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うん、これだ。わたしの求めていたものは。もしかして爆音系? 新交響楽団第228回演奏会   

2015年1月25日 @東京芸術劇場

ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」
チャイコフスキー:「白鳥の湖」から抜粋
サンサーンス:交響曲第3番「オルガン付き」

鈴木隆太(オルガン)
山下一史/新交響楽団


新交響楽団。とても上手くて(アマチュアのオーケストラの中で間違いなくトップ・レヴェルのひとつ)、いつも良い演奏を聴かせてくれるんだけど、わたしのわがまま的不満を言えば、音楽をとてもきれいにちゃんと演奏しようとする(そしてそれはとても上手くいってる)あまり音を丁寧に置いてしまうところがあるところなのね(ところの繰り返し)。リスクを犯してもひとつ先にある音楽を表現できたら、って思っちゃうの。きれいだけどおとなしいみたいな。これってN響もそうだけど。上手いところの陥りやすい罠かな。でも、今日はそのわがまま的不満を解消してくれました。

山下さんは、名前は前から知っていたけど聴くのは初めて。カラヤンの元で修行して、今はどこにもポジションがなくてフリー?どこかのオーケストラ任されないのかな?
さて、その山下さんと新交響楽団。最初の「ローマの謝肉祭」からいつもと違った。溌剌と生命力に溢れてる。ぴちっぴちの獲れたて。おとなしいオーケストラが跳ねてる。山下さんはオーケストラの音を解放するのが上手い。引っ張るのでもなく追い立てるのでもなく、のせてる感じ?ぶんぶん振り回して速球投げてる感じ。遠心力よ、遠心力。音が大きいし解き放たれているので、爆音系なのかな?でも、ディーテイルをおろそかにするのではなく、きちんと丁寧に磨いているのは流石。カラヤン流?オーケストラも、山下さんの要求する、巧妙なフレージングやニュアンス、にしっかり応えるところは、さすが新響。それにしても、山下さん、かなり鍛えたな。

2曲目の「白鳥の湖」は組曲じゃなくて、全幕からの抜粋というのが嬉しい。8曲しかないのが寂しいけど、物語を容易に思い浮かべられてステキ。組曲だと物語が壊れて悲しいもの。イントロがあって、幕開けの音楽(1情景)、楽しいワルツ(2ワルツ)。で、「白鳥の湖」のメインテーマと言える超有名な10情景。オデットと王子の夢見るようなパ・ド・ドゥのアダージョ(13パ・ダクシオン)。各国の踊りからは、20ハンガリーの踊りと21スペインの踊り。そして最後の29フィナーレ。山下さんの音楽は、テンポにメリハリがあって、バレエのシーンを思い浮かばせつつ、音楽だけで楽しめる演奏。そう、この曲ってほんと良い曲なのよね。バレエがなくても音楽だけで全曲楽しめるもの。さすがにスペインのカスタネットは難しくてリズムよれてたけどこれはご愛敬。プロでもめちゃくちゃなの聴いたことあるしね。

最後のサンサーンスも素晴らしい演奏。オーケストラが上手いから、ハーモニーがとてもきれいだし、色彩感もあってきらきら。それに、山下さんが引き出す明るくて熱のこもった情熱的な音楽。サンサーンスって、感情を排した純音の結晶みたいな音楽だと思っていたけど、こういう体温のある青春みたいなのもいいな。最後の情熱的な終わり方もいいし。

このコンビでもっとたくさん聴いてみたくなりました。客席から聴くととても相性いいみたい。練習は厳しそうだけどね。でも、こんな演奏させられたらスカッとするよね。わたしは音浴びできて気持ち良かったよ。


♪♪
新交響楽団の第229回演奏会は、4月19日、東京芸術劇場です。湯浅卓雄さんでタコ〜〜〜。
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by zerbinetta | 2015-01-25 09:27 | アマチュア | Comments(0)

アマオケ界のキラキラネーム オーケストラ☆の王子さま第39回定期演奏会   

2015年1月24日 @杉並公会堂

モーツァルト:「コジ・ファン・トゥッテ」序曲
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲、交響曲第7番

