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雄大な噴水 シンフォニア・ズブロッカ第10回演奏会   

2014年5月25日 @サントリーホール

バーンスタイン:「キャンディード」序曲
レスピーギ:「ローマの噴水」
マーラー:交響曲第5番

金山隆夫/シンフォニア・ズブロッカ


2週連続してサントリーホールです。来週もサントリーホールに行くから、にわかにサントリーホールづいてます。どうしちゃったんでしょう。(実は来週も行く)なぜか招待券をもらったので聴きに来ました。

始まりは「キャンディード」序曲。金山さんはUSで修行してるし、スラトキンさんのアシスタントもしていらしたから、アメリカ音楽はきっと得意よね、と思ったんですが、オーケストラにはちょっと難しかったかな。独特の(クラシックではない)リズム感や細かい音符でつないでいくところなんかに多少の不安を感じてしまいました。短い分かりやすい曲だけど、こういうのはきっちりと練習していかないとボロが出ちゃうなって感じです。プロでもそうだもの。

「ローマの噴水」は、初めて聴くんじゃないかしら。うっかり「ローマの泉」と思っていたんだけど、演奏を聴いて「ローマのアルプス(ローマに山なんてないよ)」ってタイトルを付けても良いような雄大な音楽。この曲ってこんなに大きな音楽でしたっけ?派手やかな「祭り」と盛り上がる「松」の中にあって、この曲って緩徐楽章のように穏やかで静かなイメジがあったので、こんなに盛り上がるところもあったんだと、目から鱗でした。演奏もとても良くて、繊細さと雄大さを兼ね備えたステキなものでした。先に結論を書くと、今日の音楽会の中で、この曲の演奏が1番良かったです。

最後はマーラーの大曲(マーラーにしては標準?)、交響曲第5番。始まりのトランペット、こっちも緊張して聴いちゃうのだけど(本人も指揮者も会場も絶対緊張する。っていうかここを緊張感なく始めたらその演奏はダメだろう)、トランペットのソロは、音色にも気をつけてとても上手く吹いてたと思う。始め良し。
金山さんのマーラーは、バスの音を短く切るのが特徴。そしてなるべくインテンポ。そのせいで、引き摺るところがなくほんとに行進曲風になってささっと歩いて行く。葬送行進曲としては粘らない軽い感じがして、パロディのよう。金山さん、このバスの音の切り方は、楽器が変わっても徹底的にやっているので、わたしの好みとは違うけど、これは彼のやりたい音楽なんでしょうね。スラトキンさんからの影響??なんて考えたら、スラトキンさんとナショナル・シンフォニーでマーラーの5番だって嬉々としてチケットを掴んだら、1週間前の日付が印刷されてあって涙目になったことを思い出してしまいました。余計な思い出。
金山さんの演奏で強い個性を感じたのは、この部分だけでした。あとは上手に演奏されているとは思うけど、普通な感じ。やっぱりマーラーって難曲なんですね。アマチュアの演奏でも、今日の演奏のようにきちんと弾けていれば、音楽を楽しむことができるのだけど、それ以上に深いところを表現するというまでにはまだ距離がある。金山さんとズブロッカの人たちは、細かいところでは、例えば楽器の受け渡しのときの音量とか、全体のパワーとか、技量が付いていかないところがあるものの、マーラーを演奏する意欲は感じたし、そこまではちゃんとできていたと思うんです(4楽章のアダージエットはとてもきれいだった)。それは胸を張ってもいい。ただそこから先、マーラーの音楽で何を表現するのかというところには至っていないと不満を言うのは、あまりに過大な期待でしょうか。プロのオーケストラでもそんな演奏を聴くことがあるし。。。

年に1回ずつ、10年間も続けてきたオーケストラはこれからどういう風に成熟していくのでしょうか。名前になったズブロッカの国、ポーランドの作曲家の作品も聴いてみたい気もするのだけど、シマノフスキとかやってくれないかしらね〜。


♪♪
シンフォニア・ズブロッカの次の音楽会は、第11回演奏会が来年の4月26日、すみだトリフォニーホールです。
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by zerbinetta | 2014-05-25 00:23 | アマチュア | Comments(0)

原点回帰とロシア音楽の原点 アウローラ管弦楽団第11回定期演奏会   

2014年5月24日 @第一生命ホール

リャードフ:8つのロシア民謡
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ルビンシテイン:交響曲第2番「大洋」

