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今シーズン前半のベスト音楽会   

2011/12年シーズン前半、わたしは34の音楽会、4つのオペラを聴きました。オペラは数が少ないので、シーズン終了後に改めて総括することにして、シーズン前半に聴いた音楽会からベストの音楽会を3つ4つ選んでみたいと思います。第3位とか順番付けるのは難しいので、特に印象に残ったものを順不同というか日付順で挙げますね。

ユロフスキさん/ロンドン・フィル レイフェルクスさんのバリトンでムソルグスキー・トリビュート

アバドさん/ルツェルン・フェスティヴァル・オーケストラ モーツァルト交響曲第35番、ブルックナー交響曲第5番

ゲルギー/ロンドン・シンフォニー ムターさんのヴァイオリンで、グバイドゥーリナ「今この時に」とショスタコーヴィチ交響曲第10番

エマールさん リストを巡る無調

サラステさん/BBCシンフォニー キクチさんハキイさんの独奏で、クルタークの「コンチェルタンテ」とシベリウスの交響曲第6番、第7番

ふふふ、うまく分散してくれた。ユロフスキさんとロンドン・フィルはそのプログラミングの鋭さと、ツィンマーマンの名演に心が動かされました。アバドさんとルツェルン・フェスティヴァル・オーケストラはもうむちゃくちゃ完成度が高いというか音楽の圧倒的な高みに。ゲルギー、ロンドン・シンフォニーは音の洪水のようなタコ10とムターさんを擁してのグバイドゥーリナの名演に。エマールさんはプログラミングの粋とリストのソナタの息を飲む演奏に。サラステさん、BBCシンフォニーは、日本人ふたりのソロでクルタークの完璧な音楽美とシベリウスの最後の交響曲の感動的な名演に。
これはわたしの趣味かも知れないけど、同時代の音楽の名演が耳を惹いたシーズンでした。どうしてもひとつを挙げなければいけないとしたら、エマールさんかな。1曲というなら、ユロフスキさんのツィンマーマン「静止と反転」かキクチさんハキイさんのクルターク「コンチェルタンテ」でしょう。

それにしても今シーズン前半でずいぶんとステキな音楽を聴きました。来年のシーズン後半がますます楽しみです。いったいどんなステキな音楽に出逢うんでしょう。ワクワクします。
ブログの更新。今年はここまでです。皆さん良いお年をお迎えくださいね。
また来年〜〜
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by zerbinetta | 2011-12-31 20:55 | 随想 | Comments(0)

今シーズン前半の音楽会 その6 あまりに圧倒的   

今シーズン前半を振り返る、ベスト音楽会ノミネイト。最終回は、リサイタルや室内楽。ピアノのリサイタルが7回、ヴァイオリンとピアノに2回行きました。王道の弦楽四重奏がひとつもないのは、弦楽四重奏苦手なわたしならでは。このカテゴリーは若手の音楽家を聴いたのが多いですね〜。ベストはあっさりと2つに決定。だってあまりにも圧倒的でしたんだもん。

9月23日 アリーナ、セドリック さん ドビュッシー、ルクー、シマノフスキ、ラヴェル
12月7日 エマールさん リストを巡る無調

まずは、めちゃ応援しているヴァイオリニスト、日本でも話題沸騰(?)のアリーナ。セドリックさんとのパートナー・シップも成熟。実はこの音楽会、はじめは聴きに行くつもりなかったんです。だって、どの曲もすでに聴いたことあるし、CDも最近出たから。でも聴きに行って本当に良かったぁ。若いアリーナとセドリックさんの日々深化していく成熟ぶりが聴けたんですもの。文句なし。本当に素晴らしかった。珍しくサインももらった(ってアリーナとセドリックさんのサイン2回目♪)音楽会でした。
エマールさんは、たくさん聴きました。ブーレーズさんの音楽を採り上げた1日の音楽会(ピアノのリサイタルは3回ありましたが1回に数えてます)とこのリストを記念する音楽会。全てを凌駕するような圧倒的な音楽会になりました。なんというか、真の芸術家というかもう次元が違いすぎ。エマールさんが作る音楽のブラックホールに吸い込まれて魂を取られた感じ。凄いもの聴いた。

