<   2013年 07月 ( 19 )   > この月の画像一覧   

習ったことは全部忘れろ!まずはそれからだ メルクル、PMFオーケストラ マーラー5   

2013年7月31日 @サントリーホール

武満:ア・ストリング・アラウンド・オータム
マーラー:交響曲第5番

ダニエル・フォスター(ヴィオラ)
準・メルクル/PMFオーケストラ


PMFオーケストラの音楽会が東京であると知って、慌ててチケット取ったんだけど、意外や意外(わたし的には)、チケット、最安値の席を含めて結構残ってた。PMFって東京では人気ないのかしら。日本最強のアマチュア・オーケストラだと思うんだけど。
東京では2回公演があって、わたしが取ったのは、有名なソリストが来る高い方ではなく、迷わず、2日目、PMFオーケストラの音楽会の最終回。だって、ソリストにヴィオラのフォスターさん♡わたしが、ナショナル・シンフォニーの定期会員だった頃から、ヴィオラのトップを弾いていた人。懐かしすぎる。ナショナル・シンフォニーではお父様の隣(お父様も元ヴィオラのトップ)で弾いてたんですね。それを見るのがいつもなんだかほほえましくて。彼はヴィオラの講師としてここ最近ずっとPMFに参加しているんですね。

会場について、あれ?お客さんが少ない。ううむ。今まで行った東京の音楽会ってどれも人、入ってたんだけどなぁ。もったいない。

1曲目は、フォスターさんのソロで、武満の「ア・ストリング・アラウンド・オータム」。小さなオーケストラの曲かなと思ってたら大編成。そして、わたしが知ってる(といっても大して知らない)武満の音楽とはちょっと違ってた。調性的で分かりやすい。そしてひたすら美しい。抽象的なドビュッシーというか、脱力弱めのシルヴェストロフ風というか、中心になるぱらぱらと上昇する音列主題がシュトラウスの「ドン・キホーテ」っぽい。あとで調べたら、後年の武満は作風を調性的なものに変えていったのね。角が取れすぎてる感じもしたけど、武満の作品はもっとちゃんと聴いてみたいと思いました。実はわたし、武満をあまりいいとは評価してこなかったので。
ヴァイオリンではないヴィオラのソロが、オーケストラの中に溶け込む感じで、人肌のでもチェロのようには歌いすぎない感じがとっても合っていました。多彩な音色を要求されるので難しそうな曲でした。フォスターさんのソロは、オーケストラの後ろの方で聴いてたせいもあったと思うけど、前に出ずに静かに佇む感じで良かったです。彼を見るのは、USでの最後の音楽会以来なのでかれこれ8年ぶりくらい(?)。でもちっとも変わってなかったよ。オーケストラの方は、上手いんだけど、まだ熟成が足りないというか、オーケストラの音がひとつにまとまっていない感じでした。長い間、一緒に演奏をしてきたひとつの丸くブレンドされた音になるのには、長時間の熟成が必要なんですね。もちろん、百戦錬磨のプロのオーケストラ奏者や室内楽の奏者は、短期間でも全体を感じ取って音楽を作り上げることができるのでしょうが、そこまでは、経験の少ない若い人たちには難しいのかも知れません。ここのレヴェルが高いので、こちらの要求も高くなっちゃいます。

休憩のあとは、マーラーの交響曲第5番。今年は東大のオーケストラに続いて聴くの2回目。今やマーラーの音楽の中で一番多く演奏される曲ですね。
PMFオーケストラについて言いたいことの全ては、始まりのトランペットのソロに含まれてました。死刑宣告をされる被告人のように逃げ場のない緊張。これからの音楽の全てがここに集中する。PMFオーケストラのトランペットの人はとても丁寧に吹いていたんだけど、楽譜に丁寧すぎたんです。細かな音量の調整や音符の速さ。とってもよく分かるくらいに丁寧で、とってもたくさん練習したんでしょう。きっと、PMFの期間にいろんなことをたくさん習ったに違いない。習ったとおり、指揮者に要求されたとおり、楽譜に書いてあるとおり、しっかりと吹いた感じ。なんだけど、それが分かっちゃったのが難点。音符と音符の間の休符で音が消えてしまうと同時に音楽もちぎれてしまっていたように聞こえました。習ったことも、技術的なことも全部忘れて(それは身体に染みこませて)、音楽に没入して欲しかったです。そんな感情を引き摺りながら聴き始めたので、第1楽章の葬送行進曲は、表面的に引き摺っているように感じてしまいました。若い人たちではどろどろした感情は無理なのかなぁって。それならドゥダメルさんが9番の交響曲で聴かせてくれたように、敢えてさらりと演っても良かったかもなんて。
メルクルさんの演奏は、主役となる各パートを、弦楽セクションでは第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラときちんと分けて聴かせる感じです。第1ヴァイオリンに歌が少し欠けていたけど、チェロはとっても良かったです。目覚ましかったのは、最初の中間部。かなり速いテンポでぐいぐい引っ張っていきます。あとで分かったのだけど、この曲にある速い部分(第2楽章とか第3楽章の部分、フィナーレ)を基準にここから音楽を組み立てているのですね。第1楽章ではのれなかったけど、第2楽章からは、だんだんと良くなっていくのが分かりました。情念はあまりないけど、楽譜に忠実に襟を正した感じのマーラー。非常に細かなところまで丁寧に作り込んでいます。理知的で細部まで分かりやすいの。その分、不条理なわからなさが消えてましたけど、それは両立し難いことだから。もうひとつ、メルクルさんは場面転換の巧みさ、大胆なゲネラル・パウゼに息を飲みました。
3楽章のホルンのソロは、とても上手かった。そして、弦楽器の人たちが、後ろの人までおまえらみんなコンマスか、というように弾いていて、前に前に出る感じが若者らしくて好感度大。そういうのがはまったとき、例えば、アダージエットの中間の部分とか、フィナーレのフーガの部分とか、涙が出そうになるくらいステキな瞬間がいくつも現れて、最後、ファンファーレ来るな!終わらせないで、なんて思いながら聴いていました。この曲は本当に素晴らしい演奏を幾度も聴いているけど、今日のフレッシュな演奏も、いい、と思わせてくれました。メルクルさんかっこいいし。観に来て、じゃなかった聴きに来てほんとに良かった。

