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勉強不足!!!   

今年最後の日となりました。こんな拙いブログに足を運んでくださった皆さん、どうもありがとうございます。人気ブログを目指す野望などこれっぽっちもないわたしだけど、ネットに公開している者として、ときどき人が足を止めてくれるのはとおっても嬉しいし、それがこんなサイトでも続ける力となってます。感謝の言葉も拙いわたしですが、ロンドンに住んでる間は続けたいと思っているので、来年もペイジを開いてもらえたらこんなに嬉しいことはありません。

今年最後のエントリーですから、華々しく、今年の10大ニュウスとか、今年のベスト音楽会とかすればいいのだけど、と言いつつ、音楽会シーズンは9月始まり7月終わりなのでシーズン終了後にやるのがスジと言いつつ、ちいっともやってないわたしにできるハズもなく、その代わり、1年の反省というか、恥をさらして反省しつつ年を閉めたいと思います。と言いつつ、はもういい?反省することは無尽蔵にあるので書ききれないほど話題に事欠かないのだけど、ひとつだけ。
勉強不足!
もうこればかりは、穴を掘って入りたいほど、恥ずかしい話なんだけど、音楽を聴くこと、そしてそれを文章にしていわんやそれを公開までしているのに、思い込みや先入観による間違いがありすぎ。正しくない。無責任。勉強不足。
例えば、10月30日の日記http://zerbinetta.exblog.jp/15383435/。わたしは、英雄のこの演奏の第4楽章の解釈をフルトヴェングラーに起源を求めているけれども、これは間違い。第4楽章の嵐のあとのピチカートの主題を最初ゆっくり演奏することは、まさにこのとき演奏された編曲を施したマーラーが言ってたこと(ナターリエ・バウアー・レヒナーの回想)なんですね。なんだか、自分の知識をひけらかそうと粉飾偽装したのに間違っててかえって無知をさらけ出すという最悪のパターンみたいで自己嫌悪。最近、ある本を読み返して間違いに気がつきました。勉強不足を露呈してしまいました。ここだけでなくって中途半端な知識による間違いだらけはたくさん見つかるハズ。なんて自信を持って言ってるところがもうダメダメ。ほんとに情けないです。来年はこういうことがなくなるようにというのは目標が高すぎておこがましいので、少なくなるようにしたいです。もっと勉強しっかりしなくては。もしくは、自分の感じたことだけできちんと音楽が伝えられるように努力しなければ。

今年もあとわずか。今年最後の音楽鑑賞は、タコ好きらしくバビヤールにしてみました。暗すぎ? でも今日はなぜかそんな気分だったんです。来年は歓びに満ちた音楽で締めくくれるようにしたいな。それでは皆さん、短いながら良いお年を。
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by zerbinetta | 2010-12-31 23:33 | 随想 | Comments(2)

ありゃんがっかり 早とちった〜   

前回、ぽっちっとしたの届きました。ふふふ早速箱を開けてみると、あれれれ? 本? DVDじゃない? 出てきたのは雑誌サイズの本。その間にDVDがはさまってるんじゃないかと振ってみたけど落ちてこない。あれれ? と思ってアマゾンのサイトに確認に行くとやっぱり本だった。1000円だからDVDにしては安いということに今頃気がついた(イギリスでは10ポンド以下でも買えるDVDはあるのであまり疑問に思わなかった)。NHK太っ腹〜って思ったのに。。。
そうなんです。都さんのスーパー・バレエ・レッスン。テレビでやってたののDVDが欲しいなって思って買ったのでした。でも、これそもそも売ってないんですね。わたしの早とちり。いつものおっちょこちょい。来年こそはおっちょこちょいなおさねば(切実)。
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by zerbinetta | 2010-12-30 21:26 | 随想 | Comments(0)

うわっ、こんなものまで   

じゅすいおじゃぽーん!
お醤油とお味噌の匂い鼻腔に満たして冬休みかな (かなは俳句っぽくつけてみました。蛇足。そしてちょっと字余り)
それにしても早めに冬休みにして良かったぁ〜(飛行機代が安かったからだけど)。今頃ロンドンはとんでもないことになってる様子だし。
というわけで、日本でだらだらぐじゅぐじゅと怠け放題しているのですが、久しぶりにテレビなんかも観ています(フランスでもイギリスでもテレビ持ってない)。わたしはテレビっ子ではないので、テレビはあまり観ないのですが、たまに観るのは珍しく面白いので。時差ぼけで朝早く目が覚めるのでぼんやりと観てたり。手っ取り早く動く日本を観るのはテレビが便利。インターネットが便利になったとは言え、動く日本って外国にいると決定的に情報が少ないのです。日本に帰ったとき、小泉首相(当時)がしゃべっている映像や、歌って踊ってるモーニング娘。を観たときは新鮮だったし、今回も名前だけ知ってるAKB48とか嵐とか動いているのを観るのが楽しみです。CMとかも日本の今が伝わってきて面白い。
そんな中、朝っぱらにテレビをつけたら、バレエのレッスンをやっていました。どこかで見た人だななぁって思ったら、吉田都さんでした。うわわ、都さんがロミオとジュリエットを教えてる。見入ってしまいました。わたしは都さんはバレエで観ただけなので、どんな声をしているのかも知らなかったし、へ〜こんな声で、こんな話し方(気さくな感じで結構若者言葉(?)で教えてる)するんだ〜って発見。現役の踊り手(しかも最高レベルの)ですから、ポイントも踊り手視点で、明確で分かりやすい。バレエの観るだけ初心者で踊りの技術については何も分からないわたしには、とっても新鮮で面白いんデス。これは観なきゃって思いました。調べてみるとDVDが1000円くらいで売ってるんですね。早速アマゾンでぽち。
思い出した。昔やっていた、スーパー・ピアノ・レッスンと同じ系統の番組なんですね。それにしても、こんなマニアックなものが公共のテレビで放送されているなんて、日本って凄い! そのまま観てたら、普通にアラビア語講座なんてやってたり、日本語講座もやってる。他の放送局でも、世界中の風景や情報が集まってきていて、凄いな〜って素直に感動。日本のテレビが世界で一番面白いかも。将来もし日本に帰ってきたらテレビ買おうかな。実はテレビはまだ自分で買ったことがないんですよ。積極的に欲しいと思ってなかったのと、いつも誰かがいらなくなったものをくれたので。不思議な色に映るテレビを観ていました。さあ、テレビ観よう。今日は何をやってるかしら。
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by zerbinetta | 2010-12-20 20:59 | 随想 | Comments(12)

