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核のあるオーケストラと束ねる指揮者 オーケストラ・シンフォニカ・フォレスタ第4回演奏会   

2015年3月29日 @かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

ウェーバー:「魔弾の射手」序曲
モーツァルト:交響曲第41番
ブラームス:交響曲第1番

石川星太朗/オーケストラ・シンフォニカ・フォレスタ


がっかりだった都民交響楽団のあと、傷心のわたしは青砥に移動してシンフォニカ・フォレスタの音楽会を聴きました。このオーケストラは2010年に活動を始めた新しいオーケストラです。若手指揮者の石川さんの下での音楽作り。で、極だって特徴的なのは、コンサートマスターを含め、弦楽器(ヴィオラ、チェロ)のトップに、若手、石川さんと同世代のプロの音楽家を配しているということ。特にコンサートマスター(オーケストラの公称ではコンサートミストレス)の須賀麻里江さんはチラシにも写真入りで載ってるくらいの押し。

一聴して分かったのは、このオーケストラ、アマチュアには珍しく、弦高管低。弦楽器のトップにプロ奏者を置いているのでさもありなんだけど、弦楽器の方が上手いんです。管楽器(特にホルン)は正直もっとがんばれーーって思いました。決して下手というわけではないんですけど弦が上手いから。
そういうわけで、「魔弾の射手」では、ホルンの4重奏にちょっとはらはらもしちゃったんですが、全体的にはなかなか良い感じ。音楽がちゃんとまとまってる。

2曲目のモーツァルトの「ジュピター」は、とてもステキな演奏でした。この曲ってこんなに短かったっけと最後思ったくらいに時間の経つのが速くて(テンポが速いわけではありませぬ)。それは同時に、軽さを持った演奏で、堂々とした祝祭的な演奏ではないということ。なので、好みが分かれると思うのだけど、わたしは爽やかスッキリな「ジュピター」っていいと思う。最後のフーガとかもう少し管が出てきて欲しいと思うところはあったんだけどね。

ブラームスも聴いてる感じは、カルピスソーダ、ただし炭酸薄め。重くならずにスッキリ爽やか系。でもさすがにブラームスになると、弦楽器は上手いとはいえ人数が少ない(数え間違いがなければ第1ヴァイオリンで12人)、なので、響きが薄く感じるところがちらほら。作曲者のブラームス自身は、少ない編成(弦楽器が34人だって)での演奏を望んでしていたみたいなので、重厚なブラームスは後から付けられたイメジらしいけど、でもさすがにアマチュアのオーケストラでこの人数ではきびしいかな。
でも、演奏は、指揮者のやりたい音楽の姿がしっかり見えてて納得。若くてスマートでステキ。石川さん、素晴らしい指揮者の卵だわ。って言ったら失礼かもしれないけど、これからの活躍を期待して敢えて今は卵としたい。30歳(くらいで弱冠遅咲き)だけど、まだプロのオーケストラを振った経験が少なそうだから。読響さんも振るみたいだし、目が離せませんね。
一押しコンサートマスターの須賀さんは、にこやかでプロとしてご活躍の方だけに余裕。他のトップの人もそうだけど、こんなに楽しそうに音楽をやられるとみんなにその楽しさがうつっちゃう。そういうしっかりとした核のあるオーケストラですね。
石川さんの音は、しっかりと芯のある涼しげな硬めの音でシベリウスなんかも聴きたくなる感じ。それと、石川さんの所属してる、アンサンブル室町、超興味ある。和楽器と古楽器の複合オーケストラ(石川さんはバロック・ヴァイオリンも弾きます)。この異種格闘技、面白そうじゃない?近々に音楽会はないみたいだけど、次のときは絶対に聴き逃さないようにしよう。

若い才能にも邂逅してほんとに良い音楽会でした。ところで、かつしかシンフォニーヒルズのモーツァルトホールの座席って、人が歩くとずいぶん揺れるのはなぜ?



