<   2011年 07月 ( 12 )   > この月の画像一覧   

木を見て森を見ずの人   

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30.07.2011 @royal opera house

homage to fokine
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chopaniana
mikhail fokine (choreography)
agrippina vaganova (revived)
chopin arr. by glazunov & keller (music)

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the firebird
mikhail fokine (choreography)
isabelle fokine & andris liepa (reconstruction)
stravinsky (music)

anastasia petushkova (the firebird)
yuri smekalov (iwan-tsarevich)
viktoria brileva (the beautiful tsarevna)
vladimir ponomarev (kostchei the immortal)

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schéhérazade
mikhail fokine (choreography)
isabelle fokine & andris liepa (reconstruction)
rimsky-korsakov (music)

ekaterina kondaurova (zobeide)
igor kolb (the golden slave)
soslan kulaev (sultan shakhriar)
stanislav burov (the chief eunuch), etc.
mariinsky ballet

boris gruzin / orchestra of the mariinsky theatre

マリインスキー・バレエのトリプル・ビルです。20世紀初頭にバレエ・リュス等で活躍したフォーキンへのオマージュです。

最初のショパンのピアノ曲に振り付けられたバレエは絵のような美しさ。というより、動く絵を作ったのでしょう。白いチュチュが光にきらきらと映えて、ああバレエってやっぱり白だなぁって思ったのでした。ひたすら静かで優雅。コールドの皆さんがよく揃っていて(踊りも姿も)ステキ。ロイヤル・バレエではこうはいかないですね。ロイヤル・バレエのコールドはあんまり揃ってないし、ソロで踊るダンサーに目が行ってしまいます。今日のマリインスキーでは、ソロで踊った人たちは上手いことは上手いんだけど、立体的に飛び出してこないというか、みんなで作る絵の中にピースとして収まってる。この作品だったら、マリインスキーの方が1枚も2枚も上手ですね。ただ、わたしはバレエは木を見て森を見ずな人みたいです。全体的な美しさを観るよりも、それぞれの個人の踊りに目が行っちゃう。コールドでも顔を覚えてくると、ああ、あの人が踊っているのねってついついひとりひとりを観ちゃうのです。ひとりひとりの個性が出てくる方が好きなのかなっても思いました。風景画を観て1本の木ばかり見つめているようなものですね。
それにしても、何の憂いもない優雅な貴族的なバレエ。ショート・ケーキの生クリームのように甘くデコレイション、いえ、オーケストレイションされた音楽は、ショパンのピアノ曲が含んでいた苦みのようなものをすっかり捨て去ったひたすら甘いお菓子。優雅とは言えない生活を送らざるを得ない21世紀のわたしには、絵の中の出来事です。そういう風に作られたバレエなのかもしれないけど。
そういえばこのバレエ、ロイヤル・バレエでも観たことがあるなと思ったら、レ・シルフィードなんですね。違うバレエ団(バレエ・リュス、初演はマリインスキーです)が演じて名前が変わっていたわけです。

2つめの火の鳥、同じ演出のものをこれもロイヤル・バレエで観たことがあります。ロンドンに来て最初の頃。舞台も一緒です(記憶が正しければ)。1度観た作品は、なんだか安心して観てられますね。火の鳥を踊るのは、コリフィーのペツシュカワさん。コリフィーは、耳慣れない単語でしたが、ロイヤル・バレエだったらファースト・アーティストに相当する階級でしょうか。でも、上手かったです。ステキな火の鳥でした。イワン王子のスメカロフさんは、ちょっとスケベ心のある感じの青春まっただ中なオトコ、みたいな表情付けで演じていました。この役は踊りというよりも演劇的ですね。お姫様役のブリレワさんは、ちょっと日本人っぽいお顔立ちでかわいらしかったです。この火の鳥、初演は1910年、ほぼ100年前ですが、全く古くささを感じさせませんでした。というより、むしろ斬新さすら感じさせます。時代を超えるバレエを作った、ストラヴィンスキーとフォーキンに畏敬の念を禁じ得ません。

3つめは、リムスキー=コルサコフの交響組曲シェヘラザードに振り付けられた作品。なんと、第1楽章がまるまる序曲となっています。わたしはバレエもオペラも序曲なしで早く幕を開けて欲しい人なので、これには参りました。今開くか今開くかと思ってるうちに第1楽章終わっちゃうんだもの。そして、わたしの予想に反して、リムスキー=コルサコフがそれぞれの楽章に付けたお話の表題を完全に無視したひとつのお話になっています。交響組曲の情景をバレエで表現する作品だと思っていたわたしはちょっと戸惑ってしまいました。正直に告白すると、シェヘラザードが出てきてヴァイオリンのソロに合わせて寝物語を踊るとばかり思ってたので、あれっ?シェヘラザード、不倫してる? もちろん途中で気がついて(シェヘラザードは出てきません)物語は追えたのだけど、最後みんな殺されちゃうし。。。
でも、踊りは楽しめました。ゾベイダの不倫相手、黄金の奴隷を踊ったコルブさんが、とってもダイナミックで豪快。この演目だけじゃなく、マリインスキーのバレエって、男性の踊りが力強くて豪快で、見せ場もたくさんあてがわれてると思いました。ロイヤル・バレエの男性はなんかちょっとおとなしめな感じで、女性のサポート役に徹する感じが多いです。男性ダンサーを観るならロシア・バレエ!って思っちゃったかも。
ゾベイダのコンダウーロワさん、ファースト・ソロイストの方ですけど、マリインスキー・バレエってソロイストのレヴェルむちゃ高いです。くねくねとエロティックに踊っていました。こういう踊り、できる(似合う)人、ロイヤル・バレエにはいないんじゃないかしら。
あと、宦官の長をでぶっちょメイクで演じていたブロフさんがかわいくて目が行ってしまいました。もちろん、本人はバレエ・ダンサーなので太ってはいないと思うのだけど、キャラクターを愛らしく、というかどこかとぼけて演じていました。よく見ると、お顔のお肌つるつるなんですね〜。いや、何を観ているのかって感じなんですけど。

さて、今日は(も)、マリインスキーのオーケストラはダメダメでした。全然やる気なし? シェヘラザードの第4楽章でヴァイオリンが速いパッセージをユニゾンで弾いて飛び出すところなんて音量下がっちゃうし(絶対後ろの方で弾いてる人落ちてる)、総じて下手ッぴなところに、ピッコロの破壊神。ピッコロひとつで音楽を全てぶち壊すパワーは凄まじいです。舞台上で、世界のトップ・レヴェルで芸術が進行しているんだから、もうちょっとプライドを持って弾くのがプロフェッショナルだろうと、珍しく文句を言ってしまいます(読んでくださっている方は分かると思いますが、このブログでわたしはネガティヴな意見を書かないようにしています)。次はもちょっとがんばれ。

おまけ。目の保養に。コンダウーロワさんとコルブさん
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by zerbinetta | 2011-07-30 18:37 | バレエ | Comments(0)

神の降臨   

27.07.2011 @wilton's music hall

berio: sequenza VIII
bach: ciaccona from partita no. 2
biber: passacaglia from the mystery sonata (tape)
bartók: sonata for solo violin

alina ibragimova (vn)
the quay brothers (directors and designers)