雷落ちた   

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11.12.2010 @barbican hall

wagner: tannhäuser, overture
marx: songs
strauss: an alpine symphony

christine brewer (sp),
jiří bělohlávek / bbcso


もしかして、今日は今シーズンのロイヤル・オペラの唯一の目玉、タンホイザーの初日だったんですね。わたしは、オペラはすっかり外して、序曲だけ。BBCシンフォニーです。だって、こっちの方のチケット前から取ってあったし、オペラはチケット争奪戦が凄かったんですもの。結局オペラは観ずに終わります。これはちょっと残念。

ビエロフラーヴェクさんとBBCシンフォニーのタンホイザー序曲はゆっくりとしたテンポで始まりました。始まりのホルンとクラリネットのブレンドは、わたしはホルン多めの方が好みなのですが、ビエロフラーヴェクさんはクラリネット多少多めでした。下の方の和声を付ける音をちょっぴり強調。合唱というのを意識したのかな、でもちょっとパートごとにテンポ感が違ったのがちょっと残念。音楽は、熱い演奏と言うよりも粛々とした感じが強かったです。ビエロフラーヴェクさんは、ワグナーをわりと距離を置いてとらえている感じ。ワグナーは麻薬みたいものなのでのめり込み系の演奏の方が好みかな。

ヨーゼフ・マルクスは名前を聞くのも初めての作曲家。オーストリアの生まれで、生まれたのは1882年、シマノフスキやコダーイ、ストラヴィンスキーと同い年ですね。1964年まで生きています。作風は同世代の作曲家よりも保守的で、後期ロマン派の残照を感じました。といっても今日歌われた歌曲は、1908年から1912年にかけての作品なんですが。ゴージャスなオーケストレイションはシュトラウスの歌曲の香りも感じます。今日歌われた8曲はそれぞれ独立の歌曲ですが、歌詞が深刻ではないので、とってもきれい。ソプラノのブリューワーさんはにこやかな笑顔で歌われて、うんとステキ。この人を聴くのは、もう何回目かですが、声量もめちゃあるし、力強いけど混ざり気のない澄んだ声で、ワグナーやシュトラウス歌いとして今絶好調ではないかしら。甘いクリームたっぷりのケーキを食べてるときのような至福の時でした。マルクスさんの他の曲も聴いてみたいと思いました。今日と同じ演奏者でCD出てるんですね〜。拍手とブラヴォーに応えて、ブリューワーさんとビエロフラーヴェクさんが相談して、歌った中から1曲をアンコール。最後に残しておいてイチゴにクリームをつけて食べた気分です。

