスの交響曲第1番。それぞれの作曲家の交響曲の出発点となった作品。でも、両者とも(その後の円熟にはまだまだだけど)音楽は充実してて聴き応えがあるし、演奏もわりとよくされてますよね。年代順に敢えて静かに終わるシベリウスをあとに持ってきて、ってこういうプログラムはアマチュアならではですね。どちらがトリを取ってもおかしくない大きな交響曲を2つ並べるというのは。でも、この順番で2曲並べたことで、シベリウスが最初、いかにチャイコフスキーの影響を受けていたのかよく分かる感じです。

中田さんとOB交響楽団の演奏は、音楽の特徴を上手く引きだしていて良かったです。チャイコフスキーの方は、わりとあっさりとした味付けで、盛り上がるところ、もうちょっとオケが来たらとは思ったけど、木管楽器のソロなんかはなかなかステキで、柔らかな寒さの雪の日の幻想という感じでした。

一方のシベリウスの交響曲は、わざとではないと思うんだけど、接着剤不足というか音楽の各パートの要素間の有機的な絡みが弱くて、シベリウスって何だか自己破壊願望があったのかなって思いました。後期の交響曲なんかでは顕著なんだけど、細かな要素のモザイクのような集合体で大きな交響曲を組み上げていく手法が実は始めの交響曲にも見られるんだということが解って面白かったです。今日のは図らずもなったという感じだと思うんだけど、でも、こういうやり方のシベリウスもステキでした。納得のいく演奏。最後ちょっと場違いなブラヴォー、静かな音が終わったとたんの待ってましたといわんばかりの、があったんですけど、会場の誰も同調せずに静かに余韻が消えていくのを待ったのも印象的でした。ブラヴォーをした人はちょっと恥ずかしい思いをしたんだと思うけど、アマチュア・オーケストラの音楽会には、あまりクラシックの音楽会に来たことのない人も多くおられるみたいなので、悪気のあるブラヴォーではなかったと思います。それよりも会場の緊張が途切れなかったのが素晴らしかったです。ブラヴォーで音楽は台無しにならなかったですよ。

アンコールには「花のワルツ」。いやん、これを聴くとバレエを観たくなっちゃう。
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by zerbinetta | 2014-10-19 09:49 | アマチュア | Comments(0)

痒いところに手が〜〜 オーケストラ・エレティール第50回定期演奏会   

2014年10月11日 @すみだトリフォニー

ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より
マーラー:交響曲第2番「復活」

田中三佐代(ソプラノ)、大林智子(アルト)
新田ユリ/オーケストラ・エレティール、武蔵野合唱団(合唱指揮、長田雅人)


あれ?アジアオーケストラウィークの名古屋フィルの番じゃなかったの?飛ばしたの?と思われた方、すごい。実は、聴きに行く予定だった名古屋フィル、これを楽しみにしてたのに、涙、具合が悪くて聴きに行けませんでした。というわけで、1回飛ばしで、今日はトリフォニーにアマチュア・オーケストラを聴きに来ました。エレティールってところ。エレだから電気のことかと思ったら違ってフランス語で「彼女と彼」との意味だそうです。じゃあ電気関係ないんだって思ったら、電気通信管弦楽団の卒業生が母体になってるんじゃないですか。電気大あり。電気苦手(子供の頃コンセントに針金を突っ込んで感電した)。

音楽会は、「マイスタージンガー」から。前奏曲とばかり思ってたら合唱の人たちがステージに乗ってびっくり。第1幕への前奏曲とそれに続く第1幕第1場の音楽から、第3幕第5場から徒弟たちの踊りと終曲が演奏されたのでした。前奏曲はそれだけでかっこいい曲だと思うけど、オペラの中に組み込まれるように演奏される方が正しい姿が見えてくるような気がします〜。最後、ジャンって終わらずに聖歌隊の合唱に続く方がいいもの。そしてピーピングするストーカー気味の若者。なんていうか痛い物語。というのはどうでも良くて、今日のプログラムは、手際よく「マイスタージンガー」をまとめて30分弱の交響曲風に。演奏は、軽めで重みがないのがぽくない感じだったけど、オーケストラのせいなのか、重厚さを敢えて嫌ったのか(「マイスタージンガー」はコメディなので)は分かりません。お終いは、回帰される始まりに輪をかけて華々しく終わるともっとスッキリしたかな。

