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さあ、ブルヲタであることを認めよう ユロフスキ、ロンドン・フィル ブルックナー交響曲第1番   

30.11.2011 @royal festival hall

matthias pintscher: towards osiris
beethoven: piano concerto no. 5
bruckner: symphony no. 1

lars vogt (pf)
vladimir jurowski / lpo


わたし、素直に告った方がいいのかもね。ブルックナー好きって。ブルヲタだって。ああこうしてかわいい系女子の仮面ははがされていくのだわ。って、普段から、ショパンやモーツァルトが好きですなんて言わないで、タコ好きを公言してる時点でダメダメなんですが。そう、なんと、今日はゲルギー、ロンドン・シンフォニーのタコ6があったんですよ。それなのにそれなのに、苦渋の選択でブルックナーなのは、タコ6は1回聴いたことがあるので、演奏されることが滅多にないブルックナーの交響曲第1番を聴いてみたかったのと、ユロフスキさんの初ブルックナーがどんな風になるのか興味があったからです。ロンドン・フィル贔屓だし。でも泣く泣く。

1曲目、ピンシャーさんのお名前初めてだっけ?と思ったら、今シーズンの始めに同じくユロフスキさんとロンドン・フィルで聴いたいたのですね。今日のは、トランペットが大活躍する短い曲。ロンドン・フィルのトランペットと言ったら、ステージに出てくる際、必ず最後に出てくる主席のベニストンさんにパートの人が立って握手しながら挨拶するという鉄の規律があるのだけど、今日のベニストンさん、トランペットを3つも持って手が空いてないのに、何とかひとつをわきに抱えて握手してましたよ。やっぱり鉄壁な規律だ〜。
ベニストンさんのトランペットはとっても冴えていて、おおおと思ったし、音楽も聴きやすくていい曲だと思ったんだけど、終わった瞬間、会場にいたひとりのおじさんがゴミって叫んでましたね。この間の音楽会で、ぶーたれながら出て行った男でセンシティヴになっているのか(音楽会が始まる前もわたしの近所はその話題で持ちきりでしたしね)、曲の合間に会場の係の人たちがその人を囲んで、注意してました。でも、そのブーイングに賛同する人はいなくて、反対にこれ見よがしの拍手がわき起こっていました。

2曲目はベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番。ピアニストはフォークトさんです。これは良演でした。フォークトさんのピアノの音が弾けるようにキラキラとしていて、この曲にぴったり。色とりどりのビー玉が弾ける感じで華やかなベートーヴェン。ユロフスキさんも、ピリオド楽器的な演奏の良さ(トランペットはナチュラル、ティンパニのばちは固いものを使ってました)を現代のオーケストラに取り入れた感じの溌剌とした音楽で、彼の古典派の音楽の作り方は本当に良い、のを再確認。今の若手の指揮者で、間違いなく古典派の音楽をステキに演奏できる人のひとりでしょう。明日のことを語れば鬼が笑う(んでしたっけ?)でしょうけど、ベルリン・フィルの次期音楽監督にはユロフスキさんを推薦したいなぁ。そういえば、第3楽章でピアノに聞き慣れない音が聞こえたのは、ピアノの調律のせいで、変な倍音が響いたからかしら。鍵盤を間違えて叩いたとは思えないし。何だったんだろう?

休憩のあとはいよいよブルックナー。初めて聴きます(一応CDではカラヤンの演奏を聴いていたんだけど、全然違った。版の違い?)。正直に言うとちっとも分からなかった。やっぱりブルヲタ失格ね。ちょっとほっとしてる。
プログラムによるとリンツ稿だそうだけど、旋律が全然ないのね。短い断片的な旋律ばかりで、むしろオーケストラをおもちゃのラッパのようにならして音遊びしている感じ。やっとこ、旋律らしい旋律が出てきたスケルツォのトリオでほっ。本物のブルヲタの皆さんは、こういう曲でも楽しめるのかしら?
でも、演奏はとっても充実して良かったんですよ。オーケストラも上手いし、ユロフスキさんも勢いを持ってこの曲を指揮していました。ユロフスキさん、マーラーでは毎年1つずつ1番から順番に演奏していくという姿勢でいますが(今シーズンはお休み)、ブルックナーもこれからひとつずつ階段を上がっていくのでしょうか。彼とブルックナーの相性はこの曲からは、判断するのは難しいけど、後期の充実した音楽をどう演奏していくのかとっても興味があります。
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by zerbinetta | 2011-11-30 09:42 | ロンドン・フィルハーモニック | Comments(0)

LSOのパワーに脱帽 ゲルギエフ、ロンドン交響楽団 ショスタコーヴィチ交響曲第10番   

27.11.2011 @barbican hall

gubaidulina: in tempus praesens
shostakovich: symphony no. 10

anne-sophie mutter (vn)
valery gergiev / lso


またまたロンドン・シンフォニーです。だってタコですよ。タコ10。たまりませんもの。そして今日は、またグバイドゥーリナなんですけど、ヴァイオリン協奏曲、ムターさんが弾きます。ムターさん大好きなんですよね。ヒラリーやアリーナのプチ追っかけをやる前は、ムターさんが好きでした(CDたくさん持ってます)。彼女もヴェテランというか、第一人者になりましたね。
そのグバイドゥーリナのヴァイオリン協奏曲「今この時に」は、ムターさんのために書かれた作品。4年前にラトルさんとベルリン・フィル、そしてもちろんムターさんのヴァイオリンで初演されています。オーケストラが出てきて、あれ?今日はリーダーの人お休み?って訝しく思ったら、この曲オーケストラはヴァイオリンを使っていないんですね。かといって小さな編成のオーケストラかというとそうではなくって、管楽器も打楽器もいっぱい。むしろ大きなオーケストラ。
ムターさんは真っ青な細身のドレスで、むっちゃスタイルいい!そしてかっこいい、というかもうすでにオーラが出てる。さて、音楽なんだけど、わたし、情けないことに音楽の内容は全然覚えていないんです。覚えているのは、それがすごくいい曲で、前回のバヤンのための協奏曲より好きだし、将来、ヴァイオリン協奏曲のレパートリーのひとつになるんじゃないかと思ったこと、オーケストラもヴァイオリン・ソロもがんがんに弾いて、パワフルで音浴びのようだったこと、そして何より、ムターさんのヴァイオリンに圧倒されてしまったことです。もうなんというか凄いというしか言いようがないの。わたしは若手の人を応援するのが好きで、ヒラリーだったりアリーナだったり大好きでプチ追っかけてるんだけど、ムターさんは格が違うと思った。もちろんヒラリーもアリーナも、超絶に凄いんだけど、ムターさんの年季の入った凄さは若い人には絶対できないもの。しかも、ムターさんのために書かれて、ムターさんにぴったりの音楽だから、もうなんというか筆舌に尽くせない。でも、ヒラリーもアリーナもあと20年したらあんな凄さが身についてくるんだろうな。それは楽しみ♡

ショスタコーヴィチの交響曲第10番は、超かっこよかったーー。今日はオーケストラが完璧でびしばし決まる。速めのテンポでがんがん攻めてくるから、もうこっちは必死に音楽の圧力に吹き飛ばされないように食らいついていくだけ。ゲルギーのタコは意外にもソ連とか、哲学とか、そういうこびり付いたものがなくて、音楽だけで攻めてくる。タコの音楽を楽譜通り完璧に演奏したらこんなにも凄いものができた、みたいなひとつの究極の形を作っていたと思う。最初から最後までぴーんと張り詰めてゆるいところがなくって音楽の力を裸で感じました。超絶に上手いオーケストラだからこそなせるわざかも。これがたった1回の音楽会で失われていくなんてもったいない。でも、だからこそライヴの音楽なんだけどね。聴き終わったあとは1万メートルを全力疾走したような爽快感と疲労感。

そういえば、ロンドン・シンフォニーって今、オーボエが主席の人ひとりしかいないんです。だから彼がお休みの日は、オーボエのパートのオーケストラのメンバーが一人もいないという事態が発生します。この間も今日のそうで、音楽会の前半は、元主席のアビュールさん、後半は、我らがシスモンディさんが主席の椅子に座っていました。わたしは、彼女のオーボエが大好きで、何回も客演しているうちにロンドン・シンフォニーのスタイルにもなじんできたような気がするし、ぜひ、主席で来て欲しいなぁ。シスモンディさん、舞台を下りるときタコのメロディを口ずさんでいましたよ。彼女もタコ好き?
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by zerbinetta | 2011-11-27 10:15 | ロンドン交響楽団 | Comments(2)

マノンは誰を魅了したのか マリアネラ・ヌニェス 「マノン」 ロイヤル・バレエ   

26.11.2011 @royal opera house

massenet: manon

marianela nuñez (manon), nehemiah kish (des grieux)
josé martín (lescaut), christopher saunders (monsieur g.m.)
claire calvert (lescaut's mistress), elizabeth mcgorian (madame), etc.

kenneth macmillan (choreography)
martin yates / orchestra of roh

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この「マノン」は観に行く予定ではなかったんです。だって、昼間も「マノン」。さすがに「マノン」を昼夜2回観るのは、精神的に厳しい。ダンサーが全身全霊を込めて表現する物語に打ちのめされて、しばらく茫然自失するほど心が壊れちゃうんです。それでも、観たい、と思ったのは、マリアネラさんのマノンをもう1度観ておきたかったから。もしかするとこれで最後になるかも知れないし、これから先、いつこれが観られるかは分からない。今年の春、秋と2シーズンに渡って上演されたから、しばらく上演はなさそうだし。でも、そうとはいえずいぶんと悩んだんです。本当観て大丈夫なのか、わたしは壊れてしまわないのかって。でも、オペラ・ハウスのサイトを見ていたら、奇跡的に1回の立ち見のセンターという最高のポジション、しかも9ポンド、が1枚出たのを見つけて、気がついたら買ってしまっていました。

マリアネラさんのマノンの感想は繰り返しになるので書きません。でも最高に素晴らしいマノンでした。特に最後のシーンの痛々しさは観てられないくらい、心を掻き乱されます。やっぱりマリアネラさんはわたしにとって特別なダンサー。技術的に自分の表現したいことを踊れるダンサーなら、プリンシパル・レヴェルの人たちの中にたくさんいるでしょうけど、役を自分の言葉で理解してその役になりきって踊れる、そしてその意味をちゃんと観ている人に伝えることができるダンサーは、そんなにはいないと思うのです。マリアネラさんの役を読む力、そしてそれを違和感なく表現できる力はすごいと思うのです。ひと頃は、マリアネラさんは何でも楽しそうに踊ってしまうと言われてたようですけど(ほんとに彼女の踊りは幸せそう)、今は、悲劇的な役をその通りに踊れるダンサーになったと思います。こういう表現力では、コジョカルさんと肩を並べるでしょう(タマちゃんは違う道を歩んでると思います)。
昼間観た、マルケスさんもはまったときは凄いんですけどね。マノンに関してはどちらも好き。マノンはみんな全身全霊で踊ってくるのでどの人のもそれぞれ特徴があって良かった、好きなんだけれども、マリアネラさんのが大好きだなぁ。そして別枠にマルケスさん。