宮尾悠(チェロ)
喜古恵理香/オーケストラ☆の王子さま


ちなみにわたしはキラキラネームに対して悪くは思っていません。かの大文豪の森さんも子供にキラキラネーム付けてますしね(彼がキラキラネームの草分け?)。わたし自身はつけないと思うけど人それぞれだからいいんじゃない、というスタンス。とは言っても、オーケストラ☆の王子さま、には名前で興味を持ちました。アマオケ界のキラキラネーム。今活動しているアマオケでは、ケツバット・キネン・オーケストラと共に2大ユニークネームじゃないかしら。ちなみに名前の☆は、星ではなく☆みたいです。もう20年以上も続いている息の長いオーケストラですね。歴史が長い割にメンバーは20代30代が中心で若い人が多い感じです。

まずは、モーツァルト。実は、白状しちゃうと、☆の王子さま、なんてちょっとメルヘンっぽくて同好会的なノリで、ゆるい演奏かと思ってたら(失礼をごめんなさい)、上手かった。ものすごく上手いというわけではないけど(アマチュアでもプロ並みのところあるしね)、聴きに来て良かったと思えるくらい。わざわざ遠くの杉並公会堂まで出かけてきても。
「コジ・ファン・トゥッテ」は、会話劇というかおしゃべりを楽しむように重唱たくさんだけど、序曲でも、楽器間の掛け合いが多くて、それをなかなかステキに演奏していたと思います。速い音符で(ちゃんとできてるんだけど)緊張のせいか余裕がなくなっちゃうのはご愛敬。しょうがないよね。

でね〜〜。何と失礼なことに、ごめんなさい、ドヴォルザークのチェロ協奏曲のとき、第1楽章の途中から、寝落ちしてしまったのです。気がついたら、第2主題ってこんなにゆっくりだったっけ?と思ったら第2楽章だったという。ほんとにごめんなさい。チェロの宮尾さんはすごくきれいな音で弾いていました。まだ音大(院)出たての若い人。経歴を見るとフリーなのかしら。プロのオーケストラで十分にやっていけるのにって思ったけど、ソロ、室内楽指向なのかな。柔らかで暖かく軽めの音色は、フランスの作曲家の室内楽の雰囲気。スムージーなチェロの音色。

交響曲第7番は、ちゃんと聴きました。指揮者の喜古さんも若い(20代半ば)の方(大柄っぽいけどかわいい系)だけど、大きな身振りで音楽を表現していたのがかっこよかったです。とても動きのきれいな指揮。音楽もオーケストラに過度に無理させず、余裕を持って、要所要所のアクセントを強調して音楽の特徴を掴んだ輪郭のはっきりした演奏です。ドヴォルザークの民族性(特にリズム)をくっきりと浮き立たせて、音楽を分かりやすく聴かせてくれました。オーケストラもそれに応えて、ステキな音楽を奏でていました。がんばっていたものね。
喜古さんは、わたし的には最近聴いた若手の中でとても印象に残る人。魑魅魍魎の、じゃなかった百戦錬磨の奏者を前にしてプロのオーケストラを振ったとき、きちんと自分の音楽を出せるかはまだ未知数ですが、なんか活躍できそうな気がします。て言うかして欲しい。応援したい。まずは、どこかのオーケストラの副指揮者になるとか(日本のオーケストラにそういうポジションあったっけ?)、コンクールかな。がんばれーー。

アンコールは、ドヴォルザークの弦楽セレナーデの第2楽章とスラヴ舞曲第5番。交響曲が良い演奏だっただけに、そこで終わっても良かったかな。あの曲で出し切ってた感あったから。演奏がダメだったってことはないんだけど、せっかく盛り上がったのに、そこでばっさり終わった方がいいのになって。アンコールの扱いって難しいね。


♪♪
オーケストラ☆の王子さまの第40回定期演奏会は、7月4日、杉並公会堂です。
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by zerbinetta | 2015-01-24 01:12 | アマチュア | Comments(0)

巨匠達の残り香 FAF管弦楽団第48回定期演奏会   

2015年1月18日 @すみだトリフォニー

ブラームス:交響曲第3番
ベートーヴェン:交響曲第7番

土屋邦雄/FAF管弦楽団


FAF管弦楽団の熱心なサポーターではないんだけど、彼らがブラームスの交響曲第3番をやるからには聴きに行きたくなります。何しろ、オーケストラの名前、FAFはブラームスのこの曲(冒頭の3つの音、ブラームスのモットー「Frei aber froh(自由にしかし楽しく)」から採ったもの。そして、土屋さんがおっしゃってたんだけど、ベートーヴェンの交響曲第7番もこのオーケストラの最初の音楽会で演奏された記念すべき曲とのこと。なんだか記念の多い特別な音楽会みたい。