この他にも、内田光子さんのシューベルトの最後のソナタ3曲も良かったんですけど、同じ曲を来年聴くので、これはそのときまで保留。ニキのベートーヴェンとブラームスのソナタの音楽会は、ステキだったけど、ランチ・タイム・コンサートと言うことで短かったので、今後に期待ということで外しました。アリス=サラさん、ブニアティシヴィリさん、ラ・サールさんは、これからに強く期待です。
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by zerbinetta | 2011-12-31 18:34 | 随想 | Comments(0)

今シーズン前半の音楽会 番外編 行き過ぎ?バレエ   

ベスト音楽会のランキングには入れないんですけど、今シーズン前半はせっせとバレエを観に行きました。数えてびっくり!なんと!20回(+リハーサル1回)。自分でもこんなに行ってるとは思ってませんでしたよ。
バレエは、見所がいろいろあるので一列に評価することはできないです。なので、印象的だったものをだらだらと振り返ってみます。
まずは、公演全体が心に残ってるもの。

11月5日 「マノン」 マリアネラさん、キッシュさん
11月19日 ソワレ 「トリプルビル」
9月20日9月24日 「ジュエルズ」

「マノン」は、昨シーズンからもう何度も観ています。そのどれもが素晴らしかったんですけど、昨シーズンマノン・デビュウを果たしたマリアネラさんのマノンがもうとんでもなく凄くて、腰を抜かしたように席から立てなくなってしまいました。特に、最後の瀕死のパ・ド・ドゥは、観ているのが辛くて辛くて。心にどっしりと重くのしかかる「マノン」でした。相手役のキッシュさんもとってもステキで、わたしの記憶に涙と共にいつまでも留め置かれるでしょう。ただ、「マノン」はこれが決定版かと言われればそうではなく、マルケスさんとマクレーさん、カスバートソンさん、昨シーズンのタマちゃんやコジョカルさんもそれぞれにとっても良かったので、全部また観たいです。
「トリプルビル」はわたしの大事なものが全部詰まった宝物の箱です。特に「エニグマ・ヴァリエイションズ」は、純化した想い出となって琥珀の中に閉じこめられた宝物です。リアムさんの「アスフィデル・メドウ」も、若いキャストのマチネのも良かったけど、プリンシパルが揃ったこちらのソワレの方がさすがに格が違う感じでした。
ジュエルズはキャストの違う2回観たんだけれども、どちらのキャストも甲乙付け難し。9月20日のは、ゼナイダさん、ラムさん、マクレーさんの「ルビー」が圧巻。ゼナイダさんの弾けた上手さが際だっていました。コジョカルさんの「ダイアモンド」ももうとってもステキ。まさに宝石です。24日の方は、マルケスさんの「エメラルド」、マリアネラさんとティアゴさんの「ダイアモンド」も良かったけど、ユフィさんの「ルビー」がゼナイダさんに負けず劣らずステキでした(違う役だけど)。

作品が印象に残ってるもの

10月8日 「マルグリートとアルマン」 タマちゃん、ポルーニンさん
10月14日 「レクイエム」 ベンジャミンさん

もうひとつのトリプルビルから、短い作品をひとつずつ、別々の日で。タマちゃん、ポルーニンさんの「マルグリートとアルマン」は2回観たし、どちらも良かったというか、パートナーリングは、2回目の日の方がしっくり来てたんだけど、あえて1日目を選んでみました。それは初めて観るので、心に突き刺さるものが大きかったからです。何回も観ると、細かいところ、より深いところにまで目が行くようになるんですけど、衝撃という意味では初めての回の方が大きいし、それを大事にしたいので。それにしても、タマちゃんのバレエの完成度はいつ観ても凄いですね。なんというか全く隙がなくて完璧さに圧倒されてしまいます。
同じトリプルビルの「レクイエム」はベンジャミンさんの踊りが大きな手で気持ちをがっしりと握られた感じです。彼女の表現の深さは、年を重ねてトップを走り続けている人にしか出せないものでした。涙だだ洩れ。