赤松林太郎(ピアノ)
米津俊広/アウローラ管弦楽団


アウローラ管弦楽団は、わたしにアマチュア・オーケストラのおもしろさを教えてくれた大切なオーケストラです。良い意味でも悪い意味でも、わたしの思うアマチュア的、というか、弱点もひっくるめて面白いんですよね。そのオーケストラが、第10回の記念演奏会(凄まじい法悦)の次に歩み出したのは、原点に還って小さなサイズ、2管編成のオーケストラで小さめのホールでの音楽会。チャイコフスキーの有名曲、ピアノ協奏曲第1番に、やっぱりそう来るかと珍しい、ルビンシテイン(カタカナ表記はプログラムによる)の交響曲「大洋」。ほとんど演奏されませんよね。わたしがプログラムで見たのは初めてです。今ひとたび、始まりに戻って新しい歩みを踏み出すのに、ロシアの交響曲の隠された原点と言うべき「大洋」を持ってくるあたり、ロシア・オーケストラとしての矜恃を感じますね。

最初はリャードフのかわいらしい小さな「8つのロシア民謡」。リャードフは音で絵を描くのが上手い人だと思うとおり、民謡を通してしっとりとときにはコミカルに素朴な情景を描いていました。オーケストラの各パートがしっかりと歌っているのでとても良く聞こえたのですが、特に眼帯をしたチェロのソロが深みのある幅の広い音でステキでした。ソロに導かれて出てくるチェロのパートソロも良かったです。目の方はお大事に。

2曲目はピアノ協奏曲。この間の轍を踏まないように、今日は少し後ろの方に座ってみました。ピアノはばっちり。
赤松さんのピアノは、フレーズにドキリとするような小さなためを付けたり、音の出し入れに独特のものがあって面白かったです。特に弱音で抜くところにはっとなりました。
聴き慣れた名曲(主にCDで。音楽会では10回も聴いてません)なので、ちょっと辛いんですけど、オーケストラはがんばっていたものの、欲を言えば、柔軟性が欲しかったです。練習どおりに弾いたみたいな感じで、即興的なピアニストとの対話がなかったように感じました。特に、第1楽章の後半でピアノとオーケストラが同じフレーズで会話を交わしながら盛り上がっていくところで、ピアノがけしかけているのだけど、オーケストラはそれには反応せず自分たちがやって来たことをそのままやってしまって、いつまでも音楽が交わらないように聞こえてしまったのが残念です。本番の演奏って練習の成果を見せるのではなく、そのときにしかない音楽的な対話、丁々発止のやりとりを聴きたいんです。それがあまりなく、ピアニストとオーケストラの音楽が交わることなく硬直して存在していたように聞こえたのが、物足りない部分です。これは指揮者の責任によるところも大きいのかも知れませんが。それにしても、ティンパニの打ち込みは凄かったな。わたしにんまり。
ピアニストのアンコールは、スクリャービンの練習曲から。キラキラと言うより柔らかなタッチで弾かれて、ショパンっぽさを残すような感じ。赤松さんのピアノで、スクリャービンのソナタを順番に聴いてみたくなりました。どんな風に変えていくだろうって思って。

「大洋」は、改訂を重ねて、最終的には7楽章になったそう(そしてそれはチャイコフスキーにいささか凡長すぎると批判された)だけど、今日はオリジナルの4楽章版。それでも40分くらいある壮大な交響曲。プログラムには、メンデルスゾーンなどを思い起こさせると書いてあったけど、わたし的にはチャイコフスキーを思い出させるというか、チャイコフスキーの根っこを感じました。チャイコフスキーの師匠なので当たり前だけど。でも、いくら西欧の影響を受けているロシアのクラシック音楽の黎明期のひとりとはいえ、ロシアの血は流れてると思いました。ブルジョワ的なのが(ロシア5人組の作曲家に)嫌われてのかな。メンデルスゾーンぽかったのは、最後のコラールかな。
聴き応えのある曲だけど、やっぱり長いかな。歴史的には、ロシアで最初の交響曲という重要なポジションにあるんだけど、ただの音楽聴き的立場で言えば、チャイコフスキーがあればいいかな(いつも聴きたくなる音楽ではなかった)。
演奏については、初めて聴く曲なので細かいことは分からないけど、今回、西欧的なまるみのあるロシア音楽を聴く限り、オーケストラの(音色的な)荒さが目立ちました。なので今のこのオーケストラには、荒っぽさがあまり欠点にならないごつごつした裸のロシア音楽の方が合っているように感じました。ムソルグスキーとかボロディンとか。ロシア音楽への愛に溢れた(これから愛する人も)オーケストラ、ぜひぜひ、長く続けて、広大なロシア音楽の神髄を究めていって欲しいと思います。知られざるロシアの名曲、まだまだ教えて欲しいです。

