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ちょっとセレブチック(似合わない)室内楽名曲セレクション pygmalion days 10th   

2014年11月30日 @シャネル・ネクサス・ホール

シューマン:ピアノ四重奏曲

新居由佳梨(ピアノ)、瀧村依里(ヴァイオリン)
大山平一郎(ヴィオラ)、辻本玲(チェロ)

フランク:ピアノ五重奏曲

永野光太郎(ピアノ)、矢野玲子、枝並千花(ヴァイオリン)
大山平一郎(ヴィオラ)、伊藤悠貴(チェロ)

チャイコフスキー:弦楽六重奏曲「フィレンツェの想い出」

千葉清加、矢野玲子(ヴァイオリン)
鈴木康浩、大山平一郎(ヴィオラ)
金子鈴太郎、辻本玲(チェロ)


ミューザ川崎でプロースト交響楽団を聴いたあと、急いで電車に乗って銀座へ。シャネルのピグマリオン・デイズ、10周年記念の室内楽名曲セレクションの回へ。夜の銀座は久しぶりだな。ブルガリのビルにくっついた宝石の蛇が異彩に燦めいていました。会場は、シャネルのビルの4階(だったっけ?)。ブランドには全く興味がないので、しかも貧乏だし、お店には入ったことありません(ニューヨークのティファニーには朝ご飯を食べに行った)。おめかしもしていないので、場違いかしらとドキドキして行ったけど、流石一流店。ステキなホスピタリティでした。わたしにとっての一流店って3つ星のレストランでもそうですけど、きちんとした寛いだサーヴィスを提供できることなんです。(劇場だったら休憩時間ごとにトイレがちゃんと清掃されていること)

ピグマリオン・デイズは、シャネルが毎年、年ごとに選ばれる若い音楽家を援助してソロ・コンサート・シリーズを1年にわたり主催しているものです。予約制で無料。今日は、その10周年記念で、このプログラムから巣立っていった音楽家たちによる室内楽の音楽会シリーズのひとつ。今日を選んだのは、わたしの都合と、ひそかに応援している瀧村さんが出演するから。と他に応募した日は抽選で外れたので。4重奏、5重奏、6重奏とだんだん人数が多くなる曲目。ヴィオラにはアーティスティック・ディレクターの大山さん。LAフィルで長年ヴィオラの主席をやられていた方。指揮活動や若い音楽家の育成にも力を注いでいるようです。

大山さんを中心にアンサンブルをまとめてると思いきや、大山さんは温かい目線で若い音楽家を見守りつつ、それぞれの音楽家の自発的な演奏を促す感じ。ひとりひとりは普段、別々に音楽活動をされていて、このメンバーでのアンサンブルは熟成されている訳ではないので、音楽的なリーダーシップを取る人がいなくて、ちょっと遠慮がちにお見合いしちゃった的な感じもしたんですけど、アンサンブルを楽しんでいる心地よさはありました。それも室内楽の楽しみ。室内楽の原点ってそこでしょ。特に、「フィレンツェの想い出」でのチェロの金子さんと辻本さんのアイコンタクトが楽しげで良かったです。室内楽って個人と個人のハーモニーなので、合わせるのオーケストラよりずうっと難しいけど、みんなが室内楽のツボを心得ている感じで、アンサンブルにまとまりがあったのは、大山さんの指導の賜物かな。

音楽会のあとの飲み物のサーヴィスは後ろ髪を引っ張られるのを断ち切って泣く泣く退席。お土産には、流石と思わせるとってもお洒落なプログラムと小さな黒い箱をもらってワクワク。お財布かな、なんて虫の良いことを思いつつドキドキしながら開けたら、これまで参加してこられた音楽家さんたちからのメッセージを収めた冊子。これはこれでお財布より嬉しいかも。
上手く予定を合わせるの難しいけど、わたしも若い音楽家さんを聴いて応援していきたいな。憧れるピグマリオンのかけらとして。
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by zerbinetta | 2014-11-30 20:47 | 室内楽・リサイタル | Comments(0)

初めての年末第九 プロースト交響楽団第20回定期演奏会   

2014年11月30日 @ミューザ川崎シンフォニーホール

ドヴォルザーク:交響詩「糸を紡ぐ娘」
ベートーヴェン:交響曲第9番

馬場裕子(ソプラノ)、富岡明子(メゾソプラノ)
小原啓楼(テノール)、浅井隆仁(バリトン)
大井剛史/日本フィルハーモニー協会合唱団、プロースト交響楽団


実はわたし、今まで生きてきた中で、年末第九って1度も聴いたことがなかったんです。紅白歌合戦ならチラ見したことあるのによ。なんか、斜に構えて、年末にわざわざ第九はないだろうとか(実はそもそも第九自体が苦手だった)、演末第九は日本の習慣で、海外で第九がある季節に集中的に演奏されるなんてことはないから(最近は日本の真似して年末は第九って宣伝して人を集めようってことをし始めたオーケストラあるけど(定着はしていない))、今まで機会を無視してきたの。でも今年のわたしは違う!まず、第九、大好きになったし、折角だもの。(正直に言うと招待状もらったから)
プローストは、また聴きたくなる上手いアマチュア・オーケストラです。若いメンバーの多いオーケストラですね。指揮はニューフィル千葉の大井さん。

まずは、ドヴォルザークの交響詩、「糸を紡ぐ娘」。プログラムの解説を読むと、マーラーの「嘆きの歌」を彷彿させるお話。その筋書に沿って音楽が進行するみたい。すると最近のわたしの悪い癖。バレエにできないかなぁと聴き始めました。確かに、物語をなぞるように(でも決して物語の伴奏ではなく)作曲されているんですけど、いかんせん、音楽が短い。20分くらいの交響詩だからしょうがないのだけど、バレエにするにはせわしないし、音楽(の長さ)不足。って、そりゃそうか、バレエの音楽じゃないんだから。
演奏は、安心して音楽に身を任せられるくらいの上手さ。上手いアマチュア・オーケストラの良いところは、みんなが献身的に音楽に向かって行くところよね。物語を追って行けたのは、大井さんが、わりと描写的に目で見るように音楽を作っていったからかもしれません。

