本当に感動しました さよなら都さん   

prokofiev: cinderella
miyako yoshida (cinderella), steven mcrae (the prince),
luke heydon, wayne sleep (cinderella's step sisters)
christopher saunders (cinderella's father),
laura morera (fairy godmother), etc.
frederick ashton (choreography)
pavel sorokin / royal ballet @covent garden


長年ロイヤル・バレエでプリンシパルとして活躍してきた(最近は退団してゲスト・プリンシパルです)吉田都さんのロイヤル・バレエ、ロンドンでの最終公演です。演目はプロコフィエフのシンデレラ。彼女は2回踊ったんですが、今日は彼女の最終日。ぜひ行かなきゃと思って、チケット取ってずうっと楽しみにしていたんです。ロイヤル・バレエで彼女を見るのは2度目。前回はオンディーヌでした。そして彼女の踊りの美しさ、感情の細やかさ、技術の高さに圧倒されたんです。でも彼女のシグニチャー・ロールの胡桃の砂糖の精は日程の都合で観てなかったので(暮れの公演がロイヤルでの彼女のこの演目での最後だと知っていたら万難を排して観に行ったのに)、絶対観なきゃと張り切っていました。なのに仕事がおわらな〜〜い、なんて叫びつつ、焦って仕事を切り上げてしっかり観てきました。スマソ仕事。今日は日本人多かったですね〜〜。さすが都さんの最終公演。そして、日本人以上にイギリス人にも彼女がとっても高く評価されているのが、ものすごく嬉しいです。

シンデレラは他の人の踊りでまた観る予定なので、今日はバレエのことではなく、都さんのことばかり書きますね。といっても、興奮してあまりちゃんと言葉にできないんです。始まりのシーンの炉端に座っているところから存在感があって、なんといっても動きがきれい。柔らかくて繊細で、足先から手の指先まで全ての細胞に神経が行き届いている感じ。これってものすごく意識的にコントロールされていると思うんだけど、それが全く自然体でできているのには驚かされます。そして動きの中の一瞬一瞬の決めのポーズが完全に止まっていてぶれない。わたしは踊りのことは全く分からないんですけど、そんな素人のわたしにさえ圧倒的な技術の高さが分かります。でも、そんなことは正直どうでも良い。都さんのシンデレラは正当なバレエの中で動きの美しさは目覚ましいものだけど、もっと大事なことは、彼女がシンデレラになりきって踊っていること。かわいらしかったりおきゃんだったり、夢を見たり、そんな現実の少女が舞台の上にいる。限られた時間、限られた動きの中で、シンデレラの人そのものが背景や心の動きを含めて手に取るように顕れてしまう。その表現力の豊かさは、どんなに言葉を尽くしても語りきれるものではないものです。安易に核心を突いていうと観れば分かる、です。それにしても都さんのシンデレラ、かわいらしくってステキでした。
都さんはこの最後の公演をどんな気持ちで踊ったのでしょう。プロ中のプロですからいつものようにシンデレラになりきって踊っていたと思うのだけど、何か感慨みたいなのは途中で感じないのかな。わたしにはカッティング・エッジで身を削るような仕事をしている人の気持ちは想像すらできないけど、でも、都さんがこの公演を特別な気持ちで踊っていたような気がします。都さんから尋常でない気持ちがひしひしと伝わってきた感じがするし、他の出演者の人たちも都さんを盛り立てていたような感じがしたんです。もちろんわたしの中で今日が都さんの最後という意識があって勝手にそう思ったのかも知れません。でもそうだとしたら、尋常でない気持ちが伝わってくる都さんの踊りっていつも凄いんですね。
世界のバレエ団の中でトップ・レベルにあるひとつのロイヤル・バレエで東洋人としてプリンシパルを10年以上続けてこられたことは、ものすごく凄いことだと思うんです。並外れた努力と精神力が必要だったに違いありません。そして結果、ロンドンのバレエ愛好家の心を見事に捉えてらっしゃる。それをわたしたちは最後の温かく大きな拍手で表現しました。実はこのシーンが一番感動しました。みんなが心から都さんを祝福して、(ロイヤルからの)引退を惜しんでる。たくさんの花束が都さんに届けられ、会場からも用意していた花が投げられる(退団するダンサーに対するロイヤル・バレエのお客さんの慣習だそうです)。充実した笑顔で幸せそうな都さん。なんてステキなんでしょう。最後は拍手が鳴りやまず、カーテンコールに引き戻されました。それから、会場のお客さんが大方出られたあと、舞台の幕の後ろで拍手がありました。バレエ団の方たちの祝福ですね。わたしも幸せに包まれながらちょっぴり涙目で会場を後にしました。

都さん以外のこともちょっとだけ。今日は日本人の方が他に3人出てらっしゃいました。王子の友達にヒラノ・リョウイチさん。夏の妖精にコバヤシ・ヒカルさん、秋の妖精にタカダ・アカネさん。中で、アカネさんがとっても良かったです。正直こんなに踊れる方だとは思ってなかった。とっても体が切れていました。日本人の方には特に、都さんに続いて頑張って欲しいと思います。若いプリンシパルのスティーヴン・マックレーさんも都さんを立てるように踊っていて、代役だったんですけど、ステキなペアだと思いました。あと今日の公演でわたしの目を引いた人は、シンデレラの姉妹役のリューク・ヘイドンさんとウェイネ・スリープさん。道化のポール・ケイさんです。

今日のカーテンコールのときはたくさんのフラッシュが焚かれ写真が撮られてました。会場内での写真撮影はほんとは禁止で、幕間に開場で記念撮影をしていると時折注意されたりするんですけど、今日は大目に見られてたみたいです。わたしもたくさん写真を撮っちゃいました。

終演後すぐのカーテンコール
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都さんに花束が渡されます
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客席から投げられた花でステージはいっぱい
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道化のケイさん
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マックレーさんと都さん
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観客にお別れする都さん
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カーテンコールに呼び戻されるマックレーさんと都さん
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幸せそうな都さん
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by zerbinetta | 2010-04-23 09:10 | バレエ

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