アンコールには、PMFオーケストラのテーマ曲(あらなんて言ったんだっけ?メルクルさん向こう側を向いて話したのでよく聞き取れませんでしたが)、ホルストのジュピター。トランペットのファンファーレがちょっとへろへろでメルクルさん苦笑いでしたが、むふふ、ちょっぴりロンドンに浸かっていたわたしには嬉しい。びっくりした仕掛けが施されていて、最初の部分が終わると3拍子の部分を飛ばして、すぐ中間部の有名なメロディ。さらに、トムトムが加わってロック調にも。お終いは、すぐコーダにつながって、ただ、原曲とは調が変わっちゃってるのでこれだけは違和感があっていただけなかった。ああいいな、音楽。

今日演奏した若者たちは、これからプロの音楽家として、どこかのオーケストラや室内楽団、あるいはソリストとして活躍していくのでしょう。日本で経験した1ヶ月が、その礎として豊かなものでありますように。世界に羽ばたいていって欲しいです。PMFが世界中の音楽家をつなぐひとつの紐であることを願ってます。今日の武満の曲に引っかけて、ア・ストリング・アラウンド・ザ・ワールドですねっ。
[PR]

by zerbinetta | 2013-07-31 22:29 | アマチュア | Comments(0)

ゆるキャラ・オペラ「魔笛」   

男子と生まれたからには、一度やってみたい職業、野球(サッカーだっけ?)の監督と指揮者。わたしはそれに加えたい。オペラの監督を。女子だけど、女子だから。

オペラの劇場で、バレエはときどき着ぐるみあるけど、オペラにはほとんど着ぐるみがない。もしかして、チャンス?新たなオペラを演出するんだ。
というわけで、日本といえば今やゆるキャラ。オペラだってゆるキャラが歌ったっていい!(反論は却下)
ゆるキャラが似合うオペラといったら、まずは「魔笛」よね。というわけで、魔笛に合うゆるキャラを選んでみました。自分でゆるキャラ、デザインすればとの指摘も却下。そんなのめんどくさい。ネットで見つけた2012年ゆるキャラ・グランプリを闘った(?)ゆるキャラ、全国865人(って数えるの?)からぼんやり選んだゆるいキャストです。

c0055376_2123172.jpg
c0055376_21235198.jpg
c0055376_21243944.jpg
c0055376_2125593.jpg
c0055376_21254012.jpg
c0055376_21261131.jpg
c0055376_21263540.jpg
c0055376_21265399.jpg
c0055376_21271222.jpg
c0055376_21272720.jpg

パミーナ:ゆーりん(福島)、タミーノ:お茶むらい(鹿児島)
パパゲーノ:うずラッキー(愛知)、パパゲーナ:かいやん、つぶちゃん(埼玉)
夜の女王:ひかりちゃん(宮城)、ザラストロ:一休さん(京都)
モノスタトス:こぜにちゃん(埼玉)、森の動物たち:ムジナもんと仲間たち(埼玉)
3人の侍女:キラリ姫(福岡)、3人の童子:ゴーちゃん、ガッキー、星博士(奈良)
大蛇:龍夢(千葉)


ゆるキャラってゆるいキャラだけあって王子キャラいないんですね。一番王子さまらしかったのがお茶むらいだったとは。。。ザラストロには賢そうな一休さんって京都の人もっとひねんなきゃ。
あああっ、被りものしてたら歌えないじゃない!ってあとから気づいてもダメだからねっ!
[PR]

by zerbinetta | 2013-07-30 21:29 | 随想 | Comments(4)

ゆるクラ (没になった原稿)   

ゆるキャラって流行ってますよね〜〜。ゆるゆるしててかわいくないというか存在自体がどうでもいいような感じの。社会がこちこちかちかち隙間がないのでゆるいのが欲しくなるのかな。そんなことなら、電車が時間通り来ないとか、宅急便がいつ配達されるか分からないとか、普通の国になればいいのにね。
クラシック音楽も、規則とか、メトロノームのこちこちとか、細かく書かれてる楽譜とか、例えばアド・リブが幅をきかせてるジャズなんかに比べてゆるくない音楽だけど、で〜も、探すと結構ゆる〜い曲とか演奏とかエピソードとかあるんです。
と勢いよく書き始めたわたしだけど、ここではたと止まってしまいました。そういうの紹介しようと思ったけど、ううう、知ってるけど知らない。。。
「剣の舞」のリズムがはちゃめちゃになったとか、「運命」の最初がずれて音が4つ聞こえるとか、演奏中に携帯電話が鳴ってそれに合わせて演奏者が弾いたとか、「新世界より」のクライマックスのところで指揮者とオーケストラが大声で歌い出しちゃうとか、弾いてる人がかわいそうになるくらいヘンテコなテンポと表現の「英雄」とか、指揮者が指揮台から落っこちちゃうとか、演奏してるうちに速くなって指が回らなくなったピアニストとか、そんなの。書こうと思ったんだけど、動画とかなくなってるのよね。面白いのあったらダウンロードしておかなきゃね。

(というわけで没になった原稿をエントリしちゃう厚かましさ。でも、ついでに気がついた企画、そのうちアップするかもね)
[PR]

by zerbinetta | 2013-07-29 22:58 | 随想 | Comments(0)

CDジャーナル   

わたしは、自分が嫌いになるくらい保守的で視野が狭いんです。そんな自分が嫌なので、見栄を張って、ヘンな物好きとか、プチ・サヨなんかを気取ってるけど、でも、新しいものを柔軟に受け入れる力に乏しいんですね。それはもう悲しくなるほど。音楽聴きもそう。いわゆるクラシック音楽ばかりを聴いてて、ポップスとかロックとか演歌とかジャズとか、そういうのほとんどというか(むしろ全く)興味なくて聴かないんですね。見栄があるので現代音楽とかは聴くけど、ちっとも分からないです。馬鹿ですよね。だから最近の(若い)クラシックの音楽家が、ロックもポップスも好きというのを聴くと、凄いなぁ、音楽的素養が広いんだなって、感心してしまいます。芸術音楽も商業音楽も分け隔てなく好き、というのは残念ながら今のわたしには難しそう。それになお悪いことに、限られた生の時間、興味のないことに時間を取られるより、興味のあることだけに時間を使いたいと思ってしまうので、クラシック以外の音楽を積極的に聴こうって思えないんですね。自分の殻を厚くして引き籠もってるの。

