よっ団十郎!   

prokofiev: symphony-conerto
myaskovsky: symphony no. 6
danjulo ishizaka (vc), vladimir jurowski / lp choir, lpo @royal festival hall


今日はユロフスキさんの指揮、ロンドン・フィル、イシザカ・ダンジュウロウさんのチェロでプロコフィエフのシンフォニア・コンチェルタンテとロンドン・フィル合唱団を加えてのミャスコフスキーの交響曲第6番。ミャスコフスキーはプロコフィエフと同級生、交響曲を27曲も書いたんですよ〜。でも、聴くのは録音を含めて今日が初めてどんな曲なんでしょう。わくわく。

日本人より日本人らしい、よっ団十郎って歌舞伎役者を呼ぶように叫びたくなる名前のイシザカ・ダンジュウロウさんは実は、ドイツの方だったんですね。日本人の父、ドイツ人の母親の元、ドイツ生まれドイツ育ちなので、日本人というよりむしろドイツ人。風貌は遠くから見ると日本人に見えるんですけど、近くで見ると確かに外国人の血が流れてるかなって見える。まっそんなことどうでもいいんですけどね。
演奏は出だしからえっ!ってびっくりしました。颯爽としてかっこいい。この音楽ってこんなにかっこよかったっけ? わたしのイメジでは、ロミオとジュリエットにも出てくる明滅する音階のメロディの不安に満ちた憂鬱な感じが強かったんですが、これは間違いでした。そもそも、このメロディちょっとしか出てこないし、チェロで力強く弾かれるのでロミオとジュリエットのとは全然違うし。ダンジュウロウさんのチェロはきゅうっと絞り出すような音で、音楽はとってもスマートでかっこいいのです。ともすれば朴訥な雰囲気のあるチェロだけど、ダンジュウロウさんのは洗練されてて都会的。速弾きなんかめちゃ格好良くて、惚れちゃいそう。ものすごくテクニシャン。ユロフスキさんの晴天の空を滑るような演奏と相まって、とっても分かりやすい、若々しいプロコフィエフでした。ダンジュウロウさん、まだ30歳を少し過ぎたばかりなんですね。将来がうんと楽しみです。事故は最後の楽章の真ん中辺で起こりました。(多分)弦が切れちゃったんです。演奏はそこでいったん中止。ダンジュウロウさんがステージを降りてる間に、ユロフスキさんとオーケストラの人たちはちょっぴりお話。わたしたちも大丈夫かしらなんて密やかに話ながら待ちました。ステージに戻ってきたダンジュウロウさんとユロフスキさんがどこからやり直そうかスコアを見ながら話し合って(なかなか決まりませんでした)、ちょっと戻ったオーケストラの間奏から再出発。いったん音楽が途切れたので、集中切らさないかなってちょっぴり心配しましたが、そんなことは全くなく、見事にステキなプロコフィエフを弾ききったのです。ブラヴォー、ダンジュウロウさん、ユロフスキさんとオーケストラ。

そうそう、今日の音楽会には内田光子さんが聴きにいらしていました。内田さんはときどき音楽会でお見かけします。音楽を聴くのもお好きな方なんですね。ダンジュウロウさんとはお知り合いみたいで休憩の後はダンジュウロウさんと一緒にミャスコフスキーを聴いてらっしゃいましたよ。

さてそのミャスコフスキー、初めてです。結構大きなオーケストラに合唱付き。と思ったんですが、合唱団がいない。おややと思ううちに音楽は始まりました。第1楽章は始めはなんだかよく分からない感じで聴き進みました。マーラー的な世紀末の雰囲気というか、スクリャービンの後期の交響曲の雰囲気みたいな感じというか、そして、ずいぶんと長い。巨大。ソナタ形式で書かれているようだけど、部分部分がとっても巨大で地図を見ながら道に迷ったみたい。でも、慣れてくると、よく分からないまでも音楽の持つ力強さ、巨大なパワーが感じられるようになって、この音楽の魅力が少しずつ分かるようになってきました。1回では良く理解できないけど繰り返し聞くことで分かってくるに違いない、また聴いてみたいと思わせるような魅力。なんかきっちり構成しているような、でもスケルツォなんてはちゃめちゃな構成で華やかな音楽だと油断してたら怒りの日のメロディが出てきて沈潜したり、最後は親しみやすいフォークソングのような音楽が出てきたり(フランスの革命歌なんですね)、歌は半舞台裏で聖歌のようなのを歌うんですが、憂鬱な感じだったり。世界を全部交響曲の中に閉じこめようとしたのはマーラーと考えが似ているのかも知れません。
初めて聴くくせになんだと言われそうですが、演奏がとっても良かったのです。非常に分かりやすかったし、巨大でまとまりのなさそうな音楽を、しっかり構成してまとめ上げていました。オーケストラもとっても上手で特に弦楽器がロンドン・フィルって上手いよねって再確認できるような音でした。今日はほんとのロンドン・フィルのリーダーがリーダーだったからでしょうか。

5月5日から(日本時間だと6日かな)いつものBBCラジオ3で放送があるので、音楽が途中で止まったとことか珍しいので、じゃなかったとってもステキな演奏だったのでぜひ聴いてみてくださいね。

日本人と言ってもいいよね、ダンジュウロウさん
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演奏後は困憊してるユロフスキさん、左側はロンドン・フィルのリーダー、ピーター・ショーマンさん
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by zerbinetta | 2010-04-28 08:57 | ロンドン・フィルハーモニック

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