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マノンになりたい   

31.05.2011 @royal opera house

massenet: manon

tamara rojo (manon), david makhateli (des grieux)
thiago soares (lescaut), gary avis (monsieur g.m.)
itziar mendizabal (lescaut's mistress), elizabeth mcgorian (madame), etc.

kenneth macmillan (choreography)
martin yates / orchestra of roh


突発的だけど、またまたマノン観てきました。だって3つ星ふたつだったんだもん。実は今日のマノン、タイトル・ロールに、マラ・ガレアッティさんがクレジットされていたんだけど、怪我で降板。代役がタマちゃんだったんです。タマちゃんのマノンは前回観て感激したので、もう一度観たいと思ってたのでした。でも、予定が合わずに、、、来シーズンのマノンにはタマちゃんでないし、、、って思ってたら、ガレアッティさんには申し訳ないんだけど(早くお怪我が治ることを願っています。ガレアッティさんのロミジュリはぜひ観たいので)、タマちゃんが出ると聞いてチケット取ってしまいました。しかもそれだけではなく、レスコーがソアレスさん! もうなんて豪華な組み合わせ。わたし3つ星認定のおふたりが同時出演。これに行かずしてどうする。そして、会場に着いてキャスト表を見ると、な、なんと、エロ親父、じゃなかったムッシュGMにエイヴィスさん。うぉぉぉ、3つ星キャストが3人も! 合わせて9つ星! なんてお得なんでしょう。

ただひとつの心配事は、デ・グリューのマッカテリさん。タマちゃんとは急造ペアなので、かなり思い切ったリフティングがあるこの作品では、大丈夫かなと少し心配だったんだけど、ぜ〜んぜん問題ありませんでした。ってか良かった。今日が2回目ということもあるのでしょうが、さすがですね。見事なまでの富士額がステキです。タマちゃんもびしびし飛んでいました。

レスコーの愛人は毎回キャストが変わるのですが、今日はファースト・ソロイストのメンディザバルさん。酔っぱらい相手の踊りだけど、とても安定していて良かったです。表情もステキでした。あと、今日目に付いたのは、群舞の売春婦にあっすごくきれいに足上がってるって思った人、よく見たら茜さんでした。ここでもしっかり光ってる。これから上に上がっていくのが楽しみです。
刑務所の看守のガートサイドさんはちょっとソフト。マノンを犯すシーンはオブラートに包んだ感じ。ホワイトヘッドさんなんかはかなり腰振ってきわどい感じだったんだけど、わたし的にはもっと悪い奴に徹して良かったんじゃないかって思いました。

さて、わたし的な主役3人。もう、間違いなく良かった。ソアレスさんの酔っぱらいぶり、前にも増して切れがあったし、回転系はこれでもかというくらい速くて切れてた。まるでふらふらの酔っぱらい演技の鬱憤を晴らすよう。それにやっぱり普段は笑わないように見える人が、にやりとコミカルな演技をするともうおかしいというか、なんとも言えぬ味わい。ソアレスさん、実はコミカルな演技好き?レスコーはソアレスさん以外考えられないくらいステキです。

そして究極のエロ親父のエイヴィスさん。貪るようにタマちゃんの足を舐めたり、細々とした演技がもう全てエロ親父のいやらしさ満載で、この人ほんとにエロ親父って間違っちゃいそう。舞台での存在感は相変わらずで、真ん中でメインの人が踊ってるわきで小芝居をしていてもそっちに目が行っちゃって大事な方を見てないくらい。演劇性の高いロイヤル・バレエで、誰を観るべきって聞かれたら、2枚看板のタマちゃんコジョカルさんではなくて、エイヴィスさんって即答しちゃう。

そんな3つ星クラスの3人が一緒に踊る、第1幕のお終いの方のシーンはもう凄すぎて至福の極致。午後の青空のようなきれいな音楽に乗せて、あんな嫌らしい人間模様が美しく踊られるなんて。これを観た人は、なんて幸福なんでしょう。もちろん、わたしも果報者。こんな思い出を持てるなんて贅沢者です。
あのステキな酔っぱらいを兄に持ち、究極のステキなエロ親父を愛人に持てるマノンって。わたしもマノンになりたいっ。美少女じゃなきゃダメですか?

タマちゃんはもちろん最初から最後まで完璧。完全なマノン像を創りあげていました。彼女のマノンは自分の価値に目覚めた女。自分が宝石にしてどのくらいの価値があるのか自覚しています。最後はその物質的な値打ちを捨てて愛に生きようとするのだけど、ときすでに遅く。最後の力を振り絞る沼地のパ・ドゥ・デュはやっぱり観ていて涙です。マノンという人には、全く共感が湧かなかったのに、何回も観るうちに少しずつ自分のなかにもあるものが分かってきたようです。少なくともこの作品に強く惹かれる魅力を感じています。

ガレアッティさんのアクシデントがあっての配役なので手放しでは喜べないけど、この最高級のキャストでマノンを観ることができた僥倖に感謝です。

終演後の舞台
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ユフィさん、ガートサイドさん、クロウフォードさん(?)
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メンディザバルさん、エロ親父エイヴィスさん、マクゴリアンさん
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ソアレスさん、タマちゃん、マッカテリさん
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by zerbinetta | 2011-05-31 09:29 | バレエ | Comments(0)

ロンドン・フィルのトランペットの鉄の規律?   

28.05.2011 @royal festival hall

haydn: symphony no. 88
mahler: songs from des knaben wunderhorn
brahms: symphony no.4

hanno müller-brachmann (br)
vladimir jurowski / lpo


音楽会が始まる前、ロンドン・フィルハーモニックでは、トランペットのパートでちょっと面白い(?)儀式が行われます。トランペットの主席は、ポール・ベニストンさんというにこやかでフレンドリーそうなおじさん。そんな、ベニストンさんが作る鉄の規律。って大袈裟な。ロンドン・フィルハーモニックの人は、音楽会が始まる少し前に三々五々、ステージに出てきます。トランペットも。でも、トランペット・パートの中でベニストンさんは必ず最後に、満面の笑みでにこやかにコントラバスの人やトロンボーンの人に声をかけたりしながらステージに現れます。そして、下っ端トランペット部員は、それを立って待っているのです。そして、必ず、ベニストンさんと握手して挨拶して、それがひとりひとり終わったところで、ベニストンさんが着席するのを合図に全員で着席するのです。こんなことをやっているのはトランペットだけ。最近は、先に出てきた部員が座って待ってて、ベニストンさんが来たら立って挨拶することもあるのだけど、主席を必ず立って迎えることには変わりがありません。いつも見ていてふふふと笑ってしまいます。ぜひ機会があったら、ロンドン・フィルのトランペット、観察してみてくださいね。ちなみに休憩後のときはこんなことはしません(もうすでに挨拶してるから?)。