休憩のあとはマーラーの「復活」。この間アマチュア・オーケストラによる素晴らしい演奏を聴いているので今回も期待が高まります。熱を帯びて演奏しちゃう(聴いちゃう)音楽ですものね。
オーケストラはとても良く弾いていたと思うんですよ。合わすところはしっかり合わせてアンサンブルは整っていたし、音楽をきちんと作っていたのは好感度高いもの。でも、なんかこうもどかしいというか、痒いところのあと少しのところで手が届かないというか。指揮者のせいであると思うんですけど、思い切りが少し足りないの。ティンパニなんかも必要最小限の音で叩いてるし、ちゃんと聞こえてはいるんですけど、そこはバランスを無視してもがつんと行くところでしょう、という箇所がいくつかありました(あれ?わたしの好みかな)。
歌手はアルトを歌った大林さんが、息が続かない感じで(実際は大丈夫なんでしょうけど歌い方でそう聞こえた)、溜を作らずに前へ前へとせわしない感じの歌い方だったのが残念です。合唱はよく歌っていたけれども、神秘の合唱の入りが反対に現実の世界に引き戻された感じがしてそこがちょっと残念でした。
全体的に良くまとまっていたけれども、この音楽はまとまりを打ち破る力が求められる音楽だと思うので、そこまで行き切れていなかったのがちょっと残念でした。痒いところにもう少し手届くんだけどなぁ。もうひと伸ばし。

あと、鉄板にかぶせてあった布(共振(反響?)防止)がちょっとお洒落でした。
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by zerbinetta | 2014-10-11 21:40 | アマチュア | Comments(0)

心に残るブルックナー オーケストラ・ディマンシュ第39回演奏会   

2014年9月28日 @かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

ドビュッシー:春
ブルックナー:交響曲第8番

金山隆夫/オーケストラ・ディマンシュ


ごめんなさい。本当にごめんなさい。
と、ごめんなさいから始まるこのエントリー。オーケストラ・ディマンシュがブルックナーの交響曲第8番。アマチュア・オーケストラでブル8(ブルヲタさんはこう呼ぶのよね)。ブルックナーの最高傑作とも言われてる演奏時間が80分くらいある長大、荘厳な伽藍。さすがに難しいでしょう。特にあの荘重なアダージョは途中でへろへろになりそう。金管楽器だって最後まで持つのかしら。なんて斜に構えて、怖いもの聴きたさで出かけてきました。そして、冒頭のごめんなさい。素晴らしい演奏でした!予想を遙かに超える音楽。技術云々じゃないのね。音楽なの。

会場に着くと、この間と同じように金山さんがヴィデオ・カメラのセットをされていて、指揮者といえどもオーケストラの仲間のひとりなんですね、とクスッとしたり。金山さん、このオーケストラの演奏会のほとんどで指揮されていて、20年近くの長きにわたって常任指揮者を続けているんですね。プロのオーケストラでもなかなかない長さ。オーケストラととっても良い関係にあるのでしょう。ステキなことですよね。

音楽会のはじめは、若いドビュッシーの「春」。実は今日のプログラム、ドビュッシーとブルックナー、全く傾向は違うけど、同じ年(1887年)の作曲なんですね。びっくり。とは言え、「春」も印象派のドビュッシーをごく薄く感じるだけでまだまだ若い作品。でも、好きなんですこの曲。音楽会で聴くの多分初めてだったけど。あまり演奏されないものね。
ドビュッシーは、どうしても音色の色彩感が乏しく、弦楽器の弱音の豊かさに欠けるアマチュア・オーケストラには、キツイです。光りがキラキラする西洋絵画が水墨画のようになってしまう感じ。でも、丁寧に演奏されていたし、演奏自体はとても好感度高かったです。何より、この曲を生で聴けて嬉しいし。

休憩のあとはいよいよブルックナー。斜に構えつつドキドキ。でも、その前に、金山さんから曲紹介があって、ワーグナーチューバの音を聴かせてもらいました。ホルンとの音色の違い。結構微妙。

静かなトレモロから始まって、チェロとコントラバスのつぶやくような旋律が浮かび上がってきたとき、ゴクリと唾を飲んだの。なんて歌い回し。途切れ途切れの旋律に歌い回しというのは変かもしれないけど、でも、やっぱり歌ってる。このブルックナーは、凄そう。その、予想外のショックから構築される音楽は、大きな重心を持ってわたしを捉える。なんというか、言葉で説明しづらいけど、音楽のブラックホールに吸い寄せられて、なすがままに身を任せるしかないみたいな。それにオーケストラの人たちの真剣ぶり。これがブルックナーのトレモロだー!と言わんばかりにトレモロに命をかけるヴァイオリン弾きさんがいらしたり、みんながブルックナーの音楽に心酔しきってるみたいな、このオーケストラ、ブルヲタ度高すぎ!心配してたアダージョも聴き進むうちにどんどん音楽に飲まれていって、退屈どころか、ドキドキしてアドレナリン出まくり。オーケストラは全体的に良かったけど、特に金管楽器が、最後までパワーがあって素晴らしかったです。敢えてひとつだけ残念だったことを書くとすれば、弦楽器の人数。第1ヴァイオリンが12人(だったかな?)は少なすぎた。プロのオーケストラでも16人とか18人は使うのに、管楽器に比べて弦楽器の音量に乏しいアマチュアでこれは厳しい。弦楽器の音量がもっとあればなぁという箇所が、例えピアニッシモのところでも、いくつもありました。アマチュア・オーケストラの慢性的な弦楽器不足の話はよく聞くし、エキストラを入れるより毎回の練習に参加するメンバー重視なのかもしれない(それは正しいことだし良いことだと思う)けど、なんとかもっとたくさん座って欲しかったな。こんな素晴らしいブルックナー弾く機会なんてめったにないんだもん(プロでも)。(参加しなきゃ)もったいないよ。