踊り手

もちろん、マリアネラさんがわたしの一番手なんですけれども他にも、

ひかるさん 12月1日 「眠りの森の美女」
茜さん、ヒンキスさん 12月18日 「くるみ割り人形」

日本人の大活躍です! ひかるさんは、いつも重要な脇役(「眠り」の青い鳥とか、「マノン」の諍いする娼婦(ユフィさんと)とか)でしっかりとした踊りを見せてくれていたのですけど、今回は主役のオーロラ。「くるみ割り人形」でも金平糖の精をステキに踊ってくれたけど、役の重さではこちら。で、思っていたのよりも遙かに良くって堂々とランク・イン。丁寧な踊りとローズ・アダージョのバランスの上手さはとってもステキでした。
茜さんは、残念なことにオーロラ・デビュウはできなかったんですけど、金平糖の精では魅せてくれました。落ち着いた貫禄さえ感じさせる踊りと美しいプロポーションは、これからの活躍を確信させるに十分です。この日はクララのヒンキスさんもとおっても良かったんだけど、「くるみ割り人形」はたくさんの踊り手が、いろんな日に役を変えたりして踊っているので、全てが揃ったキャストがなくて作品賞には挙げませんでした。どれもがそれぞれにいいし、観るととっても幸せな気持ちにさせられる演目なんですけどね。

その他にも、女性ではカルヴェートさんや、怪我から復帰したモレラさん、カラボスを踊ったマクゴリアンさんたちが印象に残っています。
男性では、やっぱり圧倒的なギャリーさん。彼が出ているだけで舞台が決まるし、脇役でありながら舞台を引っ張っていく力は随一。もう、凄すぎるとしか言いようがありません。同じ、プリンシパル・キャラクター・アーティストのサウンダーズさんも落ち着いた立ち居振る舞いで、特に「エニグマ・ヴァリエイションズ」のエルガー役はステキでした。ツイッターでも活躍中(?)のガートサイドさんも「エニグマ」のニムロット役がとっても印象に残っています。
って、こういうの書き始めたら切りがなくなりそう。というわけでこの辺でやめにします。シーズン後半もめちゃ楽しみ〜。
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by zerbinetta | 2011-12-31 15:32 | 随想 | Comments(2)

今シーズン前半の音楽会 その5 世界が震え鳴り響く   

ちょっとはしょって、そのほかのオーケストラの音楽会を。まず、フィルハーモニア。わたし的にはティンパニのスミスさんとフィオナちゃんのオーケストラなんですけど、どうもこのオーケストラ、凄く上手いんだけど、不定形で色のない、なんだか雲をつかむように感じます。主席指揮者サロネンさんよりも多彩な客演指揮者の方が目立ってる感じなのは、サロネンさんが振る機会が少ないからでしょうか。20世紀初頭のウィーン、バルトーク、そして今年は戦争関係ととっても魅力的な企画のシリーズをしているのでもっとサロネンさんに来て欲しいと願っているのですが、作曲に専念するために再来年、お休みなんですね。残念すぎ。
そのフィルハーモニア、なんと今シーズン前半の音楽会で聴いたのは1回だけです。前のシーズンからのマゼールさんのマーラーの交響曲全曲演奏シリーズは、後期の3曲、3回聴いているのですが。いや待てよ、その1回の音楽会も全シーズンからのバルトーク・シリーズの一環か。シーズン開幕音楽会だけれども。。。
サロネンさんのバルトーク「青髭侯の城」はとっても良かったんだけど、わたしが音楽を理解していないので、ここで推薦できるかはちょっと疑問。マゼールさんのマーラーからは、交響曲第9番の回が良かったけれども、これも、同曲を同じ演奏家で一昨年聴いているので、驚きはなし。ということで、フィルハーモニアからはノミネイトなしということに。シーズン後半をぜひ期待したいです。

啓蒙時代のオーケストラは、もともと音楽会の回数が少ないので聴いたのは1回だけ。ブリュッヘンさんの健在ぶりを確認した、ハイドンやシューベルト等の音楽会です。この音楽会、とおっても愉しかったんだけど、ベスト音楽会にノミネイトするのにはちょっとパンチが足りないかな。ほんわかとした気分にさせられたとっても良い音楽会ではあったんだけど。

その他、ロイヤル・フィルハーモニックの音楽会はまだ聴いてないし、ロンドンの小さなオーケストラの音楽会も聴いていません。なので最後に、外国のオーケストラ。これはのべ3回聴きました。地元中心主義なので外国の団体の音楽会は優先度低いんです。
ブーレーズさんの自作自演のアンサンブル・アンテルコンテンポラン(+ルツェルン・フェスティヴァル・アカデミー)の音楽会とアバドさんとルツェルン・フェスティヴァル・オーケストラの音楽会が2回。どちらも良かったんだけど、圧倒的に素晴らしかった(というか圧倒された)アバドさんの方をノミネイト。メインが同じ音楽会を2回聴いたんだけど、アバドさんの音楽の自由度をより楽しめた、2日目の方、モーツァルトとブルックナーの音楽会を挙げます。