休憩の後はシュトラウスのアルプス交響曲。アルプスに登った気がして好きなんですよ。そうそう、わたし、3年前(えっ?もう?)アルプス登ってきたんですよ。ユング・フラウ。って偉そうに言ってるけど登山列車で登ってきただけです。それでも富士山より高いところまで行くんですよ。そして山に登る手前の駅のまわりの牧場には牛。カウベルをつけてて、これがアルプス交響曲に出てくるのと同じに鳴るのです。アルプスの山を見ながらカウベルの音を聴いたときもうほんと、おんなじだ〜って嬉しくなったんですよ。そして雷。これは日本でひとりでとことこ山に登ったとき(って言っても駐車場から1時間くらい)、雷が鳴って、もうこれがすぐ近所、同じ高さで鳴るんですよ。怖くて怖くて、泣きそうになりながら山を下りました。雷の怖さは群馬県出身の先輩からとくとくと説教されていましたから。
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そういう光景が全部目の前に広がるんです。とっても写実的な音楽。でも、シュトラウスは、アルプスの雄大な風景を音にしたのではないと思います。シュトラウスの交響詩(この曲は交響曲と名前が付いてるけど実質的には交響詩です)って、ティルやドンファン、ドンキホーテ、ツァラトゥストラに英雄の生涯、どれも人を描いています。アルプス交響曲も実は、登山者=人を描いた音楽だと思うんです。そしてそれは単に登山の情景ではなくて、人生を描いている。そして自然=神(キリスト教の神ではないにしても)に対する畏怖の念も感じさせられるのは、オルガンの使い方のせいでしょうか。英雄の生涯の深化した焼き直しのような気がするのです。
ビエロフラーヴェクさんとBBCシンフォニーは、ストレイトにこの曲の魅力を引き出します。精緻に書かれた管弦楽法をきちんとトレースして、目の前にアルプスの光景を見せてくれました。今日は1階のオーケストラに近い席で聴いていたので、オーケストラの大音量のシャワーがとっても心地良くて。BBCシンフォニーってロンドンのオーケストラの中では地味で、人気もいまいち(バービカン・ホールの3階席はいつも閉めています)だけど、実はとっても上手い。そしてとっても安定していて、ロンドン・シンフォニーの次に実力があるのではないでしょうか。そして、放送局のオーケストラなので、財政的にも潤ってるのでしょうか、エキストラが少なくてオーケストラのメンバーがいつも一緒なのがいいのです(フィルハーモニアも上手いけどエキストラがとっても多いです)。そして、お客さんの質が高いような気がします。音楽好きが集まってる感じがなんか会場から感じられるんです。
それにしても今日の嵐は凄かったな。ティンパニの雷鳴が轟き渡って。あんなに強くティンパニを叩かせるとは、ステキです。そして、鉄の大きな薄い板をつり下げたサンダー・シート。これがいつ鳴り渡るのか今か今かとわくわくして待ってたのですが、シュトラウスはなかなか焦らすんですね。嵐のシーンの最後に金属的な雷が落ちました。ほんとに落ちたんですよ。金属板が。揺れすぎて外れたんでしょうね。楽器が鳴る最後の方だったので、気がつかないような事故でしたがしっかり目撃してしまいました。
最後はオルガンの音色で厳粛な気持ちに浸りました。夜の山は神秘で偉大。すっかりアルプスでリフレッシュした気分です。良い音楽会でした。
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by zerbinetta | 2010-12-11 09:33 | BBCシンフォニー | Comments(6)

女って怖いわ〜   

12.10.2010 @royal opera house

francesco cilea: adriana lecouvreur

ángeles blancas gulın (adriana lecouvreur),
jonas kaufmann (maurizio),
alessandro corbelli (michonnet), olga borodina (princesse de bouillon)
maurizio muraro (prince de bouillon), etc.
david mcvicar (dir),
mark elder / orchestra of roh

昨日は体調が悪いと大騒ぎして、音楽会欠席だったのに、今日はころんとオペラに行ってきました。薬を飲んで思いっきり寝たら良くなりました。まだ途上だけどね。
オペラは最近はバレエに押されて、まっいいかってくらいに気合いが入ってないのですが、これは評判もいいし、聴きたいと思っていたのです。とは言え、タイトル・ロールはゲオルギューさんではなく、アンヘレス・ブランカス・グリンさん(間抜けなことにどこまでが名前でどこからが名字なのか分からないのでフルネームで)の回。いえ、わざとこの日にしたんです。ゲオルギューさんはメトで何回か聴いてるのでもういいかと。セカンド・キャストの日ですが、ボロディナさんを久しぶりに聴きたかったんです。でも、一番の目的は、もちろん、ヨナス・カウフマンさんですけどね。だって、イケメン。そして肝心の歌もことごとく評判がいい。

オペラに行くことは覚えていたのだけど、オペラに行くという実感がなくて、あらすじを調べていくのすっかり忘れていました。アドリアナ・ルクヴルールというオペラも初めて聴くし、フランチェスコ・チレアという作曲家の作品を聴くのも初めてです。なので、字幕をときどき見ていたとは言え、ストーリーをきちんと理解していたかというと問題ありです。でも、それを差し引いてもちょっとこの展開はって思うところも多かったです。まず、マウリツィオが単純すぎ。ブイヨン公妃とは、政治的な思惑があるにしても二股かけてるようにしか見えないし、なんか軽すぎ。原作ではもう少し複雑な人間性を持った悪らしいんですけどね。そんな男に一途に惚れちゃうルクヴルールってちょっとあれ?展開の仕方のせいか、感情の起伏がいやに激しいし、わたしにはちょっと理解できない。ブイヨン公妃は、不倫してるくせに嫉妬深くて、恋敵のルクヴルールに復讐って怖すぎ。唯一いい人なのが、ミショネなのよね。ファザコン気味のわたしから言わせてもらえば、ルクヴルールはマウリツィオに失恋した(ように見える)時点でさっさと諦めて、ミショネと一緒になるべきだったのよ。結婚するなら女たらしじゃなくていい人が一番。それにお金持ちだしネ。ミショネを歌ったアレッサンドロ・コルベッリさんもとっても良かったし(この方、いつもとっても味のある役と歌でわたしを喜ばせます。大好き)。
このオペラのクライマックスは、第3幕後半の恋敵同士の鞘当て合戦だと思うけど、これがほんとに凄かった。女ながらに女ってほんとに怖〜いって思っちゃった。で、アンヘレス・ブランカス・グリンさんも良かったんですけど、さすが、ボロディナさんの貫禄。こう言うのって低音の方が迫力あるし、性格の悪い女をしっかり演じていました。きゃー怖い。いや、本物のボロディナさんはステキなひとだと思うんですが。今日最も印象に残ってるのはやっぱりボロディナさんです。
アンヘレス・ブランカス・グリンさんは、声量もあるしとっても良かったんですが、たまにところどころ音程が悪いように聞こえました。でも、台詞の部分の迫力もあってこの役を見事に歌っていました。ゲオルギューさんでなくてもわたしは満足でした。残念なのはわたしがあまり共感できる役ではないので、冷めた目で見てるのですが。
ヨナス・カウフマンさんもですねぇ、役柄がねえ。噂通りかっこいいし、歌もいいので、もっと芯のあるステキな男の人の役で聴きたいっ。チケット争奪戦になること間違いなしですが、わたしも絶対参戦します(宣言)。

