<   2011年 08月 ( 16 )   > この月の画像一覧   

プロムしそびれ   

ロンドンの夏の音楽会。通称プロムス。より正式には「the henry wood promenade concerts presented by the bbc」。現在はBBCが主宰している音楽祭で、名前を冠されているヘンリー・ウッド氏はプロムスの発展に貢献した初代の指揮者さん。プロムスの期間中、胸像がオルガンの下に置かれてる人(こちらを参照)。で、プロムナード・コンサートというのは、音楽会のとき、聴衆がそぞろ歩きながら聴いていたから。プロムナードというのは散歩(そぞろ歩くこと)の意味。ムソルグスキーの「展覧会の絵」も有名な最初の曲とときどきあとに出てくる曲が「プロムナード」というタイトルで絵を観る人を表していますね。最初は飲み物もたばこもOKだったんだって。今でも飲み物OKだと思うけど、気の張らない音楽会。誰でも聴けるように料金も安く設定されているのでした。今でも、下のアリーナと上のギャラリーは立ち見で5ポンド(現金のみ)の当日券。アリーナは結構いつもぎゅうぎゅうで立って聴かざるを得ないのだけど(係の人が立って聴くように促します)、上は寝ながら聴いている人もいるらしい。
そう。らしいというのは、わたしまだプロミングしたことがないから。プロムスの醍醐味というと、ボックス席でお酒を飲みながら聴くのと、立ち見の席でプロミングすることだと思うわたしは、今年こそ、プロミングしなくっちゃと張り切っていたのですが。。。結局、めんどくさがりで怠け者のわたしは、今年もできず。どうも当日券で、行かなくてもなんの損もないという状況ではめんどくさくなっちゃうんです。あと、並ぶのが苦手だったり、ちっちゃいからアリーナではつぶされちゃうのが心配だったり。。。言い訳ばかり。ダメな子の典型。
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by zerbinetta | 2011-08-27 00:20 | 随想 | Comments(0)

eチケット   

この間とあるホールの音楽会のチケットをネットで取ったら、いつまでたってもチケットが送られてこないの。わたしは、手元のチケットを見て予定を確認するので、いつもチケットは家に送ってもらうようにしてます。直前に買って時間がないときは、取り置きだけれども。なので、変だなぁ〜、予約ちゃんとできてるのかなぁ〜って思って、確認のメイルを見ると、チケットはメイルに添付ってある。ほわ〜、なんとeチケットじゃない。飛行機や電車で普通だけど、音楽会では初めて。と思ったら、最近は会場にチケット自動発券機が設置されているところ(ENOやサウスバンク・センター)があるので、取り置きチケットも今やeチケット状態なのかな。でも、チケットが添付ファイルで送られてきたのは初めてなので新鮮。印刷して持って行かなきゃいけないのかな。それとも会場でクレジット・カードを出したチケットを発券してくれるのかな。わたしは使用済みチケットを集めていないので、がっかりではないけど、とにかく忘れっぽいのでちゃんとカレンダーに印を付けて忘れないようにしなくっちゃ。
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by zerbinetta | 2011-08-26 16:45 | 随想 | Comments(0)

なんかいびつな日本のオペラ事情   

こんなことを書くと、日本のオペラ・ファンの人からしかられるような気がするけど、思ってることを素直に書きます。
日本のオペラ事情ってちょっと変じゃないかって。そう思うのは、オペラの引っ越し公演が、とってもたくさんあるからです。確かに、日本にいながら本場物(?)のオペラを観たいファンの人は多いのでしょう。でも、それは実は、かなりいびつなことだと気がついて欲しいのです。

オペラの引っ越し公演って、実は欧米ではほとんどありません。メトがヨーロッパに来てオペラを演ることはないし、自国のUSでさえ地方公演をすることは、わたしの知る限り(ずうっと昔のことはのぞいて)ありません。ウィーン国立歌劇場がUSで公演したという話も聞いたことがありません。例外は、海外公演を多くしているマリインスキーなんですけれども、ここは特別な事情があると思っています。
オペラはとっても大がかりなので地元にしっかり根を張っています。また、それぞれの劇場用にプロダクションを作っているので、外に持って行って公演するということも難しいでしょうし、膨大なお金がかかります。欧米人だったら絶対出さないだろうなという金額の入場券を買ってオペラを観るのは、ほんとに日本の特殊性だと思います。実際、ワシントン・ナショナル・オペラが日本に行ったときのチケット代の金額を見てオペラの人が驚いていました。