金山さんの指揮も、決して極端なことをやらずに自然に任せて滔々と流れる音楽。金山さんってマーラーよりもブルックナー指揮者なんじゃない?
金山さんとオーケストラ・ディマンシュには超ぶらう゛ぉーー。秘かな心の裡を独白すると、昨日のN響より心に来たかも。


♪♪
オーケストラ・ディマンシュの次の公演は、第6回定期演奏会が来年の4月12日、すみだトリフォニーホールです。
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by zerbinetta | 2014-09-28 23:47 | アマチュア | Comments(0)

数寄者 オーケストラ《エクセルシス》第5回演奏会   

2014年9月23日 @杉並公会堂大ホール

テオドール・デュボワ:アドニス ー3部からなる交響詩
フィリップ・ゴーベール:海の歌 ー3つの交響的絵画
アルベリク・マニャール:交響曲第4番

大浦智弘/オーケストラ《エクセルシス》


こんな作曲家いたのか、こんな曲あったのかというマニアックなクラヲタ心をくすぐる曲ばかりを演奏してるオーケストラ《エクセルシス》の音楽会を聴いてきました。
アマチュア・オーケストラの利点のひとつは、お客さんのことをあまり考えずに好きな曲を選曲できるということでしょう。よっぽどのマニアじゃないと知らないけれども、実は良い曲だったり、たまには聴いてもいいんじゃないっていうような曲を遠慮なく音楽会にかけられる。プロのオーケストラだと定期演奏会に、ブラームスに紛れ込ませたり、ましてやメインに聴いたことのない作曲家のだと、文句を言ってくるお客さんがいるそうだから大変。悲しいというか情けないことだけど。
アマチュアのオーケストラの中には敢えて、そんなマイナーな音楽ばかりを採り上げたり、ロシアものとかショスティー専門とか、日本の作曲家とか、今度フランス専門のができるみたいですけど、小さなニッチェを攻めていくユニークなオーケストラが結構あります(あっ!プロだったらバッハ中心のBCJがありますねっ)。初めて聴く(去年は聴きたかったけど他に予定があって泣く泣くあきらめた)エクセルシスは、国や地域に囚われず広くマイナーな作曲家の作品を発掘してくれるオーケストラ。今日はフランスもの。わたしの知ってる、聴いたことのある作曲家は、マニャールだけ。

前半の2曲は、どちらも日本初演、詩にインスパイアされた交響詩(的)な作品。なので、音楽に先だってその詩がフランス語で読まれました(わたしたちは訳をプログラムで)。どちらの曲も絵画的だけど、内容は対照的で、ギリシア神話のアドニスの物語に想を得たドゥ・リールの詩に作曲された「アドニス」は、いきなり激しい悲しい音楽、フォールの「海のバラード」に作曲された「海の歌」は大らかな海の情景に始まる曲。のんきな「海の歌より」、アドニスの死と(春の)再生を音楽にした「アドニス」の方が好きだったかな。ただ、どちらもドビュッシーの影にあって、音楽会で頻繁に演奏されるという曲ではなさそうです。自分だけの秘密の佳曲としてCD棚の隅っこにあるのをときどき取り出してふふふふふと聴くのがちょうど良い愛で方のような気持ちです。

後半のマニャールの交響曲4が気合いの入った好演。お客さんが少なかったのがもったいない。
それにしてもマニャールの曲は複雑でどこに連れて行かれるか分からないアドヴェンチャー。最後唐突にアーメン終止になったり、突然ヴァイオリンがソロ弾き始めたり、無理やりフーガにしてみたり。力業。演奏する方も大変だったに違いない。果敢に挑戦するオーケストラもオーケストラだな。指揮者の大浦さんも数年前、この曲の日本初演をした人。そして、ここから始まった、知られざる音楽を演奏する旅。

知られざる曲を聴くのは、一期一会。もしそれが、良くない演奏だったら、曲が悪いのではなく演奏が悪かったのに、その曲をまた聴きたいフォルダーにしまわず、ゴミ箱にドロップしてしまうと思うんですね。新作もそうですけど、地域初演を含めて初めて音になる曲を演奏する人は、それなりの責任感を持ってきちんと演奏しないといけないと思うんです。それって、アマチュアには荷が重いと思うんです、って最初に書いたことと矛盾してるんですが。でも、今日の《エクセルシス》は、初めましての曲をきちんと提示してくれました。もちろん、演奏はプロには敵わないです。でも、下手なプロ以上にひとりひとりが音楽にきちんと向き合った演奏をしていたと思います。少なくともわたしには、みんなが曲をきちんと理解して弾いてるのが分かりましたし、音楽の姿が伝わってきました。

