<   2010年 03月 ( 21 )   > この月の画像一覧   

おっぱいバレー   

concerto (music by shostakovich):
laura morera, brian maloney, sarah lamb, ryoichi hirano, laura mcculloch, etc
tha judas tree (music by brian elias):
thiago soares, jphannes stepanek, sergei polunin, mara galeazzi, etc
elite syncopations (music by scot joplin & others):
laura morera, nathalie harrison, yuhui choe, marianela nuñez,
ludovic ondiviela, jonathan watkins, liam scarlett, michael stojko, thiago soares,
kenneth macmillan (choreography)
royal ballet @covent garden


今日は久しぶりにバレエです。わたしには珍しく、フル・レングスではないミクスト・ビル。わたしはもともとダンス愛好者ではないので、あまりストーリー性のないダンス中心のバレエはそれほど好きではなかったのですが、最近バレエにはまってきているので、観に行きました、コンチェルト、ユダの木、エリート・シンコペーションズの3本です。あのロミオとジュリエットを振り付けたケネス・マクミランの振り付けです。実は、うふふ、最近バレエが好きなのは美男美女がたくさん観られるからです。というより、美しい人が観られるのがステキ。バレエの動き、表現って本当に美しい。そして美しいものを観るとわたしの心も躍り出す。

コンチェルトはタコのピアノ協奏曲第2番に振り付けたもの。ストーリー性はあまりないものの楽しめました。ただもっと音楽に切れが欲しかったかな。大好きなタコなのでついつい音楽にも耳がいっちゃいます。ところで、下世話な話なんだけど、ひとつ気になったことが。だって、ソリストのルドヴィク・マッカロックさん、おっぱい大きかったんだもん。華奢な身体の人が多いバレリーナの世界では珍しい。なんかちょっと邪魔そうだったな(やっかみ?)。

マッカロックさん
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このバレエには、ヒラノリョウイチさんの他に、クラケンタさん、コバヤシヒカルさんと3人の日本人ダンサーが出ていました。日本人の活躍をみるのは嬉しいです。
ヒラノさんの後ろにヒカルさん
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ヒラノさんはプリンシパルのサラ・ラムさんとペアでした。ラムさんって正統派バレリーナって感じでとってもきれい
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二つ目はユダの木。きれいな花を咲かせる木みたいですが、イエスを裏切ったユダがこの木で首をつったことでこの名前が付いてます。バレエはレイプされて殺されたカップルのお話。エリアスさんは1948年インド生まれのイギリス人作曲家。音楽は現代風だけど調性的に書かれているので聴きやすいです。ただ、わたしは消しがたい過去を思い出してしまうのでこういう物語は苦手。救いのないお話でした。ユダが救われるのかどうかというのもキリスト教の根源的な課題だと思いますが。マーラ・ガレアッツィさんは、チューブの駅に貼られたロイヤル・バレエのポスターでもよく見かけた人。力のある表情がこの役にはぴったりでした。男の人たちは、ごめんなさい、気持ち的に上手く整理できないので(ドラマの中とわかっていても)何も書きません。

ガレアッツィさんとティアゴ・ソアレスさん
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3番目はラグタイム・ミュージックに振り付けたカラフルでコミカルなバレエ。パーティーの男女の機微を楽しく描いています。今日ステキな気持ちでオペラ・ハウスをあとにできたのもこれがあったから。ユダの木のままじゃ心重苦しいよ。やっぱり、初めて観たときにステキっって思った、ユフイ・チェさんとマリアネラ・ヌニェスさんに目が行ってしまいます。お隣に座った方達もチェさんに注目と言っていました。お二人ともやっぱりステキですね〜。特にチェさんは、今シーズン、ファースト・ソロイストに昇進して、今勢いがあります。それがびしびし感じられるのでステキ。このままの勢いで、近い将来プリンシパルになって欲しいな。そしてでも、このコメディ・タッチの演目にスパイスをきかせたのがミカエル・ストイコさんの楽しい笑いを誘う3枚目的な演技です。わたし的には、スパイスというより、付き合うならこの人こそが本命かなって思いました。美男だと背伸びしなければいけないし。

カラフルな舞台。真ん中はファースト・アーティストのナタリー・ハリソンさん
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ヌニェスさんとラウラ・モレラさん。眼鏡をかけてる人が胡椒をきかせたストイコさん
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チェさんとリアム・スカーレットさん
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ヌニェスさんとソアレスさん。ご夫婦なんですね
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by zerbinetta | 2010-03-31 22:34 | バレエ | Comments(0)

一瞬一瞬が特別な演奏   

beethoven: violin concerto, symphony no. 3
joshua bell (vn), riccardo muti / po @royal festival hall


