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フレッシュ・フルーツ・デザート ