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ブルヲタにはなれない ハイティンク、コンセルトヘボウ ブルックナー5   

20.05.2012 @barbican hall

bruckner: symphony no. 5

bernard haitink / royal concertgebouw o


ハイティンクさんのブルックナーはわたしには不思議です。去年のロンドン・シンフォニーとの交響曲第4番はこれ以上ないと言うくらいにステキで大のお気に入りの演奏なんですけど、一昨年のシカゴ・シンフォニーとの第7番はちっとも共感できなかったし、10年くらい前に聴いたウィーン・フィルとの第8番は、まあ普通ね、という感じでした。なんだか一定しません。
今日のロイヤル・コンセルトヘボウとの第5番は、正直に言うとわたしとは相性悪かったです。

バービカン・センターに着いたら入り口のところにカメラマンがたくさん。おっ!わたし?なんて冗談にうんざりしている皆さんごめんなさい。カメラマンが狙ってたのは、オランダの王女さま、マキシマさん。それはもうミーハーなわたし、誰が来るのか見てみようとちょっとだけ待ってみました。と言っても1分ほど足を止めて、もういいやと思って歩きかけたら来られてので近くで見ました。シンプルなドレスで、言われなければ、一般の人と区別はつかないそんな感じの人でした。あとで調べたら、有名な方だったんですね。結局、彼女たちはわたしの近くの席に座って聴いてました。エリザベス女王のダイアモンド・ジュビリーの晩餐会にも出席してたのかしらね。いきなりブルックナーだなんて、寝ないで聴いてるのが大変そう。もしかして彼女もブルヲタさんだったりして。
わたしの席は今日は安い3階席だったんですけど、ホールに行ったら係の人が良かったらと、2階の席に席替えしてくれて、しかもセンターの結構良い席。ものすごくお得!ラッキー。

閑話休題。
ハイティンクさんとコンセルトヘボウの演奏は堂々としていて、王道のとっても良い演奏だったと思うんです。管楽器はサポートなしの最低限の人数のオーケストラは上手いしとても良く鳴ってる。ハイティンクさんの解釈も、つべこべと何もせず、泰然自若していて、多分、まさにブルックナー好きの好きそうなブルックナー。ブルックナー男子ってきっとこういう演奏を好むんだろうな、と思った。わたしにはそれが普通のことに思えるし、今日の演奏素晴らしかったと、言われれば、うんそうよねって同意すると思う。でもどこか、乗れないでいるわたし。
それがなんなのか考えながら聴いていたのだけど、多分、真面目すぎるんだと思う。頑固おやじ風というか。拍子をひとつひとつ等分に置いていくようで、伸縮する歌がない感じ。ブルックナーにそれはいらないと、言う人も多いと思うけど、不真面目でいい加減なわたしには、ちょっと息苦しいし、もうちょっと艶があってもいいと思っちゃうんです。乾いたは虫類の抜け殻感。脈々と流動する命が欲しいんです。ま、正規の男子ブルヲタの皆さんに言わせると、石造りの教会のような強固な構築感が良いというのでしょうが。
これは多分、ウィーン・フィルとの演奏のときも思ったこと。オーケストラが自分の音楽を持っているときはハイティンクさん、任しちゃうのかな。ロンドン・シンフォニーは指揮者の要求に応えて柔軟に演奏するから、かえって上手くいったのかも知れませんね。今度、ロンドン・シンフォニーで第7番を演奏するからそのとき、答えが分かるかもしれません。と思ったら、その日、わたしは別の音楽会のチケット持っているのでした。売り払って、ブルックナー聴きに来ようかしら。なやむぅ〜。
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by zerbinetta | 2012-05-20 08:05 | 海外オーケストラ | Comments(6)

輝く若手 ヴァルチュハ、フィルハーモニア   

19.05.2012 @royal festival hall

mozart: don giovanni, overture
dvořák: cello concerto
tchaikovsky: symphony no. 5

alisa weilerstein (vc)
juraj valčuha / po


先日のフルシャさんに続くチェコの若手指揮者シリーズ(?)、今日はユライ・ヴァルチュハさん。35歳くらいなので実はフルシャさんよりも年上なんですね。そしてチェコの指揮者なんて紹介しちゃいましたが、違います、スロヴァキア出身の指揮者さんでした。今日初めて聴きます。

始まりのモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」の序曲は溌剌とした感じで良い!なんだかオペラの幕が開いてオペラを観たくなる感じ。今日はオペラの幕は開きませんでしたが、ステキな音楽会の幕は開きました。この短い序曲で、ヴァルチュハはわたしのハートを鷲掴み。この指揮者、良さそう!

ドヴォルジャークのチェロ協奏曲はドボコンとして有名な曲。チェリストはワイラースタインさん。若いUSのチェリスト。チェロの音色は大好きだけど、この曲を聴き始めて、わたし、チェロについてちっとも知らないって思ってしまいました。彼女が上手いのか普通なのかよく分からないの。多分、はっとされられるとても凄いものがなかったからなんだとは思うのだけど、音楽に不満があったと言えばそんなことないと言い切れるし。技術はしっかり安定していて、音楽も過不足ないんだけどな。そのまとまりの良さがかえって、安定しすぎてわたしはプラス・アルファがないと感じちゃったのかしら。白いご飯がおいしくてもおかずに目を奪われて、そのおいしさを忘れてしまうように。だとしたら聴き方間違ってるよね。
バックのヴァルチュハさんのオーケストラはとっても良かったです。ほら、おかずに目が行っちゃってる。あっほんとは協奏曲なのでオーケストラがご飯で、チェロがおかずなんですが。。。