メインはもちろん第九。演奏したことのある人、誰に聴いても難しい曲というくらいの難しい曲なんだそうですね。技術的に難しいのはもちろんのこと、精神的にも音楽が音楽を超えてあまりに偉大なものを表出しようと欲してるので大変なんでしょう。聴いて感じる音楽の大きさに恐れおののきます。プログラム冊子の載っていた、「音楽の力」と題されたエッセイは、そんなベートーヴェンの音楽の思想に仄かなリンクを感じました。

大井さんは、今、彼のオーケストラ、ニューフィル千葉とベートーヴェンの交響曲サイクルをやっています。その集大成の第九が、オーケストラの30周年イヤーの2015年の秋(まだ先ですが)に予定されています。今日は、ベートーヴェンに集中的に取り組んできた大井さんの第九のプレヴュウになりそうです。

わたしの重箱の隅をつつく姑ポイントその1は、最初の弦の刻み。霧のようなトレモロかきっちり6連符の刻みか、で印象が全く違うから。わたしの好みは(最近多い(?))6連符の方なんだけど、大井さんのはトレモロ気味。でも、これは、アマチュア・オーケストラだからかなぁ。ニューフィル千葉で答えを待ちましょ。緊張と不安と予感に満ちた5度のトレモロで始まった音楽。最初の盛り上がりは、さすがに高音の弦楽器だけでクライマックスに上り詰めていくのは(音量的に)アマチュアではやっぱりきついなぁと思いながらも、ベートーヴェンの書いた最高の音楽に向かって格闘しつつも献身的に奉仕していくのは、聴いていて気持ちがいい。多分、ベートーヴェンが初演したときは、音楽家はきっとこの音楽をちっとも分からずむちゃくちゃになっていたに違いない(この曲が、まともに受け入れられるようになったのって作曲家の死後何年もしてからだし、たくさんの人の努力が必要だった)。こうして、アマチュアのオーケストラでこんな素晴らしい音楽が聴けるなんてほんとにステキなこと。細かなとこは、いろいろ疵もあったけど、聞こえてくる音楽の力は凄い。こういう曲って、演奏者をマジにしちゃうよね。

第3楽章は、天国的な美しさと言うより、恋人たちが戯れる、ニューヨークのフリック・コレクションにあるフラゴナールの部屋のさざめくような音楽。特にテンポが速くなったところの付点音符のリズムが笑い声を運ぶ風のようで、この曲をそういう風に聴くの初めて、なのでステキな発見。べたべたするアダージョじゃなくてふわりと軽い感じの音楽の方がわたしは好きだな〜。(もしかするとこの音楽って恋人たちの愛の営みかなとも思った。だって、天国的と言われながら、神の楽器トロンボーン使ってないし、だとしたら現世的。そうすると、1楽章が権力欲で、2楽章が食欲?(テキトーすぎだけど)。で、3楽章が性欲で、4楽章で人の欲(性)を否定して神の下の友愛?なんちって)

大井さんの音楽は、基本的に楽譜通り。4楽章の冒頭の嵐も、トランペットの音は補完しないでそのまま。これは、さすがにバランスが難しそう。ちょっと歯の抜けたような音になってしまいました。それから、行進曲が一段落して合唱が盛大に入る前のつなぎの部分のホルンの伸ばし、新しい楽譜の不規則なタイの位置を採用していました。アバドさんのCDでは聴いたことあるけど、実演では初めて。大井さんは、最新の楽譜にこだわっているのね。
大井さんの指揮を見ようと舞台の後ろに座ったので(この位置好きなんです♥)、残念ながら歌はあまりちゃんとは聴き取れなかったのだけど、合唱とか上手かったです。日本フィルハーモニー協会合唱団ってプロのオーケストラともよく共演するんでしょうか。そんな余裕みたいものも感じました。独唱者も粒が揃っていて良かったです。

それにしてもやっぱりベートーヴェンは凄いな。音楽の力に圧倒されちゃう。いつまでも拍手していたかったけど、次があるのでそそくさと退場。でも心の中ではずっと拍手。
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by zerbinetta | 2014-11-30 15:21 | アマチュア | Comments(0)

学校って好きかも 東京藝術大学奏楽堂モーニング・コンサート第12回   

2014年11月27日 @東京藝術大学奏楽堂

ドルマン:フローズン・イン・タイム
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲

石若駿(打楽器)
三輪莉子(ヴァイオリン)
ダグラス・ボストック/藝大フィルハーモニア


この間聴いた、藝大シンフォニーオーケストラがとっても良かったので前から気になっていた、東京藝大の公開学内コンサート、モーニング・コンサートに都合を付けて行ってきました。朝11からの音楽会。主に学生のソリストをフィーチャーして行う協奏曲の音楽会です。第12回ですが、これは今年の。また新学期から第1回と数え直しです。実は、今日演奏する藝大フィルハーモニアって、名前がこの間と違ってるんだけど、それには気がつかないで、学生のオーケストラだと思っていました。そしたら違う。芸大の教師や研究員からなるプロのオーケストラです。それをバックに、学生に協奏曲のソロを弾かせる機会を与える音楽会、と言えそうです。先生の伴奏で弾く学生。結構緊張しそう。
今日は、打楽器のソロとヴァイオリンのソロ。プログラムの楽曲解説はご本人たちが書いています。