と余計なことを書きつつ、ハイドン。交響曲第88番は、どなたかが、それぞれの楽章が独立した個性を放っていて、ハイドンの交響曲の中でも一番の傑作のひとつとおっしゃっていましたが、わたしも好き。ユロフスキさんはいつもハイドンをステキに演奏してくれるので楽しみでした。ティンパニは昔の小さなタイプ、トランペットはピストンのないナチュラル・トランペットを吹いていましたが、ホルンは普通のフレンチホルンです。
ところがこれ、今日は不思議なハイドンでした。いつもみたいな快活さがないの。ユロフスキさんはにやりとニヒルな笑みを浮かべて振っていましたが。テンポがゆっくり目で、コントラバスがオクターヴ下を弾いているのではないかと思えるほど重く、速めのテンポで古典作品を振るいつものユロフスキさんらしくないの。かといってそれがつまらない演奏なのではなく、何か部品を精緻に磨いてそこここに置いてるみたいな、実を言うと先日のパッチワークのようなマゼールさんのマーラーの演奏を思い出しました。機械仕掛けの時計の歯車のようなハイドン。新しい発見がたくさんあって面白かったけど、この演奏が良い演奏なのか悪い演奏なのか、わたしには戸惑いが残りました。

マーラー記念年シリーズの曲目は少年の不思議な角笛から7曲。全てバリトンの独唱です。「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」「高い知性への賛歌」「ラインの伝説」「不幸な時のなぐさめ」「この世の営み」「少年鼓手」「死んだ鼓手」が選ばれました。実は、ごめんなさい。わたしダメでした。歌手の背中が見える席で聴いていたのでちゃんとしたことは書けないけれども、ミューラー=ブラッハマンさんの歌はわたし好みではありませんでした。声が、思いっきりバス寄りのバリトンで、ここで思いっきり戸惑ってしまったのがいけなかった。そして彼がスロウ・スターターというか声が暖まるまで時間がかかったようだったこと。第一印象が悪かったんです。なんか歌えてないところを身振りや語りでごまかしているような気がして。上手だったのは高い知性のロバの声。とても失礼なことを感じながら聴いてしまいました。反面オーケストラは上手く(弦楽器は少人数(第1ヴァイオリン12人)の演奏でした)、ユロフスキさんの指揮でマーラーの中期の交響曲を聴いてみたいと思いました(来年はマーラーは採り上げないのね)。でも、会場からは大きな拍手を貰っていたので、違和感を感じていたのはわたしだけだったのかも知れません。わたしの席ではあのバスの声をちゃんと聴くのは難しいですし。でも、ミューラー=ブラッハマンさん、ハンサムだったので、今度はかぶり付きの席でちゃんと聴いてみたい。

休憩の後はブラームスの交響曲第4番。確か、ユロフスキさんとロンドン・フィルはブラームスの交響曲第1番と2番をCD出だしているので、この曲も秋に採り上げた第3番と一緒にCDで出るのでしょうか。
いきなり、ヴァイオリンのアウフタクトの音をしっかり溜めて思わせぶりに粘るというロマンティックな解釈。ゆったり目のテンポで、いつも快速テンポのユロフスキさんなのでびっくりしました。そんなブラームスの演奏は、なんだかとても美しくて哀しい。雨の日の朝。雨粒が空気に浮かんだ汚れを落として、森を透明にするような音楽。想い人のいる故郷を離れて、遠くに離れていく悲しみ、秘かに想っていた人が親友と恋仲になってしまう、そんな手の届かない幸福、憧れを想う悲しみに満ちた音楽でした。
とても集中力のある演奏。弦楽器の美しさは格別でしたが、特に第2楽章中間部のチェロの歌がステキでした。フルートもがんばっていましたね。オーケストラは今日一番の大編成で(打楽器をのぞく)、コントラバスはステージの後ろの左右に4人ずつ振り分けて並ばせていたのがちょっと珍しかったけど、音の厚みが増したように聞こえました。
曲の良さもあって、心の洗われるような演奏でした。
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by zerbinetta | 2011-05-28 08:39 | ロンドン・フィルハーモニック | Comments(0)

これを怪演と言わずして何を怪演と言うのでしょう   

26.05.2011 @royal festival hall

mahler: symphony no. 7

lorin maazel / po


マゼールさんとフィルハーモニアのマーラー交響曲シリーズ、何はなくともチケットを取らなきゃと思ったのは今日の交響曲第7番です。だってだって、スミスさんのティンパニ、大活躍、絶対すごいことになるんだから。マーラーのこの曲を聴くのは、ロンドンに来てから今日が3回目! しかも1回目は同じフィルハーモニアで(サロネンさんの指揮)、ティンパニのスミスさんに注目することを決定づけた音楽会だったんですね。今日もわくわく。

厳選してとおっしゃりながら、マゼールさんのマーラー・シリーズを皆勤賞で聴いてらっしゃるMiklosさんによると、マゼールさんが暗譜で振ってるときの演奏が調子良いらしい。で、今日みると譜面台無し。暗譜だ、やりぃ。ところが、マゼールさんが出てこられると、? なにやらヴァイオリンの後ろの方の人が舞台袖に引っ込んで、あれれ?弦が切れたのかなとか思って見てたら、会場係の人が出てきて譜面台を準備。譜面台を出し忘れるという不手際。まあ、そんなことでは動じない百戦錬磨のマゼールさんではあるんだけどね。ちょっと変わった譜面台事件でした。

さて、マゼールさんのマーラー交響曲第7番は。これがもう見事な怪演でしたのですよ。この間の交響曲第5番も凄かったけど、今日の第7番もそれに輪をかけて凄い。そして、その怪演ぶりがこの曲の新しい魅力を引き出すんですね。だって、マーラーの音楽も実はとっても変態的。かなりとんでもないことになってるので、とんでもない演奏が似合うのです。

まず第1楽章。ゆっくりめで始まった序奏。ちょっぴりミスっちゃったけど、テノール・チューバいい音で吹いていました。上手い! 序奏の真ん中の部分はさらにテンポを落として、このやり方は、どなたかの演奏をCDかなにかで聴いたことがあるので、それ自体には驚きはないんだけど(普通は同じテンポか少しテンポを上げる演奏が多いの)、実際に聴いてみると面白い。それにマゼールさん、弱音を強調したりするので、音楽が止まりそうな感じになってドキリ。これは主部に入って相変わらずスロウ・テンポでも同じ。普通のテンポで弾きたいオーケストラとあくまでゆっくり弾かせたいマゼールさんとの間でときどきせめぎ合いがあったりしてこれがまた面白いのね(最後の楽章が特に)。今日のマゼールさんの演奏は、第2楽章と少しだけゆっくり目の第4楽章以外はかなりゆっくりとしたテンポで、この曲1曲だけなのに音楽会が終わったのは9時を10分ほどまわってました。最初の譜面台事件があったにせよ、この曲を90分近く(もしかすると超えてた?)かけて演奏したことになります。たいていの演奏が70分台で終わるところを見ると、ずいぶんとゆっくりした演奏であると言えますよね。
そのゆっくりとしたテンポ、特に弱音を強調した絶妙な強弱の揺れ、で演奏されると、第1楽章は崩壊すれすれの音楽。短い部分部分がパッチワークのように組み合わさってできているような音楽では、マゼールさんのやり方では、部分部分を繋ぐ膠の部分がとろけてしまって、部分がばらばらになってしまいそうなんです。そこを絶妙なさじ加減でくっつけて崩壊しそうでばらけない危険な感じのスリリングな音楽になっていました。そして、独立的に演奏されるその部分部分をとっても丁寧に微に入り細を穿ち演奏して聴いたことのない世界を創出したのが今日のマゼールさんです。中間のハープが活躍して唯一ねっとりと美しい部分はとろけるように糸を引いて、芳醇で頽廃的な美しさ。ここも一歩間違えれば腐ってしまいそうな成熟度でした。トロンボーンのソロもとても印象的で、この音楽が交響曲第3番の第1楽章から直接つながった音楽であることを、明確に耳に実感させるものでした。ここまではっきりとそれを感じたのは、今回の演奏が初めてです。