アンコールは「くるみ割り人形」から「トレパック」で賑やかに音楽会は終わったのでした。


♪♪
アウローラ管弦楽団の次の音楽会は、第12回定期演奏会が来年の1月10日、すみだトリフォニーホールです。ラフマニノフの交響曲第2番、他。
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by zerbinetta | 2014-05-24 00:36 | アマチュア | Comments(0)

伝える力 横浜市立大学管弦楽団 spring concert   

2014年5月18日 @サントリーホール

サンサーンス:ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」
ドヴォルジャーク:交響曲第8番

萩原麻未(ピアノ)
山田和樹、沖澤のどか/横浜市立大学管弦楽団


夜の音楽会は、横浜市立大学のオーケストラ。だってこの間聴いて、ヤマカズさんに大感銘だったんですもの。もちろん、ヤマカズさんお目当て(それに応える学生のオーケストラも♡)なんだけど、実は今日は、沖澤さんをちゃんと聴いてみたいと思ってたんです。前回はがんばれーーって思ったので。それに今日は沖澤さんがメインを振ります。

ヤマカズさんが振るのは前半、サンサーンスのピアノ協奏曲です。ピアニストは萩原さん。だったのに〜〜ぃ、座った席が悪くてピアノの音がよく聞こえませんでした。わたしの好みの席ってピアノが聴きづらい席なのは分かっていましたが、ここまで聞こえなかったのは初めてです。ホールのせいなのか、ピアノのせいなのか。ちょっと残念。
ピアノの萩原さんの手元を見つめながら聴いていたのですけど、柔らかな音色でさらりと弾いていたのが、この曲の何だか紀行番組「世界の情景ーナイル河紀行」の音楽みたいな雰囲気には合ってたかも。座った席での聞こえ方によると思うのですが、静かな叙情的な部分に魅力を感じました。情景的な音楽に感じられたのは、(席のせいで)強音が上手く聞こえなかったからかも知れません。第3楽章には速弾きの部分があって、やっぱサンサーンスってピアノの速弾きが好きなのかも、とも。
ヤマカズさんのオーケストラは、ピアノとの会話を楽しむように上手くつけていたと思います。ヤマカズさん主体じゃないけど、それでもやはり、ヤマカズさんの才能はきらりと感じることができました。ほんとに気持ちよく音楽を演奏させるのはステキ。弾いていたら夢のように時間が過ぎていったのに違いがありません。木管楽器がとってもきれいに響いて、サントリーホールって木管楽器が柔らかく響くホールなんですね。

萩原さんのアンコールは「亜麻色の髪の乙女」。これが不思議な演奏でした。普通の「亜麻色の髪の乙女」を期待したらちょっと違った感じを受けるだろうな。柔らかで叙情的ではなく、かといってつっけんどんと機械的でもなく、ドビュッシーの音楽からは少し距離がある感じで、でもひんやりした風がすっと抜けるような、甘みを抑えた薄いミント水のような。でも乙女は幻。透明な緑色の奥に映る仄かな灯火。

休憩のあとはいよいよ、沖澤さんのドヴォルジャーク。ふくよかに歌うような音楽が始まったとたん少し違和感が。チェロとホルンの間でテンポ感の微妙なずれ。ふたつ振りで大きく降っている沖澤さんのテンポが正確に伝わっていないみたい。音楽が動き出してからは、そんなずれは目立たなくなったんだけど、それでも指揮者の腕が虚しく空を切って沖澤さんの音楽がオーケストラに上手く伝わっていない感じはこの間も感じた。ちゃんと指揮してるんだけど、指揮棒の先からオーラが出ていない。体全体はよく動いているけど音楽が表現し切れていない。きっと彼女は素晴らしい音楽を持っているんだと思うんだけど(メリハリを付けた分かりやすい音楽作りの中にもステキな音楽を感じる瞬間はあったから)、それが伝わらない歯がゆさ。自分の音楽をオーケストラと共鳴させられることが、ヤマカズさんにはあって沖澤さんにはまだない部分。沖澤さんと言うより多くの指揮者だけど。沖澤さんはまだ若いので(20代?)経験によるところも大きいでしょう。でも、ひとつ感じたのは、沖澤さんあまり顔に表情を表さない感じなの。口をむっつりつむって、もちろん指揮者は音を出してはいけない(そうでもないけど、一応ね)唯一のパートだけど、歌ってもいいんじゃないかって思った。声楽もやってるみたいなので自然に歌えると思うし(モンテヴェルディのアンサンブルは指揮だけかな?)。ラトルさんを見習って眉毛で指揮するのもいいし、ヤマカズさんという偉大な指揮者がそばにいるのでフォースの出し方を盗んで、裡にあるものを全部オーケストラに伝えられるようになって欲しいなって思います。