♪♪
オーケストラ・シンフォニカ・フォレスタの次の演奏会は、来年の秋頃の予定だそうです。
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by zerbinetta | 2015-03-29 17:17 | アマチュア | Comments(0)

朝7時に湯治場で・・・ 都民交響楽団第119回定期演奏会   

2015年3月29日 @東京文化会館

ドヴォルザーク:序曲「自然の王国で」
エルガー:エニグマ変奏曲
ドヴォルザーク:交響曲第8番

金洪才/都民交響楽団


昨日偶々、ヒンデミットの「朝7時に湯治場で二流のオーケストラによって初見で演奏された「さまよえるオランダ人」序曲」という曲をu-tube 聴いてたんですよ。まあ、凄い曲で。百聴は一聴に如かず。聴いてみて下さい。最近、ベルリンフィルでも音楽会でやってますね。それにしても、この曲からタイトルを付けるようになるとは。。。

夕方には雨が降ったけど、お昼はお天気がもってお花見日和。上野公園はものすごい人だかり。それにしても外国人、主に中国人かな、が多くてびっくり、外国の観光地に来たよう。こんなに多いの今年からですよね?そんなお花見街道をゆらりゆらりと人をかわしながら歩いて文化会館へ。大好きな都民響の音楽会へ。

今日の指揮は金さん。確か女優さんと結婚されたイケメン指揮者♥と期待してたら、金さん違いだった。がーん。
で、音楽会が始まったら。。。あれれれ?これが都民響?


♪♪
都民交響楽団の第120回定期演奏会は、9月20日、すみだトリフォニーホールです。


(ここからは罵詈雑言の連続です。読みたくない人はここまでで)

続きはこちら
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by zerbinetta | 2015-03-29 01:52 | アマチュア | Comments(0)

若い?いや老練です ユーゲントフィルハーモニカー第9回定期演奏会   

2015年3月21日 @すみだトリフォニー

シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
ブラームス:交響曲第3番
バルトーク:オーケストラのための協奏曲

三河正典/ユーゲントフィルハーモニカー


去年、マーラーの交響曲第9番の演奏を聴いて、若者のオーケストラなのに凄〜いとびっくりしてしまったユーゲントフルハーモニカー、今年も聴いてきました。ユーゲントフィルってユーゲントって名前に付いてるのにユース・オーケストラではないのだけど、元々は高校生の選抜オーケストラのOBが集まったオーケストラで、結成から10年たってもまだ若〜い。平均年齢20代?って見た感じ。いろんな世代の人で構成されてる歴史のあるアマチュア・オーケストラも好きだけど、若者のオーケストラも好き。刹那のきらめきがあるし、何よりも若いエキスがだ〜い好き♥

そんな若いオーケストラなので、今日の演奏曲目の中では、若いシュトラウスの出世作、「ドン・ファン」が一番オーケストラにぴったりと思ったのですが、軽く裏切られました。まだ、固かったのかな〜。若者の素直な直線的な演奏が、若書きなのに爛熟したシュトラウスの艶めかしい音楽に合わなかったというか。エロ小説を学級委員長が無表情で朗読する感じ、と言ったら極端すぎるけど、もっとエロ成分が、と思うのは嫌らしい大人の意見かしら。

で、予想に反して良かったのは、枯れた作曲科の代表ブラームスの交響曲第3番。いや、ブラームス枯れてないって。ブラームスの交響曲第3番ってブラームスの交響曲の中で一番演奏するのが難しそう。確かこの間、他の指揮者の人もそうおっしゃっていたし、後ろで細かい音符で動いていたり合わせるのが難しそうだったり。だから、どうなるかなって思っていたら、良い。そうだった。このオーケストラ、若者だからって侮ってはいけなかったんだ。三河さんのバトンの元、老練なマーラーを聴かせてくれたんだった。三河さんの音楽をとても良く体現してる。このオーケストラの良さは、音楽の方向に統一が取れてること。みんなが音楽をよく知っていて同じ音楽を奏でてる。とてもよく練習しているのが分かる感じ。ブラームスは、枯淡の境地の演奏ではないけど、っていうかブラームスってもっとロマンティックな熱い人でしょ、少なくとも形式主義者じゃない、適度に勢いと熱があってとても魅力的な演奏。エロはないけどクラスの人気者が味わい深く朗読しました。