知られざる音楽を演奏するのは大変だと思います。楽譜の準備もあるし、録音もないような曲だと、どう演奏していいのか想像つかなかったりもするでしょう。様式に慣れないこともあるかもしれません。ウィキペディアにも出てなさそうなので、プログラムの解説を書くのも大変。でも、大浦さんとオーケストラは、演奏も解説もほんと良い仕事をしてると思いました、音楽愛好家として。いえ、音楽好事家として。愛すべき数寄者たち。わたしも仲間に加えてもらいたいくらい。

ダンディ「旅の画集」より「緑の湖」。ダンディって「フランスの山人の歌による交響曲」くらいしか知ってる曲ないけど、こんな曲書いてるんですね。ゆるやかな舞曲のような爽やかな午後のピクニック。
今日はひとつとして知ってる曲なかったけど、面白かった〜。視野が少し広がったみたい。


♪♪
オーケストラ《エクセルシス》の次の公演は、第6回定期演奏会が来年の9月22日、杉並公会堂です。映画音楽作曲家の純音楽プログラムですって。どんな知らない曲が聴けるか、楽しみです。
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by zerbinetta | 2014-09-23 01:21 | アマチュア | Comments(0)

ジュリエット死ななかったよ 新日本交響楽団第93回定期演奏会   

2014年9月15日 @すみだトリフォニーホール

チャイコフスキー:イタリア奇想曲
プロコフィエフ:「ロミオとジュリエット」第1、第2組曲から
チャイコフスキー:交響曲第5番

松元宏康/新日本交響楽団


なぜか観客動員数の多い新日本交響楽団。今日もトリフォニーホールはほぼいっぱいで、いつも座ってる席には座れず(自由席)隅の方でした。すごいすごい。
今日の指揮者は松元さん。何となく名前を聞いたことのある人だと思ったら、前に愉しいハイドンをやった人だ。期待期待。

「イタリア奇想曲」はこの間聴いたばかりなので奇しくも対決となりました(勝手に)。でもやっぱりどうしても、いろんなメロディをつないだだけの曲にしか聞こえず残念。松元さんの指揮は、悲しげな旋律の歌わせ方が良かったり、でもむしろ楽しい部分で本領発揮。途中、おっ!!とびっくりマークふたつでニヤリとするようなポルタメントをヴァイオリンにキメさせて、あれ絶対、指揮者、やりーってどや顔してたハズ。というわけで「イタリア奇想曲」は今日の方が好きかな。

「ロミオとジュリエット」はバレエの物語が分かるように組曲版を再構成したもの、ってどこかに書いてあったような気がしたけど、聴いてみたら、えええええっっ!ジュリエット死なないじゃん。うううう、裏切られた〜(?)なんでぇ〜って思ったら、組曲1番と2番から抜粋再構成だって。ジュリエットの死は、組曲第3番なのよね。諸般の都合により組曲第3番の楽譜は取り寄せられなかったのかしら。演奏曲と演奏順は、次の通りなんですけど(数字は組曲の番号)、
「モンタギュー家とキャピュレット家」(2)、「少女ジュリエット」(2)、仮面(1)、「ロミオとジュリエット」(1)、「ティボルトの死」(1)、「僧ロレンス」(2)、「ジュリエットの墓の前のロミオ」(2)
僧なんていらないからジュリエット入れてよーーって心の中でじたばた。いくら、最初の版がジュリエットは死なずハッピーエンドになるからと言って、これはないよぉ〜。(ちなみにジュリエットは死ななくても最後の音楽は一緒です)(オリジナル版のバレエを観たことあるのがちょっぴり自慢♪)
演奏は、正直、わたし、このオーケストラがよく分かりません。上手いのか下手なのか。いいえ下手ではないんです。でもすごく上手いかと言われると、とても良く聞こえるときとそうでないときがひとつの曲の中でもあるような気がして、ううんとなってしまいます。もう1回くらい聴くとちょっとは分かってくるかなぁ。

最後は、チャイコフスキーの交響曲第5番。この曲も「また」ですね。名曲だし、最近だけでも何回か聴いているので、そろそろ新しいことがないと印象に残りません。ハードル高し。で、新日本交響楽団をまだ掴みかねてるわたしは、よく分かりませんでした。とても丁寧にきちんと演奏していたんですが、反面、引っかかるところがないというか、ちょっと要求高いんですけど、このオーケストラならそれを望んでもいいんではないかとも思うし。松元さんも大きな身振りで踊るように振ってらしたんですが、曲のせいかも知れないけど、前のハイドンのときのような愉しさがあまり感じられませんでした。あの勢いがこの曲にももっとストレイトに出てくればいいのに、とちょっともったいないな。