今日残念だったのは、レスコーがティアゴさんからマーティンさんに替わったこと。マーティンさんも昼間踊ったセルヴェラさんも文句を付けようもなく上手いしステキなんだけど、ティアゴさんのは特別だからね〜。ほんと、こんなことでがっかりできるなんてなんて贅沢。

でも。どうしてわたしは、「マノン」というバレエに惹きつけられてしまったのでしょう。マノンとわたしに似たところはあるのかしら? 友達には、えっ!っと言われるかも知れないけど、わたしはマノンほど自由奔放じゃないし、強くない。チョコレイトをくれればついて行っちゃうとこあるけど、実際は、多分考え込んじゃってチャンスを逃すだろうな。ギャリーさんのムッシュなら愛人になりたいけど。でも、一見接点がないように見える、実際にいたら多分友達にはならない(なれない)マノンだけれども、でもどうしてか目を離せない魅力があるのね。デ・グリューやムッシュを惹きつけたように、マノンはわたしをも惹きつける。マノンの魅力に翻弄されてしまうのは、劇に出てくる男たちだけじゃなくてわたしもなのね。実はまだ、このドラマが何を言っているのかよく分かっていないのです。マノンとはいったい何なのか?分からないからこそ面白い。時間をかけても少しずつ、分かっていけたらなって思います。マノンに取り憑かれて人生棒に振らないようにしながらねっ。

呆然の最後 精も根も尽き果ててます
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少し生き返りました。指揮者のイェテスさんも良い音楽を鳴らしてました
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今日の看守はギャリーさん
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ムッシュはサウンダーズさん、マダムにマクゴリアンさん、レスコーの愛人にカルヴェートさん
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レスコーのマーティンさん
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笑顔の戻ったマリアネラさんとキッシュさん
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by zerbinetta | 2011-11-26 18:21 | バレエ | Comments(0)

恐ろしい子供 ロベルタ・マルケス 「マノン」 ロイヤル・バレエ   

26.11.2011 @royal opera house

massenet: manon

roberta marquez (manon), steven mcrae (des grieux)
ricardo cervera (lescaut), bennet gartside (monsieur g.m.)
itziar mendizabal (lescaut's mistress), kristen mcnally (madame), etc.

kenneth macmillan (choreography)
martin yates / orchestra of roh


また「マノン」。最初に観たマノンがマルケスさんでがつんと感動してしまって、それからたくさん観たのだけど、マルケスさんのマノンが本当に良かったのか、最初に観たという衝撃なのか、いろいろ観たあとでまたどう感じるか確かめたくって、ぜひ観たかったのです。多分今回は落ち着いて観れるし、彼女のマノンの正体をあらわにできると思ったんです。で、ずばり言いますと、たくさんの細かな発見はあったんですけど、全体的な印象というか役の造形は、最初に観たときと同じように思えました。でも、何回も違う人でこの役を観たあとでは、またそれが新鮮に見えるのです。マルケスさんのマノン、かなり変わってる。

マルケスさんのマノンは、やっぱり邪気のない子供。今一番欲しいものにか目が行かない。お気に入りのおもちゃで遊んでいたかと思うと、誰かがもっといいおもちゃをくれると、今までのおもちゃはさっと放り出して新しいものにぱっと飛びつく。愛着とか、これをしたら悪いといか、しがらみとか大人の世界には無縁。そんな、恐ろしいまでに子供のマノンをマルケスさんは、作り出していました。だから、さっきまであんなに愛し合っていたデ・グリューからさらりと、高級なコートや宝石をくれるムッシュGMに乗り換えるのも、新しいおもちゃを手に入れる子供のように全く自然。ここのシーンって、マノンの心変わりをどう表現するのかがとっても難しいところだと思うんですけど、というのは、少しでも大人の心を持ってしまえば、そこに何らかの葛藤や計算が出てきて、それが変に現れるとマノンの嫌な面が一気に出てきたり、中途半端に子供の表現をすると脈絡のなさを感じさせる結果になってしまうから。多分マノンってたいていの人には理解できない心を持った人だと思うのね。だからこそ、その役を作るダンサーにとっても難しい役だと思うんだけど、マルケスさんはあっけらかんとするりとマノンを演じてる。彼女の演技にも本当に邪気がない。その場その場で、馬鹿みたいに自分の気持ちに忠実でまわりのことが目に入らない。マルケスさん自身がマノンのような人なんじゃないかとすら錯覚してしまう。
今日とてもびっくりしたのは、マルケスさんのマノンが、デ・グリューにナイフで刺されて殺された看守を蹴り続けていたこと。彼女をレイプした憎らしい看守に感情の大爆発。マルケスさん前回、こんなことしてたっけ? 他のダンサーのマノンでも観たことのない表現。なんかものすごく素直なマノン=マルケスさんの心が見えたみたいで心臓が射抜かれました。さっきと今は違うけど、そのときどきで100%純粋でまっすぐ。やっぱり、わたしにとってマルケスさんのマノンは特別でした。

そして、スティーヴン・マクレーさん! もう最初っからキューピットに恋の矢を大量発射されて目がハート。だってだって、なんてステキな踊りなんでしょう。踊りに切れがまりまくって回転も速いし、きれい。それに何より、演技も上手い! いたいけな青年、デ・グリューの純朴さ、まっすぐさをとても良く演じていたと思います。わたしの中で、ナンバーワン・デ・グリューに決定。

