<   2010年 10月 ( 21 )   > この月の画像一覧   

好きです   

30.10.2010 @royal festival hall

brahms: piano concerto no. 2
beethoven / mahler: symphony no. 3
leif ove andsnes (pf),
vladimir jurowski / lpo


ホントにもう好きなんですよ。アンスネスさん。初めて聴いたとき、びびびと来てしまってCDを買ったくらい。かっこいいし、透明でとってもステキなピアノを弾くのです。今日はユロフスキさんとロンドン・フィルとの共演でブラームスの第2協奏曲。ユロフスキさんはつい数日前、ステキな交響曲第3番を振ったばかりだから期待できます。どんなブラームスになるんだろう。
ブラームスのピアノ協奏曲の第2番は、最初ホルンがホンワリとひとりで主題を吹いてそこに、ピアノの分散和音が柔らかく重なるので、なんだかほんわかした音楽だなって錯覚するのだけど、実は結構、さばさばと雄大な音楽であることをわたしはちゃんと知っているのです。前回聴いて学習した。ところが、ユロフスキさんのオーケストラ部分はそれに輪をかけてアグレッシヴ。ざくざくと快速に進んでいきます。おやおやピアノ置いてけぼりか、と思ったけど、どうしてどうして、ピアノもちゃんと音楽に乗っていきます。さすがアンスネスさん。そしてやっぱり男性ですね。体重もあるし、タッチも余裕があって深々。それにしてもアンスネスさんって技術もとっても凄いものをもっていると思うんだけど、それが全く聞こえない。ブラームスの弾くのが難しい音楽もさらりと弾いてしまって難しいのかどうかも分からないくらい。第1楽章はあわあわと終わって、ここであろう事か、遅刻のお客さんを入れたんですよ。ドアを開けるのは曲が終わった拍手のときだけにして欲しいけど、なんでこんなことするんでしょう <ロイヤル・フェスティヴァル・ホール。音楽が途切れたようで実にもったいない。ユロフスキさんも会場を気にして、みんなが席に着くのを待ってたし。でも、幸い、第2楽章も集中が途切れずに第1楽章の緊張を保ったまま、がりがり進んでいきます。ユロフスキさんって古楽からとっても良い面を学んでいますね。名演になる予感。そしてその予感はすぐに確信に。今日の演奏の白眉は、静かな第3楽章でした。これはもう、透き通った抒情を湛えたアンスネスさんの独壇場。なんてきれいなステキな音楽なんでしょう。そしてオーケストラのチェロの独奏とオーボエの対話。しみじみと淡く、でも仄かな明るさのある味わい。幸福感。ずうっとこの世界に浸っていたい。そんなこととっても無理なんですけど、記憶の中にずっととどめていたい。そしてしみじみと思い出したい。そんな演奏です。ブラームスほど、しみじみという言葉が似合う作曲家はいないですよね。そして最後の楽章も仄かな明るさを保ったまま、ステキに音楽を閉じます。やっぱりアンスネスさん好きだ〜〜。音楽会終了後、サイン会があったのだけど、サインもらってお話ししたいと密かに願っていたのに、今日は友達と一緒だったので断念。ちょっと残念。
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今日のメイン(ってブラームスも十分メインだったけど)はベートーヴェンの交響曲第3番。マーラー記念年なのでマーラーの編曲(オーケストレイションの変更)のです。ヨーロッパ初演だそうだけど、わたしは、USで何年か前に聴いています。そのときは、スラトキンさんの解説付きで、歴代指揮者がベートーヴェンのスコアをどう取り扱ってきたか、マーラーがどんな変更を施したのかを演奏付きで示してくれました。この解説が実に良かったんですけど、演奏はやっぱり難しい。当時の日記を引用しますね。

ー引用ー
マーラー版エロイカ(ほんとはベートーヴェンは表題を取ったから交響曲第3番が正しいのだけど、こっちの方が書きやすいので)は、オーケストラの試演付きの解説の後、演奏されました。もちろん、全部の違いをひとつひとつ聴かせてくれるわけではないのだけど、でも、聴くポイントが分かってためになる。わたしの持ってる、スラトキンさんのマーラーの交響曲第10番のCDでも、演奏付きで版の問題を解説してるけど、スラトキンさんって音楽の啓蒙にも力を入れてらっしゃるのがすてきよね。マーラーの改訂は、音に手を加えるというものではなくて、もっとプラクティカルに、ダイナミクスを変更したり、楽器を加えたりして、いろんな旋律が全て聞こえるようにするということに力を入れてるの。そしてその解釈はやっぱりロマン的。演奏する楽譜に手を加えるというと、そんなのとんでもないと思うかも知れないけど、実はそれが普通なのね。今は、昔ほど極端ではなくなったにしろ、個々のオーケストラによってより上手く聞こえるように楽譜に手を加えること(編曲するってことではない)は必要だもの。わたしは、そうやって音楽を作る自由は、演奏者にあると思うのよ。

ただ問題は、今回の演奏、ベートーヴェンの楽譜にマーラーの解釈、マーラーによる改訂ってまさにマーラーの解釈そのものだから、をスラトキンさんが音にしたもの。つまり、スラトキンさんの解釈を加えられない不自由さがある。もちろん、スラトキンさんは、マーラーの見たベートーヴェンをなるべく公正に再現しようとしてたのだけど、実際に音にする上で、スラトキンさん自身の解釈を抜きにするのは無理。だから、部分的に、マーラーの解釈とスラトキンさんさんの解釈が齟齬を生じて音楽の説得力を失ってると感じるところがありました。音楽を知る上ですごく興味深い試みだったけど、同時に(これは仕方のないこと)ベートーヴェンの音楽ってもっともっと力強いものなのにって思えて残念でした。
ー引用終わり 2002年2月の日記ー