第2楽章はわりと普通のテンポに近かったかな。この楽章が顕著なんですが、マゼールさん、ソロの弾かせ方がとっても上手くて、それぞれの奏者にかなり極端なニュアンスを要求していて、まさにマゼール節なんですが、オーケストラの奏者はマゼールさんに言われてそのように演奏しているのではなく、それぞれが自発的に演奏しているふうなんですね。マゼールさんの手腕を褒めるべきか、オーケストラの人たちの上手さを褒めるべきか。まさかオーケストラの皆さんが変態になってしまったわけではなく。。。あっ変態といえばスミスさん(失礼)。第1楽章では少し控え目(とはいえ普通のティンパニ奏者に比べたら3割り増し)だったんだけど、この楽章では面目躍如。ずどんと楔を打ってきましたね。この楽章の木管楽器が細かい音を吹くところでは、やっぱり交響曲第3番の今度は第3楽章に直接つながって来てるのがはっきり分かって(どちらも森の音楽)ますます面白くなってきました。ほんと、マゼールさんのマーラー、面白いんですよ。いろんな音が聞こえていろんなことに気づかされるし、ふふっと笑ったり、おおやるぅってびっくりしたり、楽しくて楽しくて。次はどんな仕掛けが飛び出すんだろうってわくわくする、なんだかお化け屋敷のような楽しさ(ごめん!わたしお化け屋敷怖くないんです。ただおどかされるとびっくりしいなので必要以上にはけ敷く反応しちゃいます)。マーラーの交響曲第7番はホント楽しい音楽です。

続くスケルツォはまたまたスロウ・テンポで、部分部分、今度はさらに点描的で、音と音に分けていきます。この描き方が凄く面白い。っていうか、マゼールさんも凄いけど、こんな音楽を書いたマーラーも凄い。ここでもスミスさん大活躍。最後の一打はシャープに思いっきり叩いていました。今日の演奏では1、3、5の奇数楽章がほんと面白かったです。夜の音楽とは全然性格が違って書かれてるのが、もしかして、大地の歌の構成につながるのかな。

第4楽章ではちょっと問題発生。この楽章にはギターとマンドリンがちょい役で加わるのだけど(とはいえ重要音色を加える役)、これらの楽器のバランスが難しいんですね。音が小さいのでまともに弾いてたらオーケストラの影になって聞こえない。まあかすかに聞こえてればいいのかも知れないんですが。マゼールさんはマイクを通して若干音を増幅させていました。なのであざといくらいよく聞こえるし、ギターの音色がなんかずっしり重い。恋人がセレナーデを歌い、夜のとばりに囁き合ってるというより、痴情のもつれを必死に言い繕って説得してる感じ。でも、もうすでにわたしは、マゼールさんの術中にはまってるので、マゼールさんなら何をやっても許すという体制にあるのでした。いいんです、マゼールさんなら。

第4楽章ではティンパニは入らないので、わたしのときめきは飢餓状態になってる分いよいよ高まります。だってフィナーレはいきなりティンパニのソロの乱打。最高に楽しい瞬間にドキドキ。ゆっくり目のテンポで重いティンパニ。いいのよいいのよ。スミスさん炸裂。オーケストラを聴きに行ってずっとティンパニに耳を傾けてるというのもアレなんですが、それだけの価値あるんです。わざわざ耳を傾ける価値のある、3つ星ティンパニに決定です。
この楽章はテンポが目まぐるしく動くこともあって、普通のテンポで弾きたいオーケストラとゆっくり演奏するマゼールさんとの間でせめぎ合いがあって、途中から演奏に入ってくる奏者たちが飛び出したテンポぎりぎりで入ってきたりして一歩間違えればアンサンブルが乱れるぎりぎりの展開。でもその予定調和じゃないところが面白くて、多分マゼールさんわざとやってる。心憎いばかりの上手さですね。最後は、管楽器の音をかなり伸ばして、ずばっと全奏。最後まで笑かしてくれました。ブラヴォー、マゼールさん。

やっぱりいつもと同じ結論だけど、マゼールさんのマーラー面白い! ともすればつまらない音楽のこの曲(わたしは大変好きですが)をこんなに面白く聴かせてくれるなんて。全く隙がなくて完璧で最後まで一気に聴かせてくれるんですね(演奏時間は長いけど)。この曲の弱点といわれる、フィナーレがぽつんと浮き上がってしまうこともなくて、どういう訳か音楽に1本筋が通ってて統一が図られてる。マゼールさんに応えるフィルハーモニアも凄いし、マゼールさん以上に変態のスミスさんも凄い。大満足の音楽会でした。

ってふふふ、わたし音楽を聴きに行ってるんですよ。決してフィオナちゃんを観に行ってるわけではありません。あっへへ、今日は私服フィオナちゃんを見てしまいました。ステージに座ってるときはちょっぴりぽっちゃり系かなって思っていたけど、細身のジーンズ姿の彼女はすらっとしてスタイルいい〜。やっぱりフィオナちゃんです。
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by zerbinetta | 2011-05-26 07:52 | フィルハーモニア | Comments(6)

トランペット吹きはマックもできなければ   

24.05.2011 @queen elisabeth hall

arvo pärt: fratres
joanna macgregor: lost highway, gospel and blues from the deep south
arve henriksen/helge sunde: four pieces from cartography
james macmillan: piano concerto no. 2

arve henriksen (tp)
joanna macgregor (pf) / britten sinfonia


現代音楽を演奏する演奏家って、ときどき予想外に大変。以前に弦楽四重奏の人が水の入ったホラ貝を回してぴちゃぴちゃと水の音のする音楽を奏でていたし(とはいえ、ずうっとホラ貝を回すだけなので弦楽四重奏団じゃなくてもいいのかも。専門のホラ貝奏者がいればいいんだけど、ホラ貝回すだけじゃ食べていけないよね)、今日はトランペット奏者がマックのコンピューターをいじりながら吹いていました。

今日の音楽会はジョアンナ・マグレガーさんとブリテン・シンフォニアの音楽会。マグレガーさんは去年、ゲルギーとロンドン・シンフォニーでメシアンを弾いたとき、うひゃ〜〜かっこいい〜〜ステキ〜って思って、ちゃんと聴かなければと思った人なのです。去年、シティ・オヴ・ロンドン・フェスティヴァルでも弾いたのですが、のんきに構えてたら当日チケットが売り切れちゃってて聴けなかったんです。なので今日は楽しみにしていました。バッハを弾くのよね、ってるんるんしながら会場に着いてプログラムを買うと、全然別の思ってもみなかった曲。全く勘違いしてたのでした。まあいいや。全てが現代曲。なのに、クイーン・エリザベス・ホールはほぼ満員。誰が人気があるのでしょう。