それに輪をかけて良かったのが、バルトーク。細かな表現で、わたし的には疑問に思うところもあったけど、みんながきちんと丁寧に演奏して良かった。では済まされない演奏。まず、オーケストラの音色がいい。銀色にざらざらしてて、心を擦ってくる。そして、もの悲しさ。バルトークの気持ちがそのまま音楽になったみたい。この曲って、そんなこと全部取り払って、オーケストラのヴィルトゥオーゾとしてあっけらかんと明るく演奏することもできると思うけど、今日の演奏は、なんか若者らしい生真面目さでバルトークの孤独を表現していたと思います。そういえば、ショスタコーヴィチの交響曲第7番を茶化すところ、そうではなくて、ショスティの音楽が意味しているところ、ナチスを非難しているんじゃないかって思えました。これはわたしにとって大発見(あとでネットで調べてみたらそういう解釈もすでにあったんですね。知らなかった)。なんかかっこよかったし、心にもずんときました。前の学校ではギラギラとツッパってた転校生がクラスになじめず愛想をふるものの孤独の気持ちは癒やされない感じ。

アンコールはブラームスのハンガリー舞曲第6番。うん、今日はハンガリアン。シュトラウスが惜しいい。リストか誰かにしておけば良かったのに。って違。

このオーケストラすごくいいです。音楽会は年に1回みたいだけど、来年もきっと行く。行きたい。


♪♪
ユーゲントフィルハーモニカーの第10回定期演奏会は、来年2016年3月12日、すみだトリフォニーです。
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by zerbinetta | 2015-03-21 01:47 | アマチュア | Comments(0)

音楽を観に行く 新国立劇場バレエ団 トリプル・ビル   

2015年3月15日 @新国立劇場

新国立劇場バレエ団

新国立劇場バレエ団のトリプル・ビル観てきました。中劇場。Z券抽選に外れたので、のこのこ当日券を求めに行ったらまだZ券があってラッキーでした。端の方の席は舞台の端の奥が見切れるんですが、中劇場なので観やすいのです。中劇場最高! それにしても演目がコンテンポラリー(とは言ってもバランシンのはもう古典でしょう)なのでお客さんが少ないのが残念。結論から先に言うとすごく良かった。作品がこのバレエ団に合ってると思うし、実は新国立劇場バレエ団って物語の古典バレエよりも抽象的な現代物の方が上手いと思う。それは、バレエ団の歴史が浅いから、長きにわたって古典を上演した来たバレエ団にはかなわないということ。技術とかじゃないのよね。目に見えない伝統。その分、まだ色が塗られていない(薄い)ので、現代物は素晴らしい。ひとりひとりの技術が平均して高いというのも利点だしコールドが上手いというのも大きな理由。
本題に入る前に、ひとつ小言。会場で配るキャスト表。せめて、作品を作った人は誰か(音楽とか振付とか)は載せて欲しい。でないと、プログラムを買わないと、誰の作品か(特に振付が誰かって気になるじゃない)分からないのでは、意地悪をしているとしか思えない。今日のこれを書くのにウェブ・サイトに当たっちゃった。
では。

テーマとヴァリエーション

チャイコフスキー(音楽)
ジョージ・バランシン(振付)

米沢唯、菅野英男、他

アレクセイ・バクラン/東京フィルハーモニー交響楽団


これだけ、生のオーケストラ付き。チャイコフスキーの組曲第3番からの1曲に付けたバランシンの出世作。バランシンは、とにかく踊りと音楽を同じキャンバスに描ききる感じで、音と動きは不可分。音楽を目で観るような、そして踊りの喜びを身体から放射するキラキラと輝いた動き。
今日はセカンド・キャストで唯さんと菅野さんがプリンシパル(甲乙付けられない唯さんと絢子さんで演目ごとにファースト・キャストを交代でやってる感じ)。唯さんのことだからすごくキラキラしてるんだろうな、って思ったら、意外にも始めは固かった。だんだん温まってきたけど、うーん、わたし唯さん推しだけど、もう少し喜びを前面に出しても良かったかな。ちょっと安全運転な気がしたの。バックで踊ってた人たちは、きびきびと揃ったいつもの新国立バレエ団。ただ、もしかすると(というかかなりの確からしさで)、機械的にカクカク動く感じのバランシンの振付、わたしまだあんまり得意じゃないかも。と、思いました。


