雰囲気の勝利   

monteverdi: vespro della beata vergine
choir of st paul's cathedral
his majestys sagbutts and cornetts
cecilia osmond, rebecca outram (sp), mark wilde (tn)
andrew carwood (cond) @st paul's cathedral



今日はヨーロッパの夏の始まりの日。日本では立夏に当たるんでしょうか。夏至だけど。で、やっとこさ夏らしい暖かい日(暑くはないんです、まだ)。お天気もぴーかん。そんな今日は毎年この時期にロンドンのシティで行われるシティ・オヴ・ロンドン・フェスティヴァル。聖ポール大聖堂で行われたモンテヴェルディのヴェスプロを聴いてきました。なんてったって、今年はヴェスプロ出版400年年。

聖ポール大聖堂は、なんと世界で2番目に大きな教会だそうです(わたしにはフィレンツェのドォーモの方が大きく感じられるけど。まわりの景色のせい? 世界で一番はローマだそうです)。確かに壮大な教会です。ドームの天井の絵には圧倒されます。でも、その大きさに似合わない、編成の小ささ。合唱は必要最低限ではなく、各パートを複数で歌ってるんですが、それでもこの大きな教会に比べると少ない人数。これでちゃんと後ろの方の席まで聞こえるのかしらってちょっと心配になりました。でも教会ってわんわんと良く響くんですね。声はずいぶんと響いてました。オーケストラの方は音の指向性の関係かそんなに反響していませんでしたが。
今日のチケットを取ったときの演奏者の案内は、his majestys sagbutts and cornetts となっていたのですが(バロック期のコルネットとトロンボーン(の前身)の演奏グループです。ガーディナーさんのヴェスプロの演奏でも金管楽器を担当しています)、もちろんそれだけでは演奏できないので、弦楽器群(どこの団体かはプログラムにも書いておらず不明)、聖ポール大聖堂の合唱団(高音パートは女性ではなく少年合唱団が歌っていました)、ソプラノ独唱にオズモンドさん、アウトラムさん、テナーの独唱にウィルデさんがクレジットされています。でも、出番は少ないけどhis majestys sagbutts and cornetts はめっちゃ上手かったです。特にコルネットの超絶ハイトーンはステキでした。

音楽は至ってシンプルなヴァージョン。グレゴリオ聖歌もなく、器楽のソナタ等も挿入もありません。演奏は、実はよく分かりませんでした。合唱の高声に少年合唱はちょっと物足りないかな。確かに少年合唱でもしっくり来る曲(ソナタ・ソプラ・サンクタ・マリアなど)もあるんですが、大人の女性の方が表現に奥行きがあると思います。よく分からなかったのは、教会堂に音が反響しすぎて(ものすごい残響でした)、音楽の詳細がつかみづらかったからです。でも、教会はやっぱり雰囲気ありますね。特に日がまだ高いうちから始まって日が落ちてくるまでの時刻になっていたので、外から来る光りのグラディエイションがうんとステキでした。雰囲気だけで演奏好感度20%アップです。
教会で聴く音楽はコンサート−・ホールやCDで聴く音楽とまるで違って聞こえます。教会で録音されたCDでも、マイクで直接音を拾ったりしているので、教会の中で聴くのとは全然響きが違います。それに気づいたら、ヴェスプロって当時はどういう風に聞こえていたのだろうって思い至りました。楽譜には、公爵の礼拝堂ないし宮廷の広間にあうように、と書かれてるそうですが、実際にはどんな教会で演奏されたんだろう。教会によって響きは違うし、当時の演奏を忠実に再現することは不可能だけど、当時人々が耳にしたように音楽を聴いてみたいと強く思ったのでした。
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by zerbinetta | 2010-06-22 08:37 | イギリスのオーケストラ

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