横浜市大のオーケストラは、指揮者について音楽をやろうという意気込みに満ちていました。楽譜を見ないで、指揮者見てる率がうんと高いの。これはいい。この間の音楽会で、アンコールのとき譜面を閉じてまわったヤマカズさんの薫陶かしら。欲を言えば、指揮者を見つめるばかりじゃなくて、周りを見るようにもなったらいいな。音楽ってみんなで作るものだから。みんなで合わせる自発的なアンサンブルってとっても大事だし、きっととっても楽しいよ。コンサートマスターの隣(次席)に座っていた人が、コンサートマスターが短いソロを弾いたり、ちょっと休みがあるときに、彼女の方ににっこりと満面の笑みで微笑みかけてたのがステキ(ふたりとも女性です)。音楽ってやっぱりコミュニケイション。ここからアンサンブルが始まるもの。

アンコールは「眠れる森の美女」からワルツ。バレエの音楽ってシーンが思い出されてワクワクする。指揮者もオーケストラもリラックスした風で、良く鳴ってて良かった〜。緊張しながらリラックスすることも大事よね。


♪♪
横浜市立大学管弦楽団の次の音楽会は、第45回定期演奏会が12月24日、みなとみらいホールです。角田鋼亮さんの指揮で曲目は未定。
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by zerbinetta | 2014-05-18 23:50 | アマチュア | Comments(0)

音楽の家族 テオフィルス室内管弦楽団第52回定期演奏会   

2014年5月18日 @かめありリリアホール

モーツァルト:バレエ音楽「レ・プティ・リアン」より
フランセ:十重奏、弦楽五重奏と木管五重奏のための(管弦楽版)
シューベルト:交響曲第2番

高畠浩/テオフィルス室内管弦楽団


夜の音楽会まで時間があるのでお昼の音楽会にも行ってきました。モーツァルトのクリスチャン・ネームを冠した(アマデウスはギリシア語でテオフィルス)オーケストラに興味があったし、室内管弦楽団というのにも興味がありました。古典をやれる団体は上手いに違いないというヘンケンもあるし。

5月なのに夏みたいなお天気。なぜか高砂から殺風景な道をとことこ歩いて40分ほどで亀有に。亀有は初めて。両さんで有名って知ってたから、小さな両さん像を見つけたときは大喜び。

モーツァルトの名前を頂いてるだけあって、音楽会にモーツァルトの曲を必ずやるみたいですね。と言っても古楽のオーケストラではないし、新しい作品も積極的に採り上げています。今日はフランセの音楽があるし。

そのモーツァルトの曲は、「レ・プティ・リアン」というバレエ曲。モーツァルト以外の作曲家も音楽に関与しているそうなんですが、今日はモーツァルトの作品を取り出して、他の作曲家のを2つ加えて10曲。なんというかぼよ〜〜んとほのぼのとした音楽。有名作曲家の知られていない作品だけあって(わたしも今回初めて知りました)、正直、無理して聴かなくてもいいかなって感じかな。初期のオペラ「バスティアンとバスティエンヌ」に雰囲気似てました。

フランセは20世紀のフランスの作曲家。これまた珍しい演目。フランセの名前も初めて聴きました。音楽は一聴して分かるようにプーランクの流れを汲むお洒落な音楽。ステキですね、このセンス。それにしても、こんな曲を見つけてきて音楽会で採り上げてしまうところがいいですね。団員のプレゼンで曲が決まると言うことなのでヲタ的な好きな人がいるのでしょう。アマチュアの良さですね。
結論から先に書くと、今日の音楽会の中でわたしは、この曲が一番オーケストラに合ってると感じました。このオーケストラ、弦楽器が少なくて、ヴァイオリンは第1、第2それぞれ5人。アマチュアの弦楽器奏者にプロのような音量を求めるのは酷なので、この人数で管楽器と合わせると弱いんですね。フランセの曲は元々が弦楽五重奏と管楽器のために書かれているので、オーケストラに編曲しても弦楽器少なくてもバランスが良いんですね。