指揮の土屋さんは、ベルリン・フィルで長きにわたってヴィオラを弾いていた(プログラムを見て初めて気がついた)、ヨーロッパのオーケストラの日本人の草分け的存在。演奏家としてとおっても偉い人なのです。80を超えてとてもお元気。そしておしゃべり。演奏を始める前に、曲目解説をしてくれる人はいるけど、いかに私はこの曲を振りたくないのかを話す人は初めて見た(曲が嫌いなのではなくて、指揮者としてはペーペーの私が振るのには難しいという理由で)。ブラームスの交響曲第3番は、ブラームスの交響曲の中で演奏頻度が低くて、どうしてかというと、最後が静かに終わる、ということもあるのかもしれないけど、難しい、ということがあるのかもしれない。確かにね、前にドホナーニさんとフィルハーモニアのを聴いたとき、木管楽器が地味に細かい音を吹きまくってて合わせるの難しそうだなって思ったもの。

お話を終えると、あまり間を置かずさっと(ちょっとびっくり)音楽を始めました。そして今日もやっぱり難しいんだなって思いました。弾けてない吹けてないっていうわけではないんだけど、アンサンブルするのにぎりぎりだなって。一所懸命になりすぎて周りを見ていないというところがいくつか聴かれました。第1楽章は、最初ゆっくりと始めてかなりテンポを揺らしてきました。長めにとった最初の音と旋律が始まるところの微妙な間とテンポにちょっと船酔いに似た感じを覚えたり、いつの間にか速くなってきたり、とても細かく表情を付けてきます。土屋さん、結構テンポ揺らすんだと思ったら、第2楽章からはそれほど大きな変化を付けず、どちらが彼の音楽なのか、それともどちらも彼の音楽なのか、は分からなかったのですが、後ろの楽章は、まだまだ音楽を深め足りていないようにも感じました。切りはないんですけどね。本人も多分謙遜しておっしゃっていたように、何とか聴かせられるものになった、丁度なのでしょう。FAF管弦楽団は、おおっと思ういい音を出したかと思うと、おや?普通な感じ?と思う音になったりして、ちょっとムラがあるな、っては感じました。
土屋さんの指揮は、素人っぽくて確かにぎこちないように見えたけど、音楽の精神面というか、技術的なものよりも奥にある内容をオーケストラにしっかり話してそれを音にしているように思えました。そして、何だか往年の巨匠達の飾らないかっこを付けない演奏の面影を聴いてるみたいな気持ちにさせられました。演奏家として巨匠達と音楽をしてきたことが血になってるんですね。

休憩のあとのベートーヴェンの前にもお話があって、ベートーヴェンではこの7番と5番と、あれもうひとつ6番だったかな?、の3つは振りたくなかった、若い番号のをやりたかった、みたいなことをおっしゃって、またやおら音楽を始められました。
ベートーヴェンの方は、技術的な難易度がブラームスよりも低い(でも音楽的にはやっぱり難しいと思う)からかオーケストラに余裕があって、その分音楽を語るところが上手かったです。土屋さんもあまりテンポを動かさずに、あっ一番最後の瞬間だけぐっとテンポを落としたのにはびっくりした(ここは短距離のランナーがゴールを走り抜けるように終わって欲しかった)けど、堂々とした演奏でした。特別なことはしていないのに、にじみ出てくる香りが土屋さんにはあるのですね。これは若い指揮者には絶対できない。土屋さんには、彼のやりたい音楽をぜひじっくり聴かせて欲しいと思いました。アマチュア・オーケストラでもいいから、土屋さんを常任にして演奏してくれないかな。彼から教えてもらいたい宝物の音楽うんとあるから。

今日の最高の演奏は、でも、アンコールの「エグモント」序曲でした。始まりからえっ!こんな音が出せるの!とびっくりするくらいの厚い重厚な音で、熱のこもった音楽は名演でした。素晴らしかった。打ち上げのお酒がきっとおいしかったことでしょう。わたしも満たされた気持ちでホールをあとにしたもの。


♪♪
FAF管弦楽団の第49回定期演奏会は、7月12日、ミューザ川崎です。
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by zerbinetta | 2015-01-18 01:23 | アマチュア | Comments(0)

誕生!フランス専門オケ オルケストル・フランセ・デュ・ジャポン第1回定期演奏会   

2015年1月17日 @タワーホール船堀

フォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」
ラヴェル:ピアノ協奏曲
オネゲル:交響曲第4番「バーゼルの喜び」