ダヴィッド・フレイのお義父さん、指揮界の帝王、リッカルド・ムーティさんの65歳のお誕生日記念コンサート。と今までずうっと思っていたんだけど、実はお誕生日はフィルハーモニアのでした。うっかり。とっても人気のある音楽会で会場もほぼいっぱい。わたしがチケットをとったときも一番安い席はもうなくて、3番目くらい安い席をとりました。フンパツ。
始まりはヴァイオリン協奏曲。最初のティンパニを、何しろフィルハーモニアのティンパニだからどんどんフォルティッシモで叩くかなって思ってましたがちゃんとピアノでした(って冗談で思ってたのよ)。今日のティンパニは、普段と違う皮を張っていました(本皮かどうかは分からないけど)。ヴァイオリン協奏曲でのティンパニは終始控えめでした。ってヴァイオリン協奏曲を聴いてティンパニの話ばかりしてるってどうよ。なので、話を本題に戻して。ヴァイオリン独奏は、うふふ、ジョシュア・ベルさんでした。相変わらずかっこいい〜、うっとり。ベルさんの弾く姿がとってもステキなのよね。頭のてっぺんに見えない糸が付いてて上に引っ張られてる感じ(うわっ、この書き方かっこよく見えない)。そのベルさんのヴァイオリンがなんだかとってもびっくりしたんです。ベートーヴェンといったら形から入るじゃない。ベートーヴェンって厳格な構築や主題操作をした人だから。でも、ベルさんの演奏はそんなことには一切かまわず自由。とにかく自由。伸び縮みのあるテンポや、強弱の付け方、ドキッとするさりげないポルタメント、ものすご〜い歌に溢れてた。こんなに自由に歌ってよく形が崩れないものだと思ったわ。この曲が緻密な構成にあまり依存していないのもあるにしても。ムーティさんはそのベルさんの音楽をサポートするのに徹していました。オーケストラの付け方は控えめで常にベルさんが前面です。帝王と呼ばれてる人だからさぞかし強い自我のある人だと思ってたら、こういうサポートもできる方なのね(ってか帝王というのはまわりの人が勝手に付けた印象だとは分かっていますよ)。ベルさんの自由に任せて、しっかり伴奏。でもこれってものすごく大変よね。全くほころびがなかったのは、事前にきちんと打ち合わせていたのか、ふたりの相性がいいのか、ムーティさんが凄いのか。こんな美音で囁かれたらもううっとりとしてとろけてしまいそう。だって、ベルさんは、美しいもの、優しいもの、心温まるもの、甘いもの、甘酸っぱいもの、人間の良い面だけを静かに丁寧に語り聴かせてくれるんだもん。純粋なポジティヴ。それなのに決してただの甘ったるい音楽になっていないのが凄い。たくさんのドキドキする瞬間。はっとするときめき。ベートーヴェンをこういう風に演奏するのって実はとっても勇気のいることなんじゃないかと思います。それに、人間の良い面だけを聴かせてなお嘘のないのは、音楽そのものが真実だから。それを見つめて音にすることは、暗黒面も含めたありのままの人間をただ見せるより、もっともっとエネルギーのいることだと思うんです。夢見てるだけじゃないリアルな幸福を創出するんだもの。至福なときってこういうことを言うのですね。
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休憩の後の交響曲第3番も素晴らしかった。曲を始める前にムーティさんからこの音楽をフィルハーモニアをリタイアした方達を含めたメンバー、そして特に数日前に亡くなった元フィルハーモニアのコントラバスの方に捧げるというアナウンスがあって、それに応える会場の拍手が鳴りやむか鳴りやまないかのうちに始まった音楽。ものすごく緊張に満ちて、奇をてらうことなく真っ直ぐ王道を行くベートーヴェン。昨今の古楽器ブームな演奏には一線を画した近代オーケストラの堂々たる演奏(ただし木管楽器は倍加してるけど例えばトランペットのメロディなんかは楽譜通り)。ムーティさんは今日初めて聴くのだけど、こんなに凄い人だとは思わなかった。全くレベルの違うオーラを発してて、ベートーヴェンの書いた音楽とオーケストラを一体化してる。ムーティさんは指揮を止めたり細かい指示はせずにオーケストラの自発性を最大限に引き出しながらも確固として揺るぎのないベートーヴェンを創り出していく。どこを切ってもフレッシュで音楽が生まれる喜びに満ちていて、一瞬の隙もない音楽。オーケストラも素晴らしい演奏で応えていく。特に印象に残ったのはたっぷりとゆっくりとしたテンポで、でも決して引き摺らず重くならずに、進められた葬送行進曲。この楽章の自由なコントラバスの扱いにはうんと感動しました。こんな弾き方弾かせ方ができるんだって。それからもちろんティンパニ。協奏曲では控え目だったけど、交響曲では要所要所でしっかり楔を打って音楽を決めてくれた。ああ、それにしてもムーティさんってなんてステキなんだろう。今まで聴く機会が何回かあったような気がするけど、まあいいやと思って聴かなかったけど、これからはチャンスがあったら全部聴くっ。だって音楽の神さまはムーティさんを祝福してくださってるに違いないから。あの会場にいた人たちはなんて幸福だったんだろう。
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by zerbinetta | 2010-03-30 09:00 | フィルハーモニア | Comments(2)