マーラーが施した編曲版を演奏することって二重の解釈をすることになる。それはとっても難しいと思うのね。指揮者はベートーヴェンの楽譜から読んだ自分の解釈をすでに持っているだろうし、それはマーラーがベートーヴェンを解釈して施した変更と矛盾することになるから。マーラーの解釈はマーラーの時代のものであるし、指揮者はマーラーの身になって解釈して演奏しなければいけない。特に、古楽器の演奏の影響を受けてるユロフスキさんは、マーラーのロマンティック・エラの解釈を上手にそして、自分のものとして(ただ楽譜を演奏するだけじゃなく)演奏できるかとっても不安でした。でもそれを見事にやってのけたんです!
演奏は”ユロフスキさんらしからぬ”ゆっくりしたもの。第1楽章は1小節をきっかり3拍子で作っていました(最近の解釈は1小節1拍でしょ)。マーラーの解釈がそうなってるから。でも流石、ユロフスキさん。アクセントの付け方を上手にして雄大な音楽を作ろうとしていました。爆演になるのかな〜って思ったけど(オーケストラ大きいし)、トランペットなんかは控え目にして、ちょっと物足りない感覚です。でも4管編成の木管や6本のホルン、マーラーの好きな小クラリネットがステキな音楽の厚みを作っていました。ただ、第1楽章は、マーラーの音楽とユロフスキさんの音楽にちょっと齟齬があるかなぁって感じました。ユロフスキさんの音楽は違うところにあるし。速いパッセージで素のユロフスキさんがちょっぴり顔を出しそうな気がしました。
でも、第2楽章からはマーラーがユロフスキさんに乗り移ったようです。第2楽章は思いっきり遅いテンポ。わたしが根拠なくイメジする19世紀の音楽そのものです。ユロフスキさんの良いところは、遅いのにもったりしない、きちんと音楽が流れてることです。壮大な葬送行進曲。そして第3楽章のスケルツォ。トリオの6本のホルンはかっこよかった。各パート複数で吹くので音に厚みが出て、実はこれかえっていいじゃんって思ったりもしました。こんなベートーヴェンもありです。マーラーはきちんとベートーヴェンの心をくみ取って音楽を変更していると感じます。いつか改めて書いてみたいですが、音楽を作曲者の楽譜通り演奏しないことは、ちっとも悪いことではないんですね。と言うか、作曲者の意志は絶対、演奏は楽譜通りって、つい最近の考え方です。確かにひとつの考え方だけど、じゃあ演奏家ってなに? 芸術家として作曲家より下? そうではないでしょって反論したくなります。あっすいません、書き出すと長くなるので本当にあとで改めて。
第3楽章のあとはそのまますぐ、嵐のような第4楽章の始まり。そして思いっきりテンポを落として変奏曲の主題が始まりました。そして徐々にテンポを上げて。ユロフスキさん絶対フルトヴェングラーを勉強したに違いありません。フルトヴェングラーの書いたもの(講演の記録)にこの部分はそう解釈すべしとあります。壮大でロマンティック。こういうベートーヴェンもありですね。でも、マーラーだってむやみに楽器を重ねてるわけではありません。最後の盛り上がる部分ではホルンは3人だけで、他の3人は休ませています。わたしなんて全員で大々的に吹いちゃえばいいのにって思うんだけど。いやあ、いいもの聴いた。ユロフスキさんは拍手に応えて、マーラー版のスコアを高く挙げていました。真っ赤なスコア。

今日の音楽会もBBC iPlayerで視聴できます。ぜひ聴いてみてくださいね。
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by zerbinetta | 2010-10-30 07:58 | ロンドン・フィルハーモニック | Comments(0)

好きになりたい   

28.10.2010 @barbican hall

britten: four sea interludes
stravinsky: violin concerto
bartók: concerto for orchestra
viktoria mullova (vn),
kristjan järvi / lso


クリビー(クリスチャン・ヤルヴィさん)のことはお気に入りリストに入っているので聴きに来ました、ロンドン・シンフォニー。オケコン聴きたかったしね。と、珍しく略して書いてみましたが、バルトークのオーケストラのための協奏曲。去年、体調不良でサロネンさんのを聴き逃したやつです。話ついでに順番は違うけどまずこの曲について書きましょう。一言で言うとオーケストラの上手さをまざまざと見せつけられた、聴かせつけられた演奏でした。管楽器のソロ(ソリ)はもうどのパートもむちゃ上手い。上手すぎ。特に今日はハープが耳に残りました。って、ハープって上手いってあまり思ったことないんだけど(目立たない?)、びっくりしました。さて、オーケストラのための協奏曲ってオーケストラを楽しむヴィルトゥオーゾ風に演奏することもできるし、故国への郷愁の思いを込めた哀しい音楽のように演奏することができると思うんです。で、クリビーの音楽はどちらでもなかったの〜〜。なんというか、物静か。トランクイロという言葉がぴったりの空の雲の形まで反映する湖面のような。ちょっと不思議な感覚。でも、面白くなかったと言われればそうでもなく、最初に書いたようにオーケストラの冴えは見事だし、クリスタルのようにきらきらと輝いて、第4楽章のメランコリックな旋律は恋愛映画の一シーンを観ているような気持ちにさせてくれるし。ただ、クリビーの音楽ってもっとのめり込むようなとこあったんだけどな、って思って、今日は踊り控え目だし、誰かに指揮台で踊るの止しなさいよとか言われたのかしら、なんて思ってみたり、でも最終楽章はやっぱりノリノリで踊っていた。お隣の家族はずいぶん興奮してたから演奏は良かったんじゃないかしら。あっわたしもそんなにネガティヴな気持ちじゃないんです、ただ、不思議なものを聴いた感じで虚を突かれたみたい。