今回わたしの中に迷いみたいものがあってちょっと厳しめの文章になってしまったんだけど、真面目な良いオーケストラだと思うんですよ。また聴いてみたいと思うもの。
アンコールに演奏された「アンダンテ・カンタビーレ」は、じっくりと歌のあるしっとりした良い演奏で、交響曲で火照った気持ちを鎮めてくれました。


♪♪
新日本交響楽団の次の公演は、第94回定期演奏会が来年の3月15日、すみだトリフォニーです。
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by zerbinetta | 2014-09-15 01:40 | アマチュア | Comments(0)

イン・C! オーケストラHAL第8回定期演奏会   

2014年9月14日 @ティアラこうとう

シベリウス:交響曲第3番
シューベルト:交響曲第8番

石毛保彦/オーケストラHAL


シンフォニー・イン・Cと言ったらわたしのようなバレエ・クラスタにはストラヴィンスキーのなんですが。今日はハ長調の交響曲を集めた音楽会。ハ長調というと、シャープもフラットもない学校の音楽の時間、一番初めに習う楽譜。何と言うか開放的で単純。なイメジがします。
ハ長調の交響曲というと、有名なのは、ストラヴィンスキーのの他にも、モーツァルトの「ジュピター」とかベートーヴェンの第1番とかショスティー7とかビゼーとかプロコ4とかって、だんだんクラヲタ度が上がっていく。。。で、今日演奏されるのは、シューベルトの「グレイト」となんと!シベリウスの第3番。ううう、シベリウスを持ってくるところがクラヲタ心を刺激するぅ。第7番じゃなくてより演奏機会の少ない第3番というのもね。

HALは前に聴いたことがあると思っていました。HALという名前の英語に何か引っかかりを感じたのを覚えていたし、石毛さんを聴きたかった、というのも覚えていました。でも、ちゃんと思い出してみると、聴きに行きたかったんだけど別に用事があって聴きに行けなかったんですね。今日が初めて。
石毛さんは前に聴いたことがあって良い指揮者だなって思ったんです。で、HALは石毛さんを音楽監督にしているので凄く聴いてみたかったんです。今日それがかないました。

ティアラこうとうにとことこやってくると、建物の前に小さなトラックが。楽器のペインティングとオーケストラHALのロゴ。このデザイン、確かフィルハーモニアのみたい。かっこいい。自前で楽器運搬用のトラック持っているのかしら。

今日は開演前コンサートがあって、金管合奏でスターウォーズ。実はこれがちょっとあれあれで、もう少ししっかり練習を積んでくればいいのにって思ってしまいました。オマケの開演前コンサートとは言え、オーケストラの第一印象になってしまいますからね。開演前コンサートって気楽にやっているとこ多いけど(プロのオーケストラでさえも!)、お客さんに聴かせる以上ちゃんと練習した方がいいと思います。楽器の人数も多かったので、指揮者を立てて演奏した方が絶対いいよ、とも思いました。下手じゃないのに、みんながばらばらで指揮者がいれば違ったものになったと思ったからです。もったいない。

そんなわけで、大丈夫かなぁと全く期待しないで聴き始めたシベリウスなんだけど、おや、意外と上手いなぁと。できて4年目くらいの若いオーケストラで、老舗のオーケストラと比べると弱いけど、とても音楽がこなれていてこれからが楽しみだと思えました。きっと、指揮者の石毛さんと良い関係で音楽を作っているんですね。石毛さんとのシベリウスは(あとで聴くシューベルトもそうだったんですけど)無理せず自然体で心地良い。前に聴いたとき、石毛さんいいって感じたのは正しかったんだ。わたしと石毛さんは相性がいい。第2楽章で、わたしの偏愛する対旋律がコントラバスに出てくるんだけど、もうそれが好きで好きでたまらなくてわたしの中ではブラームスの交響曲第1番の4楽章のチェロのと共に対旋律ベスト・ワンなんだけど、石毛さんはそこを聞こえるか聞こえないかくらいの弱音で弾かせて、えええっ?あのステキなメロディーは〜ってうそー聞こえないのぉって驚いちゃった。それでも、あんまり嫌じゃなかったのは、石毛さんの音楽に納得してたから?