スラヴァとお金   

友達の彼女のお父さんがなんと、ロンドン・シンフォニーのマネージャーだったり、カーネギー・ホールで働いてたこともあるそうなんだけど、彼が語ったスラヴァ(故ロストロポーヴィチさん)のエピソードを又聞きの又聞きで。
スラヴァ、コンサートの出演料は現金でもらってたんだって。友達の彼女のお父さんは、だから銀行に行って何千ポンドも現金をおろして大変だったそう。普通そんな大金、現金でなんて持ち歩かないからね〜。心配性のわたしなんかお財布に50ポンドも入ってるとドキドキして気が気じゃないし。それにしてもスラヴァ、そんな大金持って歩いてたのかなぁ。なんでチェックでもらうとか銀行振り込みとかしないんだろう?ふしぎ〜。
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by zerbinetta | 2010-03-30 08:38 | わたし・ブログ | Comments(0)

音楽を聴いてるとき何を考えてる?   

今日はチケット取ってないんだけど、行けなくなった音楽会の振り替えで、ロンドン・シンフォニーに行こうかなって思ったけど、やっぱり休養に充てることにして、ここしばらく疲れてたからね、のんびり家にいました。わたしほんとに出不精なんですよ。誰かが買い出ししてくれたら1日中というか1月くらい家に籠もっても平気なタイプ。ってかそれが好き。

さて皆さんは音楽を聴いてる最中、何を考えていますか? 音楽に完全に身をまかせて無我の境地? わたしはそれがなかなかできません。ついつい何か考えてる。それが今聴いてる音楽のことであればいいのですが、そうとばかりは言ってられず、ブログに何を書こうかとか、まぁそれは今聴いてる音楽に関係ありますが、明日の仕事どうしようとか、今日のご飯は何を食べようとか、いろんなことが頭をよぎったりもします。わたしの脳みそって脈絡のないことがぱちぱちとてんで勝手に発火してるんです。バレエやオペラは舞台の物語を観ながらなのであまり余計なことは考えないですむんですけど。わたしも無我夢中に集中してみたいんですが、いつもいつもそうはいきません。音楽好きの皆さんは1音も聞き漏らすべくもなくしっかり聴かれるんですよね。わたしってダメだなぁっていつも思います。でもそれでいて音楽をぼんやりしながら聴くのは好きなんです。ときには変な関係ないことを考えながらも聴いているのはやっぱり音楽が好きだからです。でもやっぱり頑張って全部の音を聞き漏らしたくない。音楽会は2度と繰り返されることがないので、ここは聴かなきゃと気張っていたのに一瞬の隙で音を聞き漏らしてしまったときは、ぐわんと落ち込みます。リモコンボタンを操作してリピートしたい。今どういう風に演奏した?って確認したい。わたしもモーツァルトみたく1度聴いたら全部覚えられるといいんだけどな〜。まずは全部の音を聞き漏らさず聴ける耳になることからだな。
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by zerbinetta | 2010-03-28 07:01 | わたし・ブログ | Comments(2)

ふわふわ髪の毛の世代   

sibelius: king kristian II suite
grieg: piano concerto
lindberg: chorale
sibelius: symphony no. 7
simon trpčeski (pf), robin ticciati / lso @barbican hall


どうしてこの音楽会のチケットを買っていたのかすうっかり忘れていたのですが、多分、トルプチェスキさんが弾くのと、シベリウスの交響曲第7番が演奏されるからではないかしら。そして今日はふふふちょっぴり特別な日でもあったのです。とかいって決してたいしたことないのだけど、誕生日だったんですね。お誕生日プレゼント。