クリビーって怖い顔って言われるけどそう?
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始まりのブリテンの4つの海の間奏曲はロンドンではわりとよく演奏される曲目。心とろけるような和音の木管楽器のアルペジオはとってもきれい。このアルペジオをクリビーは多分楽譜のリズムの通りアクセントをつけて吹かせたんです。その結果、シンコペイションが生きて、リズミカルに聞こえました。クリビーは、リズムをきちんと強調したかったんですね。雰囲気に流しちゃう演奏が多い中でこれは新鮮で面白かった。でも、今日のクリビーはなんか控え目。もっとノリノリのクリビーが好きなのにな。

さて、鬼門はムローヴァさん。相性がとっても悪いんです。客観的に見て彼女がすばらしいヴァイオリニストであることは分かります。CDなんかの評価もむちゃ高いし。でも、ダメなんですよ、わたしには。そんなヴァイオリニストには、他に、生で聴くクレーメルさん(CDでは大好きなんです)がいます。指揮者だったら、以前ラトルさんがダメでした(今は好きです)。どうしてなんでしょう。もうホントに相性が悪いとしか言いようがない。ラトルさんのように、突然気が変わって好きになるかと期待はしたんですが今日もダメでした。もう少し待ちましょう。
曲は、プロコフィエフなのに意外と小編成でやるんだって思っていたら、始まったらストラヴィンスキーだった。びっくり。ムローヴァさんは譜面を見ながら弾くのだけど、これはソリストとしては異例。でも、去年のブラームスのとき(指揮は奇遇、兄のパヴォビーでした)も譜面を見ていたので、ムローヴァさんはそういうスタイルで弾くことにしたのでしょう。ムローヴァさんの演奏はもの凄く機械的。と言うとなんだか貶しているようだけど、本当は全然違って、この曲ってそういう音楽だと思うんです。擬古典スタイルで書かれているので、感情があまりはいる余地はないし、ストラヴィンスキー自身も感情的な音楽を書く人ではなかったし。でも、第3楽章に出てくる、重音の下の方のバッハを思わせるコラール風のメロディの歌わせ方はとっても良かったな。それから、ムローヴァさん音色が多彩。こんなにステキなヴァイオリニストさんなのに相性悪いなんてもったいない。いつか好きになる日が来ればいいな。

ムローヴァさん 赤と黒の衣装がステキでした
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by zerbinetta | 2010-10-28 19:58 | ロンドン交響楽団 | Comments(0)

今日のびっくり   

mendelssohn: symphony no. 5
mahler: kindertotenlieder
brahms: symphony no. 3
sarah connolly (ms),
vladimir jurowski / lpo @royal festival hall


ロンドン・フィルはマーラー記念年シリーズです。ロンドン・フィルのは、交響曲以外に重点を置いていて、オーケストラ付きの歌曲とマーラーがした編曲ものを採り上げるという気の入れよう。こういうのなかなかいい。今日は、亡き子をしのぶ歌。大好きなくせに気がついたら生で聴くの初めてでした。それにまずびっくり。

始まりはメンデルスゾーンの交響曲第5番「宗教改革」。ユロフスキさんこの曲お好きなんですかね。聴くのひとシーズンぶり2度目です。前に聴いたとき、あれっ!とってもステキって思ったんです。ユロフスキさん、ハイドンもよく採り上げるし、古典と相性がいいのかなって。ユロフスキさんの演奏は、古楽の良いところを採り入れたもの。始まりのノンビブラートの弦の響きから音楽が際だっていました。そして今日のびっくり第2弾。コントラファゴットが2本も使われていました。2管編成なのにファゴット・セクションだけ4人。これが実に効果的で、コントラファゴットのう゛ぁーう゛ぁーと紙を振動させるような音色がまるで、オルガンの太い管のような響きに聞こえて、教会に鳴るこの音楽の雰囲気にぴったり。ヴァイオリンが対向配置でコントラバスをステージの後ろに並べたのも響きを上手く作るのに役立っていました。ユロフスキさんってメンデルスゾーンを振ると、前に聴いた夏至の夜の夢の演奏がそうだったんですが、もの凄い速さで音楽を走らせるという傾向(って2つしか聴いてないくせに)があるんです。今日もスケルツォでは、オーケストラがついて行けるのかしらってドキドキするようなテンポで音楽を進めました。でも、これがぴたりとはまってるんですよ。とってもステキ。金管楽器の強烈なクレッシェンドがもちょっと丁寧に決まれば満点あげたいんだけどな。でも、ユロフスキさんのメンデルスゾーンやっぱりいいっ。イタリアとかスコットランドとかも演ってくれないかなぁ。そうそう、話変わって、メンデルスゾーンってユダヤ人だけど、熱心なプロテスタントの信者なんですね。それもあってバッハのマタイ受難曲の歴史的な再演をしたり、今日の宗教改革もそんなメンデルスゾーンの心情が聞こえるようです。で、この曲の始まりの旋律、ワグナーのパルシファルで出てくるではありませんか。おお、引用かと思ったけど、ワグナーはメンデルスゾーンをユダヤ人の音楽家として毛嫌いしていたみたい。もともとのオリジナルである、ドレスデン・アーメンをふたり独立に引用したのでしょうか。