シューベルトは、プログラムに始まりのホルンの序奏について、「昨今はピリオド楽器を使った演奏の影響からテンポの速い演奏も多いけど、昔ながら(フルトヴェングラーの頃?)のほんわりのんびりした演奏も良い(今、プログラムが手元にないので記憶を頼りに意訳)」みたいなことが書いてあって、果たしてその通り。始まりのホルンは、朝寝坊をした休日の朝に日が高くぽかぽかした野原で大きく伸びをした感じでした。朝寝坊の心地よさってたまらないでしょ。こういう演奏久しぶりに聴いたかも。流行りに即してないけど、たまにはいいよね。
シューベルトのこの曲って反復が多いし、旋律も同音反復が多くて、長いし、下手をすれば退屈になりがちなんだけど、石毛さんとHALの演奏は、緊張を強いられているわけではないのに、リラックスしながら最後まで飽きずに聴き通せました。なんか、わたしとシンクロナイズするんだよね。石毛さんの音楽の魅力を考えてたんだけど、妙に気が合うという他に言葉が浮かびませんでした。おいしいご飯のように無意識のうちに自然に食べちゃうみたいな。おかず的な派手やかさはないけど、さりげなく一番大事なもの。

アンコールには、シベリウスの劇音楽「テンペスト」より「妖精の踊り」。初めて聴く曲。シベリウスって知らないうちに結構いろんな曲書いているんですね。歌とかヴァイオリンとピアノの小品とか、劇付随音楽とか。「妖精の踊り」は、ムーミンに出てきそうでかわいらしくていい曲でした。こんな曲をアンコールに選ぶなんてセンスがいいなぁ。


♪♪
オーケストラHALの次の公演は、第9回定期演奏会が来年の2月22日、三鷹風のホールです。
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by zerbinetta | 2014-09-14 00:56 | アマチュア | Comments(0)

タンバリン! 東京楽友協会交響楽団第97回定期演奏会   

2014年9月7日 @すみだトリフォニーホール

チャイコフスキー:イタリア奇想曲
ラフマニノフ:死の島
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェヘラザード」

森口真司/東京楽友協会交響楽団


ここも老舗のアマチュア・オーケストラ。今日が97回目の定期演奏会、50年以上の歴史を持つオーケストラです。継続は力というけれども、高いレヴェルを保って継続するのも逆に凄い力がいることですよね。都民交響楽団と対照的に常任指揮者を置かず、いろんな指揮者に振ってもらっているようです。今日は森口さん、7年ぶりとのことです。森口さんはオーケストラ・ダヴァーイの指揮者もされている方ですね。お得意のロシアもの。

プログラムの最初は「イタリア奇想曲」。もしかしてオーケストラで聴くの初めてかもって思うくらい(たぶんほんと)演奏されないかも。CDではよく聴いたことあるのだけど。どうしてでしょう?演奏するのはつまらない?
と思ったんです。この曲、確かに親しみやすいメロディは次から次へと出てくるけど、何だかそれをつなげただけで、最初の悲しげな旋律と次に出てくる楽しげな場面がちっともイタリアでつながらないなぁって。最初のトランペットのファンファーレが間延びした感じがして、きっとそれは音の切り方が不揃いからだと思うんだけど、それが全体的な印象を決定づけてしまったんだと思いました(金管楽器が裸になったとき丁寧に行き過ぎて音に勢いがなくなったのかな)。それに、オーケストラの音色が少し地味で。イタリアって違うんだよ〜〜って心の中で叫んでた。イタリアって、オーストリアから山を越えて行っても、フランスから電車で行っても、イタリアに入ったとたん空気がカラフルになるの。空気自体にキラキラと色が輝いてるのよ。もっと燦めきがーーーって、そんなことを思いながら聴いていました。でも、賑やかな部分ではタンバリンの人がうんと楽しそうに叩いていて、あんなに楽しそうにタンバリン叩いてる人見るのは初めてです、おおおっ!これはタンバリン冥利に尽きる曲なんだ、わたしもできることならタンバリン叩いてみたいと思ったのでした。ちなみにわたしのタンバリンの腕は、かつて嫌々連れて行かれたカラオケで、気のない拍子をぱんぱん打ってた程度です。。。ダメですね。最後、少し追い立てるように加速したのは良かったです。もっとやれーーっては思ったけど。

ラフマニノフの「死の島」は、一転、暗いうねうねした感じなので、こちらの方が合ってるかも。いや、オーケストラが暗いなんて言ってません。音がカラフルな色彩系ではなくて、鈍色な感じなのでそう思ったんです。明るい暗いではなくて、ってこの間の南米音楽フェスタのときは、明るくガンガン来ましたもの。でも、フランスっぽいお洒落な音色系のアマチュア・オーケストラってないかも。クラシック音楽と言ったらドイツ音楽重視の教育の賜物?
うねうねと一筆書きのように続く音楽を、ベックリン/クリンガーの銅版画を思い浮かべながら聴いていました。過度に重くならない響きが、ちょうど良くて、これはとてもステキな演奏でした。