チャイコフスキーの交響曲第5番がこれがもうステキな演奏でときめいた。チャイコフスキーの甘美な音楽なのにそんなことには目をくれず、速めのテンポでざくざくと切り進んでいく。要所要所盛り上がるところを、リタルダンドしないで、反対にアチェレランド気味にクライマックスを作っていたのも新鮮で素晴らしい!ある意味カラヤンみたいに格好良い演奏だけど、カラヤンのレガートとまるで反対に音符はマルカート気味だし、もうなんだかとっても意表を突く斬新さ。わたし的には納得の最高のチャイコフスキー。今日もホルンはケイティさんで、ソロは素晴らしかったし、オーケストラも開放感たっぷりにすかっと鳴って気持ちがいいの。ユロフスキさんやネゼ=セガンさん、ハーディングさんなんかと同世代。この世代、きら星のごとく未来の巨匠の原石が多いけど、ヴァルチュハさんも間違いなくそのひとり。どこか一流のオーケストラの主席指揮者に迎えられないかしら。若い音楽家が多いバイエルンなんてどうかしらね。ヤンソンスさんはコンセルトヘボウに専念して。それか、日本のオーケストラもこういう活きのいい若い指揮者を主席に呼べばいいのに。我が札響なんてどうかしら。遠い異国の日本は難しいのかな。

内容には関係ないけど今日のフィオナちゃん
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ヴァルチュハさん、イケメン♡
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by zerbinetta | 2012-05-19 23:28 | フィルハーモニア | Comments(0)

パンチラにときめき♡ ロイヤル・バレエ、ドレスリハーサル「王妃の舞踏会」「ラ・シルフィード」   

19.05.2012 @royal opera house

ballo della regina

verdi (music)
george balanchine (choreography)

marianela nuñez, nehemiah kish
beatriz stix-brunell, yuhui choe, emma maguire, samantha raine

la sylphide

herman løvenskiold (music)
august bournonville / johan kobborg (choreography)

alina cojocaru (the sylph), steven mcrae (james)
kristen mcnally (madge), emma maguire (effie), valentino zucchetti (gurn), etc.

daniel capps / oroh


「王妃の舞踏」と「ラ・シルフィード」のドレス・リハーサルを観に行きました。ドレス・リハーサルはオペラ・ハウスのフレンズ会員になるとチケットが買えて、カメラマンが入るのでシャッターの音はうるさいけど、安いのでお得なんです。それに、よくダンサーの方も観にいらしていて、普段着の彼らを見れるので嬉しかったり。今シーズンは、ほんとは、「パゴダの王子」のリハーサルが観たかったのだけど(発売日初日に買えるのは下っ端フレンズでは1枚だけ)、最初っから良い席が売り切れていたので、まだ良い席があったこちらにしました。今回のドレスリハーサル、何故か激戦。いつもこんなことなかったと思うのだけど。でも、会場に行ったら今日はファースト・キャストのリハーサルだったのでラッキー!
リハーサルだし、ダンサーの皆さんも100%で踊ってるのではないので、感想は書きませんね。
わたしとしては、「ラ・シルフィード」の舞台がスコットランドなので、実は観るまで、前に見た「レ・シルフィード」と勘違いしてたので舞台を観てびっくり(と言うか音楽が違ってびっくり)、男の人もスカート!!!ああ、マクレーさんが、ズチェッティさんが、スカート!!くるくる回るごとにパンツがちらりと見えて、スケベ心が♡男子がパンチラ見て喜ぶ気持ちが分かったよ。あああ、これから楽しみだわぁ。

ネラ(マリアネラさん)とキッシュさん(王妃の舞踏会)
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(ラ・シルフィード)
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コジョカルさんは本物の妖精みたい(ラ・シルフィード)
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コジョカルさん、マクレーさん、マクナリーさん。マクレーさんのスカート&ハイソックスに♥
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by zerbinetta | 2012-05-19 00:19 | バレエ | Comments(0)

カフェで油を売ってるおっさん ガッティ、フィルハーモニア マーラー5   

17.05.2012 @royal festival hall

wagner: parsifal, prelude and good friday music
mahler: symphony no. 5

danielle gatti / po


ダニエレ・ガッティさんを聴くのは久しぶり。何年か前、ロイヤル・フィルハーモニックを退任するお別れ音楽会でマーラーの交響曲第9番の神がかった演奏を聴いたことがあります。今日はそのロイヤル・フィルではなくフィルハーモニアと。さてどうでしょう?

ガッティさんって確か、売り出しの頃はイケメン指揮者の部類で売り出していたように思うけど、今ではすっかり貫禄ついて、イタリアのカフェで朝からコーヒー飲んでくだ巻いてるおっさん風。そんなおっさんでも音楽は超一流。ということ再確認したというか、圧倒されました。
もうこういう人って、いるだけで空気が変わっちゃうんですね。パルジファルの前奏曲と聖金曜日の音楽。どこが凄いのか言葉に出来ないんだけれども、知らず知らずのうちに(まさに言葉もなく)音楽に引き込まれてしまうのです。実は、わたし、あとでブログに書かなくちゃと、言葉を探しながら斜に構えたりして聴いてるんですけど、そんなへなちょこな批判精神など瞬時に粉砕してしまう本物の音楽。言葉を失ったわたしは、ガッティさんって唸る唸る、オーケストラの楽器よりうるさいくらいとか、カフェのカウンターにいるおっさんとか、全然音楽に関係ない周辺で言葉を拾う。なんたるへたれ。
でも、何かを拒絶するような神聖な空間が広がったんですよ。ワグナーのパルジファルはそんな音楽だし。パルジファルは、ワグナーによる言葉がないと、ある意味宗教を越えた神聖な音楽なんですね。変な宗教観を取り払って音楽のみにしてしまうととってもステキ。フィルハーモニアには最近本気出してきた感があって、この1年くらいオーケストラが脱皮していくような勢いがあるんですけど、今日もガッティさんに応えて素晴らしい音で弾いていました。