ドゥエンデ

ドビュッシー(音楽)
ナチョ・ドゥアト(振付)

本島美和、丸尾孝子、小口邦明(パストラル)
五月女遥、八幡顕光(シランクス)
福岡雄大、福田圭吾、池田武志(フィナーレ)
奥田花純、八幡顕光、寺田亜沙子、宝満直也、柴山紗帆、小口邦明(神聖な舞曲)
全員(世俗の舞曲)


ここからは、音楽は録音。ドビュッシーのフルート、ビオラ、ハープのためのソナタの1楽章(パストラル)と3楽章(フィナーレ)、フルート独唱の「シランクス」、弦楽合奏とハープのための「神聖な舞曲と世俗の舞曲」に付けられたバレエ。物語はありません。
暗めの舞台に、ダンサーの個を殺した抽象的な作品だけど、動きがもうドビュッシーの音楽そのもの。バレエ曲じゃない音楽に振り付けてバレエにすると、音楽のファンとしては、音楽が損なわれると感じることもたまにあるけど、これは、音楽から音楽以上のものを引きだしていました。音楽を聴くのとは異なる世界の感動。素晴らしかった。
ダンサーたちの踊りもものすごく良かったと感じました。わたしが顔を認識していたのは、美和さんや亜沙子さん、福岡さん、顕光さんくらいだけど、ソリスト・クラスの他のダンサーも負けず劣らず良かったです。丸尾さんと五月女さんが特に印象に残りました。古典のバレエには見られない、コンテンポラリーのイディオム。風を切るようなすばしこい切れのある動きが美しくて、ダンサーと作品がお互いの良さを高め合ってる最良の結果を生み出していました。


トロイ・ゲーム

ボブ・ダウンズ(音楽)
ロバート・ノース(振付)

井澤駿、小柴富久修、清水裕三郞、中島駿野
林田翔平、宇賀大将、高橋一輝、八木進


最後は男祭り。男性だけの力強い踊り。新制作とあったので初演かなと思ったら、新国バレエでは初めてということですね。音楽は、多分打楽器だけ(ホイッスル含む。もしかしたら撥弦楽器を使ってたかもしれない)のお祭り系。筋肉バカ系の踊り。ユーモアのある作品で、笑える要素あり。普段、コールドで踊っている男たち(井澤さんは最近売り出し中よね。わたしもプロフィールの写真を見てかっこいいと思ってたからしっかり観ちゃった)が、個々のダンサーとして楽しそうに踊っていたのがいい。ただ、上半身裸の男たちは、誰も胸毛生えてないのね。東洋人だから?西洋人と比べて体つきの線の細さと相まって、わたし的にはアクの強いセクシー度が足りなく、淡泊に感じられました。ううっ、もしかしてわたし、いつの間にかにギリシャ彫刻のような男が好きになってる?

今回の3つの作品、わたしは「ドゥエンデ」にものすごく惹かれたんだけど、とても良かったです。中劇場はとても良いホールだし、新しいレパートリーの開拓やコンテンポラリーの技術を磨くためにも、ひと月に1度くらいは、ミックス・ビルをやってくれないかなぁ。お金をかけないという意味と、これはもっと重要なんですが、音楽の(編成の)自由度を上げるために録音にして、コンテンポラリーのレパートリーや新作、さらにはもしかして、古典演目の実験的新制作のプレヴュウとして、この大きさの劇場はとても活躍すると思うんです。バレエ団にとっても、きっと良いことに違いないし(そう言えば、アメリカン・バレエ・シアターが古典とコンテンポラリーで劇場を分けて上演してましたね)、ああ、あとはお客の入りと予算かぁ。わたしは理想を語るだけでダメですね〜。(でも語り続けますよ。理想がないと現実を変える力にならないから)
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by zerbinetta | 2015-03-15 23:30 | バレエ | Comments(0)

ファン参加型イヴェント 究極の(妄想)プログラム!   