「フローズン・イン・タイム」は、1975年生まれのドルマンさんの作品(打楽器協奏曲にはそもそも古い作品はないですね)。3つの楽章それぞれに「インドアフリカ」「ユーラシア」「南北アメリカ」と大陸の名前が付いています。そのイメジ?
わたし、打楽器フェチとか言ってるくせに、オーケストラの中で音楽をリードする打楽器が上手というのは何となく分かるんだけど、たくさんの打楽器に囲まれて名人芸をする打楽器ストの上手さって、ただ唖然と見てる(聴いてる)だけでよく分からないんです。なので、凄いなぁと言う感想だけで、この演奏が素晴らしいのかどうかはよく分からないという体たらく。いや凄いなぁというのは素直な感想なんですけど。ただ、たくさんの打楽器が同じように演奏されて、個々の違う楽器の個性のカドがもっと際立っていたら良かったな、って思いました。
演奏後は指揮のボストックさんが、石若さんを讃えて、オーケストラの人たちの顔も優秀な学生を見る先生の顔、というのが普段の音楽会にない面白かったことです。

ブラームスのヴァイオリン協奏曲は、三輪さん。とても音程の良いきれいな音で弾く人でした。上手いと思いました。コンクールなんかに出れば、特に欠点がないので審査員に良い点を付けられて高順位にいく感じ。でもね。何か物足りないのよ。楽譜を丁寧に音にしてるんだけど、音になる前の、楽譜に音符が書き込まれる前の作曲家の魂への探求みたいな、ちょっと抽象的ですけど、そういう何かを掴むような格闘みたいな。なのかすでに答えのあるもの、答えを与えられたもの、を弾いている感じで、じゃあ、あなたのブラームスは?楽譜から何を読み取ってあなたはどう弾くの?という部分が弱いように感じました。減点式の審査なら高得点付けるけど、最終審査では上位にいかない、音楽にとって最も大事なプラス・アルファの魅力が足りないのがもったいないと思ったんです。彼女はとても良く考えていると思います。ただまだそれを表に出していくのができていないんだろうというのが素直な感想です。あとほんのちょっぴり。勇気を出して、殻を破って。

ホールを出ると、おじさんが若い人たちに小さな紙を配っていました。何かな?って一瞬思って、!!、そうか!出席票?聴くことは音楽大学の授業の一環だったのね。いいな〜。わたしも音楽大学で音楽の勉強してみたかった(なあんにもできないんですけど)。
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by zerbinetta | 2014-11-27 23:25 | 日本のオーケストラ | Comments(7)

指揮者の力 第5回音楽大学オーケストラフェスティバル 2日目   

2014年11月24日 @ミューザ川崎

音大オーケストラバトル、じゃなかったフェスティバル2日目。今日は3校。

ファンファーレ
近藤憲太:白のためのファンファーレ
洗足学園音楽大学管弦楽団

中山玲央:コールス
上野学園大学管弦楽団

小田実結子:ファンファーレ
武蔵野音楽大学管弦楽団


今日のファンファーレの中では、小田さんのがとても工夫して書かれていて良かったです。各パートに見せ場あり。こういうのって結構重要ですよね(確かヒンデミットが作曲の教科書で言ってたような)。


ウェーベルン:管弦楽のための5つの小品
モーツァルト:交響曲第35番

下野竜也/上野学園大学管弦楽団


上野学園は、意表を突いて(?)小編成。小さな学校なのかしら。しかもプログラムはウェーベルンとモーツァルトという挑戦的なもの。びっくりしました。意気込みを感じると同時に、モーツァルト大丈夫かしら、なんて心配も。だってモーツァルトって譜面面は簡単だけどちゃんと聴かせるのにはものすごく難しいんだもの。
下野さんは写真で見たことはあったけど、本物は初めて。小柄なのにびっくり。写真では分からないものね。わたしもちびっ子なので親近感。
正直、上野学園は、実力的にはまだまだな感じだけど(この大学だけではなく音楽大学を出てもプロの演奏家として独り立ちできる人なんてほんの一握りだものね)、音楽は素晴らしかったの。それは、ウェーベルンでもそう感じたけど、むしろ心配していたモーツァルトの方でびっくり。「ハフナー」交響曲のピチピチした元気の良い魚が跳ねまわるような演奏。素晴らしいモーツァルト。こんな音楽を学生さんから引き出せるなんて、下野さん、ただ者ではないわ。今度ぜひ、プロのオーケストラでも聴いてみたい。いつか聴けるかしら。


バルトーク:管弦楽のための協奏曲

時任康文/武蔵野音楽大学管弦楽団


武蔵野音大は、バルトーク。協奏曲というだけあってソロイスティックな楽器が随所に活躍する作品。だから、個々の奏者の力量が試される怖い曲。演奏する方は緊張するんだろうな。武蔵野音大のオーケストラは、きらりとした技量はまだないものの無難にソロをこなしていくのはさすが。とても丁寧でまとまりのある音楽でした。ただ、もう少しオーケストラの、指揮者の個性が前面に出たらいいんじゃないかなっては思いました。難しいことだけど、バルトークのこの曲がが持つ複雑な感情に迫っていくものが不足していたように感じました。わたし自身もこの曲からどんな感情を引きだしていいのか、もしくはあっけらかんとオーケストラの音を楽しむのがいいのかよく分からないんですが、演奏には、それに対するひとつの回答を求めたかったです。(ごめんなさい。プロの音楽家に言うべきことですね。でも学生でもそこを目指して欲しいから)


レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」「ローマの松」

秋山和慶/洗足学園音楽大学管弦楽団


休憩2回の充実の音楽会、最後は洗足学園音大。指揮は大物というか重鎮(?)秋山さん。すごい昔、確か東京交響楽団を振っていたのを聴いたことがあります。曲は忘れた。
今日は、レスピーギのローマ3部作から、「噴水」と「松」。これがとても充実した素晴らしい演奏。この学校が今日一番上手かったと思うけど、それ以上に秋山さんの音楽が充実してました。変わったことをしているわけではないんだけど、学生から実力以上のものを引き出していたと思います。それにしても、改めて気がついたんだけど、「松」の「カタコンバ」での弦楽器の刻み。親しんでいたカラヤンの演奏では微妙にずらして雰囲気を出してたんだけど、秋山さんのは縦の線をきっちり揃えて、おお、ビート感のある迫力ぅ!って思いました。ひとつだけ、チンピラの言いがかりのような文句(?)を付けるとすれば、最後のバンダのトランペット、きっとトランペット科の学生さんもっといるんだろうから、ステージ後ろのオルガン席だけじゃなくて会場の四方にたくさん配置して立体的な音響を聴かせて欲しかった。わたしのデフォルトが、前にナショナル・シンフォニーで聴いた、突然後ろからもトランペットが聞こえてきた驚きなので。

終わってみると指揮者の差が出た今日の音楽会。アマチュアのオーケストラを聴いたとき、指揮者の音楽よりもオーケストラ自体の音楽に感想が向いてしまうけど(もちろんそれがアマチュアのオーケストラの意義だし聴く方もオーケストラが主体)、指揮者の意図する音楽をきちんと演奏できる音楽大学の学生のオーケストラでは、プロと同じように指揮者の音楽が表に出ますね。それが今日の発見。面白かった。
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by zerbinetta | 2014-11-24 23:02 | アマチュア | Comments(0)

ピチピチ! プティ・ヴィオロン誕生!   

2014年11月18日 @大田区民プラザ 小ホール

パーセル:ダイドーとエネアス

鈴木麻由(ダイドー)、平澤巧(エネアス)
清水理沙(ベリンダ、第一の魔女)、福島千尋(魔女)
岡崎陽香(第二の侍女、第二の魔女)、品村紗佑里(精霊)、野村京右(水夫)

佐藤駿太/プティ・ヴィオロン


古楽ブームがあって古楽が広く聴かれるようになっている昨今だけど、アマチュアで古楽器を操る人はまだまだ少ないようです。リコーダーを吹く人はいるような気がするけど、アマチュアの古楽器アンサンブルは、まだほとんどないようだし(オーケストラ・オン・ピリオド・トウキョウが2003年創立、日本で初の本格的アマチュア古楽オーケストラみたいです)。そんな中、新しくピチピチの古楽アンサンブルが誕生!アマチュアと言っても、指揮者を含めて全員音楽大学の学生さんで、音楽家の卵たち。セミプロと言っていいですね。

「ダイドーとエネアス」。イギリスの生んだ大音楽家。ロンドンに住んで初めてロイヤル・オペラ・ハウスで観たオペラがこれだったんだけど、バロック・オペラってなかなか観る機会がないから貴重。東京なんて、バロック・オペラ向きの中くらいのホール多いし、セミ・ステージドでやるのも素敵だからもっとたくさんいろんなのが上演されて欲しいんだけど、まだまだ古楽の裾野は狭いのが残念。

大田区民プラザは電車だと下丸子。昔の目蒲線っていうか目蒲線じゃなくなってたのでびっくり。初めて行きます。会場の大田区民プラザの小ホールは、ホールと言うよりステージのある宴会場と言った感じで、客席はパイプ椅子。オーケストラはもちろんピットではなくて、ステージに向かって右手の客席のスペースを仕切ってありました。こんな会場だけど、何だか熱気があって、若者達が準備している中、少し早めに着いていたのでプログラムを読んでいたんですが、これも想いが溢れていてピチピチ跳ねてる感じ。(多分)中心メンバーのひとり、上田朝子さん(アマチュアと言ってもすでにプロの中でも音楽活動をされている方なので名前を出しています)の書かれた解説+個々のメンバーの好きなシーンの紹介が、熱というか愛に溢れていて、しかも聴き所を的確に教えてくれて(聴いててとても役立ちました)優れもの。

音楽会の始まりを知らせる合図が生演奏というのも素敵。プチ贅沢。
「ダイドーとエネアス」。1時間強の短いオペラだけど、有名なアリアもあるし、物語も音楽もテキパキとまとまっていて飽きさせないというかむしろスリリング。そしてそれを見事に聴かせてくれる演奏。ステージも衣装もとてもシンプルでオペラを観る非日常な豪華さはないけれども、でも十分に目で見る物語と音楽の調和がありました。何よりも全員、変に擦れたところがなくて音楽に対して新鮮な喜びが感じられるの。一期一会の会心の音楽会じゃなかったのかと思います。音楽会を終えたときの満足感と言ったら。終わってホールの外で見送ってくれた出演者の満ち足りた顔も素敵だったけど、むしろわたし自身がめちゃ熱くなってた。

全員のアンサンブルのなせる業だと思うので、個々の人を挙げるのは少し気が引けるのだけど、最後、自分の胸で息を引き取っていくダイドーを見守るベリンダ、大粒の涙で泣いていたのがとっても印象的でした。もらい泣き。完全に世界に引き込まれました。
オーケストラもさすが古楽器を勉強している人たち。安心して音楽に身を任せられます。この人達が、学校を巣立って留学とかして、プロの古楽器奏者になっていくなら、古楽器界の未来は明るい。古楽って古い音楽じゃなくて、全身でワクワクドキドキする新しい音楽でもあるの。ひっちゃかめっちゃかで楽しくてアグレッシヴ。古楽のっていうか、古楽って言うの嫌だわ、楽器の形が整う前のカンブリア紀の生き物のようなアヴァンギャルドな楽器を使った、ルール無用の音楽をロックに演奏する人がたくさん増えて欲しい。古楽はおじいちゃんの盆栽じゃないよ。ってわたしまで熱くなってしまったわ。ちなみに全然関係ないけど、チェンバロを弾いてた方の横顔がユジャ・ワンさんに似てました。

ああ、このアンサンブル、これっきりだったらもったいないなぁと思っていたら、次回の音楽会のお知らせが。やったーー!次回は2015年2月27日、杉並公会堂小ホールです。ダンス付き!フランス。「太陽王の愛した舞踏と音楽」です。絶対、行かなくちゃーーー。