ユダヤ人の音楽家としてステレオタイプに語られることの多いマーラー。ウィーン宮廷歌劇場の監督になるためにユダヤ教からカトリックに改宗をせざるを得なかったマーラー。とか言うけど、ほんと? だって、マーラーの音楽からはキリスト教へのアフィニティの強さの方がより感じられる。まぁ、キリスト教と言っても、ゲーテのような、ワグナーもそうかな、女性信仰の気があるけど。
あっ閑話休題。2つ目はマーラーの亡き子をしのぶ歌。歌はロンドンで人気のセイラ・コノリーさん。今日は黒のシックなドレス、光に反射して見える金色が隠し味になっていました。さて、そのマーラー。わたしには少しあっさりしすぎかなって思いました。ユロフスキさんは、もちろんマーラーの音楽についてはよく知ってるし、聴いたこともあるのだろうけど、本人がおっしゃるように、採り上げ方は慎重。交響曲は毎年ひとつずつ採り上げていく姿勢なので、もしかしたら、マーラーの音楽の全体像をまだつかみ切れていないのかもしれません。亡き子をしのぶ歌は中期の曲だから、交響曲はまだ第3番までしか振っていないので(第4番も今シーズン採り上げる予定ですが)、まだ手探りなのかもしれませんね。実年齢もマーラーがこの音楽を書いた歳には達していないし。音楽はきれいだけれども、そのそこに流れる感情まで表現し切れていないように感じました。前に交響曲第2晩ですばらしい名演を聴かせてくれたユロフスキさんだけど、この曲は若さや勢いだけではいかんともしがたいものがあると思うんです。ちょっとネガティヴな書き方でしたが、でも、とっても期待してるんです。将来期待以上のことをきっとやってくれる音楽家だと思うので。

ブラームスは期待に違わぬ良い演奏でした。体験型のマーラーの音楽とは違って、ブラームスの音楽は若い人には若いなりの表現を受容できる大きさがあると思うんです。歳をとるとまた違った味も出てくるんですが。実は、ユロフスキさんのブラームスの交響曲はすでに第1番と2番がCDで出ていて、賛否両論あったのでいったいどんな音楽になるんだろうってわくわくしていたのです。が、わたしにはとってもステキなブラームスでした。ユロフスキさんは基調は速めのテンポで結構テンポを揺らすのだけど、それが音楽の流れをとても上手く誘導していて、自然に淀まず流れていくんです。和音進行でメロディ主体じゃないところでは思いっきりテンポを落として、特に第1楽章の後半の部分や第2楽章でそれが実に生きていました。メロディもためやフレーズを上手に作って丁寧に歌わせていきます。第3楽章の有名なメランコリックなメロディなんてとってもステキでした。それにこの音楽の精緻に書かれたリズムの面白さを鮮やかに聴かせてくれました。ユロフスキさんはオーケストラには自分の表現したいことをどんどん手(特に左手)で指示していくのだけど、見ているとオーケストラの側からも反応をもらってなんだか演奏者と対話しながら音楽を創っていくみたい。顔の表情も豊かで、でも基本ニヒル系、にやりとしたところはちょっと怖くもあり。。。って。そして今日第3のびっくり。第4楽章でホルンの走句で最後に音を延ばすところ(104小節目とか)、ゲシュトップかけたんですよ。楽譜を見るとこれ半音階なので古楽器の奏法から採り入れたんでしょうか。なんか驚いたけど、ぴったり決まってるような気がして面白かった。そしてまたまた第4のびっくり。最後、ティンパニの連打にリタルダンドをかけてトレモロからつぶつぶの音にしたんです。初めて聴いたけど、ステキでした。
今日はマイクがたくさん立っていたので、ブラームスは春に演奏される予定の第4番と合わせてCDになるのでしょうか。楽しみです。
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by zerbinetta | 2010-10-27 08:27 | ロンドン・フィルハーモニック | Comments(2)

ごめんなさい   

ご親切な読者の方から指摘がありました。先日わたしが紹介した、BBCシンフォニーの80周年のヴィデオ、イギリス国外からでは観ることができないんですね。わたしの家からではすんなり観れてしまうので気がつきませんでした。ご指摘どうもありがとうございました。
代わりに、you tubeで見つけたので、こちらを貼っておきます。you tubeは日本でも観れますよね?
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by zerbinetta | 2010-10-26 07:50 | Comments(0)