自慢してもいいですかーーーーーー!
おお、フォントサイズ大、しかも赤字で。
音楽マネジメントのジャパンアーツさんがツイッターで応募していた、今、日本をツアー中のサロネンさん、フィルハーモニアにやって欲しい究極のプログラムを考える。残念賞をもらいましたーーー。
サロネン賞は逃したけど、次点でした。サロネンさんのステキなコメントが貰えて超嬉しい!
それにしても楽しい試み。企画のジャパンアーツさんとサロネンさん、フィルハーモニア管弦楽団には心からありがとうを言いたいです。

わたしのプログラムは、

マーラー:交響曲第10番 アダージョ
ベルク:「ルル」組曲
休憩
武満徹:「セレモニアル」
ショスタコーヴィチ:交響曲第15番

でした。過去を振り返りつつ未来を(多くの場合断ち切られても)見つめている作品を選びました。マーラーの未完に終わった最後の交響曲は、マーラーのパーティセルを基に補完完成された作品の最後は、明らかに未来を見ているし、それはマーラーの手になる楽譜で演奏できる第1楽章も同じです。音楽もかなり20世紀に踏み出しています。
ベルクの最後の未完のオペラ「ルル」からの組曲も、特に最後、ゲシュヴィッツ伯爵令嬢が、女性の権利のために戦う決心をしたところで殺されて幕。そんな未来への思いと断ち切られた希望です。
武満の「セレモニアル」にはそんな直接的なメッセージはないけれども、奈良時代からの楽器、笙を使った音楽は時を漂うように過去から現在、さらに未来へとたゆたっています。
お終いのショスティの最後の交響曲は、子供の頃の思い出を振り返りつつ、最後は彼岸へと向かっています。この未来は、謎めいてるけど、それは現在のわたしたちが持っている未来への不安とシンクロするとても現代的な問題を孕んだ作品だと思います。答えをどう見いだすかは、わたしたちひとりひとりの問題へと還ってきます。音楽はそれに答えを出すでしょうか?

武満の作品が、ちょっと異質なんですが、日本人の作品はどうしても入れたかったし、他に思いつく作品がなかったんです。後から考えてたら、例えばシベリウスの「タピオラ」やヤナーチェクのオペラ「利口な女狐」の最終場面もふさわしいかなっても思いだしてきて。それかドビュッシーの「聖セバスチャンの殉教」の交響的断章。どれもショスティーの交響曲の前に置くには、大きすぎるんですけどね。

それにしても今回、一番嬉しかったのは、サロネンさんがわたしの意図を正確に理解して下さったことです。もうわたしとサロネンさんは音楽でつながってる?なんてファンとしてはうししな状態。狂喜乱舞したのはもちろん、ずうっとにやけてました。

実は、妄想音楽会のプログラムのペイジを立ち上げようとしばらく前から音楽会のプログラムをいろいろ考えていました。こちらはシーズンの音楽会なので、今回のような1回の完成された音楽会とは違うんだけど、最初は、この中からお気に入りのを改変して応募しようかと思っていました。それは、聖杯のプログラム。

ワーグナー:舞台神聖劇「パルジファル」から前奏曲と聖金曜日の音楽
スクリャービン:交響曲第3番「神聖な詩」

スクリャービンを聴きたいからなんですけど、シーズンの中の1プログラムなので究極のプログラムにはストレイト過ぎてちょっと弱い。そこで、スクリャービン、メシアンの移調の限られた旋法つながりにして、さらに鳥シリーズ。と言うことでちょっとひねったのが、

メシアン:コンセール・ア・キャトル
吉松:ピアノ協奏曲「メモ・フローラ」
休憩
スクリャービン:交響曲第3番「神聖な詩」

吉松さんのピアノ協奏曲は、メシアンでピアニストを使うのでもったいないから入れました(結構現実的w)。聖杯から迷い出て旋法的な雰囲気と鳥のさえずりになってしまったんだけど、曲に力がないので没。1回のんきに聴くには良いプログラムだと思うんですけどね〜。きれいな曲だし。
それにしても聖杯のプログラムでは、サロネン賞に選ばれた日本フィルハーモニー交響楽団さんのプログラムが、ほんと1本取られた感じで素晴らしかったです。サロネンさんもべた褒めしてるけど、シベリウスの交響曲第7番を組み合わせるのがもう目から鱗。この発想はすごい!