追伸
ぐぐぐぐ。その日、衝動で買ってた別の音楽会があったんだ〜。もちろん、これもものすごく楽しみにしてるんだけど。あああ、体がもうひとつ欲しい。プティ・ヴィオロンさん、3回目あるよね。楽しみにしてまーーーす。
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by zerbinetta | 2014-11-18 21:12 | アマチュア | Comments(0)

責任はオレがとる 第5回音楽大学オーケストラフェスティバル 1日目   

2014年11月16日 @ミューザ川崎

首都圏(東京でいいのかな?)の音楽大学9校が集まって、オーケストラバトルを繰り広げる(ウソ)音楽大学オーケストラフェスティバル。今年は聴きに行きました(去年は気がつかないうちに終わってたので)。だって、安いんですよ、4回の音楽会セットで2000円。おねーさんお買い得よん。しかも音楽会は、重量級。ブルックナーの交響曲第7番の後にブラームスの交響曲第1番なんて日もある!今日は、昭和音楽大学と東京藝大。

ファンファーレ
久保哲朗:palse polyphony: for fanfare
東京藝大シンフォニーオーケストラ

野呂望:No.5のためのファンファーレ
昭和音楽大学管弦楽団


音楽大学の交流の場ということもあって、それぞれの学校の演奏の前に相手校がエールを送るファンファーレの演奏。作曲も学生さん。始まりに、東京藝大組のファンファーレだったんですが、わたし、プログラムの解説を読んでいて、うっかり昭和音大組の「No.5のためのファンファーレ」だと勘違いして聴いていました(プログラムの解説は大学ごとだったので)。なので、チャイコフスキーの交響曲とどこに関連があるのかなぁと答えのない疑問。アホや〜。
久保さんの palse polyphonyの方は、指揮者ありで丁寧に演奏されたけど、ちょっと間延びした感じかな。音符と音符の間にときおりちょっともてあます間が。。。お見合いの席で会話が途切れて間が持たなくなった感じの。野呂さんの方は、コンパクトな感じ。うっかりしてたので、チャイコフスキーとの関連は気がつきませんでしたが。


ブラームス:交響曲第2番

大勝秀也/昭和音楽大学管弦楽団


東京藝大のファンファーレの後は、昭和音楽大学管弦楽団でブラームスの交響曲第2番。このフェスティヴァル、示し合わせたのかどうか分かりませんが、ブラームスの交響曲が第3番を除いて全て演奏されます。ブラームスの明るい寛いだ感じの交響曲第2番は、大好き。それにしても、学生オーケストラだからアマチュアだけど、さすが音大生だけあって上手いですね。もちろんプロとは比べるべくもないのですが、弦楽器のヴィブラートや弱音での響き、などは素人さんとは違います。大勝さんの指揮は、あまりきつく縛らないで、かと言って奏者の自由に任せるという感じではなく、大らかに音楽をまとめていきます。ここのところは先生という感じかな。ただ、音楽が少しゆるい感じを受けたので、もっと突っ込んでブラームスの音楽を表現してもいいのではないかと思いました。学生の方から突っ込んで指揮者に向かって行く感じで。ちょっとおとなしいかな。


チャイコフスキー:交響曲第5番

尾高忠明/東京藝大シンフォニーオーケストラ


昭和音大のファンファーレのあとは、東京藝大のチャイコフスキー。東京藝大は、言わずと知れた日本の音楽大学の雄。という色眼鏡なしに聴いてもむちゃ上手い。前の昭和音大がアマチュア・レヴェルを超えたオーケストラだとすると、こちらはプロの末席にいるような感じ。でもちょっとズルイのは、他のオーケストラは、このフェスティヴァルの後にそれぞれの音楽会があって途中とも言えるんですけど、藝大オーケストラは、同じ曲を昨日彼らの音楽会でやった後なんですね。
尾高さんの指揮が素晴らしかったんです。彼の音楽でぐいぐいと学生を引っ張る、というんではないんです。むしろ逆。「君たち、思いっきり自由にやりたまえ。音楽の最終責任はオレがとるから」って感じの思いっきりの良さ。大学院の上級生やポスドクみたいな自律してできる人には最高の指導者。わたし的には理想の上司。
その結果生まれてきた音楽は、各奏者の自発性に満ちたピチピチとした音楽。最初のクラリネットからその人の音楽が聞こえたし、ファゴットの人はちょっとやり過ぎちゃった感あるけど(ソロでの失敗(と見事なリカヴァリー)のことではなくて至る所で)でもそれも素晴らしいこと。オーボエのトップの人がわたしのツボでもうステキステキ。吹いてるときだけじゃなくて休んでるときも一緒に音楽しててめちゃ好感。大好きなシスモンディさんを思い出しちゃった。木管楽器ばかり書いたけど、金管楽器も打楽器も弦楽器もほんとみんな音楽に向かっていて、実はこれ、日本のプロのオーケストラであまり感じなくて物足りなく思っていたから、ここで溜飲を下げちゃった。この人たちが巣立ってプロのオーケストラに入ってくれば日本のオーケストラももっと良くなるかもね。出る釘は打たれても跳ね返してどんどん出て欲しい。みんながんばれ〜。
そして、学生たちの血気盛んな音楽を受け止めてひとつにまとめ上げる尾高さんの懐の深さ。何も足さない素晴らしいチャイコフスキーでした。ブラヴィッシモだよもう。
音大オケフェスティバル、初日からいいもの聴いたな。


♪♪
9つの音楽大学の選抜合同オーケストラの音楽会が、3月28日(ミューザ川崎)、29日(東京芸術劇場)であります。指揮は元東京交響楽団の音楽監督スダーンさん。
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by zerbinetta | 2014-11-16 23:20 | アマチュア | Comments(0)