やっぱり胡桃   

こう寒くなってくると、まだ10月だというのにクリスマスな気分。イギリスはハロウィンは盛り上がらないし、サンクス・ギヴィング・デイもないので(どちらもUSの習慣? とか思ったけど、ウィキペディアで調べたら、ケルトの習俗だったのね。イングランド南部では11月5日のガイ・フォークス・デイに置き換わったらしい。この日はロンドンはたくさんの花火が上がります)、スーパーではクリスマス・プディングやクリスマス関連のものがぼちぼちと現れてます。USではサンクス・ギヴィングまではサンクス・ギヴィング一色。そのあとクリスマス・カラーにぴちりと切り替わるので、このときばかりは季節感盛りだくさん。うきうきします。
で、クリスマスと言ったら胡桃。そうくるみ割り人形です。クリスマス・バレエの定番ですが、な〜〜〜〜んと悲しいことに、今年、ロイヤルでは胡桃を演らないのです。去年は演ったのに〜。観たかった胡桃。これじゃクリスマス来ないよ。って考えてみたらクリスマスって日本にいるんだった。でも、その代わり(?)吉田都さんがシュガー・プラムを踊った新しいDVDが出たのです。シュガー・プラムは都さんの当たり役。で、わたしは慌てて注文しました。古いくるみ割り人形。この新作じゃなくて。10年前の。新しいのが出たら古いのは買えなくなっちゃうかもしれないでしょ。アマゾンの正規販売にはなかったし。
だって、古い方、クララには若き日の(ホントに若い!)アリーナ・コジョカルさんが出てらっしゃるんですよ。年代から見ると多分プリンシパルにあがるちょっと前。でも彼女の場合、プリンシパルにしてもらえなかったのは年齢が若すぎたせいもあるみたいなので、踊りはもうプリンシパルと言っていいでしょう。もちろんシュガー・プラムには都さん。そりゃきっと映像は新しいのよりは劣るかもしれないけど(新しいのはブルー・レイでも出てるし、と言ってもわたしには猫に大判だけど)、このキャストの魅力には抗しがたい。
今日届いたので、早速仕事中にディスプレイの隅っこでちら見。集中して観られなかったけどやっぱりいいな。わたし、バレエを観てるとうっかり泣いてしまう弱点があるので(楽しいものでもなぜか感激して泣いちゃうんですよ)、気を付けて観ました。お菓子の国へ行くシーンでは危うく涙を流すところでしたよ。アブナイアブナイ。週末にはしっかり観たいなぁ。時間あったかなぁ。
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by zerbinetta | 2010-10-26 07:00 | 随想 | Comments(0)

またまたお誕生日   

rossini: aureliano in palmira
kenneth tarver (aureliano), catriona smith (zenobia),
silvia tro santafé (arsace), ezgi kutlu (publia),
vuyani mlinde (licinio), andrew foster-williams (the high priest),
julian alexander smith (oraspe),
geoffrey mitchell choir,
maurizio benini / lpo @royal festival hall


ロンドン・フィルの音楽会はオペラ・ララ(opera rara)の主催の公演。オペラ・ララは19世紀の忘れられたロマンティック・オペラを演奏し録音するために作られた団体です。精力的に録音していて、すでに100枚のCDが出ています。演奏家の団体ではなくて、公演をサポートする団体。そして今日は、オペラ・ララの誕生40周年の記念公演です。先日亡くなったソプラノ歌手でパトロンでもあったジョン・サザーランドさんのために捧げられています。曲はロッシーニの珍しいオペラ、パルミラのアウレリアーノです。
珍しいといいつついきなり耳に馴染みのある音楽。そう、セビリアの理髪師の序曲です。っていうか、セビリアの理髪師の序曲はもともとこのアウレリアーノのために書かれた序曲で、さらにそれが別のオペラに転用されて、最後にセビリアの理髪師の序曲になったんです。セビリアの理髪師のときは、序曲を書き忘れて、で、この曲を使ったので序曲と本編はあんまり関係ないのですが、さすがに、本来のこのオペラでは、序曲の主題が本編の中でもしっかり利用されています。そんなこんなはともあれ、やっぱりロッシーニの序曲ってわくわくしますよね。あのクレッシェンドにはもう、ときめきます。そして、指揮をしたベニーニさんの表現力。始まりの細かい音符のあとの柔らかなゆったりとしたフレーズをふんわりと着地をするように絶妙の抜き方で演奏して。心うっとり。ベニーニさんステキ、指揮姿のかっこいいってかもの凄く分かりやすい。

オペラの方は珍しく予習をしました。どうやらこのオペラ、台本に問題ありで面白くないそうです。なので、今日は物語を追うより、音楽を楽しむことに集中することにして、字幕もちらちら見るのみに。演奏会形式ですしね。でも、音楽はとってもステキなんですよ。このオペラが上演されないなんてもったいないと思うくらい。ステキなアリアや重唱、合唱もあって、音楽だけでずいぶん楽しめるのです。ホルンのソロも妙に活躍して、ロッシーニがオペラを書いた劇場には、上手なホルン奏者がいたのかしら。今日のホルンは、ゲスト・プリンシパルの若い人だったけど、上手に吹いてくれました。

演奏は、オーケストラと合唱はとても良かったです。独唱も凄く良かったと言いたいところですが、ちょっと小粒でしたね。タイトル・ロール、ローマ皇帝アウレリアーノを歌ったテナーのターヴァーさんは声が弱かったし、高いところがちょっと不安定。丁寧に歌ってるものの歌に感情が込められていないのが残念でした。一番拍手をもらったのは、アルサーチェを歌ったメゾのシルヴィア・トロ・サンタフェさん。アルサーチェは男性なので、本来はカストラートが歌うように書かれていたみたいです。わたし的にはもうちょっと言葉が聞き取りやすかったら良かったのになって思いました。端役だけど、リチニオを歌った、ヴヤニ・ムリンデさん、前に聴いた人だわ、なんのときだっけ?って思い出してみたら、ロンドン・シンフォニーのエレクトラのときとベートーヴェンの合唱交響曲だった。この人はわりと好き。
と言うわけで今回、ちょっと辛口でしたが、実はずいぶんと楽しんだのですよ。指揮者のベニーニさんの音楽がとっても良かったしね。オペラの職人って感じでした。