どういう訳か日本の音楽好きの方の中には欧米信仰があるような人がいる気がするのです。日本のオペラはダメで欧米の本場のオペラを聴きたいって。でも、イタリアの劇場はともかく、USのメトだってイギリスのロイヤル・オペラだって本場とは言い難いのではないかしら(自国の作品の上演の割合が物語っていると思う)。だから、日本にはオペラ・ファンは多くいてもオペラは根付いていないように思うんです。オペラ劇場も東京とあといくつかの都市にあるだけで(ですよね?)、多くの県庁所在地やせめて地方の中心的な都市にないというのも文化の貧困を感じます。あっもちろん、オペラは輸入文化だからなくて良いという考え方もあるでしょう、でも、日本の文化である、歌舞伎座や能楽堂なんかもありませんよね。そういう意味では、何でも東京中心で日本の文化っていびつな様相を呈しているような気がします。

すみません、話それました。わたしには、外国のオペラをほいほい日本に呼ぶよりも、日本のオペラを充実させることこそ、日本にオペラを根付かせる、一部の酔狂なオペラ・ファンからオペラを解放する、ことだと思うんです。例えば、フランスでは自国のオペラを作るために、バロック時代、イタリアから音楽化を招いて帰化させたり、フランス人のためにオペラを作らせたりしました。イギリスでも(結局あまり上手くいかなかったみたいだけど)ヘンデルを呼んでオペラを作りましたよね。もちろん今の時代は、そんな時代と違いますけど、例えば、海外のオペラ・ハウスとオペラの共同制作をして優れたオペラを作ればいいと思うんです。また、優れた歌手を呼んで公演のレヴェルを上げればよい。一流の歌手の人たちは、世界中のオペラ・ハウスを飛び回っていますからね。日本のオペラ劇場が、世界のトップ・レヴェルの歌手を呼べる力を付けることが大事です。

もうひとつは、劇場がきちんと国際的に歌手を育てること。なんかお金が箱は作るけどソフトは作らない傾向にあるみたいだけど、きちんとした教育プログラムを持って、歌手を育てられるようにすることが、文化を継続することにとっても大事だと思います。もちろん、育てるのは日本人だけではなく、アジア各地から国際的に歌手を育て行かなければなりません。今では、日本人もそうですけど、中国人や韓国人の歌手が多く世界の舞台で活躍しています。それを育てているのは欧米の劇場、日本はなぁんにもしてないなんて、かなり恥ずかしいじゃないですか。日本がしっかりしなきゃって思います。もちろん歌手だけではなく、オーケストラ、舞台、メイク、コスチュームなどのオペラを制作する人たちもだし、オペラを企画し運営する人たちも、世界のトップ・レヴェルの劇場と肩を並べることができるくらいの人を育てていかなければ、日本にちゃんとオペラが根付いたとは言えないでしょう。

ちょっと、勝手な意見かもしれないけど、普段思っていることを素直に書きました。

ー追伸ー

読者の方から、オペラの引っ越し公演、海外でもあるというご指摘を受けました(下のコメント欄参照)。
事実としていくつかのオペラ・ハウスは海外での公演を行ったことがあるようです。なので上記の文章はわたしの知識不足による間違いを含んでいます。ごめんなさい。
ただ、日本での海外オペラ公演の多さは、しかもそれらは文化使節的な公演というより商業的な公演です、頭抜けて多いと思います。この、日本の特殊事情はオペラ・ファンとしてきちんと考えてみる必要があるという意見は本文に書いたとおりです。
ロメリアンさん、ご教示どうもありがとうございました。

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by zerbinetta | 2011-08-24 07:44 | 随想 | Comments(8)