アリーナ(・イブラギモヴァさん)の一風変わった(?)音楽会がマンチェスター国際音楽祭であるというのを知ったとき、自称アリーナの追っかけ(ただし軟弱者)のわたしは、遠征しようと気合い十分でした。確か7回か8回くらい同じ音楽会があるのですけど、どうやらクゥアイ兄弟さんの映像作品付きみたいで、普通のリサイタルではありません。会場も古い図書館みたいな場所です。ロンドンからマンチェスターまでは、電車で2時間強、お昼の回を取れば日帰りもできそう。もうわたしの心はチケットを取って電車の切符を買うところまで来ていました。ほとんどクリック寸前。ところがなんと同じ音楽会がロンドンでも3回開かれるのを発見して、その日は全部他の音楽会で予定が埋まってたんだけど、バレエのチケットを1枚里子に出して行くことにしました。ほんとは3日とも聴きたかったんだけどね。ロンドンの会場は、1850年代からあるロンドン最古のミュージック・ホール。なんと趣のある会場でしょう。実はこの会場設定も音楽会の一部なんです。うかつなことに後で気がついたのですが、音楽会のプログラムのビーバーのミステリー・ソナタ、休憩時間に録音で会場に流されていたんですね。本家マンチェスターでは、会場になった古い図書館をそぞろ歩きながら聴くという趣向だったらしいのですが、今日のホールは外はすぐ併設のパブとレストラン。わたしは2階に上がって古い建物をぼんやりと鑑賞していたのですが(建物はとってもステキ)、ヴァイオリンの音楽が聞こえてきてるのは知ってたんですけど、耳を澄ますまでには至りませんでした。

マンチェスターでの音楽会をガーディアン紙が5つ星を付けて絶賛したせいか(隣の人談)、この3日間の音楽会はソールド・アウト。会場が小さくて150人ほどしか入らないのもあるのですが。自由席で、わたしはなんとなく早くから並んでいたので、最初アリーナのすぐ正面のかぶりつきという席に座りました。隣の人いわく、手を伸ばせばヴァイオリンをつかめるところです。わたしの席の真ん前に譜面台が置いてあって、ベリオの楽譜が載っています。これだけ譜面あり。

会場が暗くなっていよいよ始まります。アリーナは静かにゆっくりと2階のバルコニーから階段を下りてきました。もうここから演出が始まってるんですね。白いドレスに銀ねずみ色の帯のような模様。淡い光を浴びて白く浮かび上がる様はまるで妖精みたい。ただちょっと、少し着物のデザインを意識した感じのするドレス(襟の切り方など)が日本人のわたしには死に装束に見えちゃいました。ただそれは、わたしが日本人だからであって、その文化の背景のないこちらの人は感じないことでしょうね。クールな白いドレスとしか見えなかったでしょう。
で、ベリオのセクエンツァ8がもう圧倒的に凄かったの。口をあんぐり。アリーナはテクニックのある人だとは思っていたけど、ここまでテクニックがあるとは思わなかった。とっても難しそうな音楽だけど完璧に弾ききってた。アグレッシヴで肉食系。楽譜から出てくる音を狩ろうとする肉食獣のごとき鋭さ。というのは序の口で、音楽が豊か。内声の部分に隠されてるフォークソング的なメロディの断片をうっすらと浮かび上がらせたり、音のつなぎ方が上手い。そうだった、わたしがアリーナを’発見’したのはリゲティの協奏曲でだったんだ。アリーナの弾く現代曲ってもうステキすぎ。つかみはばっちり。というかもうここまでで大満足。

2曲目は舞台の左の隅っこの方でバッハの無伴奏パルティータからシャコンヌ。会場は暗くしてあって、アリーナを浮き上がらせるようなライティングをしていました。ステージに出たり下りたりするときは、会場の人が足下にスモール・ライトを照らしてました。このシャコンヌがまた。。。バッハの無伴奏は一昨年聴いたことがあるし、CDでも持っているので、ときどき聴いているのだけど、さらさらとした風のような印象のある爽やかなバッハ。ささやくようにさわさわと流れる。ところが今日のシャコンヌは遅めのテンポで、結構大胆にテンポを変えたりして、切り込みが深い。セクエンツァに負けないくらい積極的な攻めの演奏。そして、内声の独立した旋律がとてもよく聞こえてきて立体的。アリーナが進化しているというより、多分、バッハのコンテクストの中ではなく、今日のプログラムのコンテクストの中でこの音楽を演奏しているので、このような演奏になったのでしょう。それがもう、CDに付録として入れといて欲しいくらいの素晴らしさ。スケールの大きな演奏です。

ここで休憩。最初の方に書いたように、休憩中にはビーバーのソナタが流れていたようです。わたしはぼんやり建物の内装を眺めていました。塗り直したり修復しないでわざと古ぼけたままにしているのもステキ。そしてこのホールは飲み物を持って入れるんですね。ただし、ガラスの容器はダメで入り口で用意されているプラスティックの容器に入れ替えるんですけど、何かを飲みながら音楽を聴くことができるんです。ボックス席みたい。それから、何故か、会場の係の人(多分アルバイトだと思うんだけど)が美男美女ばかり。ちょっと先鋭的なアート系?

休憩の後は、アリーナは今度は炎のような真っ赤なドレス。お化粧も少し変えたようです。ステージの後ろにはスクリーンが下りてここに映像作品が投影されます。アリーナはステージの一番高いところで、映像に合わせてバルトークのソナタを弾くのです。映像は無声映画みたいな感じで(実際音は出ないのですが)、抽象的だけど印象的、意味はよく分からなかったけど、ひとりの人間(作曲者?)の心の窓のようなもの(窓のイメジが中心的です)、生と死を表現してるみたいで、映像を観ることは音楽を聴くじゃまにはならなかったし、苦痛でもありませんでした。これはアリーナの演奏に合わせて作られているのでしょう、音楽とほぼぴたりと合っていました。アリーナはときどき映像を観ながら、入りを合わせたりしていましたが、それによって音楽が途切れたり、損なうということは全くありませんでした。
アリーナのバルトークが、これまた渾身の演奏で、むちゃステキでした。バルトークのいわゆる民族色は薄いのかもしれないけど、コスモポリタンな感じは、バルトークが苦手なわたしにも聞きやすかったです。というか、アリーナの音楽にいちいち納得してしまうんです。調べてみるとこの曲、アリーナの恩師のメニューインさんがバルトークに頼んで作曲してもらった曲なんですね。アリーナはきっと、メニューインさんからこの曲のこと教えてもらっているのでしょう。音楽とアリーナの演奏の完璧な一体感がありました。
アリーナというひとりのヴァイオリニストと出逢えたことが運命的に幸せです。バルトークやイザイのソロ作品、ぜひ録音して欲しいです。

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by zerbinetta | 2011-07-27 08:02 | 室内楽・リサイタル | Comments(2)

ピアノが主役の音楽会   

26.07.2011 @wigmore hall

fortepiano after j.a. stein ca.1788
cpe bach: sonata in g minor w65/17

fortepiano after a. walter and sohn ca.1805
mozart: fantasia c minor k.475
beethoven: sonata in c sharp minor op.27 no.2

fortepiano after c. graf ca.1819
schubert: impromptu in b flat major d935 no.3

fortepiano after j. pleyel 1831
chopin: nocturne in c sharp minor op.48 no.1
polonaise in c sharp minor op.26 no.1

fortepiano after liszt's boisselot 1846
liszt: funérailles

viviana sofronitsky (pf)
paul mcnulty (fortepiano building)