指揮者のベニーニさん、手前に赤いスカーフでちっちゃく写ってるのがサンタフェさん、奥がクトゥルさん、フォスター=ウィリアムスさん
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by zerbinetta | 2010-10-23 05:37 | ロンドン・フィルハーモニック | Comments(2)

まずはお誕生日おめでとう 言いたいこといっぱいあるけど   

wagner: the flying dutchman, overture
stephen mcneff: concertO-duo for two percussion
kaija saariaho: d'om le vrai sens for clarinet and orchestra
stravinsky: the rite of spring
o duo (perc), kari krikku (cl), peter sellars (dir),
david robertson / bbc so @barbican hall


今日はBBCシンフォニーの80年のお誕生日です。80年前の今日、初めて音楽会が行われました。おめでとう。みんなでハッピー・バースデイを歌いました。わたしの声も入ってます。ラジオで聴いてみてね。
その音楽会、ワグナーのさまよえるオランダ人序曲で始まりました。なぜさまよえるかというと、この曲、最初の音楽会で採り上げられたからだそうです。指揮者は主席客演指揮者のデイヴィッド・ロバートソンさん。この人、アンサンブル・アンテル・コンタンポランの指揮者の経験のある現代音楽、得意な人です。現代音楽をレパートリーの大きな柱のひとつとしているBBCシンフォニーにはうってつけの指揮者ではないでしょうか。オランダ人序曲はゆったりするところを思いっきりゆっくりと演奏して、ちょっぴり間延びする部分もあったんですが、なかなか良い演奏でした。
今日の音楽会は、7時始まりで、BBCラジオで中継されるのかなぁって思ったら、いつものように司会者が出てこなかったのであれれと思っていたのですが、ここで司会者登場。来週の水曜日に放送されるようです(そのあとiPlayerでオンデマンド)。今日はお誕生日会なので、ここで、過去の指揮者の短いフィルム。パート1は1935年のボールトから1968年のブーレーズさんまで6人。ステージの上のオーケストラの人たちと一緒に観ました。BBCシンフォニーって昔から上手だったんですね。ブーレーズさんのときのは、その頃開発されたのであろう、最新鋭の映像の切り替え技術を自慢げに採り入れてるんだけど、今観るとかえって古めかしさを感じさせますね〜〜。これ、ここで観られますよ。

左側の人が好き
BBCシンフォニーの特徴は音楽会に現代の作品、委嘱作品の初演が多いということです。1日をつぶした(BBCシンフォニーが全日出演しているわけではありませんが)、ひとりの作曲家に焦点を当てた企画が年3回ありますし、今シーズン初演される(英国初演を含む)作品は10曲もあるんです。予算がしっかりしている放送局のオーケストラゆえでもあるのでしょうが、音楽の世界をリードしている姿勢が大好きです。もちろん、お誕生日のこの日、そのBBCシンフォニーらしく2つの作品が初演されます(クラリネットとの作品の方は英国初演ですが、どちらもBBCが委嘱した作品です)。ひとつ目はステファン・マクネフさんのふたりのパーカッションとオーケストラのための作品。曲名から分かるように今日のソリスト、オー・デュオのために書かれています。オー・デュオは若いふたりのパーカッショニスト、オリヴァー・コックスさんとオウェン・グネルさんのデュオ。ちょっとやんちゃ系の粋なあんちゃん(死語?)。わたしは左側の人がちょっとかっこいいなと思いました。音楽が始まってもソリストは登場せず、おややと思っていると、いきなり両ステージ袖から舞台に駆け上がってきて、バン。音楽を止めました。今日初演された2曲とも、舞台的要素が入った音楽でした。指揮台の左右に振り分けられたたくさんの打楽器を叩くんですが、ささっと移動して右側でふたりで叩いたり、わざと指揮者の前を駆け抜けて移動したり。打楽器って、ホント楽しそう、そして忙しそう。でも、いろんな楽器を叩けないといけないから大変そうです。とても面白い音楽だと思ったけど、実はよく聴いていませんでした。ずうっと打楽器を見つめて。耳に入ってくる音は打楽器の音ばかり。でも、楽しかったからいいや。音楽はネットで聴き直そう。終演後は会場にいらした作曲者もステージの上に呼び出されて拍手を受けてたけど、マクネフさんはごつい感じの人でした。休憩時間、ホワイエで、友達と談笑するオー・デュオのおふたり。意外と背が低かった(ちびのわたしが言うのもなんですが)。わたしと釣り合うんじゃない?なぁんて。