音楽をあまり聴かない人   

もしかするとみなさんはわたしのこと、いっつも音楽を聴いてる、音楽が手放せない人だと思ってらっしゃるかもしれないけど、実際、「音楽をよく聞きますか?」とたずねられたら、あまり聴かないです、と答えるでしょう。本当にあまり聴かないんです。
まず第一に、携帯音楽プレイヤーというか、携帯電話も持ってないので、音の出るものを持ち歩きません。なんか、歩きながら音楽を聴くとか電車で音楽を聴くという発想がないんですね。まあ歩きながらは、ふんふんと鼻歌歌ってることが多いので音楽してるんですが。
家には、CDプレイヤーが居間にあるのですが、これはときどき活躍。でもあまり時間がないので毎日聴いてるというわけではありません。寝室には音が出るものはないので、そういえばずうっと目覚まし時計もかけたことないなぁ、音楽はなしです。職場の自分の机のコンピューターからはにょろりとヘッドフォンの線が延びてますが、無線ではないのでCDとかネット放送とか聴くのは、自分の机で何か集中してるとき。といっても、そんな機会はあんまりなくって、机を離れる仕事ばかりなので、あまり聴くことはないんです。仕事部屋には古いCDラジカセがあるので友達はときどきラジオとか聴いてるんだけど、わたしは、何かを聴きながら仕事をするのが苦手なので、わたしがひとりのときは音はなしです。しかも、音楽会のある日は極力他に音楽を聴かないことにしているのでますます音楽から遠ざかります。
というわけで、今の人的にはわたしは音楽をちっとも聴かない方でしょう。それでも、今は携帯電話の着信とか、どこかのラジオとか、街角音楽家とか自然に勝手に音楽が流れてくるので、音楽に溢れすぎてると思うんですね。むしろ自然の音だけが聞こえるのが贅沢な感じ。わたしは贅沢者なのでそっちの方が好き。自然の音ばかりを聞いていたい。無人島に持って行く1枚のCDとかあるけど、わたしは何も持って行きたくないな。旅先へも、自分の音楽を持って行くよりは、その土地の音を聞きたい。

音楽会はまさに音楽を聴きに行くのです。そうか! わたしは音楽が勝手に聞こえてくるという状況が苦手なんだわ。音楽は聴くモノであって聞こえるモノではないのです、わたしの場合は。なんだか頑固者の原始人って感じですけどねっ。
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by zerbinetta | 2011-08-23 08:08 | 随想 | Comments(0)

お休み   

さて、わたしの音楽会シーズン、来月9月の半ばまでお休みです。今シーズンもなんだかんだと言いつつずいぶんたくさんの音楽会に足を運んでしまいました。これでは体がもたんと来シーズンは、音楽会を減らすことを画策しましたが、どうやら失敗に終わったようです。チケットがすでに山のように積み重なってる。。。
わたし自身も夏休みを取ります。の〜〜〜んびりする予定。
というわけで、ブログの更新、しばらく気まぐれです。多分あまりしません。
というわけで、9月になったら、また本格的に会いましょう。
それまでお元気で。
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by zerbinetta | 2011-08-22 08:05 | わたし・ブログ | Comments(2)

久しぶりに上手いオーケストラを聴いた気がした   

17.08.2011 @royal albert hall

shostakovich: the age of gold
shostakovich: violin concerto no. 1
stravinsky: petrushka
tchaikovsky: francesca da rimini

lisa batiashvili (vn)
esa-pekka salonen / po


タコ好きです。わたしの元祖ヴァイオリン4人娘のひとり、リサ(・バティアシュヴィリさん)がヴァイオリン協奏曲を弾くとあればそりゃあ聴きに行くでしょう。といいつつ、チケット取れなかったんです、最初。ロンドンではそれほど人気がないと思われるフィルハーモニアなのに(わたしの感じでは、音楽会がコンスタントにいっぱい(ソールド・アウトではない)になるのは、一にロンドン・フィル、二にロンドン・シンフォニーです)、ほとんど売り切れ?と不思議に思いつつ、何とかゲットしました。

始まりは、タコの「黄金時代」の組曲。元々フットボールを主題にしたバレエの音楽だそうです。若い頃の作品で、ジャジーでとっても楽しい音楽。そして管楽器のソロが大活躍。でも、バレエは失敗だったんだって。こんなステキな音楽なのに。いや〜出だしからびっくりしてしまいましたよ。フィルハーモニアってこんなに上手かったかなって。久しぶりに上手いオーケストラを聴いたような気がしました。この間の、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニックもとってもステキだったけど、あちらは地元のステキなオーケストラという感じで、フィルハーモニアの方はカラーがないけど、国際的というか、超トップレヴェルのオーケストラという感じ。ソロが上手い上手い。サロネンさんもびしっと決めてましたね。