しばらく前にウィグモア・ホールのウェブ・サイトを眺めていたら、面白そうな音楽会を見つけたの。5台のフォルテピアノによる音楽会。合奏ではなくて、作られた時代の異なる(実際の楽器は、オリジナルの精巧なレプリカで作られたのは最近です。熟達の宮大工が金閣寺を再建するようなものですかね)楽器で、当時の音楽を弾くというものです。ピアノを製作したのは、ピアノ制作者のマクナルティさん。会場に着くといきなりステージの上に所狭しと5台のピアノ。演奏者はそのピアノの間を縫って移動します。実はわたし、フォルテピアノをちゃんと聴くのは2回目。初めて聴いたフォルテピアノはこの間のラベックさん姉妹の2台のピアノのための協奏曲だったのです。
ピアニストはソフロニツキーさん。お父さんは神とあがめられたほどのピアニストだそうです。そしてこの音楽会が面白かった。ライヴァルにはマリインスキーのバレエやアリーナの音楽会があったのに、これを聴きに行って後悔しないかな、なんて聴く前は若干思ったりもしたけど、終わった後は聴いて良かったと心から思える音楽会でした。
音楽会は1788年頃作られたピアノフォルテから始まって時代を巡ります。このピアノフォルテは少し小型でペダルがありません。でも、音はチェンバロよりもピアノに近いし、ちゃんとピアノもフォルテも表現できます。CPEバッハの音楽はわたし的にはちょっと退屈な部分もあったけど、ピアノの部分、フォルテの部分を対比させて書かれた、当時の鍵盤楽器音楽としては最新鋭だったのでしょう。つかみはばっちりです。

1805年のピアノになって表現力が格段に上がったように思えます。モーツァルトの幻想曲は、ストリングスのような金属を弾くような音色で、ああこれがモーツァルトのピアノなんだって思いました。というのはわたしの愛聴版、インマゼールさんが録音した同曲のCDの演奏が同じような音色だからです。現代のピアノでは出せない音色。この音色が好きなんですね。
ところが同じピアノで弾かれた、ベートーヴェンの月光ソナタ、さっきとは全く異なる柔らかなフェルトのような音色。同じ楽器なのにこの対照にびっくり。いきなり第1楽章が有名な分散和音が静かに鳴る音楽だったんですね。これもびっくり。

休憩の後はさらに時代が下って今度はシューベルト。このピアノがまたまた面白い。このピアノの特徴はなんとペダルが4つ付いてて音色を変えられるのです。ソフロニツキーさんは、即興曲を適所適所で音楽に合わせてペダルを使って音色を変えて弾いてくれたんだけど、これがもうびっくりするくらい効果的でステキ。シューベルトの音楽が俄然面白く響くのね。

お次はショパン。ショパンがこれ以上のものはないと言ったプレイエル。ショパンは、自分のコンディションがベストではないときには、簡単にピアノの自前の音色が引き出せるエラルドのピアノを好んだそうですが、調子の良いときは自分の音色が引き出せるプレイエルのピアノを好んだそうです。そして、このピアノから音量がうんと大きくなっているんですね(それまでのも少しずつ大きくなってるんですが)。現代の楽器より音がシンプルで飾らない気がしますが、このピアノで弾かれると、現代のピアノでの演奏でありがちな余計な感傷的な音色が付け加えられないので、ショパンの音楽がより強く男性的に響きます。

そして最後はリストのピアノ。ここまで来ると現代のグランドピアノにだいぶ近くなるのだけど、ピアノとフォルテの幅が広くなってダイナミック。リストの書いた長大なクレッシェンドがもうかっこよすぎてたまらない。

ソフロニツキーさんのピアノは、わりと小さな単位でフレーズを起こし直す表現が、わたしの好みには合わなかったのだけど、それぞれのピアノの特徴を出す選曲はもうこれしかないというものだし、100年近くにわたる音楽の様式の変化、楽器の変化をそれぞれの音楽でしっかり表現されていて、凄いと思いました。

音楽会はこれで終わりではなかったんです。この後サーヴィス満点のアンコール。今まではそれぞれのピアノでそれぞれの時代の音楽を弾いて聞き比べたけど、今度は同じ曲を違うピアノで弾いたらどうなるか聞き比べてみましょうって片言の英語で紹介があって、何曲かを続けて別のピアノで弾いてくださいました。これがまたとっても面白くて、それぞれのピアノの音色の違いがダイレクトに分かるし、そして、モーツァルトの曲はモーツァルトの時代のピアノで最も美しく響くし、ショパンはやっぱりショパンの時代のピアノで本質的なものを現すと思ったのです。それはもうぴたりと。
今は、ピアノといえばスタインウェイやたまにはベーゼンドルファー、ヤマハなんかが音楽会で弾かれるけれども、そしてそれは決して間違いだとは言わないけど、わたしにとって音楽が書かれた時代の楽器で音楽を聴くというのは掛け替えのないものだなと改めて思いました。多分モーツァルトは、スタインウェイのピアノを前にしたら全く違った音楽を作曲していたに違いないし、それはピアにズムを極めたショパンやリストでも一緒。音楽家にとって楽器やその音色はもう不可分なものだから、少なくともわたしは、一方でそういう聴き方、音楽の楽しみ方を続けていきたいなと思いました。そういうことのできるなんて恵まれた時代に生まれたのでしょう。

ピアノがいっぱい
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by zerbinetta | 2011-07-26 07:50 | 室内楽・リサイタル | Comments(0)

王子様、わたしを見て!   

25.07.2011 @royal opera house

tchaikovsky: swan lake

uliana lopatkina (odette/odile)
daniil korsuntsev (prince siegfried)
alexei nedviga (the jester)
andrei yermakov (von rothbart), etc.

marius petipa, lev ivanov (choreography)
konstantin sergeyev (revised choreography)
boris gruzin / orchestra of the mariinsky theatre

夏のロイヤル・オペラ・ハウスの風物詩、マリインスキー劇場のバレエ公演が始まりました。毎夏、ロシアのマリインスキー・バレエとボリショイ・バレエがやってくるのです。わたしは地元応援主義なのであまり外来の公演には興味がないのだけど、友達が激しく勧めるし、違うバレエ団のバレエも観てみたいと思ったのでチケットはいくつか取りました。といいつつ一昨年のマリインスキーは2回観に行ってたんですね。自分のブログをひもといて気づきました。とっても有名なバレリーナ、ロパートキナさんが踊るというのも興味津々です。でも、チケットが売り出された時点ではどの公演がどのキャストなのか分からず、適当に取ったんですけど、なので今日の公演は買っていなかったんです。で、キャストが発表されたときに、ロパートキナさんが踊る今日の公演のチケットをあわてて買ったんですね。ちなみに有名なバレリーナと言うけれども、実はわたし、恥ずかしいことに全然知らなくって、しかも名前がロバート(名前)・キナ(名字)だと勘違いしていてずうっと男の人だと思っていたんです。