心が清らかになった気分で休憩を終えて、マーラーの交響曲第5番。同じフィルハーモニアでは、昨年マゼールさんの指揮で聴いています。それはもう変態的な演奏で大好きだったんですけど。ガッティさんのこの曲は、確かCDで発売されたとき(多分ガッティさん最初のマーラーの録音だったと思います)、とっても評判が良かったのを覚えていて、期待しました。そしてそれはもう期待以上の音楽が。

ガッティさんの演奏は、あたかも初めてその曲を演奏するように、瞬間瞬間音楽が生み出されるように演奏されていく。多分リハーサルで練習したのとは少しずつ変えているのでしょう。ときに激しく唸り声を上げて、ときに左手で大きく表情を付けて、体全体、というよりも目に見えるようなオーラを発散させてオーケストラを鼓舞したり、抑えたり、生まれ出てくる音楽を一粒残らず音へと解き放っていきます。予定調和的ではなく、憑き物が憑いたようなわき出してくる霊感。でも決して、変にルバートかけてるとか、アザとらしいアゴーギグとかディナーミクの変化を付けるとか、そんなことは一切していなくて、流れる川のようにとても自然。そこには、マーラーの音楽だけあって有無を言わさず引き込まれてしまう。何とかして具体的な言葉にしたいけれども言葉にならない。音楽を説明するのに音楽以外で出来るはずがない、と居直ってしまう。言葉にしようとすればするほど音楽から離れていく。前に聴いた交響曲第9番のときも、神が降りてきたと感じたけど、今日も音楽の神様がガッティさんに舞い降りてきた。凄い。音楽の司祭。

ガッティさんの表現自体はほとんど奇をてらわず、自然体。でも、1音1音の表現の深みが底なしで、円熟という言葉がそのまま目に浮かびました。変わっていたのは、第3楽章の最後をうわっと叫びそうになるくらいの速いテンポで駆け抜けたこと、アダージエットがまさにアダージエット(アダージョでない!)で風が通り抜けるように爽やかに演奏されたことかな。この速めのテンポのアダージエットがほんとにステキでした。旋律がフィナーレに再現されるのでとっても理にかなっていると思いました。オーケストラも快調。特にホルンのトップのケイティさん(ブログ友達のMiklosさんご執心)の柔らかな音と言ったら。まさに今日は彼女の独擅場。素晴らしかったです。

この曲の最高の演奏を聴いたような気がします。ガッティさん素晴らしすぎ。

といいつつ、やっぱりカフェでくだ巻いてるおっさん
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ケイティさんと後ろで酔っぱらって拍手してるおっさん(ご存じティンパニのスミスさん!)
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by zerbinetta | 2012-05-17 23:53 | フィルハーモニア | Comments(0)

まっすぐなバッハ イザベル・ファウスト ランチタイム・コンサート   

17.05.2012 @lso st. luke's

bach: sonata no. 1; partita no. 3; sonata no.3

isabelle faust (vn)


LSOセント・リュークでのランチタイム・コンサート・シリーズ。バッハです。今日はイザベル・ファウストさんのソロで、バッハの無伴奏ソナタの第1番と3番、パルティータの第3番です。ファウストさんは、そういえばこの間モーツァルトの協奏曲を聴いたばかり。ショートカットで小柄なステキなヴァイオリニストさんです。音楽がとっても素晴らしい。

わたしの大好きなヴァイオリニスト、アリーナが囁くようなバッハの無伴奏とすると、ファウストさんのは語るよう。少し声が大きくて、でも演説したり歌ったりするのではなく、歌うように語る、柔らかなシュプレッヒ・ゲザング。それがお昼の寛いだ感じの音楽会にとっても合っていて良いのです。というと、肩の凝らない癒し系のバッハかというとそうではないんです。
わたしの彼女のイメジは、というか、彼女の演奏を聴く前に、どなたかのブログで彼女を絶賛しているペイジで見た、彼女のバッハの無伴奏のCDの小さな写真のイメジを明らかに引きずっているのだけど、道場で竹刀を持って凛と立っている女性。もちろん、大きな写真で見ると、着ているものは胴衣ではないし、持ってるものも竹刀ではなくヴァイオリン。でも、サムネイルで見るとどうしてかそう見えないんですよ。そのまっすぐな凛としたたたずまいが、彼女のイメジについて回るんです。そのイメジは、半分当たってます。彼女のバッハはとっても真っ直ぐ。丁寧に丁寧に音を紡いでいく。ソナタ第3番の有名な長大なフーガは、それぞれの声部の入りにさりげなくアクセントを置いて追いかけっこの姿を明快に聴かせてくれます。控え目だけど豊かな音色もステキで、大仰にならないところが好き。