シューベルトは、この間の第3交響曲に続いて、今日は第2。マイナー攻めです。プログラムに(団員の思い入れや文学的(?)書き方がユニークで簡素でありながらとても好感度高し)シューベルトの曲は、聴いている人にはかわいい曲に聞こえるのに、弾いてる方は心身共に苛酷と書いてありましたが、ほんとにそう!第2ヴァイオリンとヴィオラの細かい刻み、シューベルトは鬼。この曲をやりたい人と阻止したい第2ヴァイオリンとヴィオラの人たちの間に選曲闘争があったのかしら?でも、聴く方は、めったに演奏されないかわいらしいシューベルトが聴けて嬉しい。
とてもシューベルトらしい気の置けない居心地の良い演奏だったんですが、管楽器に比べて弦楽器が(音量的に)弱かったのが残念。とはいえ、オーケストラの持つ家族的な雰囲気は、シューベルトの音楽も友達の間でこんな風に演奏されたのかな、って思い起こさせてステキ。このオーケストラのシューベルト、もっと聴きたいな(ごめんね、第2ヴァイオリンの人)。あと、フランセももっと聴きたい、お近づきになりたいって思いました。音楽の視野が広がるのはいつも嬉しい。

指揮者の高畠さんは、ずうっとこのオーケストラを指導していて、またいくつものアマチュア・オーケストラを持っているのですね。音楽会のときだけ振るのではなくて、じっくりと一緒にオーケストラの音を作っていく姿勢は、とても素晴らしいことだと思います。オーケストラはものすごく上手いとは言えないけど(決して下手ではありません)、音楽の家族ってすごくいいなって思える音楽会でした。

アンコールには「ロザムンデ」からバレエの音楽。シューベルトってほんとにいいですねっ。


♪♪
テオフィルス室内管弦楽団の次の音楽会は、第53回定期演奏会が11月2日、トッパンホールです。モーツァルトとシベリウスとベートーヴェン。
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by zerbinetta | 2014-05-18 04:44 | アマチュア | Comments(0)

アジアからのコスモポリタン オーケストラ・ニッポニカ第25回演奏会   

2014年5月11日 @紀尾井ホール

今井重幸:ゴジラのモティーフによる変容「ゴジラのフラメンコ」
チェレプニン:交響曲第1番
池野成:ラプソディア・コンチェルタンテ
伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ

高木和弘(ヴァイオリン)
阿部加奈子/オーケストラ・ニッポニカ


ニッポニカ・ニッポンって朱鷺の学名です。今日聴きに行ったオーケストラ、朱鷺にちなんでニッポニカ・ニッポンって名前を付けたと思っていたら、ニッポニカだけだった。。。ニッポニカは、その名前から察することができるように、日本の作曲家の作品を主に演奏している(専門ではありません)オーケストラです。プロのオーケストラかなって思っていたらアマチュアだったのでびっくり。そして、聴いてみたら、えーーっ?!プロじゃないのーー!ってまたびっくり。今まで聴いたアマチュア・オーケストラの中でずば抜けて上手かったというか、プロでしょ。

プログラムの最初は、伊福部のお弟子さんで、今年亡くなられた今井を追悼しての、彼の作品。プログラムを決めてから彼が亡くなったので、急遽、演奏されることになったようです。今日が初演。師匠の「ゴジラ」の音楽のテーマを自由に、とはいえきちんと聞き取れる形に、用いて作られた小品。聴きやすい曲なんだけど、プログラムによると精緻に構成された複雑な音楽とあるから、きっと難しいスコアをさらりと聞こえるように音にした阿部さんとオーケストラを褒めるべきでしょう。それにしても木管楽器とかのソロも上手かったし凄いな。

チェレプニンは、わたし、初めて名前を聞くのだけど、ストラヴィンスキーのひと世代あとのロシア生まれ、フランスを経て、USへ移った(最後はパリで亡くなってる)作曲家。お父さんがバレエ・リュスの指揮者だったり、息子さんにシンセサイザーの開発者がいる音楽一家。そして、伊福部が唯一師と仰ぐ作曲家。と、ウィキに書いてあったことはこれくらいにして、現代作曲家?、どんな音楽なんだろうと、想像の翼を広げてみたのですが、ホ長調と調性が付いてたから古典的な音楽かな?と思ったり、プログラムには、パリでこの曲が初演されたとき(ちなみに日本での初演は今日)、理解できなかった聴衆がロシアに帰れ、と批判したことから、ムズカシイ音楽かな?と思ったり。ふたを開けてみたら、そんなにヘンな音楽じゃないんだけど。。。細かい音符が続く、ルーセルみたいな感じ(ルーセルよく知らないけど)。第1楽章の最後にちょっと、な〜んちゃってみたいな終わり方をしてたり、そして、2楽章は史上初、打楽器だけの楽章。音程を伴わない打楽器による音楽だけど、すでにいろんな音楽を知ってしまってるわたしたち的にはそんなに違和感ないよね。ところで、今日の衣装、女性の皆さんはわりと自由で、上は淡い青や緑のブラウスを着ているのだけど、打楽器セクションは、パート・リーダーのかけ声ひとつ「今日はわしらの見せ場があるから、黒で統一!」と言われたか知らないけど、黒で決めていました。音楽もモノクローム。
正直言って1927年の初演の時点でパリの聴衆を怒らせた音楽には聞こえなかった(彼らはすでに「春の祭典」を聴いている)けど、(今の耳には)耳なじみがいいけど、実はフクザツなのかな。阿部さんは、結構大変そうに振っていました。今日の音楽の中で一番、阿部さんとオーケストラから遠い音楽だと感じました。