今日の指揮者はロイヤル・バレエでもときどき振っているグルージンさん。ゆったり目のテンポで、それがマリインスキーのスタイルなのかもしれないけれどもときどき音楽が停滞してしまった部分があったのが残念でした。オーケストラはオーボエは上手かったけど、ううむ、それなりのレヴェルではあったけど、音楽会のときのような本気ではなかったかな。それにしても、序曲が始まって幕が開くまでの間のもどかしいこと。オペラもそうだけど、序曲なんかなしでさくっと舞台に入って欲しい、と思うのはわがままでしょうか。

マリインスキーの白鳥は以前に観たことがあって、道化が大活躍するのを知っています。今日の道化のネドヴィガさんはしっかり踊っているものの、中心に立っていませんでした。道化が王子を押しのけて大活躍という印象がなくて、舞台の一部と化していました。わたしとしてはちょっと物足りなかったです。

今日印象に残ったのは、主役のおふたりのことは、後に回して、2羽の白鳥を踊ったシリンキナさんとニキティナさんです。シリンキナさんはセカンド・ソロイスト、ニキティナさんはまだコールドの人ですが、これからの活躍が楽しみです。地元だったらずっと応援できるのになぁ。

ジークフリート王子のコルスンツェフさんは、アイドル顔。ちょっとなよっとした王子だけど、好感触。踊りは他を圧倒するものはないけれども、でもきれいだし、減点のない優等生的な感じ。でも最後は果敢に悪魔の羽をもぎ取ってやっつけて、男気も見せる。わたしは結構舞台の近くで観ていたのだけど、すぐそばで、結婚相手に悩んでいる彼の姿を見て、こっちを向いて、わたしを見てって心の中で叫んじゃった。わたしだって玉の輿に乗りたいもの。まぁ、相手がロパートキナさんじゃ勝ち目もないんだけどね。その、王子に結婚を勧める母の女王のバゼノワさんがこれまたきれいな人で母息子と言うより姉弟。

ロパートキナさんの踊りはとってもきれいでした。テクニックを誇示する感じではなく、32回転も肩をすかされるくらいゆっくりと回って、むしろ抑え気味だったんだけど、正確さバランスの良さは超一品。凄いです。アティチュードは完璧に制止、一瞬一瞬が絵になるようです。彼女がとても人気のある現代のバレリーナのトップのひとりであることがよく分かりました。
ロパートキナさんの白鳥はドラマを表現しようとするよりも、バレエの美しさを極めるような踊りでした。そういう意味では物語は、一見淡々と進むのですが、その美しさの後ろに控えめに添えられた感情は、物語として十分に成り立っています。タマちゃんのバレエを様式化するような踊りと似て非なる感じで、ロパートキナさんの踊りは静的で動画というより静止画を見ているようです。それが穏やかに連続して流れます。今までもたくさんステキな白鳥を観てきましたが、また新しいステキが加わって嬉しいです。

マリインスキー・バレエの特徴といったらなんといってもコールドの美しさでしょう。今日はでも緩い部分も見受けられたのですけど(じいっとひとりひとりを観察してました)、ほくろの位置まで同じって言っちゃいそうなくらい、顔も似てるし(美男美女多し、うふ)、背丈も一緒。よくこれだけ揃えたなという感じ。そして女性はすらりと背が高い。そしてひとりひとりがきちんと上手い。ロシアのバレエの層の厚さを感じました。わたしが今まで観てきたロイヤル・バレエやABTは、いろんな国の人がいて、アジア人も黒人さんもいたり、身長も小柄な人から長身の人までヴァラエティに富んでる。それぞれのスタイルだからどちらが良いとは一概に言えないし、例えばマクミランのロミオとジュリエットやマノンだったら群衆感はいろんな人がいる方が良さそう。でも、白鳥の群舞は、同質性ゆえの美しさがあるのも事実。グローバルの時代だけど、ぜひロシアのバレエ団には、その伝統を守っていって欲しいな。いろんなスタイルがある方がステキだから。

オディールの黒いロパートキナさん
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オデットのロパートキナさんと王子コルスンツェフさん
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by zerbinetta | 2011-07-25 08:03 | バレエ | Comments(2)

だって5ポンドだから   

22.07.2011 @london coliseum

-discovering carmen-

masterclass

wayne eagling (introduction)

bizet: carmen

roland petit (choreography)

anaïs chalemdard (carmen)
daniel kraus (don josé), etc

english national ballet
benjamin pope / oenb


忙しかったので、興味はあったもののイングリッシュ・ナショナル・バレエのロラン・プティのカルメンは観る予定ではなかったんです。図らずもつい先日亡くなったプティの作品。金曜日のお昼の公演が、なんと全席5ポンドというプロモーション価格で観られることになって、それならば仕事をさぼって、と妙な気合いを入れて、ど真ん中のかぶりつきの席をゲットしました。普段ならこんな高い席買えない。。。で、いやいやちゃんと仕事しましたよ、朝早く始めて、終わってから戻ってきました。

ENBの公演、本来はトリプル・ビルなんです。アルルの女と若者と死、カルメンの3作品だったのだけど、今回は特別なので、前半がマスター・クラス、後半がカルメンです。会場に着いて気がついて、実はアルルの女好き〜って楽しみにしていたのでそれはちょっと残念。まあ5ポンドなので文句は言えないのですが。でも、マスター・クラスも楽しかったです。普段見られないバー・レッスンや、カルメンの最終チェック、音楽の解説などを観られたのですから。

始めにENBの芸術監督、イーリングさんから今日のプログラムの簡単な紹介があって、バー・レッスン。レッスンされるのは、コールドの人たち。なんかみんなヤンキー風の髪型だなぁって不思議に思っていたら、これ、後半で上演されるカルメンのメイクなんですね。当たり前のことなんですけど、柔軟をやってるときからダンサーの人たちって体柔らか〜いって思いました。そして何よりもびっくりしたのが(これも多分バレエをやってる人なら当たり前のことなのかもしれませんが)、コーチがぱぱぱっと指示を出す型のシークエンスを1回聞いただけでできるんですね。わたしだったら、足の位置を1から5、回って足を振ってアティテュード云々(テキトウです)なんて続けてリズムをとられて言われてもすぐ忘れちゃって、おろおろ。フォークダンスの振りも覚えられないくらいですから。
でもこうして観てると、バランスとか姿勢の美しさとか、まだまだな感じで、コールドと主役を張るプリンシパルとでは技術的に圧倒的な差があることが分かります。きっと同じレッスンでもプリンシパルの皆さんので観たら全然違うのでしょう。この若いダンサーたちの間から、ひとりでもたくさん、上に上がっていく人が出てきたらいいな。バレエ・ダンサーって才能もですが、ものすごく努力のいる仕事だと思いました。
バー・レッスンの次は、簡単な踊りのレッスンや回転の競い合いとか、和気藹々と進められていって観ていて面白かったです。