2曲目にいよいよタコ、ヴァイオリン協奏曲第1番。これが全く素晴らしく良かった。最初っから最後まで引き込まれっぱなし。リサは、終始美音で丁寧に丁寧に歌って音楽を紡いでいきます。じんわりと歌が静かにわき出てきて、わたしの心を少しずつ湿らせていく。リサのヴァイオリンは、ねっとりとしたふくよかで暗い低音から静かに始まって、冷たく澄んだ高音、ヴィブラート控えめの美音は凛としていて、強い意志の力を感じさせる。第1楽章はショスタコーヴィチの月の世界。世界は人の内側に浸みていく。静かに静かに音楽はそよぐ。そんなリサのヴァイオリンをオーケストラも見事にサポート。ソリストとオーケストラの相互作用。協奏曲はこうでなきゃ。
速い楽章はアグレッシヴに疾走。実はわたし、リサって4人娘(元祖)の中では、テクニック的には1歩後ろかなって思っていたけど、全然そんなことない、正確なテクニック。全くごまかしなしで全ての音が豊かに鳴ってる。リサの演奏には濁りがなく透明で暗闇にきらきら。月明かりの中の泉。タコの音楽に見え隠れする皮肉が薄まるので、これは賛否あるかな。わたしは好き。
でもやっぱりリサさんの最高の美質は、ゆっくりした楽章にあると思うんです。ティンパニ(もちろんスミスさん)の凶暴な打ち込みから始まるパッサカリア(ちなみに今日のスミスさんは、舞台の1番上で、ちゃんとオーケストラの中で叩いていました。今日はオーケストラが絶好調だったのでスミスさんがひとり気を吐いて楔を打ち込む必要はなかったんでしょう)。ここでリサさんは息の長い歌を紡いでいきます。それが少しずつ高揚していく様がとっても素晴らしかった。この哀しい、でも美しい音楽が心に満ちてきます。リサさんの強い想い、強い音、にわたしの全てが共鳴します。リサの音楽からはいつも風景が見えます。それは、具体的な風景とは言えないけど、心の中に大切にあった風景。大事にしまっておかれた想いが涙と共に静かにあふれてきます。会場の空気もぴーんとリサのヴァイオリンに焦まっていく。
心も体も完全にリサの音に縛られたような長大なカデンツァのあとの温度がぐんぐん冷えていくような不思議な興奮を湛えたブルレスケ。なんだかリサはこの長大な協奏曲を一筆書きで弾ききった感じです。
正直、リサがここまでの成長を遂げているとは思いもよりませんでした。ロンドンで聴くのは、何回かのキャンセルがあったので、シベリウスの協奏曲に次いで2回目だけど、音楽の深化にびっくりしました。そして、応援しているわたしはめっちゃ嬉しかった。
アンコールにはなんと、オーケストラ伴奏付きで、タコの7つの子供の小品「人形の踊り」から叙情的なワルツ。この選曲も粋。協奏曲で張り詰めた気持ちを優しくほぐしてくれました。大好き、リサ。
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休憩のあとはペトルーシュカ。これもソロの上手さを生かした音楽。サロネンさんは手綱を締めつつも、ソロには自由に思い切りよく吹かせている。このさじ加減が絶妙。あっトライアングルは凶暴すぎでしたけど。そして、とにかくいろんな音が聞こえてくる。ストラヴィンスキーが書いた複雑で(複雑さ、新奇性は春の祭典以上でしょう)カラフルな音楽を見事に音にしている感じ。細かいフレージングにもしっかり目が行き届いていて、とってもわくわくするペトルーシュカでした。

そして最後はチャイコフスキーの「フランチェスカ・ダ・リミニ」。あまり聴かない曲ですよね。わたしも初めてです。なのであまり面白くない曲かなぁって思ってました。最初のうちは、勢いはあるけど荒っぽくてやっぱりちょっとつまらないかなぁなんて思ってたんです。でも、聴いてるうちにぐいぐいと体の芯に来て。何しろサロネンさんとフィルハーモニアの演奏が、血管が沸騰するほど熱い。サロネンさんがばりばりロマン派のこういう曲を採り上げるのは、ちょっとびっくりしたのだけど、いやはや名演だったと思います。曲の内容よりもいい演奏。いや〜凄かったです。サロネンさんって実はとっても熱い人なんだ、と今日気がつきました。
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スミスさんと銅像
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全然関係ないけど、ハープのウェッブさんの名物お髭、さらにふさふさ
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by zerbinetta | 2011-08-17 01:47 | フィルハーモニア | Comments(0)

東洋の真っ赤なルビー   

16.08.2011 @royal albert hall

copland: fanfare for the common man
bax: symphony no. 2
barber: adagio for strings
bartók: piano concerto no. 2
prokofiev: symphony no. 4

yuja wang (pf)
andrew litton / rpo


それにしても7時始まりで、終わったの10時過ぎの音楽会って。しかも休憩2回。オペラじゃないんだから。。。わたしは最近、軟弱者なので長くてコスト・パフォーマンスのいい音楽会より短くさくっと終わる音楽会が好きです。おなか空くし早く帰りた〜いって。でも今日は、大好きなユジャ(・ワンさん)だし、いつもにこにこ顔のアンドリューさんだからいいのです。って出てきた指揮者、別人? にこにこ顔のアンドリューさんじゃない! あれれ〜変更になったのかなってあわててプログラムを開けてみたら、アンドリュー・リットンさんだった。デイヴィスさんじゃない。アンドリュー違いでした。いつも間違えるのよね。で、気を取り直して。