とは言っても、彼女のバッハ、求道的で聴いていると、音楽の精神的な重厚さに押しつぶされるような演奏ではないんです。前に書いたように柔らか。かくかくときっちりとした楷書体の演奏ではなくて、草書体。というよりもひらがなの柔らかさ。音楽が自然に流れて、その流れに心地良く漂っていられる。そして、にっこりと笑顔で弾いた、パルティータのガボットがもうとってもステキで愉しくって、ああ、バッハってこんなにも優しい音楽なんだなって思った。彼女はバッハを弾くのを心から楽しんでる。そしてなんだかお昼の太陽のように明るくなるのが彼女の長調のバッハ。バッハって、なんだか頑固で、正統とか、精神的な深遠とか、難しいことを言われて、わたしはそれがとっても苦しくて苦手だったんだけど、バッハの崇高な精神と優しさ、愉しさって矛盾するものじゃないって思った。だって、そこにあるのはやっぱりステキなバッハなんだもの。

アンコールにパルティータ第2番から1曲弾いて(記憶違いかもしれません)、ステキなランチタイムが終わったのでした。

ちなみに、ランチタイム・コンサートのバッハ・シリーズは10月にBBCラジオ3で放送される予定です。
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by zerbinetta | 2012-05-17 19:05 | 室内楽・リサイタル | Comments(0)

彼のリーズはニワトリの中 マルケス、マクレー「リーズの結婚」   

16.05.2012 @royal opera house

frederick ashton (choreography)
ferdinand hérold (music)
barry wordsworth / oroh

roberta marquez (lise), steven mcrae (colas),
philip mosley (simone), ludovic ondiviela (alain),
gary avis (thomas), etc.


ついに「リーズ」の最終回。このほのぼのほんわか作品が大好きになってしまったわたしにとって、日曜日の夕方の風物詩、笑点やサザエさんが最終回を迎えたような心境です(イメジ)。本当にこの作品を観て何度、心が幸せいっぱいになったでしょう。今日は期待のペア、マルケスさんとマクレーさん。ビッグ・スクリーンで中継されるのでオーケストラも気合いが入るでしょう。と、思った通りオーケストラはいつもとは違ってしっかり弾いてくれました。やればできるのにね。

「リーズの結婚」、わたしの大好きなシーンは、最後の方のリーズとコーラスが閉じこめられてた部屋から出てきて、彼らの愛が明らかになって、ふたりは外で何があったかよく分からずもいちゃいちゃ、舞台の端でトーマスがアランを慰めて(髪の毛がピンと跳ねることで大人になっていないというのを表現しているのが上手すぎ)、その反対側の端では公証人にシモーネが諭されているところ。この6人のシーン、まさにオペラブッファのフィナーレの6重唱と同じ構成ですよね。それぞれのカップルが別々の感情を表現していて、なのにひとつにまとまる。音楽も素晴らしいし、様式的にもきれい。
それから、最初の方のリボンのシーンや最後の方のスカーフのシーンのいちゃつきぶり。分かる分かる〜幸せなのよね。と、挙げていったらきりがないくらい大好きなシーン満載。一方ちょっとどうかと思うシーンは、あれれ、最後の方のスカーフのシーン。さっき大好きな場面と言った舌の根が乾かないうちになんだけど、あのシーン、恥ずかしいところを見られて泣いてるリーズの涙をスカーフで拭いてあげて、ついでに思いっきり洟ちん。そのスカーフを首に巻いちゃうんだもの。今日のマクレーさん、そのスカーフを首に巻いてあげる前に一瞬ちらっとスカーフ見てた。分かってるのね。

今日は圧倒的に、マクレーさんが輝いていました。踊り最強だし、金髪好青年の柔らかな表情は役にピッタリ。最近、マッドハッターとか切り裂きジャックとかマッドな役が多かったので、こういうストレートな好青年で見られるのがとっても嬉しい。もう踊りがとってもきれいで、ダイナミックなところもあって(回転とかジャンプとか力一杯やっていました)、ステキでした。マクレーさんはファンが多いので、ライヴァルたくさんですが、わたしもファンの末席にちょこんと座らせてもらいます。マクレーさんをじっと見つめてると、この作品、男性ダンサーにもバランス良く踊りの見せ所が配置されてますね。それにしても乙女の夢の世界。あんな恋人がいたらいいなぁ〜。でも、マクレーさん、彼のリーズはニワトリの中にいたのね。新婚のマクレーさんの奥さまのリーズ(リズ、エリザベスさん)、ニワトリの中の人で踊ってらしたんですもの。

リーズは、いつもマクレーさんと組んでるマルケスさん。実は始まる前ちょっぴり不安で、というのもわたしはマルケスさん大好きだけれども、彼女はねぇ〜とよく耳にするネガティヴな評が頭によぎって。この演目、マルケスさんの長所を生かせるフィッシュ・ジャンプもないし、ひたすら明るい物語だからね。で、最初の方、バランスでほんのちょっとぐらついたり、最初のソロでマクレーさんよりも拍手が少なかったりで、うう、もしかして、と思ったんだけど、それはつかの間、ぐいぐいマルケスさんが作り出す物語に引かれていったのでした。マルケスさん、むちゃかわいい!そして演技が実に自然。見事なリーズです。どのシーンをとっても彼女のかわいらしさが生きていて、特にひとつだけ挙げるとすれば、第2幕で、突然目覚めたシモーネにドア越しにコーラスと密会していたことを誤魔化すシーン、他のダンサーさんたちは、大袈裟にかくかくとぎこちなく踊るところを(多分振り付けがそうなってるんでしょうね)、実に自然に、でもお客さんにはちゃんと誤魔化しているように見えるように、踊りました。もうこれが文句なく上手くって、マルケスさん、嘘つきっ!って思いました。