台本には不満があるけれども、音楽はなかなか良かったです。演奏もマーク・エルダーさん指揮のオーケストラがとってもがんばっていました。ロイヤル・オペラ・ハウスのオーケストラっていいときと悪いときの差があるけど、今日はそのいいときの方です。マーク・エルダーさんって、先日のワールドカップの開催国決定式にロシアがゲルギーを登場させたのに(ネトレプコさんもいた)、イギリスはなんでサー・マーク・エルダーを送り込まなかったのかってBBCマガジンに言わしめたくらいの指揮者(わたしも全然知らなかったけど)。次の次の次のワールドカップのときは頼みますよ(ってわたしはもうイギリスにはいないと思うけど。それにそのときはサー・サイモン・ラトルさんかなぁ。フットボール好きのダニエル・ハーディングさんが爵位をもらって行くかもね〜)。

これはあまり本筋には関係ないけど、歌わない役(ダンサー)で、多分日本人のケイコ・ヘーウィット・テール(keiko hewitt-teale)さんが出ていました。始まりからお終いまで細々と顔を出す(何役かを兼ねてましたが)結構目立つ役でした。履歴を調べると彼女、宝塚の高校の演劇科を卒業してるんですね。日本人を発見してちょっと嬉しくなりました。

結婚するなら一番、コルベッリさん
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おお怖っ、ボロディナさん
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恋の犠牲者、グリンさん。終わったあとは嬉しそうにはしゃいでたので上手に写真撮れませんでした
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今度は本物のいい男役でお願いします、カウフマンさん
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もうひとつおまけ
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ワールドカップは残念、エルダーさん
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同胞は嬉しい、ケイコさん
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by zerbinetta | 2010-12-10 23:14 | オペラ | Comments(0)

音楽会のご利用は無理なく計画的に   

ううう。風邪引いた〜。昨日酔っぱらって、寒いのにハムステッド・ヒースに登ってきたからかなぁ。っていうか知らないうちに連れて行かれた。なんだかとっても体調が悪いので、今日の音楽会はパス。仕事も早めに切り上げた。去年も1、2回、疲れて音楽会パスしてたのよね。ちょっとたくさん予定を入れすぎ。反省してます。来シーズンは絶対数を減らします。目標今年の3割引。って去年も言ってたのよね。結果は、去年の1割り増し。ううう、だめじゃ、こんなことじゃ。今度こそ無理なく計画的に考えなきゃ。
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by zerbinetta | 2010-12-09 07:08 | 随想 | Comments(12)

ふわりと魔法   

7.12.10 @royal festival hall

beethoven: overture, leonore no. 3
hydn: trumpet concerto
strauss: ein heldenleben

håkan hardenberger (tp),
andris nelsons / po


一昨日に続いてまた、レオノーレの第3番。今度は普通のです。第1ヴァイオリン10人、コントラバス4人です。今日の指揮者は、先日ウィーン・フィルの日本公演を小澤征爾さんの代理のサロネンさんの代理で振ったアンドリス・ネルソンスさんです。33歳くらいの若者〜。わたしの第一印象は、後ろから見るとどこか前総理の鳩山さんに似てない?でした。前に回ると顔は全然違うんですけどね、後ろから見たときの髪型かなぁ、首をすくめてる感じかなぁ、まぁどちらにせよ、わたしの似てるとかって大雑把すぎていつも友達になんでぇ〜って言われるんですけどね。ネルソンスさんは、本物の鳩山さんとは大違い、とってもきびきびとして魔法のようにオーケストラからいい音を引き出してステキでした。手の先から魔法の粉がきらきらと舞ってその通りの音が出るんです。ラトルさん系の魔法使いの系統を感じます。そして、彼のチャーム・ポイントは歯。ニッコリとしたときの前歯がステキ。蛇足ながらわたしとしては、本物の鳩山さんにはもちょっとがんばって欲しかったなぁ。せっかく沖縄には米軍基地を置かないって画期的なことを言ったんですから。きちんと実行して欲しかったデス。
ネルソンスさんの音楽は、さらりとして流麗でふわりと軽く、お菓子に例えるとくず餅(ただし黒蜜控え目)か和三盆のよう。音楽は良く流れてるし、色のない感じはフィルハーモニアの音色とも良く合ってました。ただわたしとしてはもう少しアクがあったもいいかなとも思いました。例えばレオノーレは、オペラの内容を考えるともう少しごつごつと角があってもと思うんです。その方が、フロレスタンの解放を導く大臣の到来を告げるトランペットがもっと感動的に響くと思うんですよね。あっでも、演奏会用序曲としては問題ない演奏なのかな。でも、やっぱりあのトランペットのシーンはオペラを思い出しちゃうので、感動的であって欲しいんです。