池野の「ラプソディア・コンチェルタンテ」はヴァイオリン協奏曲。今日が舞台での初演(前のは放送初演)。これは文句なしに素晴らしい曲。高木さんの渾身のソロといい、演奏も素晴らしかったです。師である伊福部の流れを汲んだ民俗的な作風でありながら、もう少し現代的な手法の中にも鋲を差し込んだ感じで、アジア的ながらもむしろ普遍的。アジアンな音階の旋律をただオーケストラに弾かせただけの音楽ではない、きちんと異化された労作。バルトークみたいと言ったら言い過ぎでしょうか?

最後の伊福部唯一の交響曲(最近もうひとつ出てきたんでしたっけ?)は、伊福部昭の面目躍如といった感じの充実した音楽でした。土俗的というか、民族的っぽいけど、汎アジアなむしろコスモポリタンな感じがして、空想上のわたしたちの根っこを見るような、突拍子もないけど、水木しげるさんが描くパプア・ニューギニアのお面みたいなイメジが膨らんだり、とにかくエネルギッシュで祭礼的。最後は、リゲティの「ルーマニア協奏曲」みたいになって日本人の起源を人類誕生の一点まで遡っていく感じ。戦後の作品だから、語法としては、古いと言われればそれまでだけど、今まで聴いたことのないユニークさがあって、日本の西洋音楽史(西洋の区分は変だけど、西洋の楽器を使った音楽、世界中で演奏されているスタイルの音楽という意味で)の中で欠けているものを、それは単にわたしが知らなかっただけなのかも知れないけど、聴いたような気がしました。武満だけが日本の作曲家じゃないよ。こういう音楽をこそ海外で演奏されるべきと思いました。っていうかわたしこそこういう音楽を知らずにいてもったいなかった。不勉強を反省。
池野の作品といい、伊福部のといい、聞いてると血が騒ぐんですね。でもアジアンな作品と言っても、日本人の血が騒いでるというより、もっと原初的なヒトの感覚。多分、この感覚は西洋の人も共感できると思うんです。だからこそ、日本の音楽として、コダーイやバルトークの作品が世界中で演奏されているように、外国でも普通に演奏されて欲しいんです。今日の指揮者の阿部さんは、フランスを拠点に活躍している方で、日本の作品はあまり振ったことがなく戸惑うこともあったとおっしゃっていたと思うのですが、演奏を聴くとさすが現代音楽のプロフェッショナル。新しい音楽の演奏に演奏家として作曲者のために真摯に取り組むとおっしゃっているとおり、複雑なスコアを音にするだけではなく、曲そのもののエネルギーを解き放っていたし、同じ言葉を話す人どおしの音楽をわたしは感じることができました。阿部さんには、ぜひ、彼女のオーケストラのプログラムにときどき日本人の作品を載せて欲しいってお願いしたいです。
アンコールには、「シンフォニア・タプカーラ」の最後の部分(「ルーマニア協奏曲」っぽくなったところから)をもう一度。

プログラム冊子の曲目解説もものすごく丁寧で情報が多く、これだけでも手元に置いておく価値のあるものでした。音楽会のプログラムを集めれば、日本の現代音楽のまとまったとても分かりやすい資料になることでしょう。
オーケストラ・ニッポニカも芥川也寸志が関わったオーケストラなんですね。新交響楽団とは兄弟みたいな(?)関係?多分、新しい日本の音楽を演奏させたらプロにも負けない日本のトップ・オーケストラでしょう。音楽会のプログラムのユニークさといい、絶対に聴かねばならないオーケストラですね。


♪♪
オーケストラ・ニッポニカの次の音楽会は、第26回演奏会が11月9日、紀尾井ホールです。安部幸明の作品集。指揮はなんとBCJの鈴木秀美さんです。チェロつながり?
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by zerbinetta | 2014-05-11 00:22 | アマチュア | Comments(0)