指揮者は全く知らない人。名前から想像するに外国人さんだと思っていたらロンドン生まれ。イタリア系なんですけどね。そしてなんと若い!!1983年生まれの27歳(?)。わたしより一回り以上若い。わたしも歳をとったものよのう。この人からどんな音楽が生まれるのでしょう。って思いつつ耳を澄ませたら、それはそれはステキな音楽が。「クリスチャン王2世」は初めて聴く音楽だけど、シベリウスらしい清楚で美しい音楽。そして初期の作品の特徴でもあるチャイコフスキーばりの叙情性も。ロビン・ティチアーティさん音がふんわりと切れるところの無音の音楽性がものすごくステキで、特にゆっくりと抒情的な最初のふたつの楽章はとっても良かったです。ロンドン・シンフォニーもステキな音色で弾いていたし。ただちょこっと心残りだったのは速い楽章での盛り上げ方がちょっと足りないというかまだ完全にはコントロールできてないかなって思いました。でもでも、これは大発掘ですよ。この若さなら、毎日毎日どんどん変化していくでしょう。これからがとおっても期待できます。そういえば、わたしはまだ聴いたことないけど、巷で評判のドゥダメルさん、このふたりはふわふわ頭が共通ね。指揮界の若手はふわふわがトレンド。ヴィオラだけではありません。

トルプチェスキさんのピアノはグリーグの協奏曲。トルプチェスキさんはなぜか最初に聴いたときから相性がいいのです。言葉で上手く説明できないんだけど、この人の音楽とやたらとウマがあって、恋人じゃないんだけど、ひとりでにずうっと一緒にいてしまうみたいな、そんな惹かれ方。この人のピアノにはわたしを惹き付ける何かがあるんでしょう。今日のグリーグはゆっくり目のテンポでこれでもかというほど抒情的。音楽を豊かに歌わせます。オーケストラも魅力的にそれをサポート。ティチアーティさんもやはりただ者ではありません。それにしてもトルプチェスキさんって貫禄あるというか、なんか堂々としてるというか、これでまだ30代になったばかりっていうのが信じられません。素で観るとやっぱり若いって分かるんだけどね。カーテンコールのときはひとりまたひとりとふたりの女性が花束を手渡していました。挨拶のキス。今日は彼と同郷のマケドニアの人が多かったみたいです。音楽会のあとのサイン会でもたくさんの人がキスの挨拶を交わしていました。キス不足のわたしはうらやましかった。あ〜キスしたいよ〜〜。
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休憩の後はマグヌス・リンドベルイのコラール。この曲を聴くのは2回目なのでどんな曲なのか覚えているんだけど、今日の演奏はちょっとアンサンブルにしまりがないなって思いました。どうしてかみんなおどおどしてる感じ。リハーサル不足かなぁ。
お終いのシベリウスはステキでした。ただわたしはこの曲のうんとステキな演奏を何回か聴いているので評価は厳しくなってしまいます。確かにきちんとまとまってるし、よくこなれた演奏をしていると思うのだけど、もうひとつそこから踏み込んだ何かが欲しい。心を動かすものが欲しい。この音楽は無駄を一切削り取って極限までシンプルで清廉な美しさを称えてるけれども、美しく演奏しただけでは足りないんだと思います。ただ、削り取る作業って20代の若者には荷が重すぎるんだと思うんです。彼らの年代はわたしもそうだったけど、何もかも詰め込みたい、ありとあらゆることを表現したいと思い込む季節だと思うんです。それは正しい。でもそれではシベリウスの最後の交響曲は表現しきれないと思うんですね。もちろんそれは時と経験によってしか解決できないでしょう。そして、ティチアーティさんはそれができる人だと思います。それを楽しみに待ちたい。と、偉そうにまた無駄に歳をとってしまったわたしからのメッセージでした。
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by zerbinetta | 2010-03-25 09:31 | ロンドン交響楽団 | Comments(2)

ピアニストにならなければアスリート?(by yuja)   

rimsky-korsakov: russian easter festival overture
prokofiev: piano concerto no. 2
stravinsky: the firebird
yuja wang (pf), charles dutoit / rpo @royal festival hall


去年の衝撃的な出逢い以来、うんと注目してるユジャ(・ワンさん)。だから今日の音楽会がとおっても待ち遠しかったんです。シャルル・デュトワさん指揮のロイヤル・フィルハーモニックです。
ロイヤル・フィルは一見して、若い人が多くて、きれいな人多いなって思った。ごめんなさい第一印象がこんな感じで。だってフルートの主席の人の髪型がなぜか気になったから。いやヘンなって意味じゃないんですよ、一条の前髪がペンで描いたようにまとまって顔にかかってたから。それから日本人が多かったです。ロンドンのオーケストラって日本人が少なくてフィルハーモニアとロンドン・シンフォニーにひとりずついらっしゃるんですけど、弦楽セクションに3人のお名前が。日本と縁の深い現音楽監督(今シーズンから)のデュトワさんの影響かなぁ。とかいいつつ思い出して、去年聴いたときのプログラムを引っ張り出してみてみたら、ひょえっ、やっぱり、去年は日本人誰もいなかったよ〜。ほんとにデュトワさんが引っ張ってきたのかなぁ。