音楽雑誌とか、ほとんど読まないんだけど(老舗のレコード芸術とか、立ち読みした程度)、この間、図書館でふと目に留まったCDジャーナルという雑誌を手にしました。発売されるCDのこと書いてある雑誌かな(って名前そのまんまじゃん)。そしてびっくりしたことに、この本、ポップスのCDもクラシックのCDも一緒に扱ってるんですね。クラシックのCDの方が発売される数が少ないので、その分、本の中での扱いも少ないのではあるけれども、音楽を総合的に分け隔てなく俯瞰的に扱ってるのにびっくりしたんです。
そして思った。どんな人がこの本を買って読むんだろうって。そして、わたしの頭に浮かんだのは最初に書いたことなのでした。クラヲタさんたちは、クラシックCDの専門誌ではないこの本を読むのかしらって。反対に、クラシックを聴かない人は、この本の中のクラシック・コーナーの、世間に媚びたもの(クラシックの演奏家が出したポップスのCDの紹介とか)ではなくクラヲタ的にきちんとしたのは読むのかな?とも。
多分わたしが知らないだけで、世の中の人は、クラシックもポップスも分け隔てなく聴くのが当たり前なのかも知れません。でも、わたしの知ってる世界では、音楽の好みはわりと細分化していて、日本のポップスが好きな人、洋楽ばかりを聴く人、ジャズ好き、ハードロック好き、演歌命、とかとか、の人が多いように思うんです。いろいろ好きでも、家にある買ったCDはわりとまとまった分野に落ち着いていて、ぶらぶら聴くのとお金を出して聴くのでは違う、みたいな。もちろんそれはわたしの属する多分古い世界のことなのかも知れないけど、世界がまだそうだったなら、CDジャーナルの方針って、砂漠の真ん中に立てた勇気ある道しるべのように思えるのです。単純に凄い。もちろん、世界はわたしの知らないもので、CDジャーナルは小さなお店の招き猫のように、風景に混じっているのかも知れませんね。
わたしもCDジャーナルの音楽世界に身を置けたらステキなのかも知れない、とは思いました。というかそれはやっぱり挑戦じゃないかとも。
[PR]

by zerbinetta | 2013-07-27 23:59 | 随想 | Comments(0)

祝☆交響曲第266番   

他所の国のロイヤル・ベイビーのお誕生も祝さないでわたしの祝はこちらです。
この間(7月2日)のエントリーで、交響曲を1番たくさん書いた人は、USのテイラーという人で265曲、それを追って、セーゲルスタムさんがただ今、交響曲第265番を作曲中と書いたんだけど、今日現在、セーゲルスタムさんは、交響曲第266番を書き終えて、
パンカパーーン♫(って古すぎ?)
最多交響曲の記録更新です!現在267番を作曲中。今年の末にはいったいいくつに記録を伸ばしているか楽しみですねっ。

でも、ほんとにセーゲルスタムさんに番号付き交響曲が300曲近くあるのか?どこかごまかしていないか(モーツァルトだって最初の数曲は違う人の曲だし)って、彼の作品リストを調べてみましたよ(なんたる暇人)。
その結果、水増しなーーーし。交響曲第1番だけが見つからなかったんだけど、多分、1977年から8年にかけて書かれた番号なしの緩徐楽章の交響曲がそれに当たるのでしょう。それから、第X番はホルン協奏曲のような作品のようです。ホルンと言えば、第103番のように4−103本のホルン(なんて大ざっぱな数)を使うのもあったり(ホルンのアレクサンダー103を吹く人のために書かれたの。できたらプレッツェルの形に並んで座るんだって)。とはいえヘンな編成では第111番のとっても大きい合唱(2−3千人までOKだって)を伴うものの他、声のソロを伴う曲がいくつかあるくらいで、ほとんどはピアノを含む普通の編成のオーケストラ。
演奏時間は、第65番以降、5曲くらいを除いて24分。セーゲルスタムさんのアイドル、シベリウスの最後の偉大な交響曲がおよそこのくらいの長さなので、それに準じてるとのことだそうです。

セーゲルスタムさんの膨大な交響曲にはたいてい英語でタイトルが付いていて、しかもそれが何ともユニーク。フィンランド語を交えたような造語もあって意味がよく分からないのも多いのだけど、第104番は「ah, finalmente!…」(あっこれはイタリア語かスペイン語か)、次の105番は「pa-pá, pá-pa-passing…」。これらはハイドン(交響曲を104番まで書いた)に引っかけてるよね。第50番は「before 60」、51番は「after 50」、60番は「before 70」、70番は「before 80」、71番は「after 70」。73番は「1 after 72」、切りがないのでもうよそう。人生を感じさせる第187番「autumnal leif-live-leaves…」、264番「2b-eijing, aaaaa; nononononono::now!!!…」、265番「ei! no!, ei-no lei(f)-no… despite 2x grandiose masses of morte!…(more tea… hahhahh)…」、なぜか日本を引用したのもあって第59番「in a baggage to japan…」とか146番「oh-ja-panese-ger-man…」、244番「musical northlightbeams sending comforting vibrations to the screaming japanese souls caught in their nightmare…」(これは東日本大震災の原発事故のかな)、スドクがお好きなようで、第153番「sudokushes…」、197番「su-doku.9.com/posing12…」。1番長いタイトルは第228番の「Cooling my beard too (2) on "Sval"bard, "Spit"sbergen farewelling (on the "seal"ed waters) the blinding "spittingly" ice- (& eyes) cracking Sun (setstart on 22.8...!) with my Son (J. S.) remembering nostalgically "lace"- (spets-) coverings of (e.g.) Venusmountains as well as all those got... (lays...) - It is very windy on the tops, "the picked peaks for peeking into the ∞s...", "spets"-listening too... 2... 8!」ですね。もちろん、わたしたちに1番親しみのあるのは今年東京で初演された第252番の「surfing on higg's bosons to kepler-22b…」かしら。