今日目立ったのは、マクナリーさんの娼館のマダム。第2幕の娼館のシーンでは、レスコー以上に酔っぱらって弾けてた。ちょっとらんちき過ぎっとも思ったけど、こういうのもいいなぁ。人間の本性をえぐってるみたいで。ムッシュGMは、ガートサイドさんで、この人もとっても良いのだけど、我がエロムッシュは今日は娼館のお客さんで、娼館のシーンの後半ではずうっと女の子といちゃいちゃしてた。こういうところにまで目を引きつけるのが、ギャリーさんのすごいところ。

それにしてもやっぱり「マノン」はすごい。最後はわたしもぼろぼろ。ずっしりと重い心を何とか2時間で回復させなくちゃだわ。次が最後の「マノン」。がんばれわたし。

やっぱり最後は憔悴しきってます
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ムッシュのガートサイドさん、マダムのマクナリーさんとレスコーの愛人のメンディザバルさん
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今日のレスコーはセルヴェラさん、この人のレスコーもとっても良い
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マルケスさんとスティーヴンさん
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by zerbinetta | 2011-11-26 08:49 | バレエ | Comments(0)

切れが戻ったカスバートソンさん ロイヤル・バレエ 「眠れる森の美女」   

25.11.2011 @royal opera house

tchaikovsky: the sleeping beauty

marius petipa et al. (choreography)

lauren cuthbertson (princess aurora), sergei polunin (prince florimund),
kristen mcnally (carabosse), claire calvert (lilac fairy), etc.

boris gruzin / ooroh

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またむくむくと病気がわいて、観たくなっちゃったんですよ、「眠れる森の美女」。そしたら、ずうっとソールド・アウトでそうなるとますます我慢できなくなって、こまめにサイトをチェックしてたら、1枚、わりとコスト・パフォーマンスの良い席がリターンで出たんです。すかさずポチッ。リターンは競争が激しいので見つけたら迷わずポチッとしないとすぐなくなっちゃうんです(幾度と経験)。観たかったカスバートソンさん(ならば最初っから取れって感じですが)。しかも明日は、「マノン」のダブルなので、気持ちのバランスをとるために今日は幸せいっぱいになりたかったんです(もちろん言い訳)。

「眠れる森の美女」についても何回も書いているので、今日は主役のおふたりについて。ポルーニンさんってわたしにとってはもちろん王子さまなんですけど、見た目はちょっとやんちゃっぽい庶民的な王子さまですよね。でも、等身大っぽいのがいいんです。会えるアイドルみたいな。踊りの切れはとってもあるので、観ていてとっても気持ちがいいんですよ。前半、なんだか憂いてるポルーニンさんを観てると、わたしがキスして幸せにしてあげるって思いっきり思っちゃうんだけど、無理ですかーー。なんてバカなこと言ってないで、でもやっぱりなんかこうステキなんですよお。
カスバートソンさんは、1年ほど前に病気から復帰して、とても積極的とは言えないまでも機会あるごとに観てきたんですけど、今日はすごく良かった! 申し訳ないけど、他のプリンシパルの方たち(って言っても、思い浮かぶのがコジョカルさんだったりタマちゃんだったりマリアネラさんだったりするのでとんでもなくハードル高いんですけど)に比べちゃうと1歩2歩劣るかなぁなんて思ってたんです(とはいえ、アリスはめっちゃ良かったし、この間のマノンでは凄さが垣間見られたんですけど〜)。でも、今日は踊りにすごい切れがあって文句なしに良かった。この人上手い。回転なんかは速くてシャープでシルエットがとってもきれいなんです。意外と小柄だけど、プロポーションが良くってとってもきれいに見えるの。それにかわいらしいしね。フレッシュでこの役にぴったり。うわっ、ロイヤルのプリンシパルさすが〜〜って思ってしまいました。1年あまり休んでたブランクからついに回復したかなって思いました。唯一の地元出身女性プリンシパルと言うことでうんと人気があるんですけど、これから目が離せませんね。カスバートソンさん、舞台が履けたあと日付が変わるまでずっとひとりで楽屋にいらしたそうです(彼女のツイッターから)。きっと彼女にとっても今日の公演は充実してたんでしょうね。

今日の童話の主役は、赤ずきんちゃんにウェストコンブさん、オオカミに平野さん、いやぁ〜〜ん見えな〜いっ。長靴を履いたネコは、ハロッドさんとケイさん
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フローレスタンとその姉妹には、トルゼンシミエッチさんとマグワイアさん、メリッサさん
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笑顔のカスバートソンさん
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カスバートソンさんとポルーニンさん
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by zerbinetta | 2011-11-25 03:02 | バレエ | Comments(0)

行間を意味を読む音楽 ゲルギエフ、ロンドン交響楽団 チャイコフスキー交響曲第5番   

24.11.2011 @barbican hall

prokofiev: symphony no. 1
gubaidulina: fachwerk
tchaikovsky: symphony no. 5

geir draugsvoll (bayan)
valery gergiev / lso


ゲルギーとロンドン・シンフォニーのチャイコフスキー交響曲全曲演奏シリーズ。いよいよ第5番。実は前に、ゲルギーとマリインスキーのオーケストラでこの曲を聴いてむちゃ感動したので(わたしの音楽会体験の中でも最も良かったもののひとつ)、今日もとっても期待してたんです。オーケストラはめちゃうまのロンドン・シンフォニーだし。でも、その前に今日はプロコフィエフの交響曲第1番とグバイドゥーリナのバイヤンのための協奏曲「fachwerk」が演奏されました。