でも、マルケスさんが凄く良かったのは、マクレーさんの良さを引きだしているように見えたことです。ひとりで役を作るのではなくて、ふたりで世界を作り上げていた、そんな感じです。舞台上で男女の主役のおふたりが刺激しあってひとつ高いステージで演じるのは、ときどき見るけど、今日のおふたりはそれがとても顕著で、なにかこう、世界中を幸せにしてしまう感じがありました。マリアネラさんとアコスタさんのときも幸せ度が最高だったんだけど、また違った形、マリアネラさんたちが完璧な世界、フィクションの世界でそれを生み出していたのと対照的に、マルケスさんたちはわたしの住んでる世界にそれが溢れてきた感じです。

アランは、オンディヴィエラさん。観たアランの中では一番ハンサム系。知恵遅れっぽさを敢えて出さないで、体は大きくなっても純粋に子供、女性に興味は引くものの、恋愛や性の対象ではなくおもちゃに対するのと同じような感覚で捉えてるように感じました。リーズとも恋愛感情までには至らず(そもそも彼にはそんなものがない)、最後の悲しみも大切なものを失った悲しみに感じました。だからこそ、大事な赤い傘を見つけたときの喜びに救われるのですね。この役の作り方もいいなって思いました。

そして今日、トーマスがギャリーさん。さすが、いろいろやってくれます。細かいところの作り込みが上手い!そして自然。リーズにもなにげにタッチしたりしてちゃんとエロおやじ。この人がいると本当に舞台が締まるというか、ついついそっちを観てしまうので困りますぅ。

それにしても、マリアネラさんから始まって最後まで「リーズの結婚」楽しませてくれました。溢れるほどの幸せをもらいました♡♡♡

マルケスさんとオンディヴィエラさん、後ろに平野さんが見えますね
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マクレーさんと指揮者のワーズワースさん
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花束をもらうモスレーさん
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主役の人たち
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by zerbinetta | 2012-05-16 23:00 | バレエ | Comments(0)

積み木崩しのシベリウス ヴェデルニコフ、BBC交響楽団   

10.05.2012 @barbican hall

shostakovich: the bolt, suite
kalevi aho: trombone concerto
sibelius: symphony no. 1

jörgen van rijen (tb)
alexander vedernikov / bbcso


BBCシンフォニーのシベリウス交響曲全曲演奏シリーズ、今日が最終回。第1番です。指揮者は何故かウマが合うヴェデルニコフさん(ゾンビ)。楽しみ〜〜。

タコのボルトの組曲は管楽器のソロが大活躍する音楽。ポルカやタンゴなんて楽しげな音楽も混じっていて、この組曲版は、もともとのバレエの物語など関係なく、音楽としてあっけらかんと楽しめるのがいい。それにしても、BBCシンフォニーの管楽器の皆さんほんとに上手かった。アクロバティックなソロを難なく吹いて、スリリングな音楽を楽しませてくれます。オーケストラの質量のある音色がぽんぽん跳ねるのも愉しい。拍手のとき、フルートのムカイさんが立たされたけど、この曲は彼女がソロを吹いていたんですかね。とても良かった。

アホさんのトロンボーン協奏曲は去年の作品でイギリス初演。トロンボーンはロイヤル・コンセルトヘボウの主席、フォン・ライエンさん。アホさんってこの間、打楽器協奏曲の新作を聴いたばかりだから、最近アホさんづいてるんですかね〜。ついうっかりアホやねん、と言ってしまいそうです。アホさんは、ずいぶん前に交響曲第9番という実質トロンボーン協奏曲を聴いたことがあるのだけど、正直言って今日のトロンボーン協奏曲は、それに比べてつまらなかった。重音なんかの技巧的な要求も高いのだけど(しかも高音をかぶせていた)、トロンボーンらしい、グリッサンドやスラーや各種ミュートや、そういうものを引き出してるとは言えなかったし。前の交響曲第9番の方がトロンボーンらしさを上手く引きだしていた感じ。今日の音楽はわたしには退屈でした。トロンボーンのフォン・ライエンさんは、完璧に吹きこなしていました。ちょっとかっこいい。プチ・ヴィジュアル系。

シベリウスの交響曲は、なんかちょっと変な感じ。ヴェデルニコフさんはいつもわたしのツボなのになぁと戸惑いながらおろおろ聴き始めました。何かが違う?なんだろう?
シベリウスの音楽って、息の長い旋律が歌われるよりも、小さな積み木のような音がたくさん組み合わさって出来てると思うんです。それは、後期の音楽になるほど顕著だけれども、この初期の作品(チャイコフスキーっぽいとも言われます)からもその萌芽を聞き取ることが出来ます。ところが、ヴェルデニコフさん、その積み木を上手く組み上げることが出来ずに、積み木と積み木の間に小さな隙間を作ってしまったので(決して音と音の間に隙間を空けて演奏しているというわけではありません。もっと感覚的なもの)、積み木が大きな構造にならないのです。その分、細かな構造が見えてきて面白いのですが、最初のうちは戸惑いました。でも、もともとわたしとヴェデルニコフさんの相性はいいので、そしてそれはえこひいきにもつながるのですが、慣れてくるとこれも面白いな、と。BBCシンフォニーは質感のある落ち着いて輝く銅色の金属のような色彩の音で、シベリウスのどこか明るいのに薄暗いひんやりとしてるのに情熱の熱さが迸る音で弾いてるし、わたしは、いいねボタンを押しました。わたしの評価甘過ぎかなぁ。でもいいの。わたしは楽しんでるから。