始まりはペルトのフラトレス。美しい曲です。一時期わたしもペルトにはまったなぁ。ステージにピアノはでんとあるけれども、弦楽器(と打楽器ひとり)の静謐な音楽。ブリテン・シンフォニアは初めて聴くけど、結構上手いですね〜。少人数の室内アンサンブル。少し堅めの音色で、濁りのない澄み切った世界を表出していました。
2曲目からマグレガーさん登場。自身のロスト・ハイウェイという曲です。副題通り、ゴスペルとブルースを編曲した音楽。そして、トランペットのヘンリクセンさんも参加。ステージの右手にはマックブックが置いてあって、マイクが2本立っていたのだけど、トランペットはそのマイクに向かって吹くんです。マイクを通した音をコンピューターで加工してスピーカーから会場に届けるという趣向です。特殊な吹き方もしてるんでしょうが、息が漏れるフルートのような(むしろ尺八)音色になったり、靄がかかったり面白かったんですけど、たまにはマイクではなく会場に向かって吹いて欲しいと思いました。マグレガーさんの好みなのかなと思ったんですが、あとで聴いたヘンリクセンさんの曲もそんな趣向だったし、この曲は違う編成のオリジナル曲をヘンリクセンさんのアドヴァイスの元、今日のように編曲しているので、マックをいじりながらトランペットを吹くというのはヘンリクセンさんの得意技なんでしょう。先にも書いたとおり、わたしとしてはこればっかりじゃなくて、トランペットの直接音も聞きたかったです。
マグレガーさんの曲は、なんだか懐かしい感じの、原点を思い出させるような音楽です。マイクを通して加工した音(ときにはピアノの音や弦楽オーケストラの音も加工しています)が、輪郭をぼかしたソフトフォーカスみたいな感じになって、膜を通して脳みそに届くような感じで、それがなんだか、過去のもう手の届かない思い出のような音に感じたのかも知れません。♪い〜つくしみ深〜き〜、わ〜が君イェスよ〜♪のメロディが聞こえたときわたしも、思春期の頃、教会に通っていたのを思い出しました。思い出は誰でも美しい。でも、もう永遠にないもの。消えていく音と同じですね。

休憩の後はヘンリクセンさんの曲。彼はクラシックの奏者というより、ジャズ、フュージョン系を中心としていろんなスタイルの音楽を演奏しているのですね。静かな心安まる音楽でしたが、わたしにはちょっぴり退屈でした。眠くなっちゃった。というかそういう音楽なのかも知れません。お休みなさいの音楽。
もうひとつは、マクミランさんのピアノ協奏曲第2番。マクミランさんの音楽はときどき好き、ときどき苦手、という感じで聴いているのだけど(マクミランさんの曲、ご当地イギリスでは結構よく演奏されます)、今日のは圧倒的に良かった。さすが、職業作曲家って思っちゃった。やっぱり演奏家が作ってる音楽よりも専門の作曲家が作ってる音楽だけに、説得力が違いました。マクミランさんの音楽としては分かりやすい系(基本的に彼の音楽は分かりやすいのですが、ちょっと小難しいのになると何言ってるんだか分からなくなります)。これは良い曲でした。ピアニストは小太鼓も(手で)叩きます。面白い面白い。

アンコールにはまたヘンリクセンさんが出てきて静かな音楽。
でも、今日の音楽会はやっぱり、マグレガーさんでしょう。年齢不詳というかとても若く見える51歳。やっぱりめちゃかっこいい。なんかすごい特別なオーラみたいなものを持った人なのよね。最近わたしが、かっこいいと憧れてる女性は、マグレガーさんとロイヤル・バレエの総帥モニカ・メイソンさん。わたしもできたら、あんなかっこいい人になりたかったな。ぼーっとした豆電球のような人じゃなくて。。。どうすればなれるんだろう。ごまめの高望み?
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by zerbinetta | 2011-05-24 08:14 | イギリスのオーケストラ | Comments(2)

自信を持って。上手いんだから。ね、札響さん。   

5月23日 @ロイヤル・フェスティヴァル・ホール

武満徹: ハウ・スロー・ザ・ウィンド
ブルッフ: ヴァイオリン協奏曲
ショスタコーヴィチ: 交響曲第5番

諏訪内晶子(ヴァイオリン)
尾高忠明/札幌交響楽団


ふふふ、会場で買ったプログラムも日本語併記だったので日本語で書いてみました。

最近ちょっと心配していることがあったんです。ロンドンには5つのメジャー・オーケストラがあってどこもとっても上手いし、それに世界中から上手な音楽家が頻繁にやって来るし、このブログを読んでる方なら分かると思うけど、音楽会(だけは)安いのでむちゃくちゃたくさん音楽会を聴いてるんです。なので耳が贅沢に肥えちゃって、下手な音楽は聴けなくなっちゃうんじゃないかって。いつも超おいしいものばかり贅沢に食べてたら舌が肥えちゃって(多分体も)、カップ・ラーメンとか受け付けなくなるみたいな。でも、音楽って、確かに上手い演奏にこしたことないけど、技術的な上手下手では割り切れないことが多くあって、上手ければいいというものでもないというのも事実。ロンドン・フィルハーモニックはロンドン・シンフォニーより下手だけど、心に残る演奏をたくさん聴かせてくれるし、わたしはロンドン・フィルの方が好きだったりしますし。
わたしは日本のオーケストラを最近ほとんど聴いたことがなくて、10年以上前にUSでNHK交響楽団を聴いた他は、そういえば3年くらい前に今日の札響を札幌で聴いたのが最後でした。なので、日本のオーケストラが今どのくらいのレヴェルにあるのかよく知らなかったんだけど、札響、予想外に上手くてまずびっくりしました。確かにロンドン・シンフォニーやロンドン・フィルより上手とは言えないけど(音量とか音色とかそういう個々の技術の問題。アンサンブルはとても良く揃っていました)、全く問題なく聴けました。良かった。わたしの耳ぶくぶくに醜く肥えてなくて。

そう、札響はとても良く弾けてました。みんながひとつにまとまってひとつの音楽を作っているのは確かにステキ。でも。。。と思うこともあるのです。それは、よく見ていると、みんなが揃って同じように、同じような恰好で弾いてる。なんか軍隊の行進のように揃っていてちょっと怖くさえありました。そして、無表情。朝の満員電車に乗って会社に向かってる人のような顔。もっと楽しそうな顔して弾いてよって思う。もうひとつ、ステージに出てきたとき、誰も音を出さないんです。音合わせまでの間、無音の間。なんだかわたし、間が持たなくなって気まずく感じました。そして音合わせはみんなちゃんと音合わせてる。こっちのオーケストラみたいに音合わせというより勝手に音だし感がないの。
そしてそこから聞こえてくる音楽は、とっても上手なんだけど、うんとたくさん練習して完璧です、聴いてください的な、いつどこで演奏しても同じように弾けちゃう音楽。わたしには物足りない。わたしが聴きたいのは、いつも同じようにこれがわたしたちの成果、的なコンクールみたいな演奏ではないんです。もっとスリリングで1回切りの一期一会の音楽。もっと積極的にひとりひとりが、ちょっとぐらいばらばらでもいい、仕掛けてくる、ドキドキするような感動。それがまだ、札響は足りないと思ったんです。