榎並優(ピアノ)
右近大次郎/オルケストル・フランセ・デュ・ジャポン


意外なことに、日本で多分初めてのフランス専門オーケストラの第1回定期演奏会だそうです。ロシア専門オーケストラは、この間聴いたアウローラを始めいくつかあるのに、シベリウス専門、日本専門とかもあるのに、結構人気のあるフランス(近代)音楽専門が今までなかったとは。不思議。創立記念演奏会ではなく第1回定期演奏会なのは、この前に、音楽会をすでに行っているからなのです。

フランス近代音楽って、ドビュッシーやラヴェルが有名で人気があるけど、ミヨーとかオネゲル(はスイス人?)、プーランクとかマイナーだけど良い曲がたくさんあるのね。だからこのオーケストラの誕生は嬉しいし期待したいのです。フランス・オーケストラとあって会場のアナウンスも日本語とフランス語でした。ちょっと洒落てるっ。20年前の今日の阪神大震災と先日のフランスでのテロ事件を覚えて、演奏の前に皆で黙祷を捧げました。

さて、演奏なんですが、ううむ、がんばれーーー。近代フランスの管弦楽曲って難しいと思うんですよ。時代的にはマーラー以降、シェーンベルクやウェーベルンと同時代、オーケストラへの要求もハンパじゃないし、フランスならではの明るい色彩感も欲しいしね。でも、みんな憧れのフランスものを楽しそうに弾いてるし(フランス専門オーケストラにフランスもの嫌いな人は混じってないよね)、オーケストラの雰囲気、指揮者(曲解説もしたのだけどとても面白い人)も含めて和気藹々なところがあるのが見て取れるんだけど、演奏はまだまだだわ〜。弦のアンサンブルには正確な音程が欲しいし、管楽器とかも音楽はよく知っているのだろうけど、その(欲しい)音を出す技術がまだついて行けてないというか。それでも、わたしの気持ちはポジティヴ。好きこそものの上手なれ。このオーケストラには、上手くなって素敵なフランス音楽を聴かせて欲しいです。そのポテンシャルはありそうだもん。フランス近代物ってたくさん名曲あるもの。あと、小編成のアンサンブルに洒落た曲も多いので、室内楽の音楽会もやって欲しい。オーケストラの技術向上のためにもね。

今日、意外に良かったのはラヴェルの協奏曲。実はとっても心配だったんだけど(管楽器に難しいソロが多い)、難曲を乗り越えた感じ。特にトランペット(ゲストの方かしら)が良かったです。それに、というかこれが主な理由なんだけど、ピアノの榎並さんが凄く良かったの。技術がしっかり安定していたし、かちんかちんと弾くところはメカニカルでうんと良い。第2楽章の重さはちょっとラヴェル的ではないかもとは思ったけど(ベートーヴェンやラフマニノフで聴いてみたい)、正直不意を打たれたようにびっくりした。帰ってきてググってみちゃった。イギリスで勉強されて今はイギリスと日本で活動されているのかな。あまり情報は無かったんだけど、ちょっと聴いてみたいピアニストでした(2月に埼玉と横浜でヴァイオリンとのデュオ・コンサートがあるみたいなんだけど、それ以上の情報は得られず)。そして、オーケストラもそれにつられて、実力以上の音が出ていたんだと思います。

めったに聴くチャンスのないオネゲルとか(オネゲルの交響曲を生で聴くのは初めて♪)、オネゲル好きがオーケストラの中にいる様子。今はまだ、できたばっかりで、2管の小編成で活動して行くみたいですが(大きくしないで基礎を固めるのかな?)、いつか、オネゲルの交響曲第3番(オネゲル好き♥)やメシアンの「彼方の閃光」とか大編成の曲もやって欲しいな。


♪♪
オルケストル・フランセ・デュ・ジャポンの第2回定期演奏会は、来年。1月16日、タワーホール船堀です。「屋根の上の牛」派手派手しく楽しく鳴らして欲しいな。
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by zerbinetta | 2015-01-17 12:38 | アマチュア | Comments(0)