10月11日
 アバドさん/ルツェルン・フェスティヴァル・オーケストラ モーツァルト交響曲第35番、ブルックナー交響曲第5番

いやはや、この音楽会では音楽の魔力的な凄さを打ちのめされました。音楽で癒されるってよく聞くけど、これは正反対の音楽によって心の深いところががらがらと揺り動かされる、しばらく音楽は聴きたくなくなるような体験でした。
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by zerbinetta | 2011-12-30 20:46 | 随想 | Comments(2)

今シーズン前半の音楽会 その4 音楽家族   

BBCシンフォニーは、どういう訳か人気はいまいちなんですけど、実はとっても上手くていつも充実した演奏を聴かせてくれます。実力的には、ロンドン・シンフォニーに次いで2番目。このオーケストラも高値安定状態。玄人好みのオーケストラと言えそうです。お客さんも音楽を良く知っている音楽ファンが多い感じで、音楽会場もオーケストラとお客さんに不思議な家族的な一体感がある感じで、とっても好きです。バービカン・ホールでの音楽会は、1シーズン、20回くらいとロンドン・フィルやロンドン・シンフォニーなどと比べて少ないので、今シーズン前半、わたしが聴いたのは4回。今シーズンは、シベリウス交響曲全曲演奏シリーズがあるので、そのうちの2回はシベリウス、そしてブルックナー(今年いろんなところで聴いてます)、大好きなメシアン。その中からベストを選ぶとすると、うんうん悩んだ末に、

12月16日 サラステさん指揮、キクチさんハキイさんの独奏で、クルタークの「コンチェルタンテ」とシベリウスの交響曲第6番、第7番。

これはほんとに悩んだんですよ。主席指揮者のビエロフラーヴェクさんのブルックナーの交響曲第4番(この音楽会の独奏者はアンスネスさん♡)も良かったんだけど、この曲は、前にハイティンクさんとロンドン・シンフォニーで圧倒的な名演を聴いてるし、今シーズンもロンドン・フィルが面白い演奏をしていますからね〜、ちょっと不利。
メシアンは、とっても良かったけどわたしのタイプとは少し違ったの。シベリウスも、清廉なというより重く透明な不凍水のような印象の音色で、それもわたしの好みの音ではないのだけれども、それを越えて胸に来るものがありました。サカリさんの交響曲第3番とコムシさんの独唱でのサーリアホさんとシベリウスの歌曲を演った音楽会もとっても良かったんだけど、わたしは、作品の重さもあってサラステさんの音楽会を選びました。このときのキクチさんとハキイさんを独奏者に迎えたクルタークの演奏もめちゃ良かったですからね。この音楽会休憩前ですでに感激してました。
BBCシンフォニーの音楽会は、来年の方が多いので楽しみです。シベリウス・シリーズの続き、ここ3年ステキな演奏を聴かせてくれてるビエロフラーヴェクさんのマーラー、そしてお得意のお国もののドヴォルジャークのオペラ。秘かに大好きなゾンビ指揮者の登場にも心をよせるものがあります。
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by zerbinetta | 2011-12-29 21:50 | 随想 | Comments(0)

今シーズン前半の音楽会 その3 オペラ   

最近、わたしはオペラはもう現代人には難しいかなって考えています。言葉(物語)を歌に乗せなければならないので、どうしても長くなるんです。それが忙しい現代人の時間感覚にもう合わなくなってるように思えるんです。劇場で3時間も観ているのは、少し辛い。暇なわたしでも、仕事のあとに駆けつけて、おなかを空かせて観劇、夜中に家に帰って次の日仕事というのは、お歳のせいか体力的に辛い。USにいたころは、週末泊まりがけでメト通いしていたので、昼間はホテルで寝てるという優雅なオペラ生活だったのに、ここでは日々の暮らしの一部となってしまったので、あまり観に行っていません。今シーズン前半はたったの4回。しかも、ロイヤル・オペラばかりで、イングリッシュ・ナショナル・オペラやロイヤル・オペラ・ハウスのリンバリー・スタジオには行ってません。シーズン後半はもうちょっとがんばらねば。