始まりはコープランドの普通の市民のためのファンファーレから。交響曲第3番のイメジが強くて、おお違う違うと思いつつ聴いていたけど、やっぱかっこいいわ、このファンファーレ。ただ少し、オーケストラにすかっと抜けるパワーが不足しているように思えました。これは今日の音楽会を通じてずうっと感じたことです。
2番目は初めて聴く、珍しいバックスの交響曲第2番。マデトーヤみたいな北欧風の感じがしたので、北欧の作曲家なのかなって思って、休憩時間にプログラムを読んだら、イギリス、ロンドン生まれの作曲家でした。ふ〜む、この親近性、だからイギリスではシベリウスの音楽が受け入れられたのか、なんて思ってみたり。でも、本人はアイルランドに共感を感じていたみたいで、それは音楽から十分伝わってきました(って言うか、北欧とアイルランドの区別がついていないんですけど、冷たい空気感が一緒のような気がします)。ちなみに今飲んでるサイダーは、スウェーデンの梨のサイダーです。おいしい。って関係ないけど。それにしても、この作曲家女たらしなんですね。不倫とかして奥さん3人もいて。でも音楽は別物。清楚な感じのヒースの上を流れる風のような。そして音色の響きが吹奏楽的なところが多いんです。ちょっと不思議な感じでしたね。ここで休憩、その1。

第2部の始まりは、バーバーの弦楽合奏のためのアダージョ。悲しみを湛えた音楽。追悼曲というわけではないと思うけど、確かケネディ大統領のお葬式のとき使われたのよね。演奏も静かにしんみりと。でもわたし的にはもう少し力があってもいいと感じました。少し弱ってる感じ。
次はいよいよピアノ協奏曲。第2部の始まりからあったピアノの蓋が、会場からのうおぉぉというかけ声と共に開けられ(プロムスならではの習慣です)、リーダーが音合わせしようとラの鍵盤を叩くと会場からブラヴォーと拍手(これもまたプロムスの習慣です)。そして、大好きなユジャ登場。話題のミニスカートかなと期待もしたんだけど、真っ赤なロング・ドレス。東洋の真っ赤なルビー(?)。そしてユジャ、なんだかこんがり焼けてます。スイスの山で焼いてきたのかな。そうそう、ユジャの漢字表記、羽佳ってとってもきれいな名前ですね。実はピアノに関しては先日聴いたブニアティシヴィリさんの音が耳にまだこびり付いているのだけど、彼女のピアノを速さと重みを兼ね備えた馬のような走りだとすると、ユジャのそれは、速さに特化したチータのようなしなやかな、アスリートみたいな走り。まさに名前の通り羽が生えてるみたい。
初めて聴く曲だと思うけど、始まってびっくり。ラヴェルのト長調みたい。っていうか、ラヴェルとペトルーシュカを合わせて2で割った感じ。バルトークもこんな可愛らしい音楽書くのねってはじけた第1楽章。面白かったのは第2楽章のピアノとティンパニの対話。第3楽章では大太鼓(とティンパニ)との対話。ピアノの扱いが打楽器的で、噂によるとこの曲、ものすごい難曲らしいんだけど、ユジャが弾くとそうは聞こえないところが凄い。余裕で弾いちゃいます。ただユジャは譜面を観ながら。なので、手堅くまとめているというか、この音楽に対する突っこみがまだ足りないと感じました。特に第1楽章がおとなしくて物足りなかったです。第2楽章からは徐々にエンジンがかかってきた感じでしたが。オーケストラの方もなんだか消極的に丸く収めようという感じで、もっと丁々発止のやりとりがあってもいいのではないかと思いました。やっぱり難しい曲なので怖いのでしょうかね。ユジャはきっと、弾き込んでいくことでもっともっと良くなっていくでしょう。またいつかユジャのピアノでこの曲を聴いてみたいです。できたら、今バルトークに取り組んでるサロネンさんとフィルハーモニアとかで。
アンコールを期待したのですが、お客さんは大きな拍手を送っていましたがアンコールはなし。ちょっと残念。

第3部はプロコフィエフの交響曲第4番。プロコフィエフの中ではゆるい音楽だと思うのだけど(シンデレラのシーンを彷彿させるような音楽が出てきます)、演奏もゆるかった。なんだかリズムが決まらないんですね。そうするとプロコフィエフの音楽がとたんにつまらなくなる。オーケストラのリズム感が悪いのか、リットンさんが縦の線をあまり気にしない人なのか、輪郭のはっきりしないぼんやりした音楽になってしまいました。わたし的にはちょっと残念な演奏でした。まあ、ユジャを聴けたから良しとしよっ。
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by zerbinetta | 2011-08-16 06:01 | ロイヤル・フィルハーモニック | Comments(2)