驚くべきことに、彼の300曲近くある交響曲の半分くらいは演奏されているんです。ただ自己満足で書き散らされただけじゃないの。しかもいろんな国で。多分ほとんどが、セーゲルスタムさんが客演したオーケストラで演奏してるんだと思うんだけど。日本でも4曲か5曲、東京、大阪、札幌で初演されていますね。短いから音楽会のプログラムに挟みやすいということはあるけど、なかなか凄いです。

セーゲルスタムさんは末永く元気に交響曲を作曲し続けて、誰にも超えられない伝説を作って欲しいです。

セーゲルスタムさん、聴いてみたくなったでしょ。ネットに上がってたのいくつかリンクしますね。

交響曲第151番 前半真ん中後半
交響曲第173番 前半後半
交響曲第212番 前半後半
[PR]

by zerbinetta | 2013-07-23 23:18 | 随想 | Comments(0)

男子がいないじゃない(`ヘ´) バレエ・アステラス★2013   

2013年7月21日 @新国立劇場

デヴィッド・ガルフォース/新国立劇場アンサンブル、他

fandangos y bulerias
カンテ、ギター(音楽)、小島章司(振り付け)
新国立劇場バレエ研修所修了生・研修生

アントレ
ヴィヴァルディ(音楽)、アダモア(振り付け)
カザフスタン共和国国立A.V.セレズニョフ記念アルマティ舞踊学校

ハイオト ー 人生
ウズベク民謡(音楽)、アクビロワ(振り付け)
アヤジャン・ムカーノワ

エル・トゥラン ー闘いの荒野ー
フォークロア・アンサンブル(トゥラン)(音楽)、サディコワ(振り付け)
カザフスタン共和国国立A.V.セレズニョフ記念アルマティ舞踊学校


バレエ・アステラス2013というのに行ってきました。海外で活躍している日本人のダンサーさんたちを呼んでのガラ公演です。って、キャスト表見てたらえええ〜〜っ!男子いないじゃん。ま、ひとりはいたんですけど、そしてそれはあとで☆☆☆になるんですけどっ。海外は女子が活躍してるのかなぁ。でも、ロイヤル・バレエにも平野さんや蔵さんいるし、活躍中の男子いるんじゃない。もし来年とかもあったらもっと呼んで〜。今回いなかったロイヤル・バレエの人も呼んで欲しいな。

第1部は、新国バレエの研修所の若手、それに招待されたカザフスタンのアルマティ舞踊学校の生徒さんの群舞。若い人たちの踊りなのであれなんだけど、振り付けも正直つまらなくて退屈してました。眠かった。でも、この中から将来きらめくスターが出るのかも。今日は片鱗を見せてくれた人はいませんでしたが。アルマティの人たちは新国より若い人だよね。カザフスタンってどんな国なのか知らないのだけど、意外と東洋っぽい顔多かったです。実は、わたし、なんとかスタンって国々憧れなんです。いつか行ってみたい。そのときバレエ観れるかな。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

くるみ割り人形よりアダージョ
チャイコフスキー(音楽)、ワイノーネン(振り付け)
カザフスタン共和国国立A.V.セレズニョフ記念アルマティ舞踊学校

ジェンツァーノの花祭りよりパ・ド・ドゥ
ヘルステッド/パウリ(音楽)、ブルノンヴィル(振り付け)
唐沢秀子、ケンドル・ブリト(バレエ・メンフィス)

海賊よりパ・ド・ドゥ
ドリゴ(音楽)、プティパ(振り付け)
小笠原由紀、クラウディオ・カンジアローシ(ドレスデン・ゼンパーオーパー・バレエ団)

白鳥の湖より第2幕アダージョ
チャイコフスキー(音楽)、プティパ/イワーノフ(振り付け)
堀口純、貝川鐵夫(新国立劇場バレエ団)

ダイアナとアクティオンよりグラン・パ・ド・ドゥ
寺田翠、大川航矢(ウクライナ国立オデッサ歌劇場バレエ団)


第2部からはパ・ド・ドゥ。全部書き始めると切りがなくて大変なので、気の向いたとこだけ。
メンフィス組のおふたりは、まだ若い感じ。ブリトさんがとっても軽くふわふわと踊っていたのがステキでした。良いダンサーに育って欲しいです。
ドレスデン組は、くるくる回るのが得意そう。
新国バレエのおふたりは、この間、ネラの白鳥を観たばかりなので分が悪かったです。

で、もう大興奮なのは、ウクライナ組の日本人ペア。翠さんは今年成人式を迎えたばかり、航矢さんも同じくらいの歳でしょう。むちゃ若きウクライナのプリンシパル。流石、プリンシパルを踊っているだけあって舞台での輝きが違いますね。そして、航矢さんの盤石なパートナーリングと息を飲むすご技ジャンプ。もう目から星が出ました。凄すぎ。うちのバレエ団(ってどこ?)に来てくれないかなぁ。いや〜びっくりしました。世界にはまだまだ知らないけどものすごい日本人ダンサーがいるのですね。

♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫

サタネラ
プーニ(音楽)、プティパ(振り付け)
寺田亜沙子、奥村康祐(新国立劇場バレエ団)

眠れる森の美女から第3幕のパ・ド・ドゥ
チャイコフスキー(音楽)、ヌレエフ(振り付け)
オニール八菜、フロロン・メラック(パリ・オペラ座バレエ団)

トリスタンよりパ・ド・ドゥ
ワーグナー(音楽)、パストール(振り付け)
海老原由佳、ウラジミール・ヤロシェンコ(ポーランド国立歌劇場バレエ団)

タランテラ
ゴットシャルク(音楽)、バランシン(振り付け)
佐久間奈緒、ツァオ・チー(バーミンガム・ロイヤル・バレエ)

白鳥の湖より黒鳥のパ・ド・ドゥ
チャイコフスキー(音楽)、プティパ(振り付け)
高橋絵里奈、アルオネル・ヴァーガス(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)

バレエの情景よりポロネーズ
グラズノフ(音楽)
全員


我らが、新国組。この間のドン・キホーテでステキな踊りを見せてくれたおふたりです。ドン・キホーテのようにコミカルな物語の作り方が上手かったです。プリンシパルの人たちに挟まると、舞台での輝きがちょっと地味かなぁ。でも、ソロをたくさん踊ることできっと良くなっていくでしょう。
パリ組は、出てきたとたんフランス〜って雰囲気。パリのオペラ座でバレエ観たことないくせに、でも、纏ってるものになんだか雰囲気を感じました。オニールさんきれいだし。でもね、ううう、お相手のフロロンさんが。。。パートナーリングが全くできていない気が。これじゃ踊れないよね。ちょっとかわいそう。