悶絶の超絶技巧
休憩の後はサーリアホさんのクラリネットとオーケストラのための音楽。タイトルは、フランスの中世の有名なタペストリー、貴婦人とユニコーンにちなんで。音楽もそれに合わせた6つの部分からなっています。わたし、これ観に行ったことあるんですよ。職業柄、ちょっと興味があったので。寓意に色取られた大きな、ステキなタペストリーでした。でも、音楽からそれを読み取ることはわたしにはできず、さっきプログラムを読んで初めて気がついたのでした。
この曲も音楽が始まってもソリストはステージにおらず。しばらくしてクラリネットの音が聞こえてきたのは会場の後ろの方からでした。クラリネットのソロ、特殊奏法満載で、と言ってもクラリネットとしての楽器を逸脱したものではないですが、もの凄く難しいと思うのだけど、カリー・クリックーさん、完璧。舌を巻くような超絶技巧の持ち主。っていうかもう神業。音量ゼロからのクレッシェンドも凄かったし、こういう人、ホントにいるんですね。今まで聴いた人では、この人と、あとトロンボーンのリンドバーグさん。奇遇、どちらもフィンランドの方ですね。
音楽の方は、クリックーさんが会場を歩き吹きしながら登場して、ベルをいろんな方向に向けたり回ったり、小さなパフォーマンス付き、ステージに上がっても、座ったり、奥の方で吹いたり、あっ一番奥にはスクリーンがあってそこには色が投影されていました。ステージはピーター・セラーズさんの演出によるもの。この曲も、クラリネットの凄さに悶絶しながらクラリネットばかり聴いていたので全体像がつかめていないんだけど、とってもいい曲だと思いました。ソロ・クラリネットとオーケストラの中のクラリネットの絡ませ方もとってもステキでした。これは最近流行のネオロマンティシズムではない、でもちょっぴり調性のスパイスの効いた正統派(?)現代音楽。これも、ネットで聴き直してみたいけど、会場を立体的に使った作品なので、上手く再現できるかしら。最後はクリックーさんがヴァイオリンの人たちを引き連れてステージを降りていくのだけど(ヴァイオリンの人たちは弾きながら会場に散らばる)、あっハーメルンの笛吹って思っちゃった。終わったあとは作曲者のサーリアホさん(女性の方だったんですね)と、後ろにラフな恰好でヘンな髪型の人って思ったら、演出のセラーズさん、が呼び出されて拍手を受けていました。

アスリートの春の祭典
この後、またフィルム。歴代指揮者のパート2。ルドルフ・ケンペさんから現主席のビエロフラーヴェクさんまで。こちらはカラーです。こうして年代順に指揮者を並べて見ると、指揮法も進化しているのがよく分かります。よりスマートになってる感じ。
最後は春の祭典。この曲のBBCシンフォニーでの初演は1931年の1月。オーケストラができた数ヶ月後ですからずいぶんと早い時期ですね。指揮者はエルネスト・アンセルメ。当時はどんな演奏だったんでしょうか。今日は、現代音楽得意なロバートソンさん(ブーレーズさんのお弟子さん)。ジャケットなしの黒いシャツスタイルで、颯爽と指揮していきます。踊るように、滑るように、スピーディーに。これがめちゃくちゃはまって、結構バーバリズム全開の分析的ではない混沌タイプなのにリズムが切れていて、聴いてるわたしまでカラダが動いてくる。運動性抜群のスポーティーな舞踏の音楽。これは良いですね。今日のオーケストラは弦楽器がとっても良くて、ざくざくとリズムが刻まれて爽快。反面、オーケストラの下の方の席で聴いたせいか、木管楽器が弦楽器に隠れちゃうところがありました。多分木管楽器を見通せるような席で聴いたら印象は変わるのでしょうけど。演奏後のロバートソンさんは終始にこやか。袖に引っ込むときも駆け足。若い若いってホントにまだ50代はじめなんだけど。オーケストラを讃えるときも、オーケストラの中から奏者を立たせたり、舞台の隅で挨拶したり、最後はリーダーの人と耳打ちして、鳴りやまない拍手の中、オーケストラを解散させました。7時に始まった音楽会もすでに10時過ぎ。充実したお誕生日音楽会になりました。
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by zerbinetta | 2010-10-22 19:09 | BBCシンフォニー | Comments(1)

物理の法則への挑戦   

CLASSICAでiioさんが、バレエ・ダンサーの美しい肉体を持って歌えるオペラ歌手がいたらなぁって妄想(?)してらしたけど、わたしは反対に、オペラ・シンガーの肉体を持ってバレエ・ダンサーのごとく踊れる人類がいたら凄いな〜って想像しちゃった。舞台、かなり凄いことになるですよ。重力を思いっきり感じさせる巨漢の男女が、重力や慣性の法則を無視して飛び回り、超高速でくるくる回り、リフティングされる。舞台狭しのもの凄い迫力。手に汗握るというか、かな〜り妙な気分になりそう。でも怖いもの見たさで見てみたいというか。。。
あとはカストラートのダンサー。トロックスのようなパロディではなくて、本格的な女性役。だって、どうしても女性よりも男性の方がジャンプも高さがあるし、回転も速いんですもの。女性の姿で男性の筋肉を持つダンサーが本格的に白鳥の湖なんか踊ったらいいと思うんだけどな。ねっ?だめ?
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by zerbinetta | 2010-10-21 22:41 | 随想 | Comments(2)