今日一番良かったのがハイドンのトランペット協奏曲。もちろんトランペットのホーカン・ヘルデンベルゲルも柔らかい音色で自在にトランペットを吹いてうんと良かったのですが、オーケストラの伴奏もとってもステキで、ネルソンスさんなかなかやるなって思いました。古典をきっちり演奏できる人、わたしの中では評価高いんです。ネルソンスさんは2重まるでした。ネルソンスさんの解釈でモーツァルトとかも聴いてみたい。きっと、現代オーケストラの流麗な音楽を奏でてくれるでしょう。そんな感じがします。ヘルデンベルゲルさんは、色の少し入った眼鏡をかけてちょっとやんちゃオヤジっぽい。でもほんと上手いんです。っていうか、めちゃくちゃ音がきれい。ハイドンの協奏曲は短いので、アンコールにはグリューバーさんの3つのモブ・ピースという曲が演奏されました。管の長さの違う3つのトランペットを吹き分けて、音色の違いも聴けて楽しかったです。アンコールなのに本編と同じくらいの長さ、アンコールなのにオーケストラ伴奏付き、贅沢ですね〜。ヘルデンベルゲルさんの音は和菓子に例えると(もういいって?)、フルーツ餅かな。食べたい。。。

最後の英雄の生涯は、おややや空を飛んでる感じ。ちょっと軽いです。主部では緩急の差をつけて早いところは早めに、対旋律のところは少し遅めに、そして艶やかにレガートをつけて演奏していたのですが、いろんな表現が目まぐるしく行ったり来たりで、わたしはもう少しどっしりと構えて演奏して欲しかったなと思いました。曲を面白く演奏しようとしている意図はよく分かるのだけど、もともと音楽が面白く書かれているので、そこまでしなくてもいいかなって感じました。ときどきおおっ!と思う部分があるんだけど、すぐ表現が変わっちゃって置き去りにされちゃうみたいな。
とわりと辛口の評ですが、この人も凄いですね。将来恐ろしく楽しみな指揮者であることは間違いありません。完全にオーケストラを手の内に動かしてましたもの。ロンドンに来た頃、ユロフスキさんやハーディングさん、ネゼ=セガンさん、ガードナーさん、去年はソキエフさんを聴いたので(もし忘れている方がいたらごめんなさい)、若手はもう聞き尽くしたかなと思ったら、今シーズンは、ペトレンコさんにネルソンスさんですものね。来年はいよいよドゥダメルさんも登場するし、若い人たちからますます目が離せません。
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by zerbinetta | 2010-12-07 08:09 | フィルハーモニア | Comments(4)

偉大なものは大きくて壮大である   

5.12.2010 @barbican hall

beethoven/mahler: overture, leonore no. 3
alma mahler/colin & david matthews: seven lieder
beethoven/mahler: symphony no. 7

sarah connolly (ms),
marin alsop / lso


面白かった〜。
お帰りなさい、ロンドン・シンフォニーのマーラー記念年関連。マーラー編曲によるベートーヴェン。レオノーレの第3番と交響曲第7番。実はそれをすっぽり忘れてて、ステージを見たらなぜベートーヴェンなのにこんなに人がって思っちゃった。気がついたのは演奏が始まってから(あほ)。

始まりは、レオノーレの第3番。マーラーが3番目によく演奏していた曲で、20回演奏しています(参考)。オーケストラはなんと第1ヴァイオリンが17人、コントラバスに8人もいます。木管楽器は4人ずつ。さすがにピッコロや小クラリネットは使っていませんが。でも、弦楽器がこんなに大勢いると強化されて木管楽器でも対抗するのは大変そう。マーラーの行ったオーケストレイションの変更は耳で聴く限り控え目。楽譜に忠実とか、作曲者の意志が絶対というのは、ごく最近の傾向なので、フルトヴェングラーの音楽なんかに慣れてる人にとってはそれほど違和感はないかも。大時代的な雰囲気は感じるけど、わたしはこれもありかなって思った。ただやっぱりオーケストラは大きいねえ。速いパッセージはきっちり速く弾くけれども、どうしても溌剌とした感じよりも重さを感じてしまう。象がスキップできないのと同じね。でも象だって時速40キロで走れるのよ。