真打ち登場。女って恐いですよぉ〜   

13.08.2011 @royal opera house

minkus: la bayadére

uliana lopatkina (nikiya)
anastasia kolegova (gamzatti)
daniil korsuntsev (solor)
petr stasyunas (rajah)
vladimir ponomarev (the high brahmin)
filipp stepin (the golden idol), etc.

marius petipa (choreography)
alexei repnikov / orchestra of the mariinsky theatre


本当にこれで最後。夜の部。ラ・バヤデールです。お腹いっぱいな上にワインまで飲んでるから、とろ〜ん。大丈夫かわたし。今回は舞台はわりと広く見えるので、ずいぶんと楽しめました。さっき観たのに観たことのないシーン満載で、やっぱりバレエはちゃんと見える席がいいなぁって改めて思ったり。

今回のラ・バヤデール、とってもとっても良かったです。ニキヤはロパートキナさん。ソロルとガムザッティのコルスンツェフさんとコレゴワさんはご夫婦じゃないので、不倫ものじゃなくなったし(はじめっから違う)。何故に仏教の大僧正がおなごに手を出すとか突っこみどころはさておいて、何よりも物語がよく分かったのがいいです(さっきはほとんど見えてないので物語が断片的にしか見えてませんでした)。でも、やっぱり、最後は世界が破滅して欲しかったなぁ。夢の中だけど、ふたりが幸せで終わるのは、男の人の都合良すぎ。それに怒った仏像にも大活躍して欲しかったし。

そうそう、その仏像、今回はステピンさんだったのだけど、最後の最後にちらりとこけてしまいました。最も目立つ瑕ではなかったし気がつかなかった人もいるってくらいのなんだけど、舞台の袖に引っ込んでからステピンさん、やっちゃったぁって感じで頭を叩いていました(脇の方の席だったので舞台袖が見えます)。

ソロルのコルスンツェフさんは、白鳥で見たときは、優柔不断っぽい優男系だったので、戦士の役は似合わないなぁって勝手に思っていましたが、実はちっともそんなことなかったです。裸になると結構いい体だし(そりゃそうですよね。激しい運動をするバレエ・ダンサーですもの)、惚れ直しました。

ガムザッティは、結婚まで誓った恋人のいる男性を横取りする女ですから、しかもそのライヴァルの女を殺してしまうのですから、強さがなければいけません。コレゴワさんは、出てきたときはあっきれいな人ってわたしもドキリとした、とってもきれいな人だけど、まさにその強さも持ってる感じ。そしていやらしさも(あくまでも役の上)。さっきのアナスタシアさんも相当だったけど、今回のコレゴワさん(あっこの人もアナスタシアさんだわ)も相当。美しいものには棘がある、皆さんお気を付けて。
もちろん、ニキヤも相当強い。ガムザッティに呼び出されて別れを強要されたとき、最初に手を出すというかナイフを持ったのはニキヤだしね。

ニキヤは、真打ち、ロパートキナさんです。へぇ、ロパートキナさんもこの役踊るのかって思ったら(彼女つんつんとした感じというか濁りのない純粋な美しさを表現する人のような気がするから)、ずいぶんと可愛らしいのでまずびっくり。最初の二人の幸せな踊りから、感情を爆発させるガムザッティとのシーン、悲しみの花かごの踊りまで、感情の起伏が大きい。ロパートキナさんに対するインプリンティングを解かなければって思いました。そしてやっぱり踊り。もうそれは極限まで凄いです。なんか世界が違います。シルエットの美しさは格別です。
夢の国のシーンでのロパートキナさんが、一番わたしのインプリンティングされた彼女に近いです。白いチュチュの純化された踊りの美しさったら。もううっとり。コールドもとてもきれいだし、3人のバヤデールでは、最初に踊った人(3人のお名前はキャスト表から分かるのだけど、誰が誰だか分かりません)が一番上手かったです。もうこの夢の国は終わらないで欲しいと思いました。アヘンを吸うときは、ぜひ本物を舞台から客席に向けて煙って欲しいと思いましたよ。わたしもいつまでもらりっていたいもの。
この演目でも、踊り手によって少しずつ演技を変えているのですね。花かごから出てくる蛇は、ロパートキナさんは自分で引き出したけど、さっきの回、コンダウーロワさんのときは、見つけたのは従者。他にも細々とずいぶん違っていました。