それが最も悪い形で出てしまったのが、諏訪内さんをソリストに迎えたブルッフの協奏曲の第1楽章。オーケストラが表に来るところは、上手に弾くんだけど、ヴァイオリンの伴奏にまわるところになるととたんに遠慮しちゃって音楽にならないの。低弦のピチカートの刻みのリズム、止まるかと思った。いつもは日本人の悪いとこだわって自分にも言い聞かせるように思っていた、諏訪内さんの自己主張のなさという弱点が、今日は諏訪内さんの演奏からは消えていて、その代わり、札響に行ってしまったのですね。諏訪内さんはかえってオーケストラに仕掛けたりなんかしてたんですけど、オーケストラはそれには応えられず。。。諏訪内さんのソロだけが印象に残ってしまいました。今まで聴いた彼女の演奏の中で、彼女の演奏は今日が一番良かったです。札響、上手いんだから自信を持ってがんばれ〜って心のうちで応援しちゃいました。

最初の武満徹の音楽はとてもきれいな、日本人好みのする旋律のある音楽でした。札響も弦の音色はちょっと硬かったけど、鈴のような澄んだ音色で弾いていました。ただ、わたしにはこの曲は途中で退屈してしまいました。なんかつなぎの部分が毎回仕切り直しみたいで、これはきっと指揮者の責任ですが、もしかすると、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールがいつも演奏しているホールより響かないので上手く音がつながらなかったのかも知れません。もっと良く響くホールで聴いたら違った印象になるのかな。武満は、日本では悪口が言えないほどに崇め奉られている感じがするけど、わたしは彼の音楽にはとても良い作品もあるけど同時に(特に後期になるほど)凡作もたくさんあると思っています。この曲はきれいだけれども退屈な音楽でした、わたしには。でも、隣のイギリス人の婦人はとても気に入ったようです。フルートがひとり(ふたり)気を吐いてたなぁ。

休憩の後のショスタコーヴィチの交響曲第5番は、もちろん、タコ好きのわたしは大好きな音楽です。協奏曲の伴奏ではない、オーケストラの音楽を札響がどんな演奏をするかとっても楽しみでした。そして、とてもステキな演奏でした。札響の音はわたしのショスタコーヴィチの音でした。雪の夜の音。わたしが中学生の頃初めて聴いたときから、イメジの中にある、あの夜の雪の光景の音がしました。懐かしい。わたしは似非道産子(東京生まれ)なので、北海道の雪の光景は、そしてその音のない音は身にしみているのです。そんな音を共有できることが嬉しかったです。尾高のタコは、一本気。基本的にインテンポでがしがしと進みます。札響も尾高さんもこの曲を演奏し慣れているのでしょうか堂々と自信に満ちた演奏でした。第2楽章のトリオを珍しく遅めのテンポに設定して、古典的な感じ(ハイドンふう?)な感じを出していたところが可愛らしく面白かったです。タコのこの曲は前半の2つの楽章が良かったな。第3楽章はもうちょっとゆっくりとふっくら演奏して欲しかったし(ちょっと音が痩せてた)、第4楽章はテンポを揺さぶってドラマを作って欲しかったです。インテンポで進んでいったので結果が見えていたというか、答えが途中で分かっちゃったのが残念でした。でも力の入った良い演奏だったんですよ。お客さんはスタンディング・オヴェイション。会場は暖かな拍手に包まれました。

そしてカーテン・コールのとき、尾高さんのスピーチ(英語)があって、アンコールにエルガーのエニグマ変奏曲からニムロット。これはずるいよぉ。飛行機の中で観たのだめの映画もそうだけど、この曲涙腺を直接刺激しちゃう。最初の弦楽器の部分はまさしく祈り。震災の犠牲者への追悼とと復興への気持ちがまさに出ていました。とてもとても良い演奏。ただ後半の盛り上がるところはもう少し粘って感動的に演って欲しかったな。

最初の方にも書きましたが、自分自身のことを含めて日本人であることを強く感じました。わたしたちには何がかけているのかも。今日の音楽会を聴いて強く感じたのは、音楽を作るプロセスにおいて、みんなが最初っからすりあわせて齟齬のないように同じ方向を向いてること。人に意見を合わせるのが大人なんだよね。わたしたち、議論するのが苦手で、議論をすると議論のための議論になってしまってけんか腰、みんなでより良いものを作るという意識にかけていると思うんです。人と違っていることより人と合わせることが大事。ほんとは音楽を作るってそういうことじゃないんだと思うんです。始めにもっとみんながぶつかり合わないといけないんじゃないかって思うんです。人に迷惑をかけることはちっとも悪いことじゃなくって、迷惑をかけるところから始めなきゃって思うんです。わたし自身もね。

でも、やっぱり札響は大好きなオーケストラです。わたしの故郷のオーケストラですし、わたしが初めて聴いたオーケストラ(多分)なんです。短い間だけど、定期会員になっていたこともあるし。大好きで応援しているオーケストラなので、少し筆が走ってしまったかも知れません。好きな人には意地悪してしまうような(小学生か、わたし)。ロンドンでの音楽会は、贔屓目なしに、大成功だったと言えます。ロンドンにはこんなに日本人いるのかと思うほど日本人が多かったですが、イギリス人の音楽好きの方もたくさん来ていて、みんな喜んで聴いていました。会場はとても良い雰囲気でした。札響の歴史に新しい自慢が付け加えられた夜でした。
札響の皆さん、どうもありがとう。
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by zerbinetta | 2011-05-23 09:01 | 海外オーケストラ | Comments(6)

ステキに楽しいオペラ   

20.05.2011 @barbican hall

smetana: the bartered bride

dana burešová (mařenka)
tomáš juhás (jeník)
jozef benci (kecal)
aleš voráček (vašek)
stanislava jirků (ludmila)
svatopluk sem (krušina), etc

jiří bělohlávek / bbc singers, bbcso


スメタナというとモルダウばかりが思い浮かぶんですけど、今日の売られた花嫁、全曲コンサート形式はとっても楽しみにしていた音楽会です。指揮者のビエロフラーヴェクさん、最近とっても良い音楽を聴かせてくれていましたし、お国ものの音楽、絶対期待が持てます。その期待に十分以上そえるものになりました。

オペラはコンサート形式といってもオーケストラの前にわりと広くスペースがとってあって、歌手は身振り手振りで若干演技をします。これが物語を追う助けになりました。オーケストラは多少小さめで第1ヴァイオリンが12人。はしこい序曲が始まったとたん音楽に引き込まれました。オーボエを始め木管楽器がいい音出してるし、上手い! 本場のチェコフィルが演るともっとくすんだ鄙びた感じのいい音になるのでしょうけど、BBCシンフォニーの演奏は颯爽として現代的で、これはこれで気持ちがいいのです。なんと言っても蜜月にあるビエロフラーヴェクさんが自信を持って振るスメタナの音楽にオーケストラがぴたりと付いていって小気味よかったです。序曲とか、間奏曲みたいなのとか、バレエのシーンの音楽は、オーケストラの上手さが光りました。やっぱりBBCシンフォニーって地味にいいっ!