真ん中はこれまた珍しい、アルマ・マーラーの歌曲。彼女の作曲はピアノ伴奏だけど、今回はコリンとデイヴィッド・マシューさんがオーケストレイションしたもの。彼らはクックを助けてマーラーの交響曲第10番の演奏会用スコアの作成にも参加していますね(第3版)。アルマの作品は17曲残っているそうですが、今回はその中から7曲。全てマーラーとの結婚時代の作品です。ただ、マーラーは彼女に作曲家としての道を歩むことを許可しておらず(アルマはマーラーに出会う前、ツェムリンスキーの元で作曲の勉強をしていました)、ある意味不幸だったのかもしれませんが、この音楽を聴くと彼女が作曲家として名を残せたのかは微妙かもしれません。それにマーラーが亡くなったあと、彼女はすっぱりと作曲から手を引いていますし。アルマの音楽はメロディ・ラインは通俗的(これは言葉が悪いかなぁ。分かりやすい歌)と思えることもあるのに、伴奏の和声は結構複雑。ワグナーの影響があったり師のツェムリンスキーっぽかったりもするし。でもこれだけで判断するのもよくないですね。もっとしっかりと作曲に専念すれば違うふうになったのかもしれません。でもやっぱり、わたしには作曲から手を引かされて彼女が不幸だったとは思えません。本当に強い思いがあったなら、作曲を続けていると思うから。アルマの才能はもっと別のところにあったと思います。マシューズ兄弟のオーケストレイションは、さすがマーラーのオーケストレイションをやってただけあります。とても良かったです。歌を歌ったセイラ・コノリーさん(ロンドンではほんとよくいろんな歌を歌ってますね)もしっとりとステキでした。

そして最後は、ベートーヴェンの交響曲第7番。またまた大オーケストラ。マーラーがこの曲を指揮したのは13回。ベートーヴェンの交響曲では第5番、第6番に次いで3番目です。ここでもマーラーの編曲は控え目。スコアを確認しながら聴いていないので、耳に付いたところだけですが、第1楽章のお終いの方で低音楽器に半音進行がうねうねするところがホルンで増強されているのが面白かったです。でも、マーラーはこの曲を編曲しながら興奮してきたのでしょう。最後の楽章では、少しつっこんだ編曲がなされてるようです。弦楽器による速いパッセージの受け渡しが強調されるようになってたり、普段聞こえない木管楽器の音が強調して聞こえたり、真ん中らへんでスフォルツァンドで延ばす弦の音が、フォルテピアノからクレッシェンドをかけたり(ベートーヴェンの時代には多分ほとんどやられていない奏法)、これらはオーケストレイションの変更というより、強弱の変更かもしれませんが、マーラーらしい細かな指示なのではないかと思います。やっぱり最後の方の半音階のうねうねはホルンで増強してあったり。こんなふうになっても全くベートーヴェンでした。ベートーヴェンがマーラーの時代を生きていたら同じようなことをやったんじゃないかって思えるくらい。
ベートーヴェンもマーラーも一番良い時代を生きていたのではないかって思えるのです。彼らの時代、未来に向かってより良くなっていくということが信じられたから(マーラーの場合若干、過去への憧憬もあるようですが)。人類は進歩している。つまり、今は過去よりも良い。と信じられた。だからこそ、マーラーはベートーヴェンをより良いものに作り替えたのではないでしょうか。楽譜の変更なんてとんでもないっていうのは、今の考え方(といっても実務的な楽譜の変更は今でもやられてるけど)で、音楽ってずうっとそうやって生まれ変わってきた。だって音楽って生まれ続けていく芸術だから。今はちょっと演奏家は作曲家の召使いのように考える人が多いけど、演奏家も作曲家と対等の芸術家なのよね。

今日の演奏で特記したいのは、指揮者のマリン・オルソップさんが自分のものとして演奏していた点です。マーラーの編曲版ということで、マーラーの解釈したベートーヴェンの音楽ですが、オルソップさんだってベートーヴェンの楽譜から読んだ自分の解釈があるはずなのに、全く違和感を感じさせなかったんですよ。オルソップさんはマーラーの視点でしっかりとベートーヴェンを捉えてる。そしてそれを自分の音楽としてものにしてる。オルソップさん自身のベートーヴェンも聴いてみたいな。彼女はどんなベートーヴェンを聴かせてくれるでしょう? いまだにいろんなベートーヴェンが生まれてくる、ベートーヴェンって凄い。
第7番とあって興奮の中、音楽会が終わりました。最後のわくわく度はやっぱりたまらない。この演奏を聴いていたら、最後はチェロとコントラバスが楽器回してくれるんじゃないかって(のだめ)本気で思っちゃったもの。
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by zerbinetta | 2010-12-05 10:19 | ロンドン交響楽団 | Comments(0)

わくわくしてたのに裏切られた??   

4.12.2010 @royal festival hall

beethoven: piano concerto no. 4
mahler: symphony no. 1 original version (?)