そうそう、今日はチェロに見慣れない日本人が。あとで調べたらロイヤル・フィルハーモニックで弾いてらっしゃるハナオカさん。ただの客演かしら?それとも入団へのトライアル?
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by zerbinetta | 2012-05-10 09:07 | BBCシンフォニー | Comments(0)

クリーミーな夜 バルトーク、シマノフスキ エトヴィシュ、ロンドン交響楽団   

08.05.2012 @barbican hall

bartók: music for strings, percussion & celeste; violin concerto no. 2
szymanowski: symphony no. 3

nikolaj znaider (vn)
steve davislim (tn)
peter eötvös / lsc, lso


週末ゆっくりしたので風邪は治ったと思ったら、またも激しい喉の痛み。うううむ。でもでも今日はシマノフスキなんです。休むわけにはいかない。というわけで、出かけたのはいいのですが、咳を我慢するのがこんなにも辛いだなんて、初めて知りました。こっちの人みたくごほんごほん盛大に咳したいなんて思っちゃいましたよ。実際は咳してませんからね〜、一所懸命我慢しました、ご批判無用。

今日は、バルトークの「弦打チェレスタのための音楽」とヴァイオリン協奏曲。そしてシマノフスキの交響曲第3番「夜の歌」です。まさにブーレーズさん好みのプログラムだったわけだけど。。。
さて、今日の音楽会を一言で言っちゃうと、柔らかな肌触り。ロンドン・シンフォニーの音がとても柔らかくて暖かみのある美音なので、そこから出てくる音楽が美しくてあたたかいの。例え鋭利に尖った先鋭的な音楽を演奏したとしても。それは好みの分かれるところでしょう。

「弦打チェレスタのための音楽」は、わたしにとって生まれて初めて自分の意志で聴いた’現代音楽’。今から思うと、現代音楽ではちっともないのだけど、中学生の頃のわたしにはなんだか難しい斬新な音に聞こえたんですよ。今でもとっつきやすい音楽ではないし、鋭角的に演奏することも出来るんだけれども、ふくよかなロマンティシズムも感じるし、躍動感のある民族的な踊りもある。今日のエトヴィシュさんとロンドン・シンフォニーの演奏はクリーミー。始まりの楽章こそ、淡々とトランクイロだったけど、ロンドン・シンフォニーの音色がこの音楽から刺々しさを取り去ります。そして、エトヴィシュさんの音楽がちょっと不思議な感じで、なんだか寛いだ雰囲気さえ漂わせて、歌い回しが独特でおやんと思ったんです。速い舞曲も村のフォークダンスのバンドのように歌ってるし。最初はあれれ?って思ったんですけど、聞き慣れていくうちに、きれいだなぁステキだなぁと。これがわたしにとって’現代音楽’だったのは昔のことなんですね。特に、第3楽章の真ん中の高い音の弦楽器がグリッサンドを弾くところなんかは夜の公園で白いふわふわとした妖精に囲まれている雰囲気。おどろおどろしさがなくて、幽幻のモノと遊んでる感じ。好みもあるでしょうけど、わたしはこの柔らかな演奏が気に入りました。オーケストラの配置は少し変わっていて、向かって左に第1ヴァイオリン、その後ろに第1コントラバス、時計回りに第1ヴィオラ、真ん中にピアノとチェレスタ、向かって右側に第2ヴィオラ、第2ヴァイオリン、その後ろに第2コントラバスと続きます。チェロは、後ろに1列に並んで、その後ろに打楽器群も1列に並んでいました。

2曲目は同じバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番。この曲は打って変わって親しみやすいです。いきなりツィテラを模したような弦楽器のピチカートのアルペジオで始まって、親しみやすい音楽に満ちてる。やっぱり、アメリカに渡ってからの音楽なのね。聴いた感じがコルンゴルドのヴァイオリン協奏曲にも似てて。ただ、明るい中にもどこか一抹の寂しさも感じられる音楽。ヴァイオリンのズナイダーさんは、先日のテツラフさんのような凄味はないけれども、十二分に曲の魅力を引き出してくれる演奏でした。多分初めて聴いたんですけど、この曲好きになりました。バルトーク苦手が少し解消されて嬉しい。

お待たせ、シマノフスキの「夜の歌」はわらわらと、大オーケストラ、大合唱のための音楽。演奏される機会が少ない曲がこうして聴けるのがとっても嬉しいし、2月にもユロフスキさんとロンドン・フィルで聴いているので、わたしには花火が咲いた感じ。来シーズンのゲルギー、ロンドン・シンフォニーのシマノフスキ・シリーズは聴けないのが残念ですけど。
今日のエトヴィシュさんの演奏は、極上の大オーケストラを存分に鳴らして、フルコースのディナーのような満腹感。ものすごく贅沢な感じです。それにしてもオーケストラがめちゃくちゃ上手い。そして雲丹のように濃厚。たっぷりと官能的でエクスタシーのあとの柔らかな微睡み。この音楽って、氷のように冷たい手で頬を撫でられるような鋭さ透徹感があるのだけど、エトヴィシュさんとロンドン・シンフォニーの演奏は温度感があって、夏の夜、涼しげな噴水のそばで恋人と心地良い風に吹かれている感じ。冷たさではなく涼しさなんですね。それがより、人肌の官能を生んでいるのだけど、これはお好みによるかな。雲丹が好きな人にはいいんじゃないかと。テナーのダヴィスリムさんは、こんがりと黒く焼けていて、まあそんなことどうでも良いのですが、なかなか良かったです。