ロイヤル・フィルを聴くのはまだ2回目です。指揮者も替わってまだ最初のシーズンだし、どうのこうのと言える訳もないけど、弦楽器の硬質な音が意外でした。去年聴いたときはもうちょっとふっくらした感じだったのに、これも指揮者の好みかな。善し悪しの問題じゃないので。始まりの曲は、リムスキー・コルサコフの「ロシアの復活祭序曲」。この曲聴くの初めてなので何ともコメントのしようがないんだけど、ってかユジャにわくわくしすぎてちゃんと聴けてない。単純なたかたかたかたかっていうメロディがロシア人好みなのねって思った。似たような旋律、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番にもあるよね。

ロシアの復活祭を通り越して、いよいよピアノ協奏曲。プロコフィエフの第2番です。この曲は聴くの多分3回目だけど、プロコフィエフの協奏曲の中では3番と共によく採り上げられますよね。実はわたし今日まで、この曲ってのほほん系だと勘違いしてたんだけど、実はとんでもない野獣系だったのに気がつきました。こんな曲を書いたプロコフィエフもプロコフィエフですけど、この曲を弾いたユジャもユジャです。華奢な身体からピアノを思いっきり、すばしっこく叩く様はまるで、ネコ科の大型肉食獣。近くの席で、ユジャばっかり見つめて、音楽を聴いてないというか、まるでスポーツを観てるよう。それもものすごくアグレッシヴでスピードのあるやつ。ユジャは音楽が憑依するタイプというか、自分の中に完全にのめり込むタイプ。ほとんど自分に集中して指揮者もあまり見ない。ピアノを叩きまくるところなんてあまりに集中したあげく、冷静さを失って音が聞こえなくなってる、とさえ見えるような演奏振りなんだけど、そんなことはちっともなくて、音は完全にコントロールされてるし、勢いにまかせて流されてるということも決してない。しっかりまわりの音も聞こえていて、音楽を全体から見通してる。ユジャばかり見つめてユジャの音しか聞こえていないわたしなんかと大違い。第1楽章の途中からピアノのソロだけでずうっと音楽が進んでいって、盛り上がったところでフォルティッシモのオーケストラが凶暴に入るところなんてほんとに凄かった。完全にオーケストラと拮抗してる。この曲ってほんと、ピアノが休むところがほとんどなくてしかもめちゃくちゃ叩かせるので、ものすごいことになってるんだけど、さすが超絶技巧持ちのユジャ、乱れるところ、不消化な部分は一切ありませんでした。もちろん、まだ23歳。音楽が未熟な部分もあるのかもしれないけど、1日1日激しく成長していく年代、これからも全く目が離せません。US在住で、海外を飛び回っているけど、もっとロンドンで弾いてくれないかなぁ。最後の挨拶(お辞儀)もきびきびとしてスピーディーでフレッシュ。サイン会があるかなぁ〜って期待してたけどなくってちょっと残念。せっかくCD持っていったのに〜〜。
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ユジャのあとは、「火の鳥」全曲版。デュトワさんの火の鳥はそのすらっとした姿そのままに、何ともスマートで都会的な演奏。最初のコントラバスの音からして、全くおどろおどろしさがなくてスマート。土臭さも火の鳥や春の祭典の魅力だと思うんですけど、デュトワさんのはきれいに舗装されていて、しかも磨かれてる。ストラヴィンスキーその人も都会的な人のような気がするので、こういう演奏もありだと思うというか、ちゃんと音楽として成り立ってるところがさすが。でも、こういう解釈ならば最後は、1945年版のざくざくと切ったのの方が版の整合性はないけど合ってると思う。ってしつこいけど最後は1945年版が好き〜〜。
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by zerbinetta | 2010-03-24 01:41 | ロイヤル・フィルハーモニック | Comments(2)

眼鏡ヒラリー   

arias and orchestral movements by j.s. & c.p.e. bach
mojca erdmann (sp), matthias goerne (br), hilary hahn (vn),
alexander liebreich / munich chamber orchestra @barbican hall


わたしは持ってないんだけど、最近CDで出た歌とヴァイオリンのアルバムのツアーです。CDではシェーファーさんが歌ってるし、今日もシェーファーさんの予定だったんだけど、病気のためキャンセル。代わりはモイカ・エルデマンさんでした。知らない人だったけど、この人、ものすごくきれい〜〜、ステキ〜〜。そうなんです、ずうっと応援してるヒラリー(・ハーンさん)とこの間オペラでも聴いたけど、結構好みのシェーファーさんを聴きに来たのです。シェーファーさんは残念だったけど、エルデマンさんがとおってもステキだったので良しです。将来性のある若い人に出会えるとほんとうれしいんです。