そしてオペラ部分。チェコ方面(チェコとかスロヴァキアとか)から連れてきた歌手陣は、多分地元の歌劇場を中心に活躍している人たちでしょう、有名な人たちではありませんが、もうとってもステキでした。第一、言葉が堪能。普段話している言葉でそのまま歌うんですから。それにやっぱり、ビエロフラーヴェクさん同様、自国の音楽がしっかりと身についているように感じられました。全く安心して聴いてられますし、オペラをものすごく楽しめました。ほんとっ、楽しいオペラ。

歌手の中では、主役の花嫁、マジェンカを歌ったdana burešová さん(チェコ語が読めないのでラテン文字でそのまま表記しますね)がうんと良かったです。高音がときどきキンとするので好き嫌いはありそうだけど、役になりきった表情も良かったし、この人だけは完全に暗譜で自家薬籠中の役なのでしょうね。ほ〜んと可愛らしかった。
そして、恋人のイエニークのtomáš juhásさんと結婚仲介人ケツァルのjozef benciさんが親子(兄弟?)みたい。単に髪型似てるだけなんだけど。そのjozef benciさんはオペラにスパイスを与える重要な役をコミカルに見事に歌い演じていました。憎めないいいキャラクターです。tomáš juhásさんも恋人役をしっかり歌っていましたが、わたしに黙って勝手に売られちゃったら、わたしだったら嫌だなぁ。ってオペラの台本にけち付けてどうする。
ケツァルが結婚させようとする相手はミーハの息子で知恵遅れのヴァシック。予習としてあらすじを読んだとき、この設定はなんか嫌だなぁと思ったんですが、純朴な青年として書かれていて、実際聴いてみるとそんなに嫌でなかったです。aleš voráčekさんが吃音口調の歌を明るくおかしく歌って(同じ音を繰り返すので音楽が軽くおかしな感じになるんですね)、頭の成長は遅れてるけどピュアな感じに見えて良かったです。
台本は、マジェンカの両親が娘思いのいい人(父親は花嫁売りにちょっぴり荷担するんですが)、ヴァシックの親は、ヴァシックのお嫁さんをお金で買おうとするちょっと嫌なヤツ(普通では結婚できそうない息子想いという見方もありますが)という対比で上手く描かれてて、でも、この台本の良いところは、真からの悪人がいないことなんですね。だから、心から笑うことができます。安心して観てられるコメディ。で、良い人マジェンカの両親がステキでした。お父さんかっこいい。

そして村人たち。BBCシンガーズの人たちは私服で出てきて、村人たち感を出していました。もちろん、村人衣装ではないんですけど、正装じゃないところがくつろいだ雰囲気を醸し出して良かったです。20人足らずのメンバーでも十分声量があってむちゃ上手い。合唱というと、今まで聴いた中では、エリックエリクソン合唱団とモンテヴェルディ合唱団が別格に上手いと思ったんですが、BBCシンガーズもその仲間でしょう。現代音楽を歌わせたらもう右に出るものはいないくらいだと思います。

今日は、わりとステージにかぶりつきな席で聴いたんですけど、オペラ歌手ってすごい!です。直接音ががんがんと耳に飛んでくるところなので、声量に圧倒されました。そして、オペラを音楽を心から楽しんで、ぽかぽかとした気持ちになりました。このメンバーでぜひ、オペラハウスで観てみたいと思いました。聴いたばかりで思いっきり贔屓目はいってるけど(いつも今聴いてる音楽が一番いいと思う人なので)、それにこの手の音楽が大好きっていうのもあるけど、今シーズン一番の音楽会って思いました。それくらい、良かったです。ブラーヴィ、出演者の皆様! ありがとう!

音楽会はこちらのBBCラジオ3で配信中です。

一番手前の人がjozef benciさん
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主役のおふたり、dana burešová さんとtomáš juhásさん
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by zerbinetta | 2011-05-20 07:25 | BBCシンフォニー | Comments(2)

人気者!! ランラン   

19.05.2011 @royal festival hall

rachmaninov: trio élégiaque no.1
mendelssohn: piano trio no.1
tchaikovsky: piano trio

lang lang (pf)
vadim repin (vn)
mischa maisky (vc)


本来ならばランさんと書くべきなんでしょうけど、ついうっかりランランと言ってしまう、ランランさん。いえ、ラン・ランさん。とおっても人気のあるピアニスト。その人気の秘密、今日分かりました。なんと言っても、まさにお名前(郎朗)のとおり、朗らかな明るくて親しみやすいキャラクター。お客さんを大事に思う感じがステージマナーにもにじみ出て、好感度大。カーテンコールで挨拶するときも、他のふたりを促してちゃんとステージの後ろの席の人にも挨拶したり、気軽に客席に手を振ったり、小さな子供が花束を差し出したときにはプログラムにサインをしてたり。それがとっても自然に出てくる。そして音楽も大きくて分かりやすい。わたしも彼の虜になりました。

さて今日はそのラン・ランさんと、ヴァイオリンのレーピンさん、チェロのマイスキーさんでトリオなんです。むちゃ豪華メンバー。これ、わたしじゃなくてもうっかりチケット買っちゃいますよね〜。
始めはラフマニノフの悲しみの三重奏曲。わたしの知っている曲かと思ったらまるっきり知らない曲でした。ヴァイオリンとチェロでいきなり不思議な世界に連れ込まれたと思ったら、ピアノが入ってきて、雄大なロマンティックな世界に。
それにしてもこのスーパー・スター・トリオ、音楽のスケールがとても大きい。偉大とか尊大とかそういうタイプの大きさではなくて、ふうせんにのっかった世界が脹らむような大きさ。器が大きいみたいな感じ。演奏した3曲の性格もあるのでしょうけど、自然にたっぷりとメロディを歌わせて、素直に本当に素直に音楽の心に浸れる。とても暖かな演奏。わたしも理屈抜きで素直に音楽を楽しんで感動しました。
それにしてもラン・ランさん、人気者。彼が出てくるだけで盛大な拍手。いたるところでフラッシュが焚かれて写真の嵐。さすがに演奏中はほとんどありませんでしたが(ほとんどとしか言えない。。)。中国人のお客さん多めかな。彼目当てというか、あまりクラシックの音楽会に来たことがない人が多かったみたいな感じで、ロンドンでは珍しく、楽章の間にも拍手がありました。ラン・ランさんたちは気を利かせて音合わせとかしていましたね。

2曲目はメンデルスゾーンのトリオ第1番。この曲も初めて聴きます。わたしは今日はこれが一番良かったと思いました。わたし、メンデルスゾーンとはとてもウマが合うんです。もしわたしと彼が同時代を生きていたら。。。わたしたちは恋をして、わたしは玉の輿。。。
メンデルスゾーンってロマンティックだけど、控え目な上品さがそこにあってとってもバランスがいいと思うんです。ほの暗さ加減も絶妙に配合されて、とってもステキなんです。今までこの曲を知らなかったなんて。でも、こうして生で新しいステキな曲を発見するのも幸せなことなのかな。CDで聴いちゃうとその間に解説読んだり、別なこと考えちゃったり、集中しないから(悪い癖)。第3楽章のスケルツォが目が覚めるような指がくるくる回るような早い演奏で、ぐっと引き込まれました。お客さんも大喜び。大きな拍手でした。考えてみると、メンデルスゾーンの頃は、楽章の間に拍手することも当たり前で、ステキな音楽を聴いたあとは素直に喜びを表していたんでしょうね。今日の楽章の間の拍手はあまり気になりませんでした。