わらわらと人がいっぱい
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by zerbinetta | 2012-05-08 03:20 | ロンドン交響楽団 | Comments(0)

強力なオーケストラ ビシュコフ「ラ・ボエーム」 ロイヤル・オペラ   

05.05.2012 @royal opera house

puccini: la bohéme

john copley (dir)
carmen giannattasio (mimi), joseph calleja (rodolfo)
nuccia focile (musetta), fabio capitanucci (marcello)
metthew rose (colline), thomas oliemans (schaunard), etc.
semyon bychkov / roc, oroh


何を隠そうって、ちっとも隠してもいなく公言さえしてるんですけど、「ラ・ボエーム」がむちゃ大好きなんです。お昼近くまで寝て体を休めて、うきうきしまくって観に行ってきました。「ボエーム」ってお話が起承転結していて(しかもしっかり4幕にそれぞれが当てはめられてる)、コンパクトにまとまっているので好きなんです。3時間ほどで終わるので早く帰れるのも嬉しい。だから、今日は立ち見。なのに。。突然オペラ・ハウスからメイルが。BBC4との企画でお終いの時間が、30分ほど遅くなるとのこと。えええっ!早く帰ることばかりを楽しみにしていたわたしには寝耳にミミズ。ううう。テレビ放送のためのインタヴュウかなにかで休憩が長くなるのかな。それだったらアイスクリームを食べに行こうかななんて考えて、会場に行ってキャスト表を見てみると、休憩時間が増えてる風でもない。えええ、ヘンだなぁ、計算が合わないなぁって思って、訝しげによおく観てみると、なんと!第2幕が繰り返し。素人指揮者(なんかテレビの企画で、有名人を競わせて優勝者に振らせるらしい)が本来の第2幕が終わったあと、もう一度第2幕を繰り返してそれを指揮するみたい。ううう。なんてつまらない!ということで始まる前にアナウンスがあって、それは観ても観なくてもいいようなことを言っていたけど、わたしは耳を濁したくないから観ないかなぁって思ったけど、そのエクストラは2幕は若い歌手たちが歌うし(さすがに本番の歌手に2回も繰り返させたりしない)、ジェッテ・パーカー・ヤング・アーティスト・プログラムのジェンゾン・ゾウさん♡がマルチェロを歌うので、せっかくだから観ましょうと観ることにしたのでした。

今日の「ボエーム」は歌手にスターなし。今シーズン「ボエーム」には指揮者も違う2回だけの特別キャストの公演もあってそちらの方は、ゲオルギューさん(ほんとはフリットリさんだったのに横入り)とアラーニャさんのがあるんだけど、そちらは良い席取れなかったからねー。今日はどうせ立ち見だから安いし。1枚おまけみたいな感覚?
それでも、歌手、予想外に良かったんです。男性陣がとにかく良くって、あの青春の楽しい貧乏というか、お金はないけど仲間がいて、自由と希望なら溢れてるというか、そういうのにとっても憧れるのです。わたしは芸術家ではないけど、やっぱり学生の頃(今でも)貧乏で、理系だったので、大学院のときはみんなで研究室に住んでるみたいなところがあるので、あの雰囲気は分かるんです。そして今でも、無闇に根拠もなく楽しかった時代に憧れるのです。そんな雰囲気を、今日の歌手の皆さんがものすごくステキに作ってくれて、わたしも仲間に入りたいって(歌えないけど)、涙目で思ってしまったんです。普段はロドルフォとミミの2重唱で涙腺決壊なんですけど、今日は最初っから全開。先が思いやられます。
特にロドルフォを歌ったジョセフ・カレヤさんがもの凄く良くて、これならアラーニャさん聴かなくてもいいやって思ったくらい。初めて聴くけど有名な方なのかしら。これからも聴き続けたい歌手がまたひとり増えてしまいました。

対する女声陣は、十分ではあるけれども男声陣に比べたら小粒かな。圧倒的な歌で舞台を引っ張る感じではなかったです。それはものすごく高望みなんですけどね。でも、全体のバランスは良くって、歌手陣に不満はなく十分に楽しめました。やっぱりこの曲、歌で物語るオペラの中のオペラだわ。

でも今日、何よりも良かったのがビシュコフさんのオーケストラ。ロイヤル・オペラ・ハウスのオーケストラがウソのように上手い。ここまで上手いオーケストラだったのかとびっくり。ただでさえ雄弁なプッチーニの音楽をさらに雄弁に語らせるものだから、目を閉じて音楽だけを聴いていても満足できるくらい。わたしが聴いた中で、ロイヤル・オペラ・ハウスのオーケストラ、一番の出来。奇跡?マーラーの音楽の後継者はプッチーニだと言ったのは確かシャイーさんだと思うけど、音楽はまさにそれを耳で確認しました。オーケストラの響きがマーラーっぽくて、オーケストレイションだとか、緩急の付け方だとか、ビシュコフさんもそこのところをマーラーの交響曲を演奏するような感じで演奏したのでなおさらオーケストラの凄さが強調されました。一歩間違えばミュージカル風の甘さべったりのロマンティックな音楽になってしまうところを、しっかりと手綱を握って、実に上手くさばさばと、しかも決めるところは決めて感動的に演奏したのでした。こんな風にオーケストラに伴奏されたら、歌手もがんばらずにはいられまい。もうこうなったらという具合に、わたしの聴いた「ボエーム」の中でも圧倒的と言っていいくらいの差を付けてベストでした。ブラヴォーの嵐です。