で、今日一番、強く心に刺さったのが、ポーランド組の由佳さんとウラジミールさんのペア。踊りも作品も素晴らしくて。クラシカルな振り付けの枠の中に、コンテンポラリーなスパイスをちりばめた動きがとってもステキでした。ぴしっぴしっと速度を持った動きが、感情を豊かに刺激して。大好きなトリスタン、というかこの場合イゾルデでしょう、いきなり愛の死から始まって、ううう前奏曲も入れてくれればいいのに、と思いつつ、どんな物語が語られているんだろう?と考えながら(もう、トリスタンは死んでいるので。観念的なのに官能的な愛に溺れ死んでいく様かなぁ)、好きすぎてたまらない快楽(けらく)の世界の中に堕ちていったのでした。この演目、これが全てなのでしょうか。前奏曲には振り付けられていないのかしら?トリスタンを全部バレエにするのは不可能だけど(4時間もあるオペラだし主役のふたりはほぼ出ずっぱり)、トリスタンの物語をバレエで観てみたいな。前にサロネンさんとセラーズさん、ヴィオラさんのコンビでのトリスタンがあったけど、一部の重要なシーンをバレエで作ったらいいなっても思いました。それに由佳さんの踊りぜひ観てみたいです。ポーランドまで観に行かなければダメかなぁ。どこかに客演で出て下さらないかしら。

もう今日はこれでお仕舞いな夢見心地の気持ちになってたのに、まさにぱっと目が覚めました。バーミンガムの奈緒さんとチーさんのペア。今日はおふたりが観たくて来たのでした。明るくてカラフルで軽快な音楽と踊り。速いテンポでてきぱきと走馬燈のように踊りが繰り出してきて、きっとずいぶんと難しいんだと思うんだけど、さすがヴェテラン組、奈緒さんちょっとお疲れっぽい部分も観られたけど、ステキでした。ただ、このおふたりは、ふたりで踊ったときにうんとステキな化学反応を起こすので、おふたりがもっと絡む演目で観られたらってちょっと恨めしく思いました。

最後は、ENBの絵里奈さんとヴァーガスさん組で、黒鳥のパ・ド・ドゥ。これもさすが、プリンシパル。絵里奈さんの表情の付け方がとっても上手くて、ENBにもイギリスの演劇の血がしっかり流れているんですね。ロンドンにいた間に、ENBに足を運ばなかったことを深く後悔しました。日本人の人が踊っているの知ってたのに。ううう、悔しい。わたしの人生、後悔の多い人生でした。

海外のバレエ団もピンからキリまであるし、日本のダンサーもとっても上手いので、海外、日本って殊更言うのは間違っているとは思うけど、でも、外国の、人の性格も文化も異なる中で揉まれることは、舞台の中心で踊ることにずいぶんと違いが出ると思うんです(どうぞどうぞと控えめな人の中と、みんながオレがオレがと生き馬の目を抜くような中で真ん中になるのは、精神のタフさが違うと思うんです)。全員が、外国を目指すことはないと思うし、そんなこと言うのは間違ってると思うけど、でも優れたダンサーは、ぜひ、海外の劇場で踊る経験をして欲しいです。海外の劇場に所属しなくてもゲストで踊るチャンスはあると思うから。それは、すごい大きな大切な経験になると思うんです、ダンサーにとって。

日本人の海外での活躍を見るのは嬉しいです。この企画毎年あるのかな。また違ったダンサーを観られたら嬉しいな。特に男子!それから我がロイヤル・バレエの人たちも観たいな。それと反対に、日本のバレエ団も海外のダンサーが入りたがる(ゲストじゃなくて)バレエ団になっていくといいな。
[PR]

by zerbinetta | 2013-07-21 17:26 | バレエ | Comments(5)

夏が終わる   

夏がむしょうに大好きです。べたべたと暑くても寝苦しくても、わたしの頭の中の夏はいつもステキな季節です。いろんなことがあったから。そして、夏が来ると心がじりじりと痛むほど悲しくなります。夏がとうとう来てしまった。そしていってしまうね、と。夏が来ると、夏が終わってしまう日のことを考えて悲しくなるんです。この夏が永遠に続けばいいのに。

そんな、わたしが大好きな音楽は、「夏が終わる」という歌です。
試しにググってみると、スピッツさんとかmr. childrenさんとか、わたしの知らない曲ばかりが引っかかるんですけど、わたしの好きなのは、矢野顕子さんの「夏が終わる」とパパイヤパラノイアさんの「夏が終わる」なんです。どちらも名曲。なハズなんだけどな〜。そんなの知らないって言われそう。思い出が曲に被さってるわけではないので、純粋に名曲なんですよ(わたしには)。

ネットに上がってる音源を探したんだけど、矢野さんの「夏が終わる」はあったんですけど、パパイヤパラノイアさんのは残念ながら見つかりませんでした。その代わりに「さよなら夏」

この曲も好きです。八神純子さんの「endless summer」。大貫妙子さんの「夏に恋する女たち」。zeldaさんの「dear natural」
古い歌ばかりで恥ずかしいです。最近の歌、全然聴いてなくって。

今回はクラシック音楽の話じゃありませんでしたね。ふふ
[PR]

by zerbinetta | 2013-07-19 23:41 | 随想 | Comments(0)