というわけで、少ない中から選ぶベスト・オペラは、パッパーノさんのプッチーニ3部作も良かったんだけど、やっぱりオールスター・キャストの「ファウスト」9月28日を挙げましょう。
大好きなパペさんに、抱かれてみたいホロストフスキーさん、タイトル・ロールにわたし的には若手1番テナーのひとりグリゴーロさん。という豪華男声陣。ゲオルギューさんは、わたしはうんと大好きというわけではないけれども、彼女の凄さをまざまざと見せつけられて、カーテンコールでのみんなの弾けっぷりも印象的だったこの公演を挙げることに躊躇はありません。ピドさんのオーケストラと合唱(ロイヤル・オペラの合唱はとっても上手いと思います)も素晴らしかったですしね。
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by zerbinetta | 2011-12-28 12:19 | 随想 | Comments(2)

今シーズン前半の音楽会 その2 ビロードのような肌触り   

さて、ロンドンのオーケストラのもうひとつの雄、間違いなく世界でもトップのオーケストラのひとつでもあろうロンドン・シンフォニー。オーケストラの音色が柔らかくてビロードのような肌触りだし、各パートに上手い人がいて穴がない(今のところ穴は、一人しかいないオーボエかな)。わたしもロンドンで一番上手いオーケストラであることに異論はありません。高値安定。得意分野でオーケストラを引っ張る主席指揮者のゲルギー、そして、それを補完するように古典作品で典雅なクラシカル・スタイルの音楽を聴かせてくれる総裁のサー・コリン。おふたりの見事なバランスの上に多彩な客演指揮者を迎えます(残念なことは主席客演指揮者のハーディングさんの音楽会が今シーズンはとても少ない)。
あまり聴きに行っていないと思いきや、今シーズン前半は5回の音楽会を聴きました。そのうち3回がゲルギーのロシアもの、あとの2回が今はまだ珍しいふたりの才能ある女性指揮者です。悔しいことに楽しみにしていたサー・コリンと内田光子さんのベートーヴェン、ピアノ協奏曲、ニールセンの交響曲シリーズは体調不良のため聴き逃してしまいました。ああ、もったいない。

ロンドン・シンフォニーの今シーズン前半のベスト音楽会のノミネートは意外とあっさり、簡単に決まりました。ずばり、

11月27日 ゲルギー指揮、ムターさんのヴァイオリンで、グバイドゥーリナ「今この時に」とショスタコーヴィチ交響曲第10番
次点は
11月4日 オルソップさん指揮、オネゲル「火刑台上のジャンヌダルク」

でした。
ゲルギーのチャイコフスキー交響曲第4番や第5番も良かったんですけど、これらにはまだ伸びしろがあると思いました(第5番は前に聴いたときとは少しスタイルを変えているのだけどまだ発展途中という感じもしました)。タコは、圧倒的な音の勢いでまさに完璧な演奏。プログラムの前半に奏されたムターさんをソリストに迎えたグバイドゥーリナの曲も、ムターさんの神がかったような演奏と共にとても強い印象を与えてくれました。
オネゲルの「火刑台上のジャンヌダルク」は、曲が大好きなので点数高いのですが、それをとってもステキに柔らかく演奏してくれました。語りの人たち(主に役者さん)、合唱もとっても良くて、オルソップさんもとても良く音楽をまとめていたと思います。ただ、いつまでも女性の社会への先駆者をジャンヌ・ダルク呼ばわりするのは。。。自然に男女が社会の中で働けるのはまだ先なのでしょうか。
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by zerbinetta | 2011-12-27 23:59 | 随想 | Comments(2)