これで最後。カーテンコールのときのロパートキナさんのはっちゃけぶりもちょっと印象に残っています。今回、マリインスキー・バレエを10回近く観ることができたのは本当に幸せです。夏休みが終わると、今度はロイヤル・バレエのシーズン。後悔のないようにたくさん観なくては(あれっ?方向違う?)。

ロパートキナさんと振られた大僧正
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黄金の仏、今日はステピンさん
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コレゴワさん
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女の闘い。キッとにらむロパートキナさんに対して、婚約して勝ち誇ったような笑顔のコレゴワさん。男の人にはどうすることもできません。
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夢の国のコールドの皆さん
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ロパートキナさん
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珍しくはっちゃけた感じのロパートキナさんとコルスンツェフさん
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by zerbinetta | 2011-08-13 19:12 | バレエ | Comments(0)

不倫しちゃダメよぉ。世界が破滅しちゃうんだから。あれっ?   

13.08.2011 @royal opera house

minkus: la bayadére

ekaterina kondaurova (nikiya)
anastasia matvienko (gamzatti)
denis matvienko (solor)
petr stasyunas (rajah)
vladimir ponomarev (the high brahmin)
alexei timofeev (the golden idol), etc.

marius petipa (choreography)
alexei repnikov / orchestra of the mariinsky theatre


7月25日から始まって3週間にわたったマリインスキー・バレエの公演。ついに今日で千秋楽です。毎年夏にはロシアのバレエ団がオペラ・ハウスで公演しているのだけど、一昨年のマリインスキー、去年のボリショイと地元びいきのわたしは素知らぬふり。今年初めて、まともに観に行ったんですけど、ぐわ〜っと雄叫びしたくなるほど後悔したぁ。何で、何で去年も一昨年も観に行かなかったんだろう(一昨年は2回だけ行きましたが)。そして今度は、何で皆勤賞取りに行かなかったんだろう。いやそれはいくら何でも無理なんだけど。
今日はお昼の部には行く予定ではなかったんだけど、白鳥の湖のチケットを里子に出したとき、同じ値段で(一番安い席)隅っこの方がひとつ空いていたので交換してもらいました。というわけで、舞台は半分以上見えてないので、舞台の感想はよしますね。

ラ・バヤデール。物語は、インドの昔、たくましい戦士、ソロルがいて、彼は秘かに相思相愛の寺院の舞姫ニキヤと結婚の約束をしている。王ラジャはソロルが気に入り、娘ガムザッティをソロルと添わせようとしてる。戸惑いつつも、王の権力とガムザッティの魅力によたるソロル。一方、大僧正もニキヤに岡惚れ、せまるもニキヤに拒絶されて立腹、ソロルとニキヤの関係をラジャに告げ口。話を聞いたガムザッティはニキヤを呼び出し、別れを迫る。
結局、ソロルはガムザッティと婚約して、二人の前でニキヤは踊りを踊るのだけど、そのとき与えられた花かごにガムザッティの陰謀で毒蛇が仕込まれてあって噛まれて死ぬ。
最後はソロルがアヘンでトリップ、ニキヤと幸せに踊る夢。
でも、ニキヤとの結婚の誓いを破ったソロルに神が起こって鉄槌、全員死ぬ。

と、かいつまむとこういうお話なんですけどぉ〜。

今日のソロルは、デニス・マトヴィエンコさん。ニキヤにはコンダウーロワさん。そして、ガムザッティにはアナスタシア・マトヴィエンコさん。ううう、デニスさんとアナスタシアさんはご夫婦。なので物語は勝手に脳内変換されて、ソロル、ガムザッティ夫婦に横恋慕してくるニキヤのお話に。。。いやん不倫はダメよ、ニキヤ。らりって踊ってんじゃないのよ。と、舞台が見えないのをいいことに勝手に想像。ところーが、最後不倫を楽しむ二人に神は鉄槌を食らわさなかった。今回の舞台では、ソロルとニキヤが幸せに踊るところで舞台はお終い。世界の破滅は起こらなかったのでした。優しすぎるぞ、神。

あっまじめに感想書こ。デニスさん、白鳥のときは、庶民的な感じがどうかなぁと思っていたんですが、今日の戦士はやんちゃっぽいところがぴったり。踊りも切れていた様子。今日はとっても良かったです。役に合うって大事ね。
そして奥様のアナスタシアさん。そりゃあ、ソロルがうっかり惚れてしまうガムザッティでしょう。息ぴったりですもの。かなり強〜い(恐〜い)女性のイメジでした。
タイトル・ロールのコンダウーロワさんは、身長あるしとっても見栄えのするダンサーですね。そりゃ浮気もしたくなるきれいさでした。それにしても、いつも書いてるけど、マリインスキーのファースト・ソロイストの人たち、他の劇場ならプリンシパルといってもいいくらいに上手い。コンダウーロワさんもアナスタシアさんもプリンシパルになる日はそう遠くないんじゃないかしら。