まずは最初のプロコフィエフの交響曲第1番。「古典」という題名が付いているとおり、疑似クラシカルで、ハイドンっぽさもあるんだけど。。。ゲルギーのは古典じゃないっ。この曲、「古典」に見せかけて実は一筋縄ではいかない音楽ではあると思うのだけど(実際いろんな演奏を聴きました)、ゲルギーのもなんか不思議なニュアンスを付けて、ロシア・アヴァンギャルドの面目躍如。

2曲目の「fachwerk」、意味は木組みみたいなものみたいです。そういえば、わたし、彼女の作品は以前CDを持っていて知っていたんだけど、ちょっと苦手なかあって思っていたのでした。ところが、今日の曲、2009年の作品ですけど、なんかずいぶんと聞きやすかった。CDに入っていた曲は、CDを買ったのがまだ20世紀の時代でしたから、最近になって聞きやすい作風になったのかも知れませんし、もしかしたら、嬉しいことにわたしの理解度が上がったのかも知れません。独奏のバヤンは、ロシアのアコーディオンのことだそうです。始まりは聖歌のようなバヤンのコラールと弦楽器のソロのグリッサンドが互い違いに対比されて、静謐な空間を作っていきます。曲の真ん中らへんでは少し盛り上がるのだけれども、バヤンの音量があまり大きくないので、それほど盛大に盛り上がることはありません。いっそのことアンプを使ってバヤンの音を増幅してもいいかなと思ったけど、そうしたら全く違う作品が生まれるのでしょうね。この曲は、生のバヤンの音に合わせて作られてると思います。そのため、瞑想のような音楽空間が広がりました。グバイドゥーリナのCD聴き返してみたくなりました。バヤンという楽器は初めて聴くので、この曲がどのくらい難しいのか、ドラウグスフォルさんが、どのくらい上手いかはよく分からないんだけど、バヤンの魅力の一面をよく伝えていたと思います。アコーディオンやバンドネオンにはない(のかな、それともあまり使われていなかった表現)、魅力が音楽の中にありました。

休憩のあとはいよいよチャイコフスキー。ゲルギーの十八番。クラリネットのトップは前半のマリナーさんに替わって、同じく主席のリチャーズさんです。この人もめちゃうま。総裁のコリン・デイヴィスさんがクラリネット出身なためか、ロンドン・シンフォニーのクラリネット・セクションって抜群に充実してます。ほの暗いクラリネットのパート・ソロで音楽が始まるんだけど、ゲルギーの演奏、結構ゆっくり目。そして、フレーズとフレーズの間に余白をとります。主部が始まってからもわりとゆっくり目。これ、前に聴いた演奏(10年ほど前に聴いたライヴとウィーン・フィルとのCD)と違う。ゲルギー進化?第2主題の入りではさらに腰を落として、ってこれは前にもやっていたことだけれども、第1主題がすでにゆっくり目なので、かなりゆっくりとなるんですがなんだかすごい大きな音楽を聴いてる感じ。チャイコフスキーには大きすぎるかもとも感じてしまう。ゲルギーはそこここで上手にテンポを変えたり、ダイナミックの変化を付けるのだけど、もうそれはステキにゲルギーの世界(わたし、ゲルギーってこの曲ほんとに愛してるんだと思う)だけれども、オーケストラは上手いんだけどちょっとツアーの疲れがあるのかゆるい感じで、ゲルギーの要求は完全に満たしていなくて、多分ゲルギーの方もこの音楽の作り方を完全には咀嚼し切れてなくて、ちょっとゆるい感じ。これが完璧になったらもっとすごくなるのになぁって思ってしまった。
うつうつと暗いまま第1楽章が終わってそのままの雰囲気で第2楽章。やっぱりかなりゆっくりで、気持ちに重くのしかかる音楽。ロマンティックで艶やかな美しさを捨てて、北の冬の暗さが感じられる、チャイコフスキーを真剣に哲学したらこうなりました的な解釈。聴く方もだから甘さに酔うのではなくて襟を正して聴かなければという感じ。
ゲルギーは楽章の間に間をほとんど置かないので、一筆書きで一気に音楽を書き上げる。第3楽章からは、普通のテンポに戻った感じで、意外性は少なかったけれども、第1、第2楽章の音楽的な気分を引き継いでいて、とっても大きな交響曲として演奏されていました。もともとゲルギーの演奏ってこの曲の弱さが消えてとっても説得力のある音楽になっていたと思うけど、今日はさらにそれに凄みを増していました。フレーズとフレーズの間に絶妙な余白を置いて音楽の裏にあるものを考えさせる。音の後ろに遠大な真実が隠されているような気がしました。音だけではなく、音のない部分の行間も読まなければ音楽の本質に達しないと思える解釈。この音楽がもっと演奏を重ねて成熟していったものをまた聴けるといいな。将来、録音されないかしら。
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by zerbinetta | 2011-11-24 21:53 | ロンドン交響楽団 | Comments(2)

無邪気にショウリョウバッタの首を抜く残酷さ アリス=サラ・オット リサイタル   

22.11.2011 @queen elisabeth hall

mozart: variations on a minuet by duport, k573
beethoven: sonata no. 3
chopin: three walzes op. 34, three walzes op 64 nos 1 & 2
liszt: études d'exécution transcendante s139
no. 11 'harmonies du soir', no. 12 'chasse-neige'
concert paraphrase on verdi's rigoletto s434

alice sara ott (pf)


アリス=サラさんは言うまでもなく人気のピアニストです。彼女のピアノ、今までに3回、オーケストラとの共演で聴きましたが、いつも彼女のピアノは大ホールより小さなホールが似合うのではないかって感じてました。で、今日ついにそれが実現しました。サウスバンク・センターの席数1000弱の中くらいのホール。ピアノのリサイタルがよく行われます。