コールドの人たちの仕事が終わると、今度は主役のおふたりのレッスン。今日これからカルメンを踊るシャレンダードさんとドン・ホセのクラウスさんのソロとデュオ。もちろんカルメンの一場面からです。シャレンダードさんはファースト・ソロイスト、クラウスさんはジュニア・ソロイストで、どちらも今日がロール・デビュウです。もちろん本番を控えて、踊りは全部できているので、表情の付け方とかを練習しました。それにしても細かい。こいう細かい修正を全編にわたってやっていくのですね。バレエの振り付けって気の遠くなる作業。そしてその要求に応えていくダンサーってもはや神業。バレエがいかにとてつもない鍛錬によってできあがっているのか垣間見たような気がします。

最後は今日の指揮者、ポープさんによるカルメンの音楽の簡単な解説。これは、カルメンの音楽はわりとよく知っているので新鮮味はなかったな。でも、音楽の入門編としては楽しめたのではないでしょうか。ハバネラの原曲も聴けたし、オーケストラ付きの解説は贅沢でいいですね。

休憩の後がカルメン。舞台には先ほどレッスンしていた人たちが登場です。ビゼーのカルメンをシチェドリンがバレエにアレンジしたカルメンではなく、ビゼーの音楽を適宜使っています。全体で40分ほどで物語はかなり圧縮されて単純化されています。ほぼカルメンとドン・ホセの物語。ドン・ホセはいやに色男で、オペラのエスカミーリョの人物像を併せ持った人のように描かれています。エスカミーリョらしき人物も出てきましたがちょい役です。ミカエラは出てきません。でも、そうすることでお話が分かりやすくなってるし、演劇性の高い作品と言うよりは踊りに主軸を置いている感じなのでバレエとしては楽しめました。
わたしが、振り付けのことを言うのは128年早い感じもするけど、最近何となくそれぞれの振り付け師の方の特徴が分かってきたような気がします。マクミランのリフト、アシュトンの足技。今日初めて観るプティの振り付けも今まで観たことがない感じの動きがあったりして面白かったです。そして、この振り付けいいって思いました。踊りの独特のリズムがあってそれが音楽と凄く合っていて心地良いのです。好きです。プティの作品もっと観てみたい。

今日の主役のおふたりは先にも書いたとおり、若手、ロール・デビュウです。そのせいか緊張の中にも真摯な新鮮味があってお昼の、本公演ではないにもかかわらず、しっかりした踊りを見せてくれました。プリンシパルの人が見せるような凄さはまだないけれども、これからの活躍でいつかプリンシパルになって欲しいです。
全然知らなかったんだけど、ENBには何人か日本人がいらっしゃるのですね。灯台もと暗し。エリナ・タカハシさんは最高位のシニア・プリンシパルですし、今度はぜひ、日本人のダンサーの踊りも観てみたいです。
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by zerbinetta | 2011-07-22 00:38 | バレエ | Comments(0)

チェロの人に誘惑されたい   

18.07.2011 @royal albert hall

messiaen: les offrandes oubliées
pascal dusapin: morning in long island (concert no. 1 for large orchestra)
beethoven: concerto for violin, cello and piano

renaurd capuçon (vn)
gautier capuçon (vc)
frank braley (pf)
myung-whun chung / orchestre philharmonique de radio france


プロムス初登場です。誰が?ってわたしが。今日は、チョン・ミョンフンさんとラジオ・フランス・オーケストラです。ベートーヴェンの3重協奏曲にイケメン兄弟のカピュソンさん、それにピアノはアルゲリッチさんが登場するので、アルゲリッチさん目当てでチケットを買ったお客さんが多かったのかもしれないけど、そのアルゲリッチさんはキャンセル、代わりにブラレイさんが弾くことになりました。わたしはといえば、アルゲリッチさん目当てではなく、指揮のチョンさん目当て。だって、チョンさんのメシアンの演奏がステキでCDを何枚か持ってるんだけど、まだ生では聴いたことがなかったから。そしてもちろん!イケメン兄弟もっ。

オーケストラの音合わせはもちろんフランス風。オーボエの人が立って、後ろにいる金管楽器の人が合わせるときは後ろを向いて、周りにいる木管楽器のときはそちらを向いてという具合に、合わせる楽器に向かって吹いていました。

チョンさんは意外と若いことにびっくり。キャリアのある人だからもう少し歳をとってる、言い換えれば頭が薄くなってる、いやそれは、彼がわたしの元ボスに何となく似ていて元ボスは結構頭が薄くなっていたからなんだけど、と思ってたんだけど(勝手な想像ですね)そうではなかったから。実際まだ還暦ではないんですね。失礼しました。

始まりはお得意のメシアン。最初期の作品、忘れられた捧げものです。ドビュッシーの音彩がありありで、嫌いだと公言したティンパニも使われているメシアンらしさがまだ未熟の作品。でも、さすが、チョンさんとフランスのオーケストラはとってもステキに演奏していました。そう、演奏がすばらしすぎて曲の価値以上に凄い音楽になってしまった、峡谷から星たちへのCDみたいに。

2つめの曲は、イギリス初演のデュザピンさんのロング・アイランドの朝。実はよく分からなかったです。聴いてさっぱり分からなかったとかじゃなくて、とっても聴きやすい音楽なんですけど、わたしのざるのような記憶の受け皿からするすると漏れ出ていっちゃって、どんな音楽だったかよく覚えていないのです。ところどころでポップス風の音楽が聞こえてきたような気がするけど。。。ダメですね、これじゃあ。

休憩の後、お目当てのイケメン兄弟登場の3重協奏曲。ピアノのブラレイさんはイケメン兄弟とはよく一緒に演奏しているらしく、息ぴったり合っていました。ベートーヴェンのこの曲って実は初めて聴いたのですが、なんだかベートーヴェンらしからぬ伸びやかでおおらかで親しみのある曲ですね。第1楽章なんてシューベルトのようだなと思いました。ベートーヴェンは気の置けない友人のためにこの曲を書いたのでしょうか。もちろんソリストの3人が、心から歌うように演奏したのもあるのですが。
イケメン兄弟では初めて観る、じゃなかった聴くチェロのゴティエさんが好みですっ!誘惑してください。待ってます。あっいや音がね。明るくて素直な感じの軽やかな音が好きなんです。さらりと歌うチェロ。
チョンさんもこの3人にステキに音楽を付けていました。やっぱりチョンさん上手いですね。ただ伴奏するだけじゃなくて音楽を盛り立てていました。なぜか今まで生で聴く機会のなかったチョンさんだけど、今回聴けて良かったです。もっと聴きたいなぁ。日本のオーケストラはたくさん振ってくれているんですかね。
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by zerbinetta | 2011-07-18 07:27 | 海外オーケストラ | Comments(0)

女王様のお通りよ   

17.07.2011 @royal opera house

puccini: tosca

angela gheorghiu (floria tosca),
jonas kaufmann (mario cavaradossi),
bryn terfel (baron scarpia), etc.

jonathan kent (dir)
antonio pappano / oroh


今シーズン最後のオペラは、ロイヤル・オペラでDVD収録ありのスーパー・スター・キャストによるトスカでした。トスカは、何回か公演があったのだけど、最後の2回だけがこのキャストで、録画用に特別に組んだという感じです。カヴァラドッシに今をときめくカウフマンさん、スカルピアにターフェルさん、タイトル・ロールにゲオルギューさんです。