「復活」ってこういう曲ですよね 水星交響楽団第50回記念定期演奏会   

2014年5月5日 @すみだトリフォニー

シュトラウス:祝典序曲
マーラー:交響曲第2番「復活」

山田英津子(ソプラノ)、小川明子(アルト)
齊藤栄一/ソニー・フィルハーモニック合唱団、水星交響楽団


昨日に引き続き、今日もトリフォニー。大オーケストラに合唱付き。わたし派手好きかも。マーラーの交響曲第2番は、ポジティヴな音楽的メッセージが強いせいか、大編成の割によく演奏される曲。オーケストラの50回目の定期演奏会の記念を祝うのにもふさわしい音楽。水星交響楽団(一橋大学のオーケストラのOB、OGが中心になって作られたオーケストラ)は、30年の歴史の中で、この曲をすでに2回採り上げているのですね(大編成の作品を意欲的に採り上げるオーケストラのようです)。

その前に、シュトラウスの「祝典序曲」。わたし、ずっと勘違いしてたんだけど、紀元2600年のではないのですね。「祝典序曲」がふたつもあるとは知らなかった。この曲はとにかく派手。絢爛。これでもかというくらいにバター・クリーム(生クリームではない)を塗ったこてこてのケーキみたい。それを大人数のオーケストラでべたべたに演るんですからたまったもんじゃありません。最後はステージの後ろのオルガン席に金管楽器まで登場して、まあもうげっぷげっぷ。この曲はそんな曲なのか(多分そう)、演奏が厚塗りなのか(その傾向はあり)、正直わたしはもういいや。

後半のマーラー。これは、50回記念にふさわしい演奏。最初の低弦の速い音符の揃いからびっくりしたけど、ものすごくよく練習してきたというのが手に取るように分かる演奏です。弾き込まれていたし、3回目とあって何回か弾いたことのある人もいるのでしょう、気合いの入り方も違いました。ヴァイオリンなんか後ろの人まできちんと弾いていて、というか後ろの方にも上手い人座っていた?こういうのって絶対演奏していても気持ちいいでしょう。もちろん聴いてるわたしも気持ちよく聴くことができました。ソニー・フィルハーモニックの合唱もとても上手くて、最後の最後まで(オルガンの入るところまで)立たせなかったのは、そこまでしなくてもとは思ったけど、声量も十分で聴き応えがありました。
独唱の小川さんも山田さんも十分以上。山田さんって、あの元祖ヤマカズさんの娘さんなんですね。マーラー指揮者としても一時代を築いた(千人の交響曲の日本初演は彼がしているのですね)お父様の血をどういう風に引いているのかは歌を聴いただけでは分かりませんが、プログラムにはお父様の思い出について興味深いインタヴュウが載っていました。
指揮の齊藤さんの音楽は、基本的にはさくさくと進む系(テンポが速いというわけではありません)。見得を切るときは切るんですけど、最後の方はもう少し粘っこくしてもいいかなとは思いました。あれよあれよといううちに音楽が進んでしまって(しつこいようですけどテンポが速いということではありません)、あっ?あそこはどうだったっけ?もう過ぎちゃった?と思うところが何カ所かありました。ぼんやり聞いているわたしが悪いと言えばそうなんですが。あっそうだ、最後の鐘の音が軽くてちょっと安っぽかったのが玉に瑕かな。ずっしりした音の鐘が良かった。
それにしても、指揮者、オーケストラ、独唱、合唱の粒の揃ってまとまりのある充実した演奏でした。ひとりひとりが懸命に音楽を作っていました。演奏後のステージの人たちの充実した表情をわたしも同じ気持ちで見ていました。「復活」ってこういう音楽ですよね。


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水星交響楽団の次の音楽会は、創立30周年記念特別演奏会が8月16日、たましんRISURUホールです。曲目は、マーラー:交響曲第9番、伊福部昭:オーケストラとマリンバのための「ラウダ・コンチェルタータ」です。
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by zerbinetta | 2014-05-05 15:24 | アマチュア | Comments(0)