海外のオーケストラで活躍する日本人指揮者   

日本の音楽をどうしたら海外に発信できて、ベートーヴェンやブーレーズみたいないろんな国で受け入れられ、演奏される音楽が生まれるか、考えたとき、まずは外国で演奏される機会を持つ、といのが大事だと思ったの。外国でも広く演奏されてる日本人の作曲家って、だって、あんまりいないんですもの。わたしに思い浮かぶのは武満徹くらい。あとは、佐藤聰明さんとか細川俊夫さん、藤倉大さんくらい?どこの国でも、自国の音楽を優先するのが当たり前なので、外国の遠くアジアの小国の音楽が、欧米で演奏される機会ってあんまりない。この間、最近絶大な人気のある佐村河内さんの巨大な交響曲が、海外で演奏され評価されるには、具体的にどうすればいいのかなって、考えたとき、海外で自分のオーケストラを持ってる指揮者が採り上げるのが一番と思って、じゃあ、いったい外国で活躍してる日本人指揮者(オペラを除く)って誰がいるんだろう?って調べてみたの。わたしだけじゃ無理だから、ツイッターでも聞いてね。昔だったら、小澤征爾さんの名前がすぐに浮かぶんだけど、今、ウンウン考えても名前を思い出す人いないし。外国で日本の音楽を採り上げてもらうのが目的なので、振る曲を選ぶ裁量の小さい客演指揮者は入れません(客演指揮者でプログラムまるまるを海のものとも山のものともつかない交響曲に使うのは現実的に無理でしょう。絶対お客さん入らないもの)。首席指揮者だったら、シーズンのプログラムを決定できるので、きっと少しはチャンスありそうだし(ロンドン・フィルのユロフスキさんが音楽会でロシアの全然名前の知らない作曲家の音楽を採り上げるみたいに)。

と、調べてみると。なんと!びっくりしました。意外に少ないんですねっ!しかもみんなとってもマイナー**なとこばかり。小澤さんって奇跡的に凄かったんですね。

本名徹次さん(1957−) ヴェトナム交響楽団(ヴェトナム)
井崎正浩さん(1960−) ソルノク市交響楽団(ハンガリー)
上岡敏之さん(1960−) ヴッパータール市音楽監督(ドイツ)
篠崎靖男さん(1968−) キュミ・シンフォニエッタ(フィンランド)
柳澤寿男さん(1971−) コソヴォ・フィルハーモニー交響楽団 (コソヴォ)
川本貢司さん(1972−) ピルゼン・フィルハーモニック交響楽団(チェコ)

(他にご存知の方がいらっしゃいましたらぜひ教えて下さい♪)

ううむ。ちょっと、ここで佐村河内さんの交響曲が演奏される可能性は低そうだな〜。どこも地元密接型っぽいし。それより、交響曲第2番が演奏されることの方が大事かも。そうじゃないと喉元過ぎれば熱さ忘れるで、海外で演奏されるどころか、熱病のようなブームで終わってしまいそう。

昨今は、なんてかっこいい言葉を使ってみましたが、日本の人が内向き傾向で、外国に出る人が少ないとか(わたし自身も実感としてそう思いました)。音楽家業界もそうなのかしら。内向き縮小再生産になってしまうので、どんどん、外国に出て行って欲しいです。山田和樹さんなんて、日本フィルハーモニーの正指揮者なんてへなちょこなポジション*なんて受けてないで、どこかの国のオーケストラの首席指揮者を狙えばいいのに。もったいない。
がんばれ〜、日本の若い指揮者の幼生たち。世界に飛び出せ〜。

(言い訳集)
*失礼にもへなちょこと言ったのは、日フィルには指揮者の役職がたくさんあって、首席指揮者というのもあって職分がはっきりしていないように見えるからです。実際、正指揮者はシーズンたった3回の音楽会で、オーケストラと共に育つというのにはほど遠いし、これでは客演とあまり変わりありません。能力のある若い指揮者は、オーケストラの責任のある役職で育っていくのがいいというのがわたしの考えです。

**マイナーだからといって批判しているわけではないのです。指揮者の世界って国盗りゲーム的なところがあって、小さな地方のオーケストラから、いわゆる一流オーケストラの指揮者へと登っていくというようなところがあると思うのです。より良いオーケストラの方が、お給料もいいし(高く評価されていると言うことです)、より高い芸術性を達成することができるからです。名もないオーケストラを育てるというのはとっても大事で重要なことだけれども、そこにずうっと留まるということは良いことだとはわたしには思えません(そのオーケストラをとても愛しているのなら、名誉指揮者になってときどき振ればいいと思うんです。でないと若い人のためのポジションがいつまでも空かない)。
[PR]

by zerbinetta | 2013-07-19 00:36 | 随想 | Comments(2)

一流のソリストとの共演はアマオケにとって宝 藤田有希、石毛保彦/オーケストラルゼル   

2013年7月15日 @杉並公会堂

ボロディン:「イーゴリ公」序曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」

藤田有希(ヴァイオリン)
石毛保彦/オーケストラ・ルゼル


生まれて初めての杉並公会堂です。わたしのイメジでは老舗のホール。何しろカタカナのこじゃれた名前じゃなくて公会堂だもの。昭和の香りがするよね。と思ってきてみたら、ガラス窓を大きく採り入れた明るくて新しいきれいなホールでした。最近立て直したのね、ホワイエが狭いのが玉に瑕。

オーケストラ・ルゼルは東京電機大学のオーケストラの卒業生を中心にして作られたオーケストラだそうです。20代中心かしら。コンサートマスターの人がちょっとナルシスト入ってるぅ、なんて可笑しかったりして。

「イーゴリ公」の序曲はほんとはボロディンの作ではないんですね。そんなこともこの間のロシア専門オケの音楽会で知って、ふむふむ、普通はこだわらないんだな、とかちょっぴり知ったかぶりしてみたり。なかなか勢いのある演奏でした。指揮者の石毛さんは、お医者さんを止めて(多分)、指揮者の道に入られた方なんですね。歳は取っている(いやそれほどでもない?)けど指揮者としてはまだ若手(?)。流れるような指揮でかっこいい。指揮者に憧れて指揮者になったというのがよく分かる感じです。きっと指揮者を目指す前はお仕事の休みに家でCDを聴きながら菜箸でたくさん指揮してきたのでしょう(と、失礼ながら勝手な妄想)。でも、そんな流麗な指揮ぶりだから、歌わせるのがとっても上手い。よく歌う「イーゴリ公」でした。