今シーズン前半の音楽会 その1 勢いのあるオーケストラ   

ロンドンにはフル・サイズのシンフォニー・オーケストラとしてメジャーなものが5つあります。どのオーケストラもすぐれた指揮者やソリストを迎えて演奏し、CDもたくさん出している世界でもトップ・クラスのオーケストラだと思います。それは、ロンドン・シンフォニー、ロンドン・フィルハーモニック、フィルハーモニア、BBCシンフォニー、ロイヤル・フィルハーモニックです。その中で最も上手いと思うのが、ロンドン・シンフォニーで次にBBCシンフォニーが続くと思うんですけど、でも、どのオーケストラもそれぞれに個性があってステキです。そしてわたしが一番大好きなのは、前にも書いたことがあるけれどもロンドン・フィルハーモニックです。なにしろロンドン・フィルの最近の勢いったら凄い。そして、これって今30代半ばの若い主席指揮者、ユロフスキさんの成長とまさに同時進行中。それが勢いのある原因のひとつです。
そのユロフスキさん、今シーズン前半は8回の音楽会に行ったのですけど、その半分を指揮しています。ロンドン・フィルの主席指揮者度はロンドンのオーケストラの中で1番高い。それが、指揮者とオーケストラの関係を緊密に保っているのですね。そして、ユロフスキさん、かなりオーケストラを締め上げてトレーニングする方にお見受けします。要求する音楽が高くて、妥協を許さずに完璧に仕上げてくる感じ。ぐいぐいと音楽を引っ張っていく若さがあって、それが、ユロフスキさんにもオーケストラにもとっても上手くいってるように思えます。客演する指揮者も多彩で、主席客演指揮者のネゼ=セガンさんも、ユロフスキさん同様に今一番充実している若手指揮者のひとり。他にも、エッシェンバッハさんとかヴァンスカさん等、常連の方たちも素晴らしい。
それに、何故かロンドンで一番人気のあるオーケストラなんですね。お客さんの動員数は、ロンドン・シンフォニーよりも多いと思います。ロンドン・シンフォニーでは、マイナーな指揮者、マイナーなプログラムでは空席が目立つんですが、ロンドン・フィルは意外と人が入ってる。これはちょっと不思議。マニアックなお客さんが付いてるってことかしら。わたしのようなクラヲタ御用達?

そんなユロフスキさん、今シーズンはとにかくマニアックなプログラムでクラヲタのツボを攻めてきます。開幕からして、ムソルグスキーへのトリビュートで、ムソルグスキーのマイナーな作品に、現代作曲家の作品を加えたもの。その次も、プロメテウス特集で、またまたマイナーなスクリャービン等、そして、多分今年から採り上げるブルックナーの交響曲、始まりは第1番でした。ロンドン・フィルって何故か、ブルックナーの交響曲の演奏が多いオーケストラなんですよ。昨シーズンまでにすでに、第6、7、8、9番と聴いていますが、何故か今シーズンは多くて、第1、4、7、9番と4回も音楽会があります。1シーズンに4回もブルックナーの交響曲が演奏されるなんて多すぎですよね。
今シーズン、ヴァンスカさんが採り上げた交響曲第4番はなんと1888年版。むちゃ面白かったです。

さあ、今シーズン前半のベスト音楽会のノミネートをしましょう。と、8回の音楽会を振り返ってみると、どれもステキに思い出されてしまって、1番が決められないのはわたしの欠点。そこを何とかがんばって、

印象的な作品演奏部門
ツィンマーマン、オーケストラ・スケッチ「静止と反転」 ユロフスキさん
ブルックナー部門(えっ?!)
交響曲第4番 ヴァンスカさん
たこつぼ部門
ショスタコーヴィチ、交響曲第8番 ズウェーデンさん

印象的な作品では、ツィンマーマンの作品の他にも、トランペット大活躍のピンシャーさんの「オシリスへ」や、アンダーソンさんの「ファンタジア」(どちらもユロフスキさんの指揮)もあったんですけど、圧倒的な名演奏と言うことで「静止と反転」が図抜けてました。
3回聴いたブルックナーは、どれも本当に素晴らしくて(特にエッシェンバッハさんの交響曲第7番の演奏は素晴らしかったです)、選ぶのが難しかったんですけど、エッシェンバッハさんのときはオーケストラに少し限界を感じてしまったし、ユロフスキさんの交響曲第1番は、まだこれからがあると思うので、めちゃくちゃ面白かったヴァンスカさんの交響曲第4番もどきを選びました。
タコは、これ1回だけだったんですけどあまりに名演。アグレッシヴな疾走感が圧倒的でした。
他にも、ユロフスキさんと古典の相性の良さを誇示した、ベートーヴェンの「アテネの廃墟」とモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番(ソロはヤンセンさん)も素晴らしかったです。特に、モーツァルトへの適性を示した後者は今期の新しい発見。これからユロフスキさんのモーツァルトが楽しみになる音楽会でした。

で、ベスト音楽会を選ぶとすると、
9月21日のシーズン・オープナー ユロフスキさんの指揮とレイフェルクスさんのバリトンでムソルグスキー・トリビュート
10月26日 ズウェーデンさんの指揮、ブレハッチさんのピアノでショパンの協奏曲とタコ8
次点に
11月16日 ヴァンスカさん指揮、ヤンセンさんのヴァイオリンでチャイコフスキーの協奏曲とブルックナーの交響曲第4番
12月3日 ユロフスキさん指揮、ヤンセンさんのヴァイオリンでモーツァルトの協奏曲第5番、チャイコフスキーの「マンフレッド交響曲」