カルミナ中毒 オーケストラーダ第7回演奏会   

2014年5月4日 @すみだトリフォニー

シューベルト:交響曲第3番
オルフ:カルミナ・ブラーナ

馬原裕子(ソプラノ)、鈴木准(テナー)、吉川健一(バリトン)
久保田昌一/ロッソヴィーヴォ、東京少年少女合唱隊、オーケストラーダ


またまた「カルミナ・ブラーナ」ですよ〜。この間2回もバレエを観てきたばかりなのに。「カルミナ・ブラーナ」それほど好きではないのに。中毒ですかね〜〜。はは、たまたま重なった人生カルミナ週間だったのでしょう。
オーケストラーダは3年前に誕生した新しい社会人オーケストラ。ムーティさんのアシスタントをしたりしている久保田さんが音楽監督をしてらっしゃいます。オーケストラーダは「つながる」をキーワードに活動されていて、「社会とつながる」では、障害者施設の方々を音楽会に招待しているそうです。確かに、障害を持っておられる方を会場で多く見ました。あとユニークなのは、指揮者セミナーを開催していることですね。それから、チケット代の設定が音楽会にゆかりのある数字で、今回の1230円は「カルミナ・ブラーナ」の写本が書かれた1230年に由来してるとのことです。次は、1812円とか1905円とか1000円の交響曲(ベタすぎ)!さらに、音楽会で挟まれる(ゴミになる)チラシ廃止のために、チラシの代わりに希望する団体にはプログラムに音楽会情報を載せることもしています。アイディア盛りだくさん。求める音楽も高いようですね。

「カルミナ・ブラーナ」の前にシューベルトの交響曲第3番。またまたマニアックな選曲です。アマチュアはこれだから好き♡シューベルトの交響曲ってハ長調の大きいのと未完成とせいぜい第5番が演奏されるばかりで、若い番号の交響曲が演奏される機会ってめったにないもの。
明るくてかわいらしい曲です(シューベルトの若い番号の交響曲ってみんなかわいいかも)。第1楽章のポンと合いの手の入る旋律もカワイイし、第2楽章も女の子がおしゃべりしてるみたいでカワイイ。最終楽章の垢抜けない高校生がフォークダンス、合いの手入り、を踊るような音楽も楽しいし、やっぱりカワイイ。
演奏はどよ〜んとゆっくりした重い調子で始まりました。おおおと思っていると、主部に入って明るくかわいく。このオーケストラ、高いところを目指してるとあって上手いですね。ぽつりぽつりとオーケストラの中に核となる上手い人を配しているみたい。なかなかステキな気の置けないシューベルトでしたよ。ザッハトルテと言うよりホイリゲ系。

後半は、大オーケストラに合唱も加わって「カルミナ・ブラーナ」。うん。迫力がすごい。久保田さんの指揮は、最初の曲(と終曲)で節の終わりの音を長めに伸ばすところがわたしにはちょっと好みではなかったけど、テキパキと要所要所を締めて大編成のオーケストラと合唱をコントロールしきっててなかなかやるなって。対比をはっきりさせて音楽を分かりやすく聴かせてくれました。オーケストラを統率する実力がかなりありそう。若いオーケストラとは言え、創設時からの音楽監督なので気心も知れているのかも知れません。というか、みんなが久保田さんの作る音楽をリスペクトして指揮者に付いていきます!って感じかしら。
気になった点を挙げれば(重箱の隅をわざわざつついてごめんなさい)、はじめの曲で、クラリネットとか木管楽器の細かく刻まれる分散和音のテンポ感と全体のテンポ感にずれが感じられたこと、合唱はさすがにこの間、新国立劇場で聴いたのには及ばなかったことです(向こうはプロだし、新国の合唱って上手いので比較する方がおかしいのですが)。あっそれから、オーボエの人が上手いに違いないのを発見。トゥッティの中で音は聞こえなかったんだけど、吹き方(見た目)がプロみたい。あとで調べてみたら、音楽大学を出てオーボエを教えてらっしゃるセミプロの方みたい(情報が古かったので今は止められてるのかも知れません)。ほんと、見た目で上手い下手が分かるのよ〜。

独唱は、わたしは圧倒的に、新国での方々より今日の人たちの方が好みでした。特に、出番はほとんどないけど、鈴木さんが凄い良かった。ロンドンで聴いた、「カーリュー・リヴァー」の狂女の凄く良かったんだけど、パンクの狂女の衣装ではない、今日の素の彼は、むちゃかっこいい!(松潤さんに似てますよね?)ずうっと見つめてしまいました♡好きです(惚)。もちろんストレイトな歌いっぷりと張りのある声もとても良くて、これだけ聴けただけでも良かったです。
「カルミナ・ブラーナ」を聴くとどうしてもバレエを思い出してしまいますね。それほどインパクト強かったし、音楽が舞台を求めてる。でも、今日の演奏は、舞台は頭の中で再生して、しっかり音楽を楽しめました。べにかの連呼も聞こえたしね。

オーケストラーダの次の音楽会は10月25日、江東区文化センターです(曲目未定?)。
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by zerbinetta | 2014-05-04 23:49 | アマチュア | Comments(2)