時代遅れな昭和の香り オーケストラ・ニッポニカ第26回演奏会   

2014年11月9日 @紀尾井ホール

安部幸明:オーケストラのためのセレナーデ
     弦楽のためのピッコラシンフォオニア
     オーケストラのための交響的スケルツォ
     交響曲第2番

鈴木秀美/オーケストラ・ニッポニカ


近・現代日本のオーケストラ曲(とその周辺の外国作品)を専門にしているオーケストラ・ニッポニカになんと、古楽(チェロ)の専門家、はいどん楽遊会の楽長、鈴木秀美さんが指揮者として登場!秀美さんは自身の古楽器オーケストラ、リベラ・クラシカや名古屋や山形などいろんなオーケストラで指揮されてるけど、レパートリーは古典派からロマン派初期がメイン。現代音楽を振ることなんてめったにないんじゃないかしら。今日はその稀なチャンス。安部幸明の作品集。安部がチェロを弾く人だから?それにしても全く名前を存じ上げない作曲家。マーラーが亡くなった明治44年生まれ(平成18年没)。

安部さんの音楽は非常に平明。ヨーロッパの音楽で言ったら新古典派くらいな感じ。メロディアスなヒンデミットみたいな。そして、大きな特徴は、和を感じさせないところ(解説には日本的な要素で書かれていると書いてあったけど、わたしはそれをほとんど感じませんでした)。安易に日本的な旋律や和声、リズムを用いないところが潔い。民謡を単に西洋楽器に弾かせただけの音楽なんてウンザリですから。(今日演奏されなかった「シンフォニエッタ」には和を感じさせるところはありますね)
それでいて、音楽からなぜか記憶の中の日本の情景を呼び覚まされる感覚もあって、それは昭和。明るい昭和。住宅街(もちろん昭和の家)の坂道を下ると向こうに海が見えるとか、デパートの大食堂の心象風景とか、心の奥に焼き付いていた記憶がひらひらとはがれて浮かんでくる。そう考えるとやっぱり日本人の作品なんだ〜。

全ての曲が初耳なので(それはそうか。作曲家の名前も初めて知るんだもん)、どの曲がどうというほど個々の曲に記憶はないのだけど、どの曲も職人的によく書けていると思うし、楽しいし、センスの良い面白さはあるんだけど、知られざる佳曲という感じかな。メインストリームには来ない。CDがあったらクラヲタ的むふふコレクションとして持っていてもいいかなくらいな。偉そうにw

演奏は、やっぱりニッポニカの皆さん上手い。ただちょっと気になったのは、秀美さんの指揮のせいかリズムに甘いところが時折見られたこと。いや、秀美さんの指揮の仕方とかじゃなくて、リズムの複雑なこういう曲にちょっと慣れてないんじゃないかって思ったので。それとも敢えて目をつむって横の流れを重視したのかな。

プログラムはいつものように超充実。もしかして、このオーケストラの演奏会のライヴ・レコーディング(今日のも将来CD化されるのかな)とプログラム冊子さえあれば、貴重な日本のクラシック音楽の百科事典ができるんじゃないかな。今後もどしどし、めったに演奏されないのも含めてありとあらゆる日本のオーケストラ作品を演奏してライブラリーに加えて下さい。プロよりプロフェッショナルな仕事をするオーケストラだわ。


♪♪
オーケストラ・ニッポニカの次の公演は、第27回演奏会が5月17日、紀尾井ホールです。1958年の作品達。「エローラ交響曲」楽しみ〜〜。
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by zerbinetta | 2014-11-09 13:20 | アマチュア | Comments(0)

シーズン開幕!! 新国立バレエ団「眠りの森の美女」   

2014年11月8日 @新国立劇場

眠りの森の美女

チャイコフスキー(音楽)
マリウス・プティパ、ウェイン・イーグリング(振付)

米沢唯(オーロラ)、ワディム・ムンタギロフ(デジレ王子)
瀬島五月(リラの精)、本島美和(カラボス)
小野絢子(フロリナ王女)、菅野英男(青い鳥)、その他
新国立劇場バレエ団

ギャヴィン・サザーランド/東京フィルハーモニー交響楽団


わたしは自慢じゃないけど寝起きだけはいいんです。100年眠ってもぱちりと目を覚ませるので、カモーーン素敵な王子さまのキッス!
(新シーズンからのレパートリーについては言いたいこともあるけど)シーズン開幕は楽しみに待っていました。「眠り」はちょうど観たいバレエだったし、昨シーズンまでのビントレーさんの最後が「パゴダ」で、新しい芸術監督の大原さんの最初がその元となった「眠り」というのは偶然だと思うけど因縁を感じるし、何より、バレエが観たーーいかったんだもの。でもって、日程の都合上、チケット取ったのはその開幕初日の特別な日だし(ほんとは、わたしは初日にはこだわらなくて、というより初日より舞台が練れてくる後半の方がいいと思ってる)。もうワクワクしまくって初台へゴーよ。シーズン開幕、初日だけあって会場は、外国大使の方とかお客さんもいっぱい。チケットを制限しているわけではないのに、子供がめちゃ少なかったのは、ちょっと意外、残念。

今シーズンの特徴のひとつは、最近ロイヤル・バレエのプリンシパルになった(新国立バレエと契約した時点ではまだイングリッシュ・ナショナル・バレエのダンサー)ムンタギロフさんをシーズン・ゲスト・ダンサーとして呼んでいること。ロンドンにいた頃は、ENBをほとんど観ていなかったので、ムンタギロフさんは初見です。実はわたし、斜に構えてました。基本、自分のところ主義なので、別にゲストなんて呼ばなくてもいいじゃん、いいダンサーいるんだしってね。(もちろん、ゲストを呼ぶことで化学反応が起きることもあるし、それでバレエ団が良くなることもあるので決して悪いことではないんです)
しかーーし!終わってみれば、ムンタギロフさんの虜。ああなんて美しいんでしょう。そしてパートナーをなんて自然に美しく見せるんでしょう。言っちゃ悪いけどレヴェルが違う。流石世界最高のバレエ団のひとつロイヤル・バレエでプリンシパルを張るだけのことはあるわ。日本男児、まだまだ。がんがれーーー。これからだよ〜。応援してる。