hélène grimaud (pf),
vladimir jurowski / lpo


怒っています。
今シーズン最も期待していた音楽会のひとつでした。何しろ、マーラーの巨人、花の章付きのオリジナル・ヴァージョンと言うことですから、交響曲ではなく、交響詩、または交響曲様式による音詩ということでしょう。以前日本で、若杉弘さんがライヴ・レコーディングしたCDと同様の(いくつか版があるので全く同じというわけではないでしょうが)音楽が演奏されることを期待していました。わたしはそのCDの円盤は持っていてたまに聴いているのですが、とっても詳しい解説はケースと共に日本に置いてきてあるので、詳しいことはうすらぼんやりと記憶にあるくらいです。でも、いくつかの明確な違いが、花の章が削除されて4楽章の交響曲になったあとの音楽に聴かれます。わたしの記憶が正しければ、交響曲になる前の音楽は、一番最初のファンファーレがホルンで出て(交響曲ではクラリネット)、第1楽章はリピートなし、スケルツォの始まりにはティンパニが重ねられてて、葬送行進曲の始まりのメロディはコントラバスとチェロ(交響曲はコントラバスのパート・ソロ、一時期、独奏になっていましたが最近改められました)、最終楽章の真ん中のクライマックスでの大胆な転調がないこと、最後のドラム・ロールが1小節ずつ長いこと、など、よく聴く音楽と違いがあるはずです。そして、オーケストラは3管編成でホルンは4本。あれれ?ホルン8人いるじゃん(交響曲では7本だけど、ひとりは第1奏者の補助)。ちょっと悪い予感が。
的中。音楽が始まってみると、ことごとく交響曲版と同じ。第2楽章に花の章を入れただけ? 第1部(第3楽章のスケルツォまで)と第2部(葬送行進曲から)との間に、音合わせをし直して間をとったけど、わたしには交響曲版の演奏に聞こえました。花の章を入れるのだったら、花の章の入っていた交響詩版の楽譜で演奏されるべき。交響曲に花の章を闖入させても齟齬が生じてしまう。演奏は花の章を含めてとってもとっても良かったんです。この間聴いたゲルギーとロンドン・シンフォニーの演奏よりも技術的なものは劣るけど、音楽はいっそう豊かだったと思います。少なくともわたしはこっちが好き。でも、ちぐはぐな楽譜の問題で、掛け替えのない名演からただの名演に落ちてしまいました。満員のお客さんからも大拍手で、本当によい演奏だったので返す返す残念です。まあ、普通の音楽ファンから見れば些細な違いというか、花の章は5楽章の音楽に違和感なくおさまっていたし、版のことなんて気にもしないでしょうけど、、、わたしヲタだから。。。でも、わたしの方に間違いがあるのかもしれません。わたしは上に挙げたような改訂は交響曲になった1896年版(第3版)からだと理解しているのですが、まだ花の章が付いている時点(1894年、いくつかある第2版、CDにもなってる1893年のハンブルク稿のあと)で行われていたのかもしれません。それを知らずに勝手に混乱して怒ってるだけかも。どなたかご存じの方がいたらぜひ、お教え下さい。

音楽会は後半、そんなどたばたがあったにもかかわらず(でも、とても良い演奏でしたが)、とても満足しています。それは、前半演奏されたベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番がとっても良かったからです。ピアニストはグリモーさん。いきなりピアノのソロで始まって、しかも最初の和音を崩してアルペジオ、と、ベートーヴェンは大冒険をしているのですけど、そのあとのオーケストラの弾き出しがとってもステキだったんです。これから始まる音楽の序奏を弾いてるみたいで(実際は形式的には序奏なしです)。また、ユロフスキさんのアクセントの付け方が独特でとっても上手い。同じグリモーさんと協奏曲の第5番を演ったCDのような古楽器的なアクセントの付け方じゃなくて柔らかく膨らませたようなアクセント。アクセントをつけた音をふんわり空中に飛ばしてそのあとから旋律を始める感じなんて最高。ベートーヴェンはソナタ形式で書きつつも、無限に展開していくように音楽を書いているのですね。ピアノは音楽の表情がいろいろ変わるごとに音色を変えてきます。展開部に入るところ(多分)の思いがけず短調で主題が出るところの暗さとかそのあとの空虚感みたいな音にドキリ。カデンツァはまるで甘さを抜いたショパンの音楽のような感じで面白かった。
そして第2楽章、ユロフスキさんの構えからスケルツォが始まるのかと思っちゃった。でも、低弦主体のオーケストラは激しく速く鋭角的。暗く攻撃的です。それに対してピアノが心の奥に沈潜していくようにゆっくり応える。男女の会話みたいって最初軽々しく思ったのだけど、そうじゃない崇高な哲学者の問答。オーケストラの側が力を落としていって最後はピアノの深く沈み込んだ内証的な音楽に収斂していく。そしてわたしも音楽に吸い込まれて自分の裡へ。なんと深い音楽。ピアニストとオーケストラがしっかりと対話して音楽を作っていく。この部分を聴いただけでも、今日聴きに来て良かった、音楽をずっと聴いてきて良かったって思いました。一転第3楽章は華やかな音楽だけど、今聴いた第2楽章の印象が強いので、音楽の後ろにある意味を探ろうとしてしまいました。今日、答えは出なかったけど、これから長い時間をかけて答えを探していこうと思います。多分答えは見つけられないかもしれないけど、探すことに意味があると思うから。
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by zerbinetta | 2010-12-04 22:12 | ロンドン・フィルハーモニック | Comments(0)

素直に好きですって言えたらステキ   

2.12.2010

weber: overture, der freischütz
schumann: symphony no. 1
brahms: violin concerto

arabella steinbacher (vn),
christoph von dohnányi / po

今日の裏番組はバービカン・ホールでシャイーさんとライプツィヒ・ゲヴァントハウス・オーケストラの音楽会だったんですよ。前にとってもステキな演奏を聴いていてシャイーさんとライプツィヒ・ゲヴァントハウス・オーケストラの蜜月が伺えるので、捨てがたいのだけど、地元主義のわたし。フィルハーモニアの音楽会の方をとりました。いい演奏をしないと怒っちゃうからね〜。