を挙げてこの稿を終わりたいと思います。選ぶの大変。ふうう。
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by zerbinetta | 2011-12-27 14:29 | 随想 | Comments(2)

オペラと裸   

今日はクリスマスですね。わたしとはあえて別世界の出来事なので、全然関係のない話題を。USからヨーロッパに行ってずいぶんと違うなぁと思ったことのひとつは、女(男)の人の裸。街で男女が裸でいるとか、そんなことではもちろんなく(そういえば、ロンドンで裸で自転車に乗るというイヴェントがあったなぁ。わたし見れなかったけど)、ヌードの扱いについて。USでは、ヌードに関する規制が厳しくて、地下鉄でヌード写真の入った雑誌なんかを読んでる人はいません。一方、ロンドンでは、夕刊紙に女の人のヌード写真が載ってることもあるし、それを地下鉄で読んでる人もちらほら、わたしもそれをちらちら。そういうことに関して大らかです。
それはオペラとかも。例えば、USのメトでは、オペラでも裸のシーンはほとんど出てきません。わたしが7シーズン観た中でいわゆる裸の人が出てきたのは、オーソドックスな演出を好む劇場のせいか、「サロメ」の踊りの最後のシーン、1回だけでした(それも衣装を脱ぎ捨てたとたんに舞台が暗転したので実際ヌードがあったのかはよく分かりません)。「アルジェのイタリア女」の中でも裸の女性が部隊から走り去るシーンがあったけど、これは裸に見えるコスチュームだったと思います。ワシントン・ナショナル・オペラでは皆無です。対してロンドンでは、観た数はUSでより遙かに少ないんだけど、舞台に全裸の男女が登場することは、たまにあります(ヌード・ショウではないのでいつもじゃないよ)。サロメは裸にならなかったけど(いえ、なったかもしれないけど、わたしからは見えませんでした)、舞台には全裸の女の人が出ていたし、アディスのオペラでは全裸の男の人が出ていました。来シーズン再演される「リゴレット」は、すでにDVDになってるけど、最初のパーティー・シーンが猥雑で全裸の男女が登場します。あっそうだ。これ、日本で発売されてるのはどうなってるんだろう?ぼかしが入ってるのかな?
もちろん、オペラですから、ことさらに裸を強調することもないし、歌手の裸を観てもあまり嬉しくないと思うんだけど、わたしは、芸術上の自由は保たれていた方がよいと思うんですね。必然的な手段は、なるべく制限なくできるように。日本はどうなんだろう?オペラのDVDにぼかしは入れて欲しくないし、必要であればオペラの中に裸の人が出てきてもいいと思うけど。日本は何でもかんでも(英語でも)アメリカの真似をする傾向にあるけど、世界は広いんだし、いろんな考え方があった方がいいなって思います。いいことは積極的に真似して、悪いことは真似しないように。と、ヨーロッパに出てわたしも初めて気がついたのでした。
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by zerbinetta | 2011-12-25 23:57 | 随想 | Comments(2)

自分の首を絞める予告   

年末ですねっ! 年末と言えば、今年の○大ニュウスとか何とか大賞。というわけで、今まで一切何も振り返ったことのない我がブログでも、そんな企画をやってみようかな、なんて思ってみたり思わなかったり。実は、そういうことに無関心なわけじゃなくって(ネタのないとき便利だし)、ただ、わたしの音楽会サイクルというかロンドンの音楽会サイクルって、秋始まり夏終わりだから、そういう企画は秋からのシーズン始まる前って思ってたの。でもそうするとプロムスはどっちだ?ってなったり、9月の始めにもちょこまか音楽会あったり、ってぜ〜んぶ言い訳なんだけど、結局、やろうと思うもめんどくさくなってやってなかったのね。そう、計画倒れのまるで消極的な理由。これじゃいかんと年の終わりに一発奮起、今年はやってみようかなとここに予告して自分の首を絞めるわけです。でも、今年良かった音楽会、じゃなくって、今シーズン前半良かった音楽会にします。9月からだったら選ぶの簡単かなってことで。思い立ったら吉日という言葉をあっさり裏切って、そのうち始めますね。あけましておめでとうと言われる前に。きっと。
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by zerbinetta | 2011-12-19 07:02 | わたし・ブログ | Comments(2)