トスカはオペラ初心者の頃、最初に観たオペラのひとつです。そのときは、パヴァロッティさんがカヴァラドッシを歌ったんだけど、もう足が悪そうで演技はほぼ棒立ち、でも圧倒的な声の魅力に痺れたのです。今まで聴いたテナーの中では、声だけとれば彼が一番です。でも、同時にオペラは演技もなくちゃねとも思ったのです。まあ、初心者のくせにいっぱしねって感じですけど。
トスカはそれほど好きなオペラではありません。拷問のシーン(裏でやってるんだけど)が苦手です。それに音楽もプッチーニだったらラ・ボエームとかトゥーランドットの方が好きなんです。有名な歌に生き愛に生きのアリアも旋律がもっと長ければなぁって思ってしまう。それでもプッチーニの音楽かっこいいんですけど。

3人のスターが出ているのですから、もちろん2回しかない公演はチケット争奪戦。一般の(一番下っ端の)フレンズ会員に売り出されたときには、もうすでにチケットがあまりない状態で、売り出しその日の朝に早速売り切れてました。わたしはラッキーにも買えたんですけどね。
その3人の中でわたしのお目当ては、ターフェルさん。えっ?って思わないでくださいよ。ターフェルさんもオペラ初心者の頃、フィガロを歌ってるのを観て好きになったんですから。そんなターフェルさんが悪役〜!ええ〜って思っていたのに、ありゃ、悪役似合いすぎ。ターフェルさんって悪顔だったっけ? でもターフェルさんのスカルピアがほんと嫌な奴で、もう最悪。いやだからこそオペラ的には最高なんですけど。いい声なんだけど、それも嫌な声に聞こえて、じんじんと暗黒面を広げるんです。悪役といったら、レオ・ヌッチさんだったんだけど、ターフェルさんも腹の底からどす黒いものをえぐり出すようで良かったです。ターフェルさんの暗闇を観たようです(いえ、演技だって)。

カウフマンさんは好きです。かっこいいし演技も上手い。声はバリトンよりのテナーで、あっけらかんとしたテナーの明るさはないけど、重い声はドラマティックでもあります。見事に知的にコントロールされていて、パヴァロッティさんタイプではなくて、容姿のかっこよさや演技の上手さからいくとドミンゴさんタイプでしょう。リゴレットのマントヴァ公は無理でも(っていうか歌って欲しくないの〜、女心の歌)、ナクソス島のアリアドネのテナー/バッカスとか脳天気な役も聴いてみたいけど、やっぱり、苦悩に満ちた役の方が似合うかしら。今日は演技達者の人ばかりで、オペラの劇を存分に楽しめました。

タイトル・ロールのゲオルギューさん。実は結構イヤな、というかあまり近くにいたくないタイプです。あっトスカのことです。なんか嫉妬深いバカな女系? それが見事にゲオルギューさんにはまって。っておや失礼。でも最近のゲオルギューさんのわがままな傲慢ぶりを噂に聞いていると、なんだか、この舞台わたしのものよ的なにおいがぷんぷんとして。でもそれができるのがゲオルギューさんの凄いとこなんです。中途半端じゃなくて突き抜けていて、それは実力を伴った自信から来るものだと思うのだけど、トップに立っている人ってそれを表面に出すかうちに隠しておくかはあるけれども皆持っているものだと思うんです。今日の舞台の中ではゲオルギューさんが圧倒的に中心にいました。これはわたしの舞台、というオーラを強力に発散していました。すごいですよ、これは。カーテンコールの時のはち切れた笑顔がそれをよく表していました。

そして、パッパーノさんとオーケストラがとっても良かった。気合い入りまくり。こういうときのオーケストラって実力以上のものをだしますね。もうオーケストラも声も凄くて、そしてドラマも、うんと楽しめたオペラでした。今シーズンの締めとして、これ以上ない終わり方でした。

左から2番目、カウフマンさん、ゲオルギューさん、パッパーノさん、そしてスケベ悪人ターフェルさんです
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この舞台はわたしのもの! ゲオルギューさん
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by zerbinetta | 2011-07-17 07:22 | オペラ | Comments(8)

夢なんか見ない方がマシだなんて   

16.07.2011 @royal opera house

massenet: cendrillon

joyce didonato (cendrillon), jean-philippe lafont (pandolfe),
ewa podleś (madame de la haltière), eglise gutiérrez (la fée),
madeleine pierard (noémie), kai rüütel (dorothée),
alice coote (le prince charmant), etc.

laurent pelly (dir)
bertrand de billy / oroh


今日は、お昼からマスネのオペラ、サンドリオン(シンデレラ)。12時半始まりという非常に中途半端な時間なので、桃を3つ食べて出かけました。あっちっちゃな平べったい桃ですよぉ。そんなに大食いじゃありません(ウソ)。

最近わたしの中ではマスネ度高いんです。何しろ、この間、バレエのマノンをたくさん観たばかりですからね。その前はウェルテル。それに去年はオペラのマノンも観ています。というわけで、1年前はタイスの瞑想曲くらいしか知らなかったわたしが、マスネづいています。今日はサンドリオン。あまり上演されないオペラみたいです。で、すでに観に行った方々のブログを見ると、歌手陣をはじめ演奏は良く、おおむね好評なものの音楽がだらけてる、という評。そしてわたしの感想は、まさにその通りでした。

お話はシンデレラ。シンデレラは、バレエやロッシーニのオペラで観たことがあるし、有名な童話だからあらすじはばっちり。バレエもロッシーニのオペラも喜劇仕立てで、すかっと明るい爽やかな感じ。ところがマスネはこれを粘っちゃうんですね。童話だから絵本にしたら6ペイジくらいのお話を、なんか大河小説を書くように重くねっとり。クリームてんこ盛りのいやんカロリー大丈夫?系のケーキのようです。マスネの音楽は叙情的な部分がマスネらしいお得意のところだから、自分の個性を生かしたとも言えるのだけど、童話ですからね〜。例えば、パーティーから帰ってきてルセット(シンデレラ)は、夢のような時に執着しすぎて、夢なんか見ない方がマシだったと、どんどん悲劇色を強めていって、死のうとするんですね。死ななかったものの一時気が触れてって、これは童話ベースにしては重すぎでしょう。それに、夢を見させてくれた妖精に八つ当たりするのは、そして、恋が叶うようになんて、妖精に対して要求多すぎ。自分で努力するのでもなく、教育的にもよろしくありません。わたしは、むしろ、4月になって(心和らぐ春になって)、友達が誘いに来ているのに自分の殻に閉じこもってないで、ほら、自分から窓を開けて外に行こうよって、両手をグーにして密かに応援しちゃった(もちろんシンデレラは外に行かなかったんだけど)。
夢は見た方がよっぽどステキだし、夢を見たなら、誰かに頼らないで自分で実現しなよって思っちゃう。それもこれも音楽がゆっくりと美しく流れているので変なことを考える余裕があるからでしょうか。バレエのマノンに使われていた曲もいくつかあって(バレエにマノンはオペラのマノンの音楽じゃなくて他の作品の音楽をいろいろ使っている)、バレエもちょっと思い出しました。

