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メン喰いなのに3枚目好き   

ferdinand hérold (arr. john lanchebery): la fille mal gardée
alastair marriott (simone), helen crawford (lise),
ivan putrov (calas), paul kay (alain)
frederick ashton (choreography)
daniel capps / royal ballet @covent garden


フレデリック・アシュトン版の「リーズの結婚」を観に行きました。もともとのオリジナルはクラシック・バレエの中でも最も古い作品のひとつだそうで、アシュトン版はエロルドの音楽をランチェベリーが編曲したものに基づいているそうです。コミカルなラヴ・ストーリー。話の筋は簡単で、プログラムのあらすじを読まなくてもよく分かります。そして、鶏が踊ったりとっても楽しい。衣装もカラフルなパステルカラーでステキ。とても親しまれているバレエというのも納得できます。

今日はまず音楽の演奏が良かった。バレエ用に作られた音楽なのでかゆいところに手が届くように踊りやすそうな音楽が出てくる。そして今日の演奏はとっても良かったのです。バレエの伴奏は踊りに合わせてるので音楽的には手抜きに感じることが多々あるのだけど、今日はそれをちっとも感じさせずに音楽がステキに鳴っていたのです。指揮者は若いダニエル・キャップスさん。ロイヤル・バレエで活躍しているみたいだけど、ぜひぜひ、コンサートやオペラでも聴いたみたいです。もちろんバレエ専門の指揮者としても活躍もありだと思います。
今日の主役はリーズにファースト・ソロイストになったばかりのヘレン・クロウフォードさん、お相手にプリンシパルのイヴァン・ピュトロフさんです。本当はサラ・ラムさんがクレジットされていたのだけど、クロウフォードさんに変更です。ファースト・ソロイストなのでユフイ・チェさんの好敵手かなと思ったのですが、むしろコバヤシ・ヒカルさんと同期昇格なんですね。そのクロウフォードさん、ちょっとかたかったかなって感じました。まだ全てが表現し切れてない感じで余裕がなさげでした。プリンシパルへの道は険しいと思いますが、ぜひぜひ良いダンサーになって欲しいです。一方のピュトロフさんの方はしっかりした踊りでさすが美しかったです。バレエってどうしても女の人の方が華があるので目が行っちゃうけど(女の人を立てるように踊ってるしね)、男の人の方が高さもスピードもあって好きです。

でもそのふたりにも増して目を惹いたのが、リーズのお母さん役のマリオットさん、リーズが無理矢理結婚させられそうになるワイン農家の息子アライン役のケイさんです。マリオットさんは男性ですよ。男性が女性の役を踊っているんです。それがとっても楽しくって。しかも上手い。彼、プリンシパル・キャラクター・アーティストなんですね。やっぱり。そして、ケイさんはソロイストだけど、とっても上手いと思った。道化役なので笑わせる踊りを踊るんだけど、バランスが良くって、踊りもとってもしっかりしてる。この人、残念なことに背が低いのでもしかするとプリンシパルは難しいのかも知れないけど、キャラクター・アーティストとしてやっていけるんじゃないかなぁ。この人にはぜひ活躍して欲しいです。で、わたしは今回この人の役に感情移入しちゃったのです。だって彼ステキだったから。役柄としては、リーズには好きな人がいるのに親が結婚させたがってるお金持ちのぼんぼんなんだけど、とっても純情で、リーズに一目惚れ。結局はリーズは恋人と上手くいくことになるので彼は振られちゃうんだけど、お話としてはハッピーエンドだけど、彼に感情移入しているわたしには悲劇。最後彼がひとり出てきて踊ったので救われたんだけどね。

クロウフォードさん、ケイさん
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マリオットさん、男性です
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クロウフォードさんとピュトロフさん
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by zerbinetta | 2010-04-20 09:26 | バレエ

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