今日のプログラムは、C.P.E.バッハのシンフォニアの1番と4番、これはオーケストラの演奏ですね、その間とそのあとにJ.S.バッハのカンタータからアリア、最後にマタイ(メンデルスゾーンの編曲版)から「私を憐れんでください」のアリア。ここまでが第1部。休憩を挟んで、J.S.バッハの管弦楽組曲第2番の序曲、カンタータやロ短調のミサ、マタイのアリア、それから管弦楽組曲第3番のアリア、最後にカンタータからデュエット。歌と、オブリガードのヴァイオリンにスポットを当てたプログラムです。なのでヒラリーはどちらかというと脇役。譜面を見ながら眼鏡をかけての演奏です。でも、眼鏡ヒラリーもとてもステキなんです。なんか正統派優等生みたい感じで。眼鏡ヒラリーを見るのは実は2回目です。前回はニューヨークでブランデンブルク協奏曲を弾いていました。こういうヒラリーの姿を見ると、ヒラリーって本当に合奏が好きなんだなぁって思います。凄く楽しそう。ソロのときのように前面に出ないで、音楽をみんなで奏でていくというのが好きなんでしょう。ソロの出番が終わってシンフォニアの第4番では第2ヴァイオリンの席に座って弾いていましたし。歌のオブリガードでは、歌うようにヴァイオリンを弾いていきます。ふたりで歌ってるように。

歌はゲルネさんがとっても安定していて良かったんですが、今日はモイカ・エルデマンさんでしょう。うっとりするほど可憐な人。プロフィールを見るとこの間まで学生だったみたいなので、まだ20代の半ばくらいでしょう。なので当然といえば当然なんですが声の質が若々しくて、透明で爽やかなんです。歌うのが楽しそう。現代音楽でも絶賛されてるようなので技術的にもしっかりしてるんでしょう。短い息継ぎの前の子音がちょっとせせこましく感じられることもありましたが、これからどんどん歌い込んでいけば、もうすぐにトップ歌手のひとりになるんじゃないかしら。軽い声なので、イタリアオペラとかは難しそうなのがちょっと不利な感じもするけど、古典や現代物歌いとして高く評価されるのでは、と思いました。絶対これから応援していこう。今日一番グンと来たのは、休憩前のマタイでした。音楽が始まる前からのエルデマンさんの悲しげな表情もじんときたし、何よりもバッハのこの曲が好き。そして、メンデルスゾーンの編曲のを初めて聴いたけど、今ならマタイを編曲して演奏することはあり得ないと思うけど、これはこれでステキな感じで全曲も聴いてみたいと思いました。3時間、聴くのにはちょっとこってり目かもしれないけどね。

もうひと方、指揮者のアレクサンダー・リーブライヒさんがとおおってもステキだったんです。イケメンで胸きゅん。指揮するお姿もスマートでかっこいいし、何よりも音楽がとっても良かった。この人もものすごく才能あるなって思った。この人の音楽もっと聴きたい。ロンドンのオーケストラに振りに来ないかなぁ。そして、オーケストラでは通奏低音も弾いたチェロの人がぐいぐいとオーケストラを引っ張ってるみたいで、ステキでした。とっても表情豊かで楽しそうでした。今日はヴァイオリンのリーダーの人よりこの人中心だったのかな。

ヒラリーとエルデマンさん
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リーブライヒさんとゲルネさん
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通奏低音のkristin von der goltzさん(チェロ)とrosario conteさん(テオルボ)
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by zerbinetta | 2010-03-23 09:53 | 室内楽・リサイタル | Comments(2)

何を見て聴く?   

皆さんは音楽を聴くとき何を見て聴きますか?

わたしは、実はCDで音楽を聴くのが苦手かもしれない。家で、自分の部屋でCDをかけても目のやり場に困っちゃう。目に入るのは殺風景な部屋の様子だったり、ラップトップの画面だったり。家で音楽を聴いてると、ついつい本を読んでみたり、キーボードを叩いてみたり、ネットで調べ物をしてみたり、音楽に集中できないの。かといってなにもしないのは目持ちぶさただし。。。目を瞑ってもいいのだけど、わたしすぐぼんやりと夢見心地になっちゃうし。みんなは何を目に入れながらCDを聴いてるんでしょう? 例えば立派なオーディオ・ルームを持っていても、プレイヤーやスピーカーなんかの機械を見ながら音楽を聴くのもなんだか殺風景な気がするし。
だから、音楽会が好き。演奏者が演奏してるのを観るのはステキだし、それ自体が音楽だもの。目持ちぶさたに困ることなく、集中できる。五感を全て音楽に研ぎ澄ませられるのがいいんだ。においだって、マーラーの交響曲第6番の叩いたハンマーから木の香りが立ち上ってきたのはステキだったしね。
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by zerbinetta | 2010-03-22 08:19 | わたし・ブログ | Comments(4)

