人気ブログランキング | 話題のタグを見る

産めよ増やせよ   

haydn: the creation
thomas quasthoff, julia kleiter, donat havar, rene jakobs / freiburg baroque orchestra,
rias chamber choir @barbican hall


今年はなにげにハイドンイヤーなんですかね。ハイドンは大好きで、交響曲と弦楽四重奏曲を中心に聴いているのですが、天地創造はきちんと聴いたことがありませんでした。ハイドンがロンドン旅行をした折にヘンデルのメサイアを聴いてインスピレイションを得て作曲した曲らしいですね。創造の前のカオスから始まって、創世記の天地創造が音楽で表現されていきます。ハイドンの音楽はなかなかに雄弁です。それにしても第1部と第2部で天地ができちゃって、休憩を挟んで第3部でアダムとイヴのお話になるんだけど、ついに天国を追われて失楽園の悲惨な最後になるのかなぁって思っていたのに、音楽はいつまでたっても明るいまんま。アダムとイヴがいちゃついて産めよ増やせよとハッピーエンドになるのでした。ちょっと納得いかない。第1部と第2部がわりと厳粛で聖書に基づく天地創造の世界なのに第3部の脳天気さ加減っていったい。罪はないのかーーーって声を大にして叫びたーーーいいっ。
クァストホフさんのシリーズなんだけど、やっぱりさすがクァストホフさん。声に張りがあって相変わらずステキでした。ヤーコブスさんとフライブルク・バロック・オーケストラも古楽器の持つビビッドな表現がハイドンの音楽にぴったり。特に前半部分の音楽は古楽器でこそ味わえる音楽なんじゃないかと思います。後半のいちゃいちゃの音楽は現代楽器で艶めかしく演ってもいいかもしれないけど。

by zerbinetta | 2009-01-10 21:10 | 海外オーケストラ

<< 神が降りてきた 交響曲第189番! >>