そして最後はチャイコフスキーのトリオ、偉大な芸術家の思い出に。これも良かったです。この人たちの音楽、もっと聴きたいと思いました。熱い血潮の迸る熱血親父の音楽。漢だわ〜。男かっこよし。3人の個性がぶつかり合い混じり合ってとっても上手くいっています。不思議な組み合わせなんですけどね。
マイスキーさん63歳、レーピンさん40歳、ラン・ランさん29歳。世代の違う3人の組み合わせってトリオでは珍しい? 音楽をリードしているのは、マイスキーさん。2人の大人が前で音楽で会話して、若いラン・ランさんはそれについて行ってるって感じ。ついて行ってると言っても、ラン・ランさんのことですから、ただ控え目に後を追ってるんじゃなくてちゃんと自分を主張してるんだけど、やっぱり親父にはかなわないな〜って感じ。でも、チャイコフスキーの最後の方でピアノが猛然と活躍するところは鬱憤を晴らす(?)ように爆発。すごいすごい。さすがラン・ランさん。最後は葬送行進曲が戻ってきて静かに終わったけど、ここはもうちょっと拍手待って欲しかったな。エクサイティングな音楽を聴いてきたあとなので気持ちは分かるんだけど。
アンコールはメンデルスゾーンのトリオからスケルツォ。お客さんの気持ちがわかってる〜。

それにしても雄大な音楽を聴いてわたしもとっても気持ちが大きくなりました。世界征服でも企むか。

音楽会はこちらのBBCラジオ3で配信中です。
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by zerbinetta | 2011-05-19 21:31 | 室内楽・リサイタル | Comments(2)

プチ追っかけの原点に戻る   

18.05.2011 @cadgan hall

tartini/kreisler: variations on a theme by corelli
beethoven: violin sonata no. 5
ives: sonata no.4, s63 'children's day at the camp meeting'
bach: partita no. 1
antheil: sonata for violin and piano no. 1

hilary hahn (vn), valentina lisitsa (pf)


ヒラリーとリスィツァさんのリサイタルにはるばるカドガン・ホールまで行っていきました(いつものホールは地下鉄乗り換えなしで行けるのに、ここは乗り換え1、2回)。もともと教会だったのを改装してホールにした1000人規模の中ホール。リサイタルにはぴたりのサイズです。

わたしのプチ追っかけ、実は初めての相手がヒラリーだったのです。あれはわたしがまだ、うら若き少女時代、なんちゃって、でも若かったよ〜、まだ20代、ヒラリーも10代の頃でした。そのヒラリー、プログラムのプロフィールには、冒頭にきっぱりと31歳のヴァイオリニストと書いてあって、うぎゃ、もうそんな歳なんだ、わたしも年とったんだな〜と妙な感慨。今は、ヒラリーのプチ追っかけはしていないけど、でもヒラリーの音楽会とあればなるべく聴くことにしている。
ピアノのリスィツァさんは、前回のリサイタルのときも聴いたけど、もう10年以上前に初めて彼女を見たときとんでもない美人だって思った人です。そしてがんがん弾く人。今は落ち着いた感じになってきましたね。

今日はちょっと意図がよく分からない寄せ集め系プログラム。わたし、プログラムを見るとついキー・ワードを探したくなるんですね。もちろんそういう組み立て方をしていない音楽会も多いのですが。始まりは、タルティーニ/クライスラーのコレッリの主題による変奏曲。タルティーニもクライスラーのも言わずとしれたヴァイオリンの名手。そんな彼らの作品だからヴィルトゥオーゾ満載。でも、ヒラリー楽々と弾きこなしていきます。全く、危なげなくというか、憎らしいほど余裕綽々。そして、多彩な音色。ヴァイオリン一挺でこんなにいろんな音色を表現してしまうとは。そして驚いたことに、ふっくら系の音色。ヒラリーの音色って凛とした研ぎ澄まされた透明な音だと思っていたのに、今日は不純物たっぷり(不純物がたっぷり入ってるからお酒っておいしいんですよ。アルコール水だったらなんて味気ないこと)、というか倍音が多くて、幅の広いふくよかな音色。まずこれにびっくりしました。最近は、特にフォーク・ミュージックの人との共同作業が多いせいなのか、クラシック以外の音楽にも目を開いていろんな可能性を探ってるヒラリーだけど、その成果が音に出てるのでしょうか。でもこれは、両刃の剣。わたしは以前の凛とした音色が好きだったので、ちょっと引っかかりました。

で、もっと引っかかったのがベートーヴェン。澄み切ったきらきらした春を描くのかと思ったら、まず始まりのゆっくり目のテンポにびっくり。見事に予想を裏切られます。じゃあ春のうららかな感じかな〜って思うとそうでもない。泰然とした風格さえ感じられる音楽を豊かな音色で弾くので、のどかというよりなんだか畏怖のようなものまで感じます。そして、汚い音まで敢えて使って、音楽に奥行きを与えているよう。とても良く考えられていると思うのですが、わたしにはちょっと考えすぎというか、考える方向がわたしのとは違ってるように感じました。なのでちょっと戸惑った。
でも、第2楽章には凄みのようなものまで感じられて、これはもうヒラリーの独壇場。会場のお客さんの空気までぴーんと変わって、第2楽章と第3楽章の間は息を詰めたよう。ヒラリーはベートーヴェンの書いた若くて朗らかな音楽(一見かも知れないけど)をものすごく精神性の高い音楽として表現しようとしていると思いました。ずっしり来るような聴後感は、それが上手くいっていたことを証明しているのかも知れません。好き、嫌いにかかわらずね。

でも、ヒラリーの本領発揮はここからです。まずは前回も弾いたアイヴスのソナタ第4番。キャンプ集会の子供の日。いろんなフォークソングがコラージュのように積み重なっているアイヴスらしい曲です。最後のはたんたんたぬきの〜♪ ですよね。それをあるがままに、まさにあるべき姿で弾いたのがヒラリーとリスィツァさんです。実は、ベートーヴェンのときは、リスィツァさんのピアノ、わたしの感覚にフィットしなくて、ああやっぱりピアニストも大事なんだなぁ、アリーナのティベルギアンさんってものすごくいいんだな(最近彼らのCDを聴いて、ティベルギアンさんのピアノにますます惚れ込んでいるのでした)、なんて余計なことも頭によぎっていたのですが、アイヴスのこの曲や最後に演奏されたアンタイルのソナタには、まさに彼女じゃなきゃという存在感がありました。
アイヴスの音楽は最近のヒラリーの方向性ととてもよくマッチしていて、ステキです。前回もアイヴスのソナタを数曲演奏しているのだけど、彼女が今、力を入れているフォークソングとのコラボレイションのクラシックへの成果としてアイヴスの演奏は成功していると思います。全集を録音するのかな。したらいいな。それにしてもこの曲最後は人を食ったような終わり方ですね。

そして、やっぱりヒラリーの真骨頂は、バッハ。パルティータの第1番というあまり有名ではない曲ですが、これがもう神々しくて(awesome)まるで音楽に神が宿ったようです。ヒラリーはデビュウCDがバッハのソナタとパルティータ(ただし全曲ではなくて半分)だったように、バッハをとっても大事にしているのだけど、だからこそ、畏敬の念を持って精神性の高い圧倒的なバッハを求道しているように思えます。そして今日のバッハは、10代で録音したCDでの演奏とは全く別物(CDではパルティータの第1番を録音していませんが)。CDで聴かせた透徹で透明感の溢れる音色から、ラシャのように、厚みがあって柔らかい音色。わたしは、最近はアリーナの繊細なバッハが大好きなんだけど、全く別世界に到達したヒラリーの演奏にも圧倒されてしまいました。もともとプロテスタント系(多分)の教会を改装して作られたこのホールの雰囲気と相まって超絶的なバッハ体験のひとつになりました。バッハの無伴奏の全曲録音はしないんですかと尋ねたところ、いつか、って答えていた彼女。まだ、その時期にはなっていないと考えているのでしょうか。でも、そのいつかがとても楽しみです。

