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こういうのにめちゃ弱いのよね〜   

janáček: the cunning little vixen
christopher maltman (forester), emma matthews (vixen sharp-ears), elisabeth meister (fox),
madeleine shaw (forester's wife), robin leggate (school master), jeremy white (priest),
alasdair elliott (pásek), matthew rose (harašta), elizabeth sikora (pásek's wife),
bill bryden (director), stuart hopps (director of movement),
sir charles mackerras / royal opera @covent garden


ううっぷ。今日はお休みの日でもないのに、イースターの連休の前の日ということで、職場の食堂が閉まってた。近所のパブも閉まってる。なので、ビスケットで飢えをしのぎつつ、飢え死にしそうだったので仕事を早めに切り上げて帰宅。お疲れ気味で頭も痛かったのでしばし仮眠をとることに。だって今日のオペラはいつもより遅い8時から。いつもの7時半より1時間もたっぷりあるんだもん。って起きてみてびっくり。そういえば8時って7時半の30分後だった。。。ううう遅刻遅刻〜。慌てて出かけるわたし。いや〜間一髪、しかも、ここだと信じていた座席エリアじゃなくって階段を駆け上がってぜーぜーはーはー。オペラなんだからゆったりゴウジャスな気分(だけでも)味わいたいのに。

実は今日のオペラは、パンフレットでは虫やカエルが出てきて、着ぐるみやら動物のメイクアップで歌って、愛やら復讐やら不倫やら近親相姦やらなさそうなので(なんてイメジだ!)、子供向きそうでもあるし、面白いのかなって思ってました。でも、むっちゃ感動した〜〜〜。わたしのツボにど真ん中。まず音楽がステキ。ヤナーチェクって分かりづらい音楽も多いけど、オペラはステキな音楽書くのかなぁ。前に観たイェヌファもそうだったし。そして、マッケラスさんの指揮するオーケストラがまたいい音出してました。さすがチェコものに強いマッケラスさん。音楽の魅力が生き生きと伝わります。
それから、ファンシーな舞台。動物たちの森の雰囲気や、動物と人間の境界の雰囲気がとても上手く表現されていました。回転する輪も時の流れを分かりやすく示していたし、ブランコや蝶やトンボなどの飛び回る虫たち(ダンサーが表現)も良かったです。ひとつ可笑しかったのは冬の木を表しているんでしょうか、くるくる回転する白いブラシが車を洗う機械に見えてことです。
歌手では、森の番人を歌ったマルトマンさんがとても良かったです。この人、わたし何回か聴いてるんですね。いつも違って見えるので違う人かと思った。あと男声陣はわりと良かったです。他は不満はさほどないんだけど、凄くいいと言うほどではなかったです。女狐役のエンマ・マシューさんはもう少し声量が欲しかったです。でも、今日のオペラでは歌以上に出演者がきちんと演技できることが求められていました。その点では言うことなし。特に狐のマシューさんは、テレビ・ドラマ版ののだめの上野樹里さんを彷彿させるコミカルな動きがステキでした。
童話のような(もともと原作が絵物語)お話は、子供向けな面もあるけど、実は大人が楽しめるとっても深い視点を持った内容です。このお話のいいところは動物たちを決して子供だましに擬人化していないことです。狐とウサギと鶏が仲良くしてるなんてことはなく、狐はきちんとウサギや鶏を殺して食べます。そして、ヤナーチェクの凄いところは原作が、早耳ヴィクセンと雄狐が結婚するところ(オペラでは第2幕)で終わってるんですけど、そのあと、彼らに子供ができて、早耳ヴィクセンは家族を守るためにハラシュタに鉄砲で撃たれて殺されちゃうんですね。人と狐の関係をきちんと描いているところもいいです。そして、老いていく人間、輪廻していく自然。自分の葬式に演奏することを望んでいた(その通りになった)最後の場面は哲学的です。わたしはこの場面と、第1幕で早耳ヴィクセンが自由になる場面での音楽に心動かされました。是非もう一度みたいと思ったら、今日が最終日だったんですね。残念。
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左からエリザベス・メイスターさん(雄狐)、マルトマンさん、マシューさん
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by zerbinetta | 2010-04-01 06:40 | オペラ

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