体調不良でした   

martinů: symphony no. 5
brahms: a german requiem
ana maria martinez (sp), benedict nelson (br),
jiří bělohlávek / bbc symphony chorus, bbcso @barbican hall


今日の音楽会はラジオで生放送されるので、7時始まり。さすがにわたしも学習したので、遅刻せずに行きましたよ。でも、体調はまだ最悪。音楽をちゃんと聴ける状態ではなかったんだけど、マルティヌーだけはどうしても聴きたい、こんなチャンス滅多にないだろうし、幸い、音楽会の前半だから、30分くらいは体も持つだろうと思ったのです。チューブの中ではかなりしんどかったんですが。

ラジオ放送のあるときはいつものように司会の人が出てきて、曲を簡単に紹介。それが終わると指揮者のビエロフラーヴェクさんに握手でバトンタッチ。マルティヌーの交響曲第5番はマルティヌーにしては少し現代風、鐘の音を模したようなオーケストラの響きから始まりました。和音の重ね方がちょっぴりクラスターっぽくていい感じ。あっでもそれは最初だけなんですけど。チャイコフスキーのような弦楽器と木管楽器の間での短いリズムの受け渡しが中心になって、これがこの交響曲全体の動機になってるんですね。1回聴いただけではちょっと分かりづらい難しい作品のような感じがしました。第2楽章は自然系のドキュメンタリー番組のうしろでかかっていても違和感ない感じの音楽ですが。ビエロフラーヴェクさんとBBCシンフォニーの演奏は相変わらず、色彩的でマルティヌーの音楽を魅力的に演奏していたと思います。ただわたしとしてはもうちょっと思い切りがあった方がいいなって感じられた部分がいくつかありました。大人しめの演奏に思えました。

ブラームスのドイツ・レクイエムは実は、あまり相性の良い曲ではありません。まだちゃんと理解しきれないでいるというか、あまり聴かないせいもあるんですけど。ふと思ったんですけど、19世紀って音楽的には宗教的なものが後退して、人間的なものが前面に出された時代だと思います。宗教曲の傑作はほとんどなくて、それは20世紀よりも少ないくらい。そんな中で、ブラームスのドイツ・レクイエムも宗教的な作品とは素直に言いづらくって、ブラームス自身もドイツ・レクイエムではなくてヒューマン・レクイエムと呼んでもいいと言っています。ヒューマンって神と対立する言葉ですよね。
とか前置きが長くなってしまったんですが、実は、ちゃんと聴いていません。やっぱりわたしの体調は30分が限界だった。うとうとしながら聴くのが精一杯でした。ごめんなさい。
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by zerbinetta | 2010-03-19 08:59 | BBCシンフォニー | Comments(0)

ロンドンの音楽会のチケットの取り方   

うふふ。一方的に音楽会のたわいもない感想ばかり綴っているこのブログ。わたしも少しは読んでくれる方のお役に立ちたいと思ってるの。なので、今回はロンドンの音楽会のチケットの取り方を解説しますね。オペラやバレエもほぼ同様ですが、そちらはまたの機会に。日本からもチケット取れますよ。必要なのはインターネットのアクセス(ってこれが読めるんだから大丈夫よね)とクレジット・カード。欧米は基本的にカード社会なので(スーパーの小さな買い物でもカードが使えます)、カードは必需品。VISAでもマスターでもアメックスでも。
音楽会の情報はインターネットで調べるのが一番。といいつつ、わたしはロンドン初心者なので星の数ほどあるロンドンの音楽会の情報を全部調べられてるわけではないのですが。ただ、メジャーなのは、いくつかのメジャーなホールのウェブ・サイトに行くのが一番です。もちろんぜひとも聴きたいオーケストラがある場合はそのオーケストラのサイトに行ってもいいのですが、チケットはホールのサイトで取る方が多分楽。それに座席も指定できるし。

チェックすべきホールはこんな感じ。
バービカン・センター (ロンドン・シンフォニー、BBCシンフォニーなど)
サウスバンク・センター(ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、クイーンエリザベス・ホール、パーセル・ルーム) (ロンドン・フィル、フィルハーモニア、OAE、ロンドンシンフォニエッタ、ロイヤル・フィルなど)
カドガン・ホール (ロイヤル・フィル、室内楽など)
ウィグモア・ホール (室内楽、リサイタル)
キングス・プレイス (室内楽、リサイタル)
ロイヤル・アルバート・ホール (夏のBBCプロムス