うううむ、ゲオルギューさんアラーニャさんの「ボエーム」どうなるのでしょう。指揮者がビシュコフさんだったら良かったのに。今日の「ボエーム」を越えられるか?興味が尽きません。大好きだからもちろん喜んで観に行くんですけどっ。

さて、途中に闖入した、素人指揮者の第2幕。意外と、といっては失礼だけど、まともでした。というか、オーケストラはビシュコフさんのまま。指揮者はオーケストラをなぞってるだけでしたね(そりゃ素人だもの。ただ数カ所独自の溜めみたいのはありました)。若い歌手はちゃんと聴かせてくれました。地方の劇場なら十分歌っていけるレヴェルです。ってか、そのレヴェルの人を呼んできているという贅沢な企画なんですが。

立ち見なのに疲れることなくどっぷり「ボエーム」の世界に浸れて、青春にかえった心持ちでした。ボエーム最高!!

第2幕の舞台はこんな感じ(エキストラの方)
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今日の主演歌手陣(第4幕の屋根裏部屋)
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フォシールさん、ジアンナッタッシオさん、カレヤさん
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ビシュコフさん、ジアンナッタッシオさん、カレヤさん
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by zerbinetta | 2012-05-05 07:34 | オペラ | Comments(2)

等身大の物語 ユフィ、マロネー 「リーズの結婚」   

04.05.2012 @royal opera house

frederick ashton (choreography)
ferdinand hérold (music)
barry wordsworth / oroh

yuhui choe (lise), brian maloney (colas),
philip mosley (simone), michel stojko (alain),
david pickering (thomas), etc.

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まだまだ続く、「リーズの結婚」、今日はユフィさんとマロネーさんのペアです。ユフィさんはとっても応援しているし、彼女の踊り好きなので楽しみでした。ユフィさんこっちのバレエ・ファンの人にも評判いいんですよ。そして、マロネーさんは、去年、「白鳥」の舞台で怪我をしてずいぶんと長い間休んでいたので(多分少しずつは出ていたと思うんですけど)、大きな役では今日が復帰。楽しみ。
実は今日も体調が悪くて、あまりちゃんと観れていないので感想は簡単に。

ユフィさんとマロネーさんのリーズとコーラスは、良い意味でも悪い意味でも、隣にいそうな身近な人たち。なんだか友達の話を観ているようで、とっても親しみを覚えます。そして親しみを覚えるもうひとつの大きな要因がユフィさんの表情。彼女の表情の付け方、口をとがらせたり、目の動かし方が、日本の漫画チックというかテレビチックなので、日本人のわたしにはとっても分かりやすいのです。もちろん、ユフィさんは日本人ではなく韓国籍なのかもしれないけど、日本で育った方なので、日本人の表現が体に染みついているのでしょう。それがわたしに染みついているものと共鳴して、分かり合うのです。多分、この感覚は、外国の人には分からないと思うんだけど、でも、今や漫画やアニメがヨーロッパでも広く認識されているように、ユフィさんの表情はこちらの方にも理解できるのではないかと思います。そして、何より踊りの上手さ。足さばきのきれいさはとってもステキでした。これがユフィさんがここでも地元のファンに人気を得ている理由でしょう。

とユフィさんのステキなところばかり書きましたが、その一方で、身近さは感じるものの、何か特別なものがあまり感じられなかったのが残念です。技術的にはとっても上手いし、それは、(わたしは素人なので間違いかもしれませんが)プリンシパルのレヴェルに達しているように思えるのです。でも、まだ、プリンシパルになっていないのは、プリンシパルにしかない、特別なもの、オーラのようなものが不足しているからではないかって思うんです。上手いだけじゃダメ、っていうのはきつい世界ですけど。でも、ユフィさんはいずれ突き抜けて凄味みたいなものを踊りに乗せることが出来ればいつでもプリンシパルになれると思うんですよ。ぜひぜひそうなって欲しいとファンのひとりとして強く思います。

マロネーさんはハンサムですね〜。彼もとっても実直な踊りで、さすがに大役復帰で緊張してたのかな、丁寧に役を作っていて役作りの方向性が似ているユフィさんとは良いペアでした。わたしは、彼が怪我をした舞台を観ているので、彼の復帰はとっても嬉しいんです。ぜひたくさんステキな踊りを見せて欲しいです。しっかり応援しちゃいます♡

今日のアランはストイコさん。アランの出来次第でこの作品が良くも悪くもなってしまうので、アラン大丈夫かなぁといつも心配するのだけど、ストイコさんのアランもとっても良かったです。っていうか、ロイヤル・バレエって役者が揃っていて、さすがに役を踊る人は誰がやっても納得(多少の好き嫌いはあるでしょうが)。アランに限らず、シモーネやトーマスもいつもいつも楽しませてもらえます。このバレエやっぱり好きだぁ〜。そして、ダンサーの方たちも楽しんで踊ってる感じがして、みんなが幸せな作品。

ピカーリングさん、モスレーさん、ストイコさん
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舞台袖からマロネーさんの写真を撮るバレリーナの人。誰だろう?マロネーさんの彼女?こんなときでも足が決まってるのが微笑ましい
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ユフィさんとマロネーさん
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by zerbinetta | 2012-05-04 09:06 | バレエ | Comments(2)