そうそう、このバレエ、黄金の仏像が大活躍するハズなんだけど、ちょっと活躍少なかったです。踊ったのは2幕だけ。あんまりスポットライト当たらなくて仏像好きのわたしはちょっとがっかり。仏役は、ドンキホーテでバジルを踊ったティモフェエフさんです。演出のせいもあるのだけど、この役、ジャンプ得意のプリンシパルの人が踊れば超かっこいいんだけどね。

これが金の仏。ティモフェエフさん
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アナスタシアさん
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ゾクリときますよね、コンダウーロワさん
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照明の関係か面白い写真が撮れました。コンダウーロワさんとデニスさん
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デニスさん、浮気はダメですよ
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by zerbinetta | 2011-08-13 01:56 | バレエ | Comments(0)

2回観て良かった   

10.08.2011 @royal opera house

shchedrin: anna karenina

uliana lopatkina (anna karenina)
islom baimuradov (alexei karenin)
yuri smekalov (vronsky)
svetlana ivanova (kitty), etc.

alexei ratmansky (choreography)
alexei repnikov / orchestra of the mariinsky theatre


昨日に引き続きまたアンナ・カレーニナ。結論からずばり申しましょう。バレエは2度は観るものですね。昨日はよく分からなかった物語も今日はすっきり。そして、ロパートキナさんの凄かったこと。ロパートキナさん、長身だし手足が長いので踊りがとっても映えるのです。シルエットがとてもきれい。踊りの質は、昨日のヴィシニョーワさんと甲乙付けがたいのですが、この演目は、動きがモダンダンス系なので、持って生まれた身体の線の美しさで、長い手足のロパートキナさんに分があります。わたしの素直な感想は、昨日の素晴らしい公演に輪をかけて良かった、です。でも実はこれ、フェアな感想ではありませんよね。今日は2回目、理解の深度が深まっているのですから。

ロパートキナさんは、ほとんど演じません。でも、最小の仕草と踊りで見事に心の裡を現していきます。ストイックなまでに美しい。無駄が無く切り詰められたものの凄さを感じさせます。最後の表現は心が壊れていく様を見事に表現したヴィシニョーワさんの方が好きだけど、ロパートキナさんも静かな狂気を湛えていました。それにしてもこの演目、二人の類い希なダンサーで観ることができて幸せです。ついでに、シルヴィ・ギエムさんで観たらどうだろう、ロイヤル・バレエで演ったらまた違うものになるんではないだろうかって妄想もたっぷり。そうそう、最後、ロパートキナさんがステージ上で倒れて幕が下りるのだけど、幕が下りてしばらくの間、彼女ずうっとそのままでいました。幕の間に隙間があってサイドの客席から見えちゃってたんですね。彼女が起き上がったのは、幕がきちんと閉じられてから(わたしはかなりサイドにいたのでちらりと見えました)。最後までしっかりと演りきるプロ根性を見たような気がします。

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カーテンコールの最初はまだまだ役に没入していました。人生を生き切った感じ。最後は立ちゆかなくなって自殺するのだけど、本当に彼女(アンナ)は不幸せだったのか。自殺を含めて自分の意志で生きてきたひとりの女は、もしかして幸せだったのではないだろうか、そうは言えなくても、心は満たされていたのではないだろうかと、ずしりと考えさせられました。今はもうトルストイが考えていたほど純朴な時代ではありません。幸せな家庭もさまざまです。幸せと不幸せの間すら曖昧なのかもしれません。シチェドレンが、この物語をバレエにしたとき、キチイの物語を大胆に省いたのは、今の時代へのアダプテイションという意味で成功していると思います。

キャストは、他に、キティがイワノワさん、アンナの息子がドゥナエフくんに替わった以外はほぼ同じです。わたしのまわりでは、昨日の時点で良かったけど1回見ればいいや、という意見が主流でしたが、わたしは2回観てほんとに良かったと思ってます。

今日の少年たち
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イワノワさん、若く見えるけどベテラン
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ロパートキナさん
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バイムラドフさん、ちょっと好きかも
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スメカロフさん
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ロパートキナさん
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by zerbinetta | 2011-08-10 16:28 | バレエ | Comments(4)