それにしても寒い。そして雪。会場はお客さんが少なかったです。コーラス席を他の席に振り替えて閉めてなかったのでチケットは売れてたんだと思いますが。今日は終身名誉指揮者のドホナーニさん。多分、フィルハーモニアとはブラームスの作品の録音が進行中なのでしょう(いくつかはすでにCDになってるみたいですね)。今日もマイクが立っていました。
でも、始まりはウェーバーの魔弾の射手の序曲。音楽会では初めて聴きます。最初のホルンはちょっとドキドキだったけど、あとは大丈夫。相変わらずフィルハーモニアらしい色のない音で、ちょっと物足りない面もあるけど、押しつけがましさがなくていいのかもしれません。中性的な演奏はドキリとするところはないけれども、ある意味、安心して聴いてられるし、いつ聴いても聞き飽きない感じがします。とは言え、ドホナーニさんとフィルハーモニアはとても高い次元でそれを成し遂げているので、おおおっ!と音楽に足を取られることはないけど、聴いていて物足りなさは残りません。極上のうどんを腹八分目に食べて、幸せになった感じ。

今日はなんかわたしの方に集中力の問題があって、ドホナーニさんが指揮台に立ってわりとすぐに音楽を始めたせいか、ぼんやりしているうちに音楽が始まってしまいました。シューマンの春は最初、柔らかな音(特にホルンの含有率高し)で始まって、これはちょっと肩すかしを食らった感じなのです。わたしは、春といえば、溶けていく雪や氷にあたたかなお日様の光りが弾けてきらきらとする感じを持っていて、この曲の冒頭はちょっと輝かしいファンファーレ!で始まって欲しいのですが、柔らかなコラールっぽい音色だったのでちょっと戸惑いました。主部の溌剌とした細かい動きと対比させてるということは分かるのですが。でもやっぱりドホナーニさんの演奏は、突出していないけど欠点は見いだせない演奏。大らかで柔らかい大人の表現。細かいところまで非常に丁寧。トライアングルの音色にまで気を配っていました。敢えていえば、第2楽章にちょっとだけ熱病にうなされた感(旋律にトリルが含まれるところ)があるともっとわたしの好きな感じになったのですが。

なんだか貶してるんだか褒めてるんだか分からないような書き方になっているのですが、でも、今日の圧巻はブラームスの協奏曲でした。ソリストはアラベラ・シュタインバッハーさん。ドイツ人と日本人のミックスなんですね。前に1回、ロマンティックでステキなモーツァルトを聴いているんだけど、そのときはステージの後ろの方で聴いていたので、お姿に関してはあまり印象が残ってなかったです。ところが、今日ステージに出てきた彼女を見てびっくり。顔ちちゃ〜いっ。きれい〜〜。お化粧映えするお顔。でも、化けてるんじゃなくって地がきれいなんですね。なんかお人形さんみたいでどぎまぎする。すっかりオヤジ化してるわたし。
そんなアラベラさんの音楽はとっても素直で伸びやか。始まりは聴いてるわたしもドキドキしていましたが、ひとたび始まってしまうともう大船に乗ったようにゆったりと楽しめました。アラベラさんは技術がしっかりとしているというより(しっかりしてるのですが)、丁寧に歌う感じ。音色にも透明感があって、音に無駄な部分がないんですね。青く光る湖面のよう。最初からしっかりと弾いていらっりゃいましたが、音楽が進むにつれてさらに調子が良くなっていくようでした。第2楽章のさりげなく抒情的に歌わせる音楽がアラベラさんの音楽にぴったりと合って、わたしには一番良かったです。わたしはソリストに集中しちゃうとオーケストラの音が聞こえなくなっちゃうのですが、ドホナーニさんとフィルハーモニアは、とてもステキにアラベラさんをサポートしていました。特にオーボエの音色がとってもきれいで凄いステキでした。オーボエの主席のひとり、ゴードン・ハントさんという方です。アラベラさんとドホナーニさんは何度も共演しているみたいですね。お互いの手の内を知り尽くしていて息もぴったり。ときどきアイ・コンタクトをして、そしてちらりと微笑むアラベラさんがステキ。
それにしても音楽を聴く悦びを素直に与えてくれる充実したブラームスでした。アラベラさんの真っ直ぐに音楽に向かう姿勢がステキで幸せな気持ちにいっぱいなりました。オーケストラの人たちに促されるように、アンコールにはアラベラさん自身のアナウンスで、クライスラーのレチタティーヴォとスケルツォが演奏されました。小品ながらこれもブラームスに輪をかけて充実した演奏で、わたしもすっかりアラベラさんの虜になってしまいました。アリス・サラさんと同様に日本人とドイツ人のミクストでドイツ在住。美人だし日本では人気でないのかなぁ。というより音楽的にとてもすばらしい人なんですから。この人と音楽の話をしたらものすごく幸せになってしまいそう。音楽が好きで好きでたまらないんだろうな。そしてそれを素直に真っ直ぐに言えるんだろうな。わたしも疲れてないでわたしの仕事が好きで好きでたまらなくなるように初心に戻ろう。
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by zerbinetta | 2010-12-02 00:15 | フィルハーモニア | Comments(4)