シベリウスのヴァイオリン協奏曲、アマチュア・オーケストラで聴くのは実は2回目。前は、ロンドンの高校生(プロを目指したり目指さなかったり)がセーゲルスタムさんの下、フィンランド(US生まれ)の若手ヴァイオリン奏者エリナ・ヴァハラさんの演奏でした。そのときの演奏はとても良かったけど、今日はどうでしょう。なんてもったいつけないで言うと、凄く良かった。ソロを弾いた有希さんの音楽に聴き惚れていました。
有希さんは現在、フィンランドのシベリウス音楽院に留学中のヴァイオリニストなんですね。一時帰国中。明るいピンクの(うろ覚え)裾の大きく広がった(Aライン?)のドレスで(最近ヴァイオリニストではあまり見ないからびっくりした!)、かわいらしい感じの方。24歳くらいなんですね。オーケストラのメンバーと約同年代。
さわさわと静かにオーケストラが始まると、アマチュアの弱さ、弱音は力がなくて掠れてしまうのだけど、すうっとソロが入ってくると、とたんにオーケストラが締まったの。ソリストが音でオーケストラをリードしていく。というかオーケストラがソリストの音に感化されてる。プロのオーケストラでもこういうの聴いてきたし、ヒラリー(・ハーンさん)なんて、コンサートマスターよりもコンサートマスターらしい感じだけど、素直なアマチュア・オーケストラにはより効果的。考えてみれば、指揮者はどんなにひっくり返っても欲しい音は出せないけど(余計な音を出してうるさい指揮者はいるけど)、ソリストは自分の欲しい音を自分で示すことができるもんね。しかもヴァイオリンはピアノと違ってオーケストラの中の中心の楽器だし。完全に有希さんの音楽。わたしは有希さんの音だけを耳で追っていればいい。
有希さんのシベリウスは、清楚で澄み切っていて、わたしたちが考えるシベリウスそのもの。彼女が今住んでいる、シベリウスの国の景色を見せてくれるよう。シベリウスの音楽って懐が深くて、例えば、ニッキー(ベネデッティさん)のようなふくよかで自由な音楽も印象的だったし、リサ(バティアシュビリさん)の見せてくれた風景もステキだった。彼女たちに比べれば、有希さんの演奏はものすごく自然。この間、千々岩さんが聴かせてくれた、考えられ、練られた音楽でもなく、すっと素直。意地悪で言えば個性があまりない、のだけれども、そうではなくて、シベリウスが呼吸していたのと同じ空気を感じる音楽なんです。それは、同じ空気を吸っている有希さんだからこその音楽。頭の中で考えて真似できることではないのだと思う。有希さんは、果敢に、楽譜に書いてある音符を全部丁寧に弾こうとしてたし、ほとんどミスもなく弾ききっていました。わたしは、彼女のヴァイオリン好きだなぁ。もし将来日本に帰ってくる選択肢を取るなら、伝統的にシベリウスのオーケストラの日フィルなんかのコンサートマスターになって欲しいです。
石毛さんもオーケストラもただ手をこまねいていたわけではありませんよ。来るところはがーっときたし、来すぎちゃったところは石毛さんがしっかりコントロールして抑えてました。ほんとに素晴らしいシベリウスでした♡

休憩のあとは「田園」。最近、ベートーヴェンの交響曲の中で偏愛してます。コンサートマスターは、ナル君から変わって女の人。でも、このベートーヴェンらしからぬ繊細でかわいらしい音楽は、アマチュア・オーケストラにはちょっと荷が重かったかな。弱音で美しい豊かな音を弾かなければならないのに、それが難しいんだもの。小さな音を強い豊かな響きで弾くのってなんて難しいんだろう。アマチュア・オーケストラではそれが、プロのオーケストラのようにはできないし、ベルリン・フィルが聴かせてくれるピアニッシモの美しさは残念ながらまだ、日本のオーケストラには弾けない。そんな感じで、昔のSPレコードの乾いた音のような(そこのあなた。わたしの歳を想像したね。もちろん、生でSPレコードを聴いたことはないのよ。ラジオとか復刻のCDとかですよ)、オーケストラの音では、「田園」の魅力は半減。石毛さんの速めのテンポの相まって、「田舎に着いた楽しい気分」はそこに義両親が待ってるような胃の中に何かを入れられた感じ(義両親と上手く行かない人多いんでしょう?わたしは、義両親さん大好きですよ)。小川も流れがちょっと枯れかけてるみたいな。大きな音になると良くなるんですけどね。

アンコールは、シベリウスの多分「アンダンテ・フェスティーヴォ」(ティンパニ入り)。ソリッドな弦楽合奏は、とても良かったし、このオーケストラはこういう力の強い音楽の方が向いていそう。
今日はシベリウスを楽しんだ、という記憶を大切なフォルダーにしまっておこう。
[PR]

by zerbinetta | 2013-07-15 00:10 | アマチュア | Comments(0)

白と黒、純な愛 ロイヤル・バレエ「白鳥の湖」   

2013年7月14日 @東京文化会館大ホール

白鳥の湖

振付:マリウス・プティパ、レフ・イワーノフ、
フレデリック・アシュトン(第3幕ナポリの踊り)、デヴィッド・ビントレー(第1幕ワルツ)
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

マリアネラ・ヌニェス(オデット/オディール)、ティアゴ・ソアレス(ジークフリート)
ギャリー・エイヴィス(ロットバルト)
エリザベス・ハロッド、エマ・マグワイア、ヴァレンティノ・ズチェッティ(パ・ド・トロワ)
小林ひかる、イツァール・メンディザバル(2羽の白鳥)
エリザベス・ハロッド、エマ・マグワイア、
ロマニー・パイダック、サビーナ・ウェストコム(4羽の白鳥)
崔由姫、ポール・ケイ(ナポリの踊り)

ボリス・グルージン/東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


ネラの「白鳥」だけは観なくては、とチケット取っていたんです。わたしにとって女神ですから。今、ネラを観ないのは人生の損失。彼女の「白鳥」は去年も観てさらなる深化にびっくりしたけど、それから9ヶ月。さらに深化したものが観られるのは間違いのないことだもん。

ネラのことはとりあえずおいといて、まず、オーケストラ!今回の来日公演では、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団がピットに入ったんだけど、流石、完全燃焼を標榜しているだけあって、熱い演奏。特にティンパニの打ち込みが凄かった。それに、音量もあって(結構爆演)、いつもへらへらとテキトーに演奏してるロイヤル・オペラ・ハウスのオーケストラとは大違い。わたしがロンドンにいたら、このオーケストラ輸入して欲しいよぉ〜。