最後のアンタイルのソナタは、作曲家の名前も初めて聴く人だったんですが、とても現代的。で、プログラムを見てびっくりしたんですが、アンタイルは1900年に生まれて59年には亡くなっているんですね。しかもこのソナタは23年の作曲。なんか途轍もなくいっちゃってる作曲家なんですね(アイヴスもそうですが)。しかもウィキペディアで調べると、無線LANの基礎となった技術を発明しているらしい。
この曲、ときどきストラヴィンスキーの影も聞こえてきて、激しく、技術的にもむちゃ難しそうですが、ヒラリーはもう盤石ですね。現代のヴァイオリニストの中でもテクニックは間違いなくトップ、音楽を読む目も確かな彼女が弾くと、ちょっとよく分からないモダニズム系の音楽もきちんと聞こえてしまいます。っていうか、彼女にこれだと言われるとすっかり納得するしかない、そんな圧倒的な説得力が彼女の音楽にはこもっているようです。

31歳、ますます高いところに向かっていく彼女。今は、フォーク・ミュージックの人との共同作業や、短い新作を何人もの作曲家に委嘱したり、音楽を豊かにしていく作業を意識的に行ってる彼女だけど、どこに向かっても、もし迷っても、あの原点のバッハがある限り、彼女は正しい道へ戻るでしょう、って確信した。わたしは、10年前、彼女にさようならをしたんだけど、でも、やっぱりこれからもプチ追っかけの原点として彼女を聴いていかなければと思い直しました。

10年前の日記(一部)です。ヒラリーがタコの協奏曲(第1番)をシャイーさんとコンセルトヘボウの共演で弾いたとき(2002年2月)。
・・・・ ヒラリーの音楽はわたしには想像もつかないほどの深みに達しているって。そしてわたしは寂しさを覚えたの。ヒラリーを聞き始めたときから、わたしも一緒に音楽を深めていこうと思ったのに、もう置いてけ堀を食らっちゃった。ヒラリーの音楽はもうずうっと遠くにある。これから彼女はどう成長していくのでしょう。ヴァイオリニストとして一番充実する40代まであと20年。そう考えるともう空恐ろしい。 ・・・

アンコールには、リスィツァさんがソロでショパンのノクターン。実はこれびっくりするくらい良かった。リスィツァさんの印象思いっきり変わっちゃった。静かで優しくて音楽が慈愛に満ちていて。そしてふたりでクライスラーの美しきロスマリン。このふたつのアンコールで張り詰めた心はまたやさしく溶けたのでした。とても充実した音楽会でした。でも、空席もあったのがちょっと残念。カドガン・ホールってあんまり宣伝上手じゃないのよね。
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by zerbinetta | 2011-05-18 21:05 | 室内楽・リサイタル | Comments(2)

ハイドン   

ロンドンのオーケストラでハイドンをステキに弾くのはロンドン・シンフォニーとロンドン・フィルハーモニックです。そしてこれがまた対照的。ロンドン・シンフォニーは主席指揮者のゲルギーが古典を演らないので、ハイドンを振るのはもっぱら、総帥のコリン・デイヴィスさんと客演で毎年来るハイティンクさんなんだけど、おふたりともとても典雅でステキなハイドンを奏でます。ロンドン・シンフォニーの音がふくよかで柔らかいのでそれがとっても合ってるんですね。
一方のロンドン・フィルハーモニックは、主席指揮者のユロフスキさんがハイドンを得意としてるのです。ロシアものとか大きなオーケストラをぐいぐいドライブするのが得意な一方、ハイドンやメンデルスゾーンをとっても上手に指揮するのです。天性のものとしか思えません。そんなユロフスキさんの演奏スタイルは、ずばり古楽。OAEなんかにも客演するので、古楽奏法をよく勉強しているのでしょう、オーケストラにも古楽器を演奏させたりするんです。弦は張り替えてないと思うけど、ホルンなんかはバルブのない、くるくるの管をいくつも付け替えるの吹かせています。奏法も古楽器特有の鋭く少しざらざらした感じで、これがとっても良いんですね。現代オーケストラなのに古楽もできるオーケストラ、それがロンドン・フィルです。ロンドン・シンフォニーは古楽の雄ガーディナーさんが来たときは、古楽器奏法を採り入れたものを聴かせてくれるけど、ここまで徹底していないし楽器も持ち替えてはいないよう。
対照的なハイドン、でも、どちらもステキなんですよ〜。
ハイドンは譜面づらは易しそうで簡単に見えるけど、音楽にするのはとっても難しいんだと思います。演奏機会もあまり多くないので、ロンドンで機会があったらぜひ聴き比べてみてくださいね(って今見たら、来シーズン、ロンドン・フィル、ハイドンひとつも演らな〜いっ。ぐすん)。
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by zerbinetta | 2011-05-18 01:44 | 随想 | Comments(0)

ロンドン・スーパー・オーケストラ(妄想) 1   

スポーツの世界にオールスター・ゲームとか日本代表とかあるなら、オーケストラにだってあっていい。というわけでロンドンのスーパー・オーケストラを妄想中。と書きながら気がついたけど、世界中から演奏家を集めて作ったオールスター・オーケストラってすでにありましたね。っははは。
でも、まあ、自分勝手にメンバーを考えるのも楽しいもの。もちろん、水を差すようなことを言えば、オーケストラの団員を決めるときってそのオーケストラの音色や音楽性と合っていることが必要だから、上手いからといって誰でもとるわけにはいかない。ロンドン・シンフォニーの第一ヴァイオリンにロンドン・フィルの第2ヴァイオリンを合わせるなんてことをしちゃうとちぐはぐなことになっちゃうでしょう。そんなことは百も承知で妄想だからいいのだ。
まずティンパニ(っていきなりそこか。だって決めやすいんだもん)。正直ロンドンのどこのオーケストラのティンパニも上手いです。でもやっぱり、即決でフィルハーモニアのスミスさん。だって彼のティンパニを聴きにフィルハーモニアの音楽会に足を運ぶファンもいるんですよ(それってわたしか)。彼には自由勝手にばしばし叩いて貰いましょう。凶暴なティンパニに耳を奪われること間違いなし。
それから、マスコット・ガールにフィルハーモニアのフィオナちゃん。だってこの人を観にフィルハーモニアの音楽会に足を運ぶファンもいるんですよ(誰とは言いません)。
なんか末節からメンバーを決めているような気もするけど、じゃあ、って気合いを入れ直してリーダーは。うーんうーん。上手さでいったらBBCシンフォニーのハヴェロンさんかなぁ、ロンドン・シンフォニーのシモヴィックさんも捨てがたいし。好きと言うことだったら、ロンドン・フィルのショーマンさんなんだけどな。うーんうーん。ハヴェロンさんとシモヴィックさんをふたりリーダーに据えて、ショーマンさんを副リーダーにしましょう。

いつまで続くか分からないけど、妄想はときどき続きます。
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by zerbinetta | 2011-05-17 07:52 | 随想 | Comments(4)