フライング拍手したいっ   

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なんて言うとまたまた純真なクラシック音楽ファンの皆様から非難を浴びそうですが。。。
アリーナとセドリック・ティベルギアンさんのベートーヴェン、ヴァイオリン・ソナタ集の第2弾が出ました! アマゾンでの販売は11月からなんだけど、早く聴きたくてウィグモア・ホールから買いました。2ポンド発奮。ウィグモア・ホールでのライヴ録音で今年の2月23日の音楽会です。わたしも聴いてました。録音されると知っていたので(会場でアナウンスがあった)、そうだ、記念にCDにわたしの拍手の音を入れようとか、ブラヴォーとか言っちゃおうかななんて馬鹿なこともちらりと考えましたが、もちろんそんなことはしませんでしたよ。でも、あの拍手の中にはわたしのぱちぱちも入っているんです。と思いつつ耳を澄まして聴きました。やっぱりステキです。アリーナのヴァイオリンもさることながら、春のティベルギアンさんさんのステキなピアノはどうでしょう。このおふたり、お互いに刺激しあってホントよい音楽を創っています。弾いていてとっても気持ちが良さそう。これから、お互いにソロの活動が忙しくなると思うけど、このデュオいつまでも続けて欲しいです。とりあえず、11月にはフランスもののリサイタルがあるので楽しみにしましょう。彼ら、今オーストラリアをツアー中ですが、Musica Viva Australia Blogにその様子とステキな写真がたくさんありますよ。ぜひのぞいてみてくださいね。
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by zerbinetta | 2010-10-21 05:31 | 随想 | Comments(2)

白王子様   

ravel: la valse
frederick ashton (choreography)

thomas adès / couperin: invitus invitam
leanne benjamin, edward watson,
christina arestis, gray avis,
kim brandstrup (choreography)

tchaikovsky / philip gammon: winter dream
mara galeazzi (olga), sarah lamb (masha), roberta marquez (irina),
bennet gartside (kulygin), thiago soares (lt. colonel vershinin),
johannes stepanek (lt. the baron tusenbach), sergei polunin (captain solyony),
etc.
kenneth macmilan (choreography)

tchaikovsky: theme and variations
marianela nuñez, nehemiah kish, etc.
george balanchine (choreography)

barry wordsworth / royal ballet @covent garden


今日はバレエです。バレエ大好き。オペラよりも好き。かなりはまっています。なんて言うとクラヲタ失格かなぁ。多分、クラヲタさんでオペラよりバレエが好きって公言してる人って少ないと思うし。クラシック音楽の中心はやっぱりオペラだしね。
今日は、短い作品4つのミクスド・ビル。ウィンター・ドリームだけがちょっと長くて(50分)、ストーリーもの。

ラ・ヴァルスはラヴェルの音楽、アシュトンの振り付けです。豪華な舞踏会の感じだけど、ロイヤル・バレエってスター・ダンサーはたくさんいるけど、コールドが弱いんですね。あまり揃わないというか。。。コールドに加えて3組のダンサーたちがトップで踊るんだけど、プリンシパルの方がいないせいか核がないような気がしました。舞台を引っ張れる人はやっぱりいて欲しい。
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2つ目の invitus invitum は、クープランの音楽を元にアデスさんが創った音楽のバレエ。ステージを準備しているところから始まっていて、逆光を基調にした現代のステージ・リハーサルと仄かに色彩のあるいにしえの男女の恋物語がかわりばんこに。ステージのシーンは音はあるけど音楽なし、いにしえのシーンはクープラン/アデスさんの音楽。だけれども音はあっても音のない無言劇のよう。抽象的だけど具象的で静かな物語の世界にすんなりと入れる。このバレエはとってもいいなって思いました。踊ったのは現代のシーンではクリスティナ・アレスティスさん、グレイ・エイヴィスさん、いにしえのふたりはリャーン・ベンジャミンさんとエドワード・ワトソンさんでした。そうそう、リャーン・ベンジャミンさんについてググってみたら、この方、なんと!1964年生まれなんですねっ。見えない!っていうかその年で、プリンシパルで踊り続けてるなんて凄すぎっ(都さんのひとつ上。都さんも凄かった)。若いフレッシュな方も大好きだけど、こういう息の長い方、日ごろの努力が凄まじいからこそできることだと思うんですけど、もう絶対的に尊敬します。この人の踊り、今しっかり観ておきたい。

ベンジャミンさんとワトソンさん
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チャイコフスキーのウィンター・ドリームは冬の日の幻想に踊りを付けたものかなって思ったら違いました。オーケストラは空っぽで、バラライカで奏でるロシアの民謡と、チャイコフスキーのピアノ曲です。物語はチェーホフの3人姉妹。なんだけど、情けないことに原作を読んでいないのでどこまで忠実なのかは分かりません。もの凄くメランコリックで哀しい物語。慟哭する悲しさではなくて心に染みわたる哀しさ。このバレエもステキでした。主役の3人はマラ・ガレアッツィさん、セイラ・ラムさん、ロベルタ・マルケスさん。絡んでくるのはティアゴ・ソアレスさん、ベネット・ガーサイドさん、ヨハネス・ステパネックさんとセルゲイ・ポルーニンさんです。ガーサイドさんが哀しくも滑稽でステキでした。

ソアレスさん、ラムさん、ガーサイドさん
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ポルーニンさん、マルケスさん、ステパネックさん(男性はどちらがどちらかちょっと自信ありません)
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最後、やっぱりバレエは華やかに。白ですっ。華やかさと言ったらやっぱりこの人、マリアネラ・ヌニェスさん。きらきらしてます。ホント楽しそう。そして相手役のネヘミア・キシュさんがひげ剃りあとはちょっと青いけどステキでしたっ。白王子様。この人の名前初めて見たんですけど、今シーズンからプリンシパルで入団した人なんですね。白王子様の踊り、いろいろ観た〜いっ。

4組のサブ・プリンシパル・ダンサーには、3人の日本人が。左からクラ・ケンタさん、タカダ・アカネさん、ヒラノ・リョウイチさん
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ヌニェスさんと白王子、キシュさん
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by zerbinetta | 2010-10-18 08:21 | バレエ | Comments(1)