ステージににこにこしながら小走りに出てきたアリスさんは、真っ白い衣装、そしていつものように裸足。ピアノの前に座って、いつものようにせかせかとつまみをくるくる回して椅子の高さを調節します。これ、癖なんでしょうね。だって普通、始まる前に高さ合わせてあるよね。それから少し間を置いて弾き始めました。わたしはさっきプログラムをちらっと見ていたので、ベートーヴェンのソナタ第3番であることをちゃんと知ってます。ってあれ?ベートーヴェンってやっぱ若い頃はかなりモーツァルトっぽい。スタートラインはモーツァルトなのね。ってあれ?変奏曲だ。ソナタなのに、いきなり変奏曲で始めるなんて、さすがベートーヴェン。とか思いつつもいやにモーツァルトっぽいなぁと不安に思って隣の人のプログラムをちら見したら、なあんだ、1曲目はモーツァルトだ。解決解決。
アリスさんの音は、ゴムのように弾力性があってぴたりと吸い付くような響きで、それがバスの動きに合ってて面白かったです。でも、なんだかとっても楽しそうに弾いていて、プロの演奏家というよりも(もちろん演奏のレヴェルはプロなんですけど)、ピアノを習っているお嬢さんが楽しそうにピアノを弾いている感じ。それがサラさんにとってのモーツァルトなんじゃないかって思います。

2曲目のベートーヴェンは、もちょっと真面目に、でもやっぱりうっとりとピアノの中に没入してる。音色は少し変わって弾むような重さもあってこれはベートーヴェンっぽい。ベートーヴェンってモーツァルトに比べると重心の低い音楽ですものね。アリスさんのピアノは無理なく、普段弾かれてるように弾いてるように聞こえました。やっぱりアリスさんはがしがしとオーケストラと対抗しないで、自分の裡にこもりながら弾くのが、彼女の良さが出て良いように思えます。

休憩のあとはショパンとリスト。ショパンは作品34の3つのワルツと作品64から2つのワルツ(1番と2番)。そうそう、作品64の1って「1分のワルツ」っていう表題が付いてましたが、これ、「子犬のワルツ」ですね。
ステージに小走りで出てきて、ピアノに向かって座ったかと思うと今度は間髪入れずに弾き始めました。ショパンのワルツは、彼女のCDのヴィデオ・クリップにあった湿り気のあるメランコリックな演奏になるかと思いきや、結構ドライでリアリスティックな演奏になりました。予想外。正直、わたしは、例えば、望郷の物語を彼の音楽の後ろに見えたり、何か物語を感じる演奏の方が好きなので、今日の演奏はちょっとあっさりしすぎてるように思えました。
続いてリストの超絶技巧練習曲から「夕べの調べ」と「雪嵐」。これがとっても良かったのです。わたしはピアノが弾けないので、この曲がどんなに難しいのか(もしくはわりと簡単なのか)分からないんですけど、アリスさんは無理なく弾いていて、難しいようにはちっとも聞こえない。そしてなんだか雄大で、深い深い海に呑まれるかのような感じをいだきました。それがちょっと怖かったです。落っこちたらもう2度と浮かび上がれないような気がして。そういう風に感じる演奏って滅多にないので、凄い演奏なんだと思います。
お終いの「リゴレットの主題による演奏会用パラフレーズ」はエピローグ。これはもう、ピアノの音楽を楽しむばかりの曲で、技巧的な音楽を楽しむしかありません。さらりと弾いてしまうところ、アリスさんって技術的にとっても上手い人なのかも知れません(そうは感じない、というか気がつかないんですけど)。

大きな拍手でアンコールは、「エリーゼのために」と「ラ・カンパネルラ」。実は、プロのピアニストの方が弾かれる「エリーゼのために」は初めて聴きましたが、優しく美しい曲ですね。いつも途中でつっかえたりするのを聴いていたので、ちょっと新鮮です。

今日はさすがに日本人多めですけど、アリスさん、ロンドンでも人気です。拍手も絶大で、サイン会にもいつも以上に人だかりができていました。なんかすごいです。

ただわたしは、まだ不思議な思いを抱いたままです。何かをちょっと怖れてる。
彼女はとっても音楽に没入して演奏するタイプの人だと思います。それはとっても純粋で、でもそれ故に、まだそいういことを自分自身で知覚していないのではとも感じるのです。まだまだ無垢の部分が多い。例えば、わたしの好きな若手のピアニスト、ユジャやブニアティシヴィリさんは、自分たちの持ち味、音楽を自覚して作ってる、弾いていると感じるのだけど、アリスさんからはそれをあまり感じないんです。まるで、幼子が、キラキラと輝いた目で、ショウリョウバッタの首を引っ張って抜くみたいな。大人から見るとそれは残酷で悪いことという判断ができるのだけど、子供にとってはまだ、それは遊びで、善し悪しもないし悲しいことでもない。なんだか禁じられた遊びの世界。そういう風な感じを彼女の演奏から受けたのです。なんだか純粋に楽しそうに無垢なまま音楽を演奏していてる。それはとっても素晴らしいのだけれども、子供から大人になっていろんなことが意識の中に自覚されるようになったらどんな風に変わっていくのか、楽しみでもあり危ういものも同時に感じてしまうのです。これから彼女がどのように成長していくのか、しばらく見つめていきたいと思います。
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by zerbinetta | 2011-11-22 23:54 | 室内楽・リサイタル | Comments(0)