最後まで迷ってもうひとつ没にしたのは、

ウェーベルン/バッハ:リチェルカーレ
ベルク:ヴァイオリン協奏曲
休憩
リゲティ:ルーマニア協奏曲
シェーンベルク/ブラームス:ピアノ四重奏曲

時間を超えた音楽のつながり。とても気に入ってたんですが、ブラームスの民族色とリゲティのそれを対比させた後半が(リゲティが過去の芸術作品の換骨奪胎じゃないゆえに)弱いかなって思います。シェーンベルク/ブラームスの作品、サロネンさんの指揮でぜひ聴きたいのですが。

サロネンさんの近現代ものがとてもステキなので、そして、近現代ものの方がプログラムを組みやすいので、どうしても近現代ものが多くなりますね。でも、ベートーヴェンもとても良かったし、ハイドンなんかも生き生きと演奏しているので古典も聴きたいです。古典を含めたプログラムを考えられなかったのは力不足。残念。

ひとつの(究極の)プログラム。もっと素直に自分の今一番聴きたいものを選ぶのもありでしょう。「トリスタンとイゾルデ」なんかはもう一度聴いてみたいし、「グレの歌」も聴きたい。何なら「パルジファル」の演奏会形式、全曲も。思い入れの強いプログラムは魅力です。でも、いくつもの中から誰かがひとつ選ぶとすると、個人的な好きなものを選ぶというのはある意味不公平で、客観的な理由が必要です。そういう意味で、ひとつの軸を元に練られたプログラムをうんうんと考えました。これがすごく楽しいのね。コンセプト、曲の組み合わせ、いろんなアイディアが湧き出てきて(たいていはボツですけど)、いくらでもしゃべってられる。実際、一緒に考えた仲良しとは口角泡を飛ばして議論し合いました。言葉でちゃんと説明できる一晩中でも議論を交わすことのできる論理的な創造が音楽会のプログラムの中に、そしてそこでなされる演奏の中に聞こえるのが、究極のプログラムの音楽会なんですね。

♫♫♫

ツイッターやフェイスブックなど、双方向のSNSの時代になって音楽家やホール、マネジメントとファンとの距離が近くなってきたように思います。ただまだ、積極的にSNSを使ってファンとのコミュニケイションを行っているところもあれば、残念ながら一方的に情報を流すだけのところもあります。今回のジャパンアーツさんの企画は、とても面白かったし、音楽会への期待も高まり宣伝にもなった好企画でしょう。答えの返ってくる場所や参加できる企画を喜ぶファンも多いに違いありません。これからも、楽しいイヴェントをどしどしやって欲しいと思います。音楽会、盛り上がっていきましょ。
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by zerbinetta | 2015-03-04 15:12 | 随想 | Comments(6)

春の日のブラームス アイリスフィルハーモニックオーケストラ第7回演奏会   

2015年3月1日 @杉並公会堂

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
ラフマニノフ:交響曲第2番

真野謡子(ヴァイオリン)
中島章博/アイリスフィルハーモニックオーケストラ


アイリスフィルハーモニック、一度聴いてみたかったの。というのは、このオーケストラが掲げている使命が、若手演奏家の支援、ということで、毎回、音楽会に若手の音楽家をソリストに呼んで協奏曲を演奏してるんです。こういうはっきりとしたコンセプトを持っているオーケストラって好き。指揮者の中島さんの呼びかけでできたオーケストラなんですね。
で、指揮の中島さんったら、なんというか人生を誤ったというか。。。工学系の博士さんで、今、ポスドクと指揮者の2足のわらじ。ううう、どちらも将来が。。。闇。せめて片方は安定した職じゃないとぉ。と余計なお世話。どちらにせよ、この職業での2足のわらじは難しいので、選択を迫られることになるのでしょうね。工学系なら短時間でお金の稼げる仕事ってあるのかしら。なんて、考えないで好きなことに突っ走って欲しいな。