お終いの「シェヘラザード」。ヴァイオリンのソロがあって大変な曲(管楽器にもソロ多いか)だと思うのだけど、アマチュア・オーケストラで聴くの4回目(あっ、うちひとつはプロのゲスト・コンサートマスター)。そう言えば、4回とも女性のコンサートマスターだ。ソロの弾き方で、シェヘラザード姫の性格が変わってくるんだけど、今日は、ちょっぴり男勝りの真っ直ぐ系。色よりも理知、で王の心を捉える。さらりと弾いちゃうんだよね。上手いな。
コンサートマスターの熱演に呼応してオーケストラもきっちり決めてくる。特にフィナーレの後半から(船が沈没する手前から)速度を上げて盛り上がっていく部分が、気持ちを追い立てられるような興奮を伴ってとても良かったです。指揮者も本番で煽ったんでしょうね。とてもワクワクしました。血が騒いだ。もう難破なんてしないでそのまま踊り狂って欲しい。なんて思った。ひとつ残念だったのは、「イタリア奇想曲」のタンバリンの人がティンパニに移っていたこと。またあのタンバリンを見たかった(タイトルもタンバリン!だなんてわたし打楽器フェチ)。船が沈没して、ベッドに戻って、そして最後、ヴァイオリンのソロが高い音をフラジオレットで伸ばすところって2人で弾くんですね。リムスキー・コルサコフ、やるなぁと感心しきりの発見。

このオーケストラも聴いていて気持ちがいいです。次の音楽会は、シベリウスとニールセンなので凄く楽しみ〜♪


♪♪
楽友協会交響楽団の次の公演は、第98回定期演奏会が来年の4月5日、すみだトリフォニーです。。
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by zerbinetta | 2014-09-07 22:41 | アマチュア | Comments(0)

盤石のブラームス 都民交響楽団第118回定期演奏会   

2014年8月31日 @すみだトリフォニーホール

バルトーク:舞踏組曲、「中国の不思議な役人」組曲
ブラームス:交響曲第1番

末廣誠/都民交響楽団


盤石の安定感。都民交響楽団の印象です。入団するにはオーディションがある上、団員になっても数年に一度、更新オーディションをして高いレヴェルを保っています。アマチュアとは言え高いレヴェルを目指す厳しさを実践しているオーケストラ。それ故に真摯に音楽を演奏することを共有しているのでしょうね。実力的にはもちろん、プロには遠く及びませんが、負けない安定感は素晴らしいのです。

東京文化会館で行われる(今は改装中なので今日はトリフォニー)都民交響楽団の年2回の定期演奏会は無料。というか、往復はがき代104円。往復はがきで抽選に申し込んで、当たれば当日座席指定のチケットと交換します。どのくらいハズレが出るのかは知りません。というちょっとめんどくさい手続き。他に年に1回、有料の特別演奏会があります。維持会員になれば、抽選に参加しなくても年3回の音楽会の指定席がもらえます。こちらは楽ちん。

今日は、相変わらず苦手なバルトークと最近偏愛中のブラームス。それにしても、この選曲に自信の現れを見たような気がする(根拠はないけど)。
舞踏組曲は、「のだめカンタービレ」の中で千秋先輩のコンクールでの課題曲。という認識、わたしは。民謡調の親しみやすい旋律がたくさん出てきて聴きやすい反面、ソロが多いし、テンポの変化や拍子の変化が多くて演奏する方は難しそう。都民交響楽団は、それらの技術的に難しいところはクリアしていて、きちんと演奏されていたんだけど、そこから崩されたところにバルトークの音楽の魅力(多分、みんなが言う、ハンガー語のニュアンスを持った音楽)が出てくると思うのだけど、流石にそこまでは表現し切れていなかったように思います。自発的なルバート。それって、外国のオーケストラが演奏する際に聞かれる不満だけど、そんなところまで要求しちゃいたい、というのは都民響が力のあるオーケストラだからでしょう。

2曲目の「中国の不思議な役人」もどちらかというとマニアックな曲。でも、この曲は舞踏組曲よりも抽象的だし、仄かに東洋風なところもあるので、むしろ演奏しやすいかな。とは言え、ギラギラとエキセントリック、グロテスクなところもある音楽を表現するには、まず丁寧にきちんとした演奏は少しもどかしさも感じました。上手いを超えたリスク・テイキングな音出しができれば、音楽の持つざらざらと心臓を紙やすりで擦られるような気持ちの悪さを表現できたと思います。良い音楽を聴いたで終わってしまった(でも、それだけでも凄いことですが)のが惜しかった。

お終いのブラームスは、もう堂々とした演奏でした。指揮の末廣さんも真っ向勝負で、下手な飾り付けをせず、ブラームスが書いたとおりの音楽をオーケストラの要求していました。それでいてここまで聴かせてしまうオーケストラにはアマチュアとは言え脱帽です。このオーケストラの持つ一種の’生真面目さ’もブラームスの綿密で格調高い古典的な音楽にピッタリでした。わたしの考えですが、都民響は、理路整然なドイツ系の音楽に親和性があるような気がします。末廣さんは都民響の元常任指揮者で、長きにわたって都民響を指揮されてきた方です。そんな親密な信頼関係が、ブラームスの音楽の隙のない緻密さを不足なく聴かせてくれたんだと思いました。