試しにサウスバンク・センターに行ってみましょう。クリックしてみましたか?
わたしたちの目的は音楽会のチケットをとることですから、上の方にある"FIND EVENTS & BOOK TICKETS"をクリックします。すると、左の方に"What's On"というのがあってその下に"Music" >"Classical Music"というのがあるのでそれをクリックしてブロウズしてもいいし、旅行の日程が決まっているのであればカレンダーのところ、"From"と"To"を指定して、あっヨーロッパは、日/月/年の順番なので気をつけてね、何があるのかチェックしてもいいです。
とりあえず6月27日(27/6/10)をチェックしてみましょうか。ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでフィルハーモニアの音楽会がありますね。この日はテミルカーノフさんの指揮でチャイコフスキー・プロコフィエフのシリーズ、庄司紗矢香さんがプロコフィエフのコンチェルトを弾きますね。ここまで無事クリックで来れたでしょうか? さてそのペイジ、テミルカーノフさんの顔写真が大きく出ているペイジの"Book Ticket"をクリックしてみましょう(クリックしただけじゃ買ったことにならないから安心してくださいね)。するとロイヤル・フェスティヴァル・ホールの大まかな座席表が出てきます。ここでお好きなエリアをクリックします。ロイヤル・フェスティヴァル・ホールはステージの後ろにも席があるので、そこに座ることもできます(合唱が入る場合はここをクリックしてもソールド・アウトと表示されます)。じゃあ一番高い席行ってみましょうか(自分のじゃないと太っ腹なわたし)。ステージの前の薄紫のエリアをクリックします。するとどうでしょう。インヴェーダーゲームのような(古っ)。下の方がステージですよ。緑のが空席です。お好きなところをクリック。値段が出てきますね。皆さんは"Standard"ですよ。半額のは失業中の人や学生さんなんかです。すいません、わたし学生席買ったことないので、学生の証明が必要なのかどうか分かりません。ごめんなさい。上のX点のところをクリックすれば何回でも選び直すことができます。他のエリアにしたければ、下の方の"Return to venue map"をクリックします。とりあえず真ん中らへんをとってみましょうか。適当にクリックして38ポンドでした。ここで良ければ、"STANDARD"もしくは半額券に該当する方であれば"LIMITED CONCES"をクリックします。下に選んだ席と値段が表示されますね。これで良ければ"Add to cart"をクリックします。この情報は30分間保持されます。他の音楽会も買いたければ"Browse all events"で戻ってお買い物を続けてくださいね。さて、これで良ければ、この画面で気をつけなければいけないのは自動的に寄付が加算されると言うことです。もちろん!寄付してくれれば言うことなし。なのかもですが、いやなら"Donation"のところをプルダウンして"None"にしてください。したからといって意地悪されることはありません。そして、"Proceed to Checkout"をクリックします。ここを読んでる方は多分みんな初めてのお買い物だと思うので、ここでアカウントを作ります。メイルアドラスやらパスワード、名前、住所を入れます。ごめんなさい。ここから先はわたしは行けません。全部記入して"Create Account"をクリックすると多分、次はチケットの受け取り方法です。海外からだとチケットはカウンターに取り置きになると思います。郵送してくれる場合でも郵便は信用できないので(郵便がちゃんと届くと思うのは日本だけの常識と言ったら言い過ぎかなぁ)、取り置きお薦めです。次はカードの情報を入力する画面になると思います。なので必要な情報を入れてください。最後まで行くと、"Confirmation"の画面が出て、さっき入力したアドレスにすぐメイルが届きます。メイルが来なかった場合は上手くいってない可能性が大なので、問い合わせてみてください。
音楽会の当日、チケットを買ったカードを見せてチケットをもらってくださいね。カードがなければチケットを受け取れません。例外もあるようですが、カードなしでチケットをもらえなかったといって文句は言えませんから気をつけてください。
他のホールもどこも同じ感じです。ネットで何かを買ったことのある人なら、同じ感じなので簡単ですよ。

電話で予約することもできますが、電話の方がチャージ料金が高いのであまりお薦めしません。この場合もカード支払いです。

あとは、直接ホールのカウンターに行ってチケットを買うこともできます。この場合は現金でも買えると思います(現金で買ったことがないので多分ですが)。ふと旅先で音楽会を聴きたいと思ったらこの方法でもいいでしょう。よっぽど人気のある音楽会や小さなホールの音楽会でなければ、チケットが買えないことはないと思います。事前にネットで調べてもいいですね。

ぜひ、ロンドンで音楽会を楽しんでください!ねっ
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by zerbinetta | 2010-03-19 07:33 | わたし・ブログ | Comments(0)