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好き それ以下でもそれ以上でもない   

dutilleux: metaboles
ravel: le tombeau de couperin
couperin: le tic-toc-choc, le baricades misterieuses
ravel: piano concerto in g major
stravinsky: the firebird suite
angela hewitt (pf), lionel bringuier / bbcso @barbican hall


ふと見たらチケットがあったの。どうして買ったんだっけ?マルティヌーのシリーズかなぁ? 最近音楽会が多いのでちょっとお疲れ気味なのです。週末のバービカンもあまり好きではありません。オフィス街なので週末は人がいなくて閑散として暗いんですね。しかも今日はチューブがややこしく止まっていて、途中乗り換えしたりちょっとめんどくさかったのです。こんな感じで惰性で行ってきました。だってチケットがあったから。
バービカンに着いてプログラムを見てみると、またしてもどうしてこのチケット取ったんだろう感が広がります。マルティヌーないし、BBCのディスカウントを得るための数合わせかしら。なんてやる気のなささらに助長。まあでもせっかくだからのんびり音楽でも聴きましょう。始まりはデュティユーのメタボール。あっこの曲知ってる、って音楽が始まったとたん思いました。デュティユーは今シーズン、ロンドン・シンフォニーのゲルギーもシリーズを組んでるので記念年かと思ってみたら、ご存命なんですね。93歳。演奏は、さすがBBCシンフォニー、現代音楽上手いですね。繊細できれい。そして演奏慣れしている感じがあって余裕綽々。それに、指揮者のリオネ・ブランギエさんがとっても上手くまとめてる。納得のデュティユーでした。

2番目は面白い企画。ラヴェルの「クープランの墓」オーケストラ版とピアノ版をクープランのクラヴィアのための作品をときどき挟んで、オーケストラとピアノが交互に演奏するように並べられました。こういう企画大好きです。200年も時を隔てている音楽なのにこうして聴くと違和感が全くないのは、ラヴェルがクープランの音楽をしっかり租借して、その上に自分の音楽を乗せているからでしょうか。BBCシンフォニーはとてもきれいにラヴェルを演奏していたけど、ちょっと音が重い感じかな。これはオーケストラの特徴なのでしょうがないんですけどね。

休憩を挟んで今度はラヴェルのト長調のピアノ協奏曲。第1楽章や第3楽章はジャズ風の音が出てきたりにぎやかな感じの音楽。そして中間楽章はちょっぴりノスタルジック。この協奏曲、そして前半のピアノを弾いたのはアンジェラ・ヒューイットさん。あとで調べたら有名な方だったみたいなんですが、初めて聴く人でした。とってもにこやかで品のいい女性。で、音楽も誠実そのもの。決して奇をてらったことをせず、華やかでもなく、ある意味普通なんだけど、居心地がいいというかその普通が凄いんですね。優しさがあってほんわりしていて、そこにあるべきところにある、まさにそれ以下でもそれ以上でもないちょうど良い音楽。多分この人の音楽は、1回聴いただけじゃ物足りなく感じるかもしれないけど、何回も聴くうちにしみじみと良さが沁みてくる、いつも聴きたくなる音楽をしているんだなぁと思いました。

プログラムの最後は「火の鳥」。最初の組曲版です。しっかりと譜面を読み込んで、敢えて普段は聞き慣れない音を大きめに出してみたり(でも決して不自然でもわざとらしくもない)、結果、より現代的な感覚の音楽になってました。素朴な民族性よりも和声の斬新さを強調した感じ。それにしてもリオネル・ブランギエさん、若そうだけどいい指揮者だな〜って思って調べてみたら、なんとまだ23歳!!ひょえ〜〜っ、凄い才能だわっ。23歳にしてこの指揮振り、この音楽、末恐ろし〜。将来を期待しましょー。

この音楽会、いつものBBCラジオ3で土曜日まで聴けるのでぜひ。

by zerbinetta | 2010-01-23 08:44 | BBCシンフォニー

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