都民交響楽団は、普段プロのオーケストラを聴いている人にアマチュアだったらどこがいい?って聞かれたら、一番にオススメしたいオーケストラのひとつですね。オーソドックスだから。もちろん、アマチュアの世界には独自路線のマニアックなのとか熱さだけはまけないとか、ステキなオーケストラがひしめき合ってるんだけどね。
次の音楽会は、都民響向きのベートーヴェン、楽しみです。


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都民交響楽団の次の公演は、有料の特別演奏会が12月23日、東京文化会館です。今年は第九。
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by zerbinetta | 2014-08-31 00:42 | アマチュア | Comments(0)

初心者OK!でも鍛えられてる ろうさいの森アンサンブル第6回定期演奏会   

2014年8月16日 @銀座ブロッサム

モーツァルト:「魔笛」序曲
ウェーバー:クラリネット協奏曲第1番
ブラームス:交響曲第2番

横田搖子(クラリネット)
室賀元一/ろうさいの森アンサンブル


わたしはと言えば、何でも全部試してみたいタイプ。CDショップでは棚の右から左へ全部買ってみたいし、食堂でもまずは全メニュウ制覇してみたい。もちろんいつも途中で挫折するんだけどね。アマチュア・オーケストラをいろいろ聴くシリーズ、今回は、初心者OKの社会人オーケストラ。社会人オーケストラの多くは、経験者募集で、大学オーケストラなんかで合奏したことのある人を集めているのだけど、今日のろうさいの森アンサンブルは初心者OK。なので、どんな演奏になるのかドキドキ。プログラムにはブラームスの交響曲も入ってるし(難しいと思う)、大丈夫かなぁ。ちなみに、ろうさいの森アンサンブルという名前は、オーケストラの練習場所が東京労災病院とのことで付けたそう。労災組合とは関係ありません。

銀座ブロッサムは、ホテルの講堂のようなホール。コンサート、というより、ホテル主催の音楽行事を聴きに来た雰囲気。でも、居心地は悪くない。会場の小ささもちょうど良い感じ(音を張り上げて弾かなくてもいいからね)。

まず、始まりは、「魔笛」の序曲。怖々と聴き始めたけど、あれれ!普通じゃん。めちゃくちゃな演奏になるかもしれないって思ってたのに、全然大丈夫。とても上手いとは言えないけど、ちゃんと音楽してる。期待しないで聴き始めた分、得してると思うけど、わたしはこういうオーケストラ好きだな。弾けるエキストラがが多く入ってるからかもしれないけど、それだけではあるまい。そして何よりも良いのは、あとのブラームスでも明らかになるのだけど、ひとりひとりが、音楽の中のどこにいるのか分かって弾いていること。当たり前、と思うかもしれないけど、(レヴェルは違うけど)プロのオーケストラでもこれができないとこがあるからね〜。そんなの聞かされると心底がっかり。

2曲目は、オーケストラの管楽器トレーナーをしてらっしゃる横田さんを迎えて、ウェーバーのクラリネット協奏曲。ウェーバーってオペラで有名だけど、地味にいろんな協奏曲書いているのよね。そしてわたし的にも地味。ぼんやりと聴いてしまいました。横田さんはソリストとしては少し華やかさに欠けるけど、きちんと吹いておられて、そこが、ロマン派初期の技巧的な外連味を中和してしまって物足りなさがあったのかな。エンターテイメント要素がね、少ないの。

最後のブラームスは、練習の成果が窺える会心の出来ではなかったかな。指揮者の室賀さんは、初心者の方もいるオーケストラにそれぞれの役割を考えさせて、上手くまとめて、楽しみながら音楽のハートに触れることを心がけていらっしゃったんじゃないかしら。それが音になって表れる、みんなでひとつの音楽を作ることの喜び。それは、わたしにも伝わってきて、ステキなもの聴いたと思えました。上手い下手ではない真摯な音楽の楽しみ方、聴き方があると思います。そんなステキな大人のオーケストラとしてこれからも音楽を奏でていって欲しいです。

アンコールには「くるみ割り人形」から行進曲。かわいくて楽しそうで、このオーケストラの良さがたっぷり出ていました。帰り道は、近くの小さな寒天屋さんの天まめさんでお土産を買って、天気は悪かったけど、満たされた想いで1日を終えました。豆かんおいしぃぃぃ〜


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ろうさいの森アンサンブルの次の公演は、第7回定期演奏会が来年2月7日、銀座ブロッサムです。
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by zerbinetta | 2014-08-16 13:56 | アマチュア | Comments(0)