老人ばかりがブルックナーじゃない   

bruch: violin concerto no. 1
bruckner: symphony no. 7
renaud capuçon (vn), daniel harding / lso @barbican hall


去年のシーズン、聴きそびれてるハーディングさんのブルックナー。今年はちょっと聴いておきたいと思ったんです。理由は別にないんだけど。ハーディングさんはわたしの中で評価が分かれてる人なのでなるべくたくさん聴いてみたいというのもあったしね。

ブルックナーの前にブルッフ。有名なヴァイオリン協奏曲です。ソロはルノー・カピュソンさん。カピュソンさんといったらフランスのイケメン弦楽器奏者兄弟(だそうです)。弟のチェロ奏者、ゴーティエさんの方は以前CLASSICAに紹介されていたので知っていたんだけど(聴いたことないけど)、ヴァイオリン弾きのお兄さんがいらしたとは。でも、わたし的には弟の方が好みです。ってなに?見た目?
ブルッフの協奏曲、聴いたことがあるのかなかったのか分からないくらいにわたしには馴染みのない音楽だったんですけど、聴いてみるとなんとなく知ってるような、第2楽章ではアルプス交響曲みたいだったり、最後の楽章はブラームスの協奏曲だったり。似てるよね? ハーディングさんとカピュソンさんはなんか似たものどおし的感じ。息ぴったり。これは前にテツラフさんとの共演でも感じたんだけど、ハーディングさんと同世代の男性ソリストの組み合わせって、なんか同じ釜の飯を食ってる感があるというか、ダチみたいな、ふたりで悪さしよう的な信頼関係があるというか、そんな感じが音楽に出てきて面白い。お互いにいいとこ取りでのびのびと演りながら何も言わなくても合ってしまう、そんな男の友情って素晴らしいって羨ましく思ったり。カピュソンさんのヴァイオリンはおだやかで優しい。でも優男のそれではなくて懐の深い柔らかな音色。こんな人がいたなんて知らなかった。今までUS(と日本)でしか音楽を聴いてきてなかったので、ヨーロッパにはまだまだわたしの知らないステキな人がいるんだなってまた思った。今度は是非弟のゴーティエさんを見て聴いてみたいです。

ブルックナーは交響曲第7番。ブルックナー苦手のわたしでも大好きな曲。最も大好きな音楽のひとつです。これをどう演奏するんだろう。
始まりのトレモロからさやさやと弱音でびっくりしました。わたし的にはもちょっと強い方がいいかな、と。そしてテンポは快速テンポ。でもあっさりかというとそうも言い切れず、フレーズの最後をゆったり弾かせたりして微妙なさじ加減。で、特徴的だったのは音の扱い。ひとつひとつの音を粒立つようにマルカート気味に弾かせるの。それで音楽にリズムの推進力が出て歩んでいくという言い方がふさわしいような進み方(対極は流れていく、です)。特に、ねっとりと演奏されることの多い第2楽章でそれが顕著で、低音のリズムの刻みがしっかりとひとつひとつの音に分離して極端な言い方をすれば(実際はそんな極端じゃないです)行進曲のよう。もたれない変わったブルックナーですね。最も成功してたのは最後の楽章。リズミックで怒濤の名演でした。カラヤンや最近ではネゼ=セガンさんの演奏で耳に馴染んでるわたしのブルックナーとは全然違った演奏だったけど、でも、面白かったし好きです。若々しい、溌剌としたブルックナー。ブルックナーというと老大家っていうイメジがつい付きまとってしまうけど(あっネゼ=セガンさんは若いけど、演奏は老大家系だから)、そんなイメジを払拭して若々しいブルックナーもいいなって思いました。ハーディングさんのブルックナーもっと聴いてみたいです。でも、残念。来シーズンはハーディングさん、ブルックナー採り上げないのね。

ふたりはマブダチ
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by zerbinetta | 2010-07-01 07:55 | ロンドン交響楽団

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