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フィルハーモニアって外国のオケ?   

faure: pelleas et melisande suite
maazel: farewells-symphonic movement
sibelius: symphony no.2
lorin maazel / philharmonia o @royal festival hall


よく分からないけど、マゼールさんの50周年記念音楽会シリーズです。なんの50周年かしら?フィルハーモニアとの共演?なので、マゼールさんの曲が聴けます。マゼールさんやりたい放題。
フィルハーモニアはロンドン・シンフォニーと共にロンドンで一番上手いオーケストラだと思うけど、なぜか人気がないの。グレのときみたく会場がいっぱいになることもあるけど、この間の抒情交響曲のときや今回みたいにがらがらのときもある。今回はオーケストラの後ろ側の席や2階席は閉めていました。日本に行ったらチケット争奪戦になりそうなのに。
今日の目的は実はヴァイオリンのジュリア(ドイツ語読みはユリアなのかしら)・フィッシャーさん。以前から注目してるヴァイオリン4人娘のひとり。4人娘とは、もう二人は出てきましたね、この間のヒラリーとリサ。そしてサラ(・チャン)と今回のユリア。親しみを込めてファーストネームで呼んでます。ユリアを初めて聴いたのは6年前。花が香るような色気を湛えたとてもステキな演奏でした。その後の成長が楽しみで、とっても楽しみにしてたのですが、なんと体調不良のためキャンセル。うわ〜〜ん。がっかりですぅ。でも、こればかりはしょうがない。来シーズン大好きなシマノフスキの協奏曲を弾くのでそれを楽しみにしましょう。
というわけで、マゼールさんのヴァイオリンとオーケストラの作品は急遽、オーケストラのためのフェアウエルという曲に差し替えになったのでした。音楽会はフォーレのペリアスとメリザンドから。実はこの曲、どうも苦手なんです。美しいけど、綿菓子のようにつかみどころがなくて。。わたし、癒し系みたいの駄目なんですよ。なのでぼんやり聴いてました。それにしてもマゼールさん、なぜにこの曲を持ってきたのでしょうか。好きなのかな? 2曲目がマゼールさんの曲で、作曲家マゼールを聴くのは初めてです。マゼールさん、さすがに指揮者として多忙なのでそんなに作品は多くないのです。マゼールさん70歳の記念に10年前ウィーンフィルの委嘱で書かれたこの曲は作品14。宇宙人が出てくるテレビドラマの音楽っぽい感じで、しっかり書けてるとは思うけど何度も聴きたいなと思うほどの音楽ではなさそうです。良くも悪くも今の時代を直接的に反映している音楽かもしれません。もし誰かがこの曲に価値を見いだして作曲者以外から再評価され演奏されるようになれば、また感じが違うのでしょうけど。わたしは作曲された音楽は、例えそれがある演奏家を頭に置いて作曲されたとしても特定の演奏家の手を離れて、様々な解釈がなされて初めて真価が分かると思っているのです。
今日の最後はシベリウスの交響曲第2番。シベリウスの交響曲の中では一番人気があると思うんですけど、音楽会で聴くのは多分初めて。忘れてるだけかもしれないけど。でも、シベリウスの作品ってヴァイオリン協奏曲をのぞくとあまり演奏されないんですよね。本国の他ではイギリスとUSがシベリウスの音楽を受容している国だと思うけど、なぜか大陸では受けないみたいなんですよ。交響曲で聴いたのは、クレルヴォ(なぜ入ってる!)と第1番、7番だけ。もしかすると第5番も聴いたことあるかもしれないけど。なのでシベリウス好きのわたしとしては楽しみだったんですよ。マゼールさんはシベリウスを得意としてるみたいですしね。さて、その演奏、やたらに雄大でした。もともとこの曲、雄大だけどなんかそれ以上に雄大。出だしは普通のテンポだったんだけど、ホルンの和音を奏でるところをたっぷり取って、停滞感を感じさせずにゆったりと歌わせるのはステキ。後期の交響曲と違って外に向かって開放的な音楽なのでこういうのもいい。マゼールさんなりのシベリウスは北欧の、というのとはちょっと違うと思うけどシベリウスの音楽って地域性の枠の中だけで捉えられると本質を誤っちゃう気がするし、なによりもマゼールさんの音楽に説得力のある魅力があったから。それにしてもシベリウスってコントラバスをここぞというときにしか使ってないんですね。低音の支えを外すことによって凛とした清涼感を出してるのかな。ちょっとした発見でした。

by zerbinetta | 2009-04-02 04:07 | フィルハーモニア

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