余計なこと大杉でごめんなさい。
音楽会は、ブラームスのヴァイオリン協奏曲から始まりました。ソリストの真野さんは、オランダで勉強されたあと今はフリーの音楽家として活動中、でいいのかな。それとデュオ・イリスを作って演奏活動を行っています。奇遇。今日のオーケストラも iris。オーケストラは英語読みでアイリス。そしてアヤメ(花言葉は使命とか優しい心)という意味から採っているんですけど、真野さんのイリスは、ギリシャ語(英語にも同じ意味があるのですが)で虹、から採ったとのこと。ひとつの単語が意味を広げてつながっていく。

真野さんのブラームスは、春のような軽やかな爽やかさ。この曲って、秋のようなしみじみとした味わいのある音楽だと思うけど、浮ついた華やいだ感はないけれど、すうっと心が浮き上がるような、空に向かって解放されるような、秋と反対のベクトル。さらりとした梅酒のようにとってもすっきりと聴きやすい演奏なんだけど、本物の梅酒にあるような濃さがあまり感じられなかったのがちょっと残念だったかな。すうっと身体の中を通って気持ちがいいんだけど、音が行ってしまうと何も残らないような。とても気持ち良くステキだったのに、それは覚えているんだけど、どんな演奏だったのか思い出せないような。あまりにも刹那。儚すぎる。真野さんのヴァイオリン、モーツァルトで聴いたみたいと思いました。
アンコールには、バッハの無伴奏ソナタ第3番からラルゴ。この演奏も爽やか系。静かに歌ってる。

休憩のあとは、ラフマニノフの交響曲第2番。この間もロシア専門オーケストラで聴いたばかり。ファンの方には怒られるけど、わたし的には退屈な曲。でも人気ありますよね。アマチュア・オーケストラでもちょくちょく採り上げられるもの。美しい旋律の音楽だけど、ちょっと長いのでこの曲を最後まで聴かせる演奏って難しそう。と思っていたんですが、すごく良かった。ロシアって感じはしなかったけど、中島さんは曲を手際よくまとめて、何よりも流れが良かったので、音楽で川下りする感じ。景色が次々と変わっていって飽きさせないの。オーケストラはバランスがとれていて、まとまりのある感じ。中島さんの指揮は、空振りする(体の動きにまだ思いを乗せきれないところがあって、指揮者の音楽をオーケストラに伝え切れてないと感じる)ところもあったけど、音楽の作り方がとても上手いの。指揮については、まだ若い指揮者なのでしょうがないしこれから伸びていくに違いないので、どんどん経験していけば良い指揮者になりそう。アマチュアとはいえ、せっかく自分のオーケストラを持っているのだし、若手の将来性のある音楽家との共演は、彼のキャリアにとても良いに違いないでしょう。というかそれも彼の戦略?彼とアイリスフィル、これからも聴いていきたいです。どんなソリストが来るのかも楽しみですしね。

ところで、わたし的には、中島さんって典型的な理系のポスドクな感じの風情だったのでちょっと可笑しかったというか親しみを覚えました。わたしもそんな世界に長いこと浸かっていたので。
それから、このオーケストラ、ヴァイオリンの一番後ろの席に一番上手い人(多分コンサートマスターの人より上手い)が座っていてあれ?と思いました。多分プロの方だわ(にこやかな表情というか余裕というかそんな感じがしました)。トレイナーの方かしらね。一緒に音楽を楽しんでいて、こういうの大好き♥


♪♪
アイリスフィルハーモニックの第8回演奏会は、12月19日、杉並公会堂です。ソロはフルートの上野由恵さん。
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by zerbinetta | 2015-03-01 01:15 | アマチュア | Comments(0)