新国立バレエには、唯さんと絢子さんという今旬の(2枚看板?)ダンサーがいるけど、シーズン初日の特別な日に選ばれたのは唯さん。そしてそれを目一杯楽しんで見せてくれました。「眠りの森の美女」って確か、タマちゃんが言ってたんだけど、出てくるなりクライマックスで、大変ということらしけど、唯さんのオーロラは、出てくるなりキラキラ。シーズン最初の舞台でいきなり(と言ってもプロローグの次の第1幕だけど)素敵なクライマックス。それにしても唯さんのバランスの安定感と言ったら。床にしっかり足が固定されてるという感じじゃなくてふわりと立ってバランスしているところがスゴイの。無重力状態で立っているみたいな。ローズ・アダージョはもう息を飲む安定感。間違いなく世界でもトップのレヴェルだと思いました。

もう唯さんのオーロラを観ただけで、幸せいっぱいだったんだけど(オーロラのクライマックスは1幕のローズ・アダージョだしね)、幸せはなんとそれだけでは終わりませんでした。先に書いたように、ムンタギロフさん!何と言うかノーブル、まさに王子さま。動きに気品が漂うのね。甘いマスクも素敵。わたしの目はハート型。そして何とも素晴らしいのが、唯さんと踊ったとき。唯さんがとてもきれいに見えるんだけど、それはムンタギロフさんのサポートの上手さ。というか、上手さを感じさせないほど自然に唯さんを引き立てるのね。このペアとても相性がいい。

今回の振付は、広く上演されてるオリジナルのプティパに加えて、元ENBの芸術監督、イーグリングさんが改訂振付をしています。え〜っ別に〜オリジナルでいいのに〜とか不遜にも思っていたけど、王子のキスでオーロラが目覚めた後、王子とオーロラのパ・ド・ドゥが追加されていて、それがために、少女が大人へと成長する物語になって、素晴らしかったです。「眠り」の不満は、オーロラが最初から最後まで不変でドラマがなかったことにあったんですけど、今回のイーグリングさんの改訂は、この不満を吹き飛ばすものでした。やられました。
少女が大人へと変身するのは、ほんの一瞬の火花なんですね。それも、ジュリエットのような電光石火の恋みたいな自分の中に火が付く劇的なものじゃなくても、寝てる間にされた受け身のキスでもいいんですね。朝起きたら虫になっていたみたいな(違)知らぬ間に起こる突然の出来事。準備も努力もいらない天啓。キスを境に大人への変身を遂げたオーロラ。パ・ド・ドゥによってそれが明確に示されていたことがわたしにも天啓でした。わたしが大人になった瞬間っていつだっただろう?

第3幕の童話の登場人物達が華やかに登場するシーンも楽しかったです。もちろん、中でも青い鳥の菅野さんとフロリナ王女の絢子さんのペアがとても良かったです。この踊りピョンピョン跳ねて大変なんですよね。やっぱ、絢子さんもステキだわ〜。今回は絢子さんのオーロラを観られなくて(わたしが行けない日だったので)残念。次の「シンデレラ」の初日は絢子さんだから楽しみにしましょ。

本島さんのカラボスはとても良かったです。彼女こういうキャラクター役合いますね。すごく美人なんだけど。欲を言えば、もう少し強さというかアクの強い怖さが出せればもっと良くなると思いました。瀬島さんのリラの精は、もう少し大きな存在感が欲しかったです。リラの精がこの世界を支配して物語を動かす一番大きな役なのですから。衣装について注文を付けるなら、妖精の衣装がみんな同じように見えて誰が誰なのかよく分からないのが残念でした。それぞれの妖精を顔のない’もの’として捉えているのかもしれないけど、音楽やプティパの振付はそれぞれの個性を際立たせているので、衣装にもそれが欲しかったです。リラの精には一際輝いた衣装が似合うと思います。

自慢のコールドは、まだ少し不揃いなところがありました。初日だからしょうがないのかな。舞台を重ねるごとに良くなっていくでしょう。

今日の「眠り」は、わたしが今まで観た中(全部プティパを下敷きにしているもの)で一番説得力がありました。新国バレエも新しい芸術監督の下、新しい時代の幕開けです。困難な課題もまだまだ多いと思うけど、たくさんの心に残るステージが観られることを切に願います。そして、日本のバレエ文化がもっと深くなる道を指し示していって欲しいと思います。
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by zerbinetta | 2014-11-08 23:29 | バレエ | Comments(0)

ものすごく細かいことに突っ込みを入れる レ・ポレアード 蛙の女王「プラテ」   

2014年11月7日 @ほくとぴあ さくらホール

ラモー:プラテ

マティアス・ヴィダル(プラテ)
与那城敬(シテロン)、ベツァベ・アース(アムール/ラ・フォリー)
フルヴィオ・ベッティーニ(サティール/ジュピテル)、小野和歌子(ジュノン)、他
寺神戸亮/レ・ボレアード


ラモーと言えば、わたしの元地元の音楽家。ならば、聴かずにはいられないでしょう。ラモーってものすごく大作曲家だと思うけど、あまり演奏されないのは残念ね。そんなラモーのオペラがセミステージドとは言え上演されると知って、早くからチケットを取ってワクワク。しかもめちゃ安かったし。しかーし、このあんまり上演されないオペラ「プラテ」、今年はもうひとつあったのです!そちらはバレエ付きだったんだけど、それを知ったのは、上演が終わってから。ぐるるるる、もう悔しいったらありゃしない。それもあってこの上演にかける期待は膨らむばかり。あらすじとかを予習すると、蛙の女王さま(沼の精)のお話で、オノマトベ満載、めちゃおもしろそう。でも、ただ、醜い蛙女、プラテが非道い扱いなので、ちょっと嫌な気持ちになるかな、とは心配したの。(あらすじは他のサイトを見て下さいね)