納豆はよく粘るまでかき混ぜるのがいいよ アウローラ管弦楽団第12回定期演奏会   

2015年1月10日 @すみだトリフォニー

スヴィリードフ:組曲「吹雪」〜プーシキンによる音楽的イラストレイション〜
ラフマニノフ:交響曲第2番

田部井剛/アウローラ管弦楽団


年明け、新年最初の音楽会は、去年に引き続いて、アウローラ管弦楽団です。毎年、お正月明けに音楽会してるのかな?こっそりと正直に言うと、今回は、聴きに行くの止めようかな、と思っていたんです。なぜかって、ラフマニノフの交響曲第2番ってあまり好きじゃないから。確かにすぎるくらいに甘美な旋律に溢れてるけど、退屈な音楽なので、この長い曲(といっても50分くらい)を聴き通せるか自信が無かったから。そんな退屈系の曲をアマチュアで聴くのに苦痛を感じてしまうんじゃないかと心配したんです。

今日は新年の華やかな雰囲気だからか(去年もそうでした)、女の人はドレス。ソリストが着るようなドレスで、華やかでいいといえばいいのだけど、男性は普通だし、もう少し抑えた感じのドレスの方がいいんじゃないかって思いました。余計なお世話だけど。

音楽会は、スヴィリードフという初めて名前を聞く人の「吹雪」という曲から。クラシックのと言うより、映画音楽で名を残した人のようで、今日演奏される曲も映画の音楽を組曲にまとめたもの。「吹雪」というので大嵐というか、八甲田山死の彷徨的なのを想像したんだけど、全然違ってメランコリックで暗く、雪はしんしんと降ってる感じ。映画のすじは知らないけど、わたしの頭にはチェーホフのお芝居、「3人姉妹」とか「オネーギン」、あっこれはプーシキンか。ロシアの物語に共通する哀しみを感じました。そうすると、バレエのシーンを想像しながら聴いてしまうんですけど、この音楽、バレエになりそう!ただ、映画に付けて作曲されているので1曲1曲が短くて、音楽的にも完結されていない曲がある感じなので、もう少し膨らませて補ったら、十分全幕もののバレエにできるんじゃないかしら。ほんとの物語がバレエ向きかどうかは分からないけど。
音楽は、とても親しみやすいというか、どこか聴いたことがある感じ、どこかで見たもの悲しい風景、を感じさせるものでした。ヴァイオリンのソロがあったり3階席からのトランペットのソロ(ロシアな感じの重い音ですごく上手かった)があったり曲も変化に富んでいて楽しめました。演奏もちょっとバタ臭い音楽をとても良く表現していてこの音楽の本質をしっかり突いていたと思います。照明の工夫も良かったです。

さて、問題のラフマニノフ。結論は、楽しめた、というか、長く感じなかった。居眠りしなかったし。これって飽きなかったってことですよね。
ラフマニノフの交響曲第2番って納豆みたいですよね(今日の発見!)。甘美な旋律に充ち満ちているとよく言われるけど、実は、旋律の間に何だかもやもやとした音が横たわっていて、ただ旋律をつなげてできている曲ではないみたい。そしてそのもやもや部分(経過句?)がドイツの交響曲みたいに論理的にかっちりしたものじゃなくてファジーで雰囲気的。それがロシアの音楽を分かりづらくしている気がするんだけど、特徴でもあるみたいな。納豆に例えると、豆の部分が美しい旋律で、ラフマニノフの音楽は豆だけ、もしくはドイツの音楽みたいに豆と豆を砕いたものを再構築してできてるんじゃなくて、豆の間には不定形のなが〜〜い糸が引いてる。
演奏は、先に書いたとおり、飽きの来ないものでとても良い演奏だと思うのだけど、欲を言えば、もう少し粘った方が良かったかな。納豆の糸の引き方が足りないというか、旋律と旋律をつなぐもやもやした部分の音楽にもっと粘着力と魅力があればとは思いました。雰囲気で鳴らしちゃうところなので、漠然としてどう演奏していいのか分かりづらいと思うんですけどね。あと、ヴィオラもっと来い!って思うところがときどきありました。

コンサートマスター推しでまとまってる(引っ張られてる?)このオーケストラ(いつもプログラムにコンサートマスターのことが書いてある)、でも、ひとりひとりが音楽を理解して弾いてる気持ちの良いオーケストラのひとつですよね。

アンコールは、「くるみ割り人形」から「松林の情景」。これは、もう少し情感をこめて、心の奥から熱いものがこみ上げてくる演奏の方が好み。バレエもクララと王子の感動的なパ・ド・ドゥだし。あっさり目の表情付けは指揮者の田部井さんの好みなのかな。


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アウローラ管弦楽団の次の公演は、第13回定期演奏会が5月2日、すみだトリフォニーです。
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by zerbinetta | 2015-01-10 21:29 | アマチュア | Comments(0)