舞台はカラフルでとってもステキでした。もちろん喜劇的要素もちゃんとあって、アグリー姉妹(いえ、ちっともアグリーではないんですが)と継母がその役を買って出ていました。シンデレラとお父さんはまじめな悲劇系。もしくはお話上の役割を考えると、アグリー姉妹と継母が実生活系ポジ、シンデレラとお父さんが実生活系ネガ、シンデレラと王子が夢見る夢子ちゃん系、妖精がおせっかい系みたいな感じかな。実生活系と夢子ちゃん系は妖精が橋渡しするもののあまりにかけ離れているので現実感がありません(お伽話だから当たり前な気もするけど、なんかお伽話を見ている感じじゃないのよね)。パステルカラーの軽やかな奇抜な衣装や明るい舞台がステキなのに、ところどころべったりした音楽がそれを帳消しにしちゃうのが残念です。

と、後ろ向きなコメントばかり書いてきたけど、演奏はとっても良かったんですよ。ドゥ・ビリーさんのオーケストラはとっても良い音で歌っていたし、歌手の皆さんも粒ぞろいでうんと楽しめました。開演前に、劇場の人が出てきて、あっ誰か降板って客席一同そわそわしましたが、お父さん役のラフォントさんが腎結石なんだけど声は完璧なので歌いますって。会場ほっと大喜び。わたしは、途中石が降りてきたら大丈夫かなって心配だったけど、最後までちゃんと歌ってくれました。それもすごくステキにね。最高のお父さんでした。
それに対して、継母のポドレシさんは、強くて恐くてコミカルな役をそのままの通り歌って舞台を引き締めていました。声も強力だし、喜劇的な役所って舞台にはとっても大事だと思うのだけど、そのまま大阪のおばちゃんという感じ(実は笑顔のきれいな人)で上手かったです。この人、シリアスな役を歌っても凄そう。
若手を起用した継姉妹も奇抜な衣装とともに楽しめました。妖精のグティエレスさんは、コロラトゥーラの高い声は上手く出していたもののちょっと線が細いかな。難しい歌を歌っていたので拍手は多かったですけど。

王子様役はズボン役です。初めに出てきたとき、あっ男だよね、と思ったら女性の声で、多分そういうことを作曲者も狙ったと思うんですけど、シンデレラとの二重唱がメゾ・ソプラノ同士になってしまうのでちょっとコントラストが足りないかなと思いました。でも、歌ったクートさんはとっても良かったです。男っぷりも良くてこの人のズボン役もっと観たいっ。いや、女子の役も観たいっ。あっこの人、秋のマゼールさんとフィルハーモニアの大地の歌も歌うんだ。楽しみ〜。

そして最後にシンデレラのディドナートさん、流石でした。やっぱり歌がいいとオペラは楽しめますね。なんかおっとりした感じでマスネのクリーム系のシンデレラを上手く演じ歌っていました。最近、美人過ぎる○○とか流行ってましたが、この人、美人過ぎないのがいいです。マスネのシンデレラは性格的にはあまり好きになれないのだけど、この人が歌ったから良しとします(偉そう?)。

c0055376_4181617.jpg全然関係ないけど、振り付けのスコッジさん、絶対鼻眼鏡ですよねっ。











パステルカラーでカラフルなアグリー姉妹。歩きにくそうな服ですね
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こわ〜い継母、ポドレシさん
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早く病気治してください、ラフォントさん
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オトコより男らしい、クートさん
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まさにシンデレラ、ディドナートさん
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by zerbinetta | 2011-07-16 04:15 | オペラ | Comments(0)

だって好きだから   

15.07.11 @london colisium

Prokofiev: romeo & juliet

ivan vasiliev (romeo), natalia osipova (juliet)
alban lendorf (mercuito), robin bernadet (benvolino)
johan christensen (tybalt), tara schaufuss (livia)
stefan wise (paris), yoko takahashi (juliet's nurse)
peter schaufuss (friar laurence), etc.
peter schaufuss ballet

frederick ashton (choreography)
peter schaufuss (director)
graham bond / the orchestra of english national ballet


またまた観てきました。ワシリエフさんとオシポワさんのロミオとジュリエット。だって好きなんだもん。5ポンドだし(しつこい?)。
今日は本公演です。それにしてもこの公演、月曜日のプレヴューから、火曜日のガラ、土曜日まで毎日(土曜日は2公演!)、全部で7回連続であるんです。普通こんなことしません。短いプログラムなら別ですけど、踊りの間は数日空けます。ダンサーさんたち大変そう。怪我しなければいいけど。

今日は本公演だけあって、さすが、こなれてきてましたね。そしてわたしも2回目とあって、マクミラン版のことはあまり思い出さずに楽しむことができました。やっぱりバレエは同じ演目、同じダンサーでも何回か観るものですね、と、何回も観に行くことを早速言い訳してみたり。
オシポワさんのお化粧が変わっていたのもやる気の表れでしょうか。今日は月曜日より締まった舞台でした。オーケストラは相変わらずよれよれで勢いで押したれ、って感じでしたけど。

演出も少し変わっていました。一番目立った変化は、前回出てこなかった下男の登場です。ジュリエットの乳母が、ジュリエットからの手紙を届けにロミオを探すシーンで出てくるのだけど、そこで、乳母をからかう剽軽な役回りです。前回はロミオの悪友がその役を引き受けていました。下男を演じたのはウェイン・スリープさん。ガラ公演のキャストに入っていたので、それをそのまま付け加えたのでしょう。この人もう還暦くらいのお年の方なんですが、ロイヤル・バレエでプリンシパルをつとめていたり、往年の名ダンサーなんですね。重要な役回りではないとはいえものすごくいい味を出していて、全体を引き締めていました。お好み焼きに入れる紅ショウガみたいに。
細かいところでは、ロミオの死体を見て絶望したジュリエットが死ぬところ。プレヴューでは、ロミオが飲んだ毒瓶を見つけて飲むのだけど、入っていないのでパリスを刺したナイフで胸を刺して死ぬのですが、今日は、すぐナイフで自死。これはわたしはプレヴューの方が好きかな。

ダンサーさんたちは、きちんと調子を維持しているようでした。毎日の長丁場ですから大変でしょう。やはり、ロミオを踊ったワシリエフさんがずば抜けてステキでしたね。ってまだ22歳?!そして、オシポワさん25歳。今日は良かったです。このおふたり、本当に踊りがきれい。軸が全くぶれないし、柔らかいし、正確だし、レヴェルが違う。さすが、若きスーパー・スターと評される人たちです。でも、バレエが芸術的に成熟してくるのはまだこれから。どんなことになっちゃうんでしょう。先が楽しみ。とてつもないダンサーに成長してくれるといいな。そしてわたしも、ずっと観てられたら嬉しいな。
もちろんこの日もマキューシオのレンドルフさんも彼女のシャウフスさんも良かったです。そういえば、ロウレンス神父を演じたピーター・シャウフスさんって、後ろで踊ったピーター・シャウフス・バレエ団の主宰なんですね。ピーターさんとタラさんは関係あるのでしょうか?