ほくとぴあってずうっと埼玉にあると思っていたら、近くてびっくり。王子って都内だったのね。ほくとと言うからずいぶん北だと勝手に勘違いしてたんだ。こぢんまりしたホールで、バロックの音楽をするにはちょうど良いサイズ。それに、わたしの安い席でもよく見えるからお得感アップ。セミステージドとは言っても、オーケストラは舞台の後ろの方で、ステージの空き空間を広く取っていて、歌手は立ったまま歌うのではなくて、簡単な演技付き。おふざけオペラだけに、オーケストラの人たちも緑の野球帽だったりマフラーだったりシャツだったり何かカエル色のものを身につけてる。やっぱカエルは緑なのね。アイルランド人もびっくり。指揮者の寺神戸さんも舞台に参加させられたりして、楽しい雰囲気を作っていたのだけど、舞台の後ろの方で演奏してたのでちょっと見づらかったかな。まあ、普通はオペラではオーケストラはピットに入るので完全に舞台からは消えるんですけどね。でも、このやり方、ピットがなくてもできるし、小編成のバロック・オペラを上演するのにとても良いんじゃないかしら。舞台装置も簡単でいいし、もっと豪奢な舞台を観たいというオペラ・ファンには物足りないかもしれないけど、何より手軽なので、あんまり上演されないバロック・オペラの上演機会が増えると思うんだ。それに、国内にはバロック・オペラの上演に適したサイズのオペラ・ハウスってないしね。

バロック・オペラってたくさん歌手を使うものも多くて、プロローグまで良い歌手を揃えられないよ、っていうのも観たことあるんですが、今日は、そんなことはなくて、小粒だけど十分楽しめる歌手陣。で、なかでもタイトル・ロールのヴィダルさんがもう素晴らしかった。ズボン役の反対で、男声が女性の役を歌うんだけど、それだけで笑えて、その上、ヴィダルさんが上手いんだな。自分をすごく美しいと思ってる勘違い女の自惚れ屋で、みんなに煙たがられ、からかわれて、いじめられるんだけど、音楽やヴィダルさんの歌がステキなのでからっと笑い飛ばせる。憎めないんだ、誰も。本人は苦笑するかもしれないけど、はまり役。そしてもうひとり、物語の世界に素っ頓狂なさざ波を立てる、ラ・フォリーを歌ったアースさん、コロラトゥーラの技術にむらがあったけど、この人も目立って存在感がありました。いや〜〜わたし、こういう闖入者大好き。「アラベラ」のフィアカー・ミリみたいな。でも、おちゃらけながらも結構真理を歌ってるのね。人生おちゃらけ。それがわたしの人生観。

それにしても楽しかったな。何も考えずに素敵な音楽を聴き笑える時間、わたしにはなくてはならない贅沢な大切な時間でした。

あっ!ひとつだけ、細かいお小言を言うならば、祝宴の場面、ワインの瓶がボルドーだったよーーー。ラモーはブルゴーニュの偉大な音楽家なので、ここはブルゴーニュのワインで宴会して欲しかった。ブルゴーニュ・ラヴのわたしとしては、ライヴァルのボルドーに負けるわけにはいかないのよ〜〜w
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by zerbinetta | 2014-11-07 01:33 | オペラ | Comments(0)

えっ??通訳? ハーディング/新日フィル 公開リハーサル   

2014年11月6日 @すみだトリフォニー

ブルックナー:交響曲第5番 リハーサル

ダニエル・ハーディング/新日本フィルハーモニー交響楽団


わたしと新日フィルの相性の悪さはもうどうしようもないのだけど、トリフォニーホールのメイル会員(だったっけ?)になっていたら、公開リハーサルにご招待いただいたので、喜んでいそいそと出かけてきました。リハーサル好き。

今日のリハーサルは、ブルックナーの交響曲第5番。ハーディングさんのブルックナー、好きだから、本番でも聴きたかったんだけど、残念ながらリハーサルだけ。しくしく。午前のリハーサルは前半の楽章です。

指揮者の隣に椅子があって何かなと思ったら、女の人がこちらに背を向けて座って、司会者じゃないよね、向こう向きだし、と思っていたら通訳の人でした。えええーーーっっ、(正直な気持ち)新日フィルダイジョブかーーって心の中で叫んだよ。ハーディングさんは長々としゃべるでもなし、簡素な英語で指示を出すんだけど、通訳がいるなんて。。。海外の人と多くの仕事をする日本を代表するオーケストラなのに。。。もしかして、穿った考えだけど、ハーディングさん、新日フィルが、なかなか自分の言ったように演奏してくれないので、言葉が通じてないのかな、と通訳をお願いしたとか?それは違うと思うんだけど。言葉の問題じゃなく、わかっててもできない、やらないんじゃないか、なんてとんでもない邪推までして。。。(わたしも身に覚えあるから。。。)英語が偉いとは思わないけど、一番標準的な世界共通語なのは間違いないので(あのフランスの指揮者コンクールでさえ、フランス語禁止で英語)、いろんな国の人たちと仕事をする音楽家さんたちは英語はできた方がいいと思うんだ。ちなみに通訳の人、1カ所、反対の意味に捉えられるように訳してびっくりしたよ。

ハーディングさんは、結構細かいリハーサルをして、音楽を作っていったんだけど、短い中にもハーディングさんのブルックナーが見えてきて、わたしの好きなブルックナーだと確認できました。あーやっぱり本番聴きたかったな。そしてがんばれ新日フィル。
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by zerbinetta | 2014-11-06 01:21 | 日本のオーケストラ | Comments(0)