今日とっても良かったと思ったのが、まず、第1幕のパ・ド・トロワ。ズチェッティさん好きなんですよ。でも、前までは、まだ身体の線が細くて少年だったのが、今回、大きく力強くなってきたように見えました。背はまだそんなに高くないのかなぁ。成長して王子さまの身体になって欲しいです。で、しっかり踊ってくれたけど、女性陣も良かったです。ソロイストになるエリザベスさんはずいぶんと踊りが上手くなったように(余裕があるように)感じたし、マグワイアさんもステキでした。この踊り、ソロイスト・クラスが配役されることが多いんですけど、若いフレッシュなダンサーを観られるのがいいですね。他の日のユフィさんや茜さん、扶生さんも良かったと聞くし、あっ日本人大活躍。

それから、4羽の白鳥。小っちゃな白鳥の踊りで、軽妙な音楽でも有名ですよね。今日の4人がぴったり揃っていました。こんなに揃ってるの観るのロイヤル・バレエでは今日が初めてかも。完璧でした。(びっくり)
2羽の白鳥は、いつも観てるので驚きはないけど、ひかるさんの丁寧な踊りは好感が持てるし、ひかるさんとメンディザバルさんの踊り似てるから良い組み合わせよね。

そして、第3幕のナポリの踊りでのユフィさんとケイさんのカップル。ナポリタンと言えば、モレラさんとセルヴェラさんのカップルが盤石なんだけど、ユフィさんとケイさんのカップルもステキ。かわいらしいし軽やかに踊れる。モレラさんとセルヴェラさんが熟成したブルゴーニュの白だとするとユフィさんとケイさんは爽やかなミュスカデ・シュール・リー。あっでもぶちゅぶちゅしっかりキスして欲しいな。難しいんだけど。

それに、忘れちゃいません。平野さんの酔っぱらいとか、威厳のあるマクゴリアンさんの王妃。わたしダメな子なので、マクゴリアンさんのお母さんはリアルだったら怖くてダメなんだけど(絶対怒られる)、王妃は本物より本物な感じ。出てくるだけで緊張しちゃう。そして、なんと!ギャリーさんのロットバルト。今日はギャリーさんお休みかなぁと思ってたので大喜び。ギャリーさんを観ずしてロイヤル・バレエを語ることなかれです。今日はかなり抑えてたと思うけど(第3幕は少し優しげ)、やっぱり存在感が凄い。第3幕はどこを観ていいのか分からなくなるほど。ポーランドの踊りは観てなかったもん。今日ギャリーさんが、優しげに見えたのには理由があります。(ギャリーさん舞台によって演じ方を変えていて、あるときはほんとに憎々しげなロットバルトを演るんです)

ふうう。やっとネラとティアゴさん。
わたし、ティアゴさん好きです♡ヘタとかいろいろ言われることもあるけど、ネラとティアゴさんのペアは最強。ティアゴさんはネラを最も美しく見せるパートナーじゃないかしら(ネラは誰と組んでもステキに踊るんですけど)。ネラは完全に信頼しきってるのが伝わってくるので安心して観てられるし。実際、ティアゴさんのパートナーリング上手いと思うのよ。ひとりで踊るときは、リスクを取るより丁寧に踊る風なのでちょっと物足りないところもあるんですが。
そして、わたしの女神、マリアネラさん。ずうっと双眼鏡にメガネをくっつけて観てたんですけど、うっとり。言葉にならない、というか魂を全て持って行かれちゃった感じ。テクニックの確かさはもう凄すぎというしかないんだけど、身体の柔らかさが美しさになって、強烈な光を放ってる。ヴィーナスの美しさ、それが絵や彫刻と違って動くんですよ。一瞬一瞬の違うポーズが全て美しい。そして美しいのではなく、そこから心が、物語が伝わってくるんです。第2幕でのアダージョの神々しい美しさって言ったら。凄くゆっくりしたテンポの中(遅いテンポでバランスしながら踊るのって難しい)、それが彼女のテンポのように音楽と溶け合って。というより、ネラがあの音楽を望んだのではないかと思ってるんです。去年の「パゴダの王子」から彼女、意識してゆっくりした踊りを作っているように見えたので。

オディールのネラは、かわいらしく明るく演じてた。これにはびっくり。前はもっと妖艶に踊っていたの。その方が悪魔の手先となって王子を誘惑する物語に合うし。ところが、今日は黒い少女のオディールが、少女の純真さで王子を愛してる。オデットもオディールも純粋に王子を愛しているように見えたの。マリアネラさんは、そんなふうに物語を感じていたのではないかって思うんです。オディールって果たして悪い女なのかって。本人は望まなくても恋のライヴァルになってしまっただけだって。だからこそ、ギャリーさんのロットバルトが優しさを少し含んでいたのかも知れません。演じる人によって物語のニュアンスが変わる、変えられる力があるのがこのバレエ団ですから。

わたしにとって、これはとっても示唆に富んだ視点だと思ったんです。オデットとオディール、互いに憎み合う、敵対する仲ではなくて、もっと一途な恋敵なのではないか。そしてそれをさらに突っ込んで、白いオデットと黒いオディールはひとりの少女の2つの面ではないかって。人は誰でも、素直な良い部分と、悪い心を持っているものでしょう。ひとりの人を愛したとき、そのふたつの自分はどうするのだろう?どうせめぎ合うのだろう?純粋に愛を語る一方、相手に対して積極的に誘惑するような打算的なわたしもいないかって。人間ってきれいじゃないから。そして、わたしの新しい「白鳥の湖」の物語は、悪魔によって、きれいな部分と邪な部分を引き裂かれて、オデットとオディールのふたりの人間にされてしまった。そしてできたら、最終幕で、王子との愛が悪魔に打ち勝って、オデットとオディールがもう一度ひとつになってひとりの少女として王子と結ばれるの。そんな物語をネラの「白鳥」を観て膨らませてしまいました。わたしにとって掛け替えのない舞台は、新しい発見のあるものです。何度も観た「白鳥の湖」からまた、ステキな発見ができたことが大きな喜びです。それにもまして、マリアネラさんとソアレスさん、素晴らしかった。しばらく恍惚けてしまいます。大好きな片思いに憧れてる友達にしばらくのお別れの涙を流して。
[PR]

by zerbinetta | 2013-07-14 22:42 | バレエ | Comments(4)