やっぱり、ロミオとジュリエット大好きです。どうしてもうるうると感動してしまいます。ちなみにわたしの好きなのは、バルコニーのシーンよりも、ベッド・ルームでのパ・ド・ドゥ。ロミオと別れたくないジュリエットの切なさが出ていてうるうる。それから、ジュリエットがロウレンス神父に助けを求めに行くシーンでの風のような音楽。あああ、やっぱり音楽を頭に浮かべて思い出し泣き。涙の数だけ成長できればいいのにな。

右が神父役で出ていたシャウフスさん。左のカップルがシャウフスさんとレンドルフさん
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乳母役のタカハシさん、タイボルトのクリステンセンさん
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オシポワさんとワシリエフさん。私生活でもカップルだそうです
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by zerbinetta | 2011-07-15 09:06 | バレエ | Comments(4)

泣いてばかりじゃいけない。自分の未来は自分で切り開かなきゃ   

11.07.11 @london colisium

Prokofiev: romeo & juliet

ivan vasiliev (romeo), natalia osipova (juliet)
alban lendorf (mercuito), robin bernadet (benvolino)
johan christensen (tybalt), tara schaufuss (livia)
stefan wise (paris), yoko takahashi (juliet's nurse)
peter schaufuss (friar laurence), etc.
peter schaufuss ballet

frederick ashton (choreography)
peter schaufuss (director)
graham bond / the orchestra of english national ballet


なかなかバレエ熱が冷めません。今度は、ボリショイの二人の若いスター・ダンサーを迎えてのアシュトン版のロミオとジュリエットです。どんな感じか想像できなかったので、がっかりしなくていいように安い席を買いました。たった5ポンド。1番上の階の席ですが、前の方の席で、安い理由は手すりが視界のじゃまになるから。で〜も、ちっとも悪くなかったですよ。むしろ後ろの方の席で前の大きな人に視界を遮られるよりよっぽどいいです(すいません、ちっちゃくて)。これで5ポンドはお得すぎ(前後の列は20ポンドです)。という、たったの5本とのお安いバレエ熱ですが。。。

ロミオとジュリエットは、最初に、初めて感動したバレエで、それはABTのマクミラン版だったんだけど、それ以来もっぱらマクミラン版ばかり(1度だけダンスカンパニーが踊ったハッピー・エンド!のオリジナル版というのを観ました)観ていて、ABTではフェリさんを観ることができたり、ロイヤル・バレエではコジョカルさんのを観ました。そんな思い入れの強い演目なので、最初、マクミラン版を頭から払拭するのに苦労しました。そしてあまり上手くいかなかったです。それに、わたし、今までバレエってカンパニーの中の演目しか観たことがなくて、今回みたいに、スター・ダンサーを外から呼んで作った作品は初めてなんです。それもまた、戸惑った原因かな。

シンプルな舞台。アシュトンの写真は舞台が始まると上がります
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その舞台はとってもシンプルなものでした。舞台の上には何もなし。プログラムに載っていた写真から推察すると、本来は大道具もある写実的な舞台だと思うのだけど、劇場の都合か、予算とか公演の都合で省いたのでしょうか。大道具は2幕に出てくるベッドに見立てた四角いテーブルだけ。舞台の後ろ側は段差が付いて高くなっていて、基本的には前のステージの部分で名前の付いた役の人が踊って、後ろの少し高くなった廊下の部分で群舞が行われていて、だから人がたくさん出てくる町の情景は舞台の背景のようになっていました。主役にスポットライトを当てているんだけど、大勢の人の中で物語が進む感がなかったのも、戸惑った要因かもしれません。

どうしてもマクミラン版と比べちゃうんだけど、アシュトンの振り付けは、足技やぴょんぴょん跳ねる系のジャンプが多めかなと思いました。感情表現はちょっと大げさな仕草かなとも思いました。本来は群舞ももっと人を出して、舞台の中でドラマを作るのかもしれないけど、物語が主役の人に絞られているのも気になりました。
で、一番気になったのが、ロミオたちが舞踏会に忍び込んですぐ、ジュリエットと出逢ってしまうところ。なんかあまりにもあっけなくてジュリエットがぱっと恋に落ちて女になる感があまり感じられませんでした。それから、携帯電話のコマーシャルの音楽でジュリエットを踊らせて欲しくなかったな。だってあの音楽重くてジュリエットの音楽じゃないんだもの。ちなみに、最初はパリスのソロ、キャピュレット家の皆さん、タイボルトのソロ、再びキャピュレット家の皆さんという具合に踊られていきます。キャピュレット家の皆さんの中に乳母も入っているのが面白いですね(舞踏会に下女は入らないでしょう)。

一番印象的だったのは、パリスとの結婚を両親から強要されて泣いているところから、決断して神父に相談に行くまでの心の裡のドラマ。ジュリエットが両親の庇護の元にある少女から、自分の意志で独り立ちしていく強さを生み出すところがとっても感動的でした。今まで、この物語は、ジュリエットがロミオと出会って少女から大人になることが、ドラマのクライマックスだと思って観ていましたが、今回、ジュリエットが独りで自分の運命と闘う女性へと変化することがクライマックスになっていたと思います。ロミオとの出会いが淡泊だったために、誰にも頼らないジュリエットの成長が印象的に表れていました。

それから、アシュトン版では男性のダンサーの踊りに重きがあったように感じました。ジュリエットには、あまり見せ場になる踊りは割り当てられていなくて(それでもかなり高度な足技を要求する踊りだと思うのですが)、ロミオや3バカトリオに見せ場になる踊りがありました。マキューシオの回転技に会場からもっとも多くの拍手が起こっていたし、ロミオの踊りが作品の中心となっていました。ジュリエットが作品の中心となるマクミラン版とはそこが一番の違いでしょうか。

オーケストラはイングリッシュ・ナショナル・バレエのオーケストラ(オペラのオーケストラとは別なのでしょうか?)が担当しましたが、音が堅くて少し乱暴。始まりはなんだか叩き付けるように弾いていました。それにオーボエがよれよれで、うわっ大丈夫かって心配しましたが、プロコフィエフの凶暴な音楽を弾いているうちに良くなってきたように聞こえました。

ダンサーでは、圧倒的にロミオ役のイワン・ワシリエフさんが良かったです。さすがボリショイの誇る若いスター。それからマキューシオのアルバン・レンドルフさん。その彼女のタラ・シャウフスさんがステキでした。レンドルフさんはロイヤル・デンマーク・バレエで今年プリンシパルになったばかりの若手ですね。そしてタラさんは、同じくロイヤル・デンマーク・バレエに2年前に入団したばかりの方なんですね。これからの活躍がとっても期待できそうです。
ジュリエットの乳母は、日本人のタカハシ・ヨーコさんが踊っていました。コミカルな役を表情豊かに表現していてとっても良かったです。それから、もうひとり日本人では、オキ・メグミさんという方が、ジュリエットのカヴァーとして入っていましたが、カヴァーなので観ることはできませんでした。
最後に、ジュリエットは、ボリショイの若いスター、ナタリア・オシポワさんが踊りました。技術的にとっても上手いダンサーだと聞いていましたが、今回のジュリエットでは、回転系やジャンプ系の見せ場がなかったので、ちょっと残念です。安定していてとっても上手いのは分かりましたが。ただ、まだ慣らし運転中にみたいな感じで、ちょっともやもやが残りました。今日はプレヴュー公演だったので、明日からの本番では、完成度を高めるということでしょうか。でも、大好きなロミオとジュリエットを違った振り付けで観ることができて良かったです。5ポンドだし。

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by zerbinetta | 2011-07-11 05:49 | バレエ | Comments(0)