アリーナ・イブラギモヴァ日本公演   

わたしが熱烈に応援しているヴァイオリニスト、アリーナの日本公演。とっても良かったみたいでとっても嬉しいです(今日の時点であと1回、名古屋でのリサイタルが残っています)。評判が気になってググっては、ブログ等を読んでいました。で、せっかくなのでそれを共有したいと思って、アリーナ・イブラギモヴァの日本公演に関する記事をリンクしてみました。もちろん全部調べ切れていないし、検索後に追加されたものや消去されたものもあるでしょう。また、ブログ等をもっていない多くの人たちもいらっしゃいます。そこで厚かましいお願いなんですが、もしわたしもブログもってるぞーっていう方がいらっしゃったらこの記事にトラックバックしてくださいませんか。また、コメントをいただいてもとっても嬉しいです。

11/13 所沢ミューズ バッハ 無伴奏パルティータ
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11/15 hakuju hall バッハ 無伴奏パルティータ
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11/18、19 愛知県芸術劇場コンサートホール ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番 w名古屋フィルハーモニー交響楽団
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11/21 宗次ホール バッハ 無伴奏パルティータ
ありあわせだらけの常日頃 
パンセ(みたいなものを目指して) 

わたしが、バッハの無伴奏を聴いたのは、こちらの記事です。
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by zerbinetta | 2011-11-21 06:44 | Comments(4)

額縁の中 ロイヤル・バレエ セクスタプル・ビル その2   

19.11.2011 @royal opera house

royal ballet triple bill

barry wordsworth / roc, oroh


ソワレのあとはマチネ。トリプル・ビルを2回観たのでセクスタブル・ビルです。間にご飯を食べようかとも思ったんですけど、お家に作ったのもがあったので、今日はナショナル・ギャラリーで閉館までモネの絵を眺めながらぼんやり座ってました。ただなのがいいですね〜。憩う憩う。それから、焼き栗を買って手を汚しながら小腹ごしらえ。

-asphodel meadows

liam scarlett (choreography)
poulenc (music)
robert clark, kate shipway (piano)

marianela nuñez, tamara rojo, laura morera,
rupert pennefather, bennet gartside, ricardo cervera, etc.


「アスフィデル・メドウ」こちらがファースト・キャストでしょうか?凄いメンバーです。お昼に観たのもとっても良いと思ったんですが、それを今でもやっぱりステキだったと言うことは変わりないけど、女性3人にプリンシパルがそろったこちらは格が違うという感じ。表現力の差を感じました。怪我から復帰のモレラさんはとっても楽しそうに踊ってらっしゃったし、タマちゃんマリアネラさんはもう言葉にもなりませぬ。お昼のは無言劇で冷たい感じがしてましたが、今回はタマちゃんもマリアネラさんもお顔に表情を付けて、人間の体温を感じました。男性陣も抽象的な感じのペンネファーザーさんはこの演目向いてるっぽいし、ガートサイドさんもセルヴェラさんも好きですからね〜。やっぱり好きなダンサーが踊ると心も躍ります。

マリアネラさんとペンネファーザーさん
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タマちゃんとガートサイドさん
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モレラさんとセルヴェラさん
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-enigma variations

frederick ashton (choreography)
elgar (music)

christopher saunders, christina arestis, etc.


「エニグマ」はやっぱり泣いちゃった。涙のツボをしっかり押すんだもん。サウンダーズさん、アレスティスさん、ガートサイドさんのメインキャストは同じで、まわりの人が替わっています。でもやっぱりいい。本当にロイヤル・バレエのダンサーの演技は素晴らしい。最後、みんなの写真を撮って終わるのですけど、1回下ろした幕をもう一度、上げて写真を見せてくれます。ほんとに絵のような光景。
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サウンダーズさん、アレスティスさん、ガートサイドさん
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マルケスさんめちゃかわいかったぁ。うしろはアレスティスさん
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愉快な、気の置けない仲間たち
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-gloria

kenneth macmillan (choreography)
poulenc (music)
madeleine pierard (sp)

carlos acosta, sarah lamb, thiago soares, etc.


分からない作品を少しでも分かるようになるには、何回も観ることだけど、じっくり自分の中で消化できる時間をおくことが必要ですね。というわけで、やっぱり何を表現しているのか分からなかったのです。でも、最後、ひとりひとり舞台から消えていくのですが、なんだか不思議に清廉とした空間が心に残って、何かわたしの中で反応があったんです。でもまだ、それが何なのかは分かりません。いつかまた観る機会があったら、また少し何かを感じるかも知れません。そして、時間をかけていつか形になるのかも知れないし、やっぱり分からないのかも知れません。面白いですね。

ラムさんの横で何故かにやけてるティアゴさん。モレラさんも踊ってらっしゃいます(右)
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アコスタさんはもう、凄かった。なんか体の柔らかさしなやかさが違う。絶対お酢飲んでる
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by zerbinetta | 2011-11-19 23:59 | バレエ | Comments(0)

琥珀のように純化した想い出 ロイヤル・バレエ セクスタプル・ビル その1   

19.11.2011 @royal opera house

royal ballet triple bill

barry wordsworth / roc, oroh


ロイヤル・バレエのトリプル・ビル、土曜日のマチネとソワレ続けて2回観てきました。重くない演目なハズなのできっと大丈夫。たくさんの人が出るので、2回でロイヤル・バレエのプリンシパルを12人(予定されていたのは13人でしたが、ゼナイダさんが怪我で降板のため)も観れるのでお得。ゼナイダさんの降板はちょっと残念でしたが。

-asphodel meadows

liam scarlett (choreography)
poulenc (music)
robert clark, kate shipway (piano)

sarah lamb, leanne cope, yuhui choe,
johannes stepanek, josé martín, steven mcrae, etc.

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最初は、ロイヤル・バレエの現役ダンサー(ファースト・アーティスト)でもあるリアム・スカーレットさんの振り付けの「asphodel meadows」。死者の魂の休むところ。プーランクの2台のピアノのための協奏曲に振り付けられたこのバレエを観るのは2度目。去年、主役は同じキャストで観ています。なのに、さあ始まるぞ〜って頭の中に流れていた音楽と違った音楽で。わたしの頭の中の音楽、ピアノ協奏曲だったんですね〜。出鼻をくじかれつつも気分を持ち直して、第1楽章の速い快活な音楽はラムさんとステパネクさん。白黒の現代水墨画を思わせるような背景の中、照明を絞った舞台で、言葉のない静かな踊りが踊られます。わたしの見方が、まだしっかりしてないからだと思うんだけど、コンテンポラリーのバレエってわたしには無言劇のように感じられるのです。古典、例えば白鳥の湖とかマノンとかは、もう舞台からたくさんの言葉が聞こえるのに(もちろん言葉は発せられていないけど)、コンテンポラリーのはとっても静か。それが不思議に感じられるのです。ラムさんとステパネクさんの踊りはとってもきれい。ラムさんやっぱり上手い。そして音楽が、第2楽章に入ったのかなと思わせる、ゆっくりとした静かな最後。向かい合って立っているラムさんが、何か話したそうにしているステパネクさんの口を手でふさぐシーン。ああ、ここには言葉にしてはいけない秘密があるんだなと思いました。
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第2楽章になって、あっこの曲!とやっと思い出して、そうでしたそうでした、モーツァルトへのオマージュなのでした。そしてうっとりととろけるようなプーランクのハーモニー。もしかして、このバレエのテーマは、言葉にするとふわっと消えてしまう(生者への)想い出なのかも知れないって思ったのでした。この典雅でメランコリック(ふたつの対比する性格が過去と今をつなぐみたい)な楽章を踊ったのは、ファースト・アーティストのコープさんとファースト・ソロイストのマーチンさん。マーチンさんの踊り、最近ちょっといいなって思っているんですよ。そして、コープさんは胡桃のクララで最初に観て以来、なんだか応援してるんですけど、かわいい系の役が多いので、しっとりとした大人の役は珍しい。でも、この演目はもう何回も踊ってらっしゃるのでとても良かったです。
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第3楽章は、ユフィさんとスティーヴンさん。このふたりはもう言うことなしでしょう。ステキ。
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-enigma variations

frederick ashton (choreography)
elgar (music)

christopher saunders, christina arestis, etc.


エルガーの「エニグマ変奏曲」は音楽も大好き。作曲家が、親しい知人のイニシャルを曲に添えた音楽は、有名な「ニムロット」だけじゃなく、音楽全体に温かい想いが込められている。そしてセピア色の舞台も、幸福な想い出に満ちあふれてる。まるで絵のような静かな慈愛に満ちたバレエ。踊りが少ないのでバレエというより、演じられる舞台にも近いのだけれども、絶対にバレエ・ダンサーにしかできない舞台。そして、演劇的なバレエに他の追従を許さないロイヤル・バレエならではの作品。音楽もそうだけど、まさに古き良き時代の英国的。アシュトンって天才。
最近ちょうど江國香織さんの小説を読んだんだけど、その本の後ろに川上弘美さんが「江國さんのひみつ」と題して寄せている文章が、とってもわたしの気持ちを代弁してるんです。最初の段落を引用しますね。

このお話、わかる。
・・(略)・・
とにかく、わかるんだ。
いい匂いのするもの。少しだけしめったもの。でもさらさらとした手ざわりのもの。
深く、しみこんでくるんだ。それが。私だけにね。僕だけにね。

琥珀のように固く柔らかく純化していた子供の頃の想い出がわたしの中にくるくると浮かび上がってきて、静かに静かに溢れてくる涙が止まらなかった。音楽もいいし、舞台もいい、心が洗われるようなあたたかい時が流れました。

セピア色の舞台。真ん中のルーツさんがめちゃかわいらしかったです。後ろにいつものコープさん。
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このところ大活躍のカルヴェートさんとピカーリングさん
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ニムロットのガートサイドさんがステキでした。フィルピさんとマッカロックさん
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サウンダーズさんとアレスティスさんはエルガーとその婦人
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-gloria

kenneth macmillan (choreography)
poulenc (music)
anna devin (sp)

edward watson, leanne benjamin, heheniah kish, etc.

最後は、プーランクの「グロリア」にマクミランが振り付けたバレエ。この間観た、「レクイエム」の姉妹作品だと思うのだけど、実はちっとも分からなかったの。肌が焼けただれて」ぼろぼろになった感じの衣装、カッパみたいな帽子、あまり喜んでいる様子のない踊りは、神への讃歌「グロリア」からはかけ離れてる気がするし。よく分かっていないのに感想を書くのも難しいなぁ。でも、好きなんですよ。うんうん頭をうならせながら抽象画を観るもの好きだし、分からないものに挑戦するのって面白いじゃないですか。しかも踊ってるのは世界最高峰の人たち。踊りは、よく分かっていないわたしの心にも何らかの作用を引き起こすもの。特にプリンシパルの3人、その中でも特に、こういう踊りできらりと光るベンジャミンさんはステキでした。いつかこのバレエのことが少し分かってもっとちゃんと感想を書けたらいいな。

今日の指揮者はロイヤル・バレエの音楽監督、ワーズワースさん。オーケストラそして特に合唱はとっても良かったです。
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ベンジャミンさんとキッシュさん
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by zerbinetta | 2011-11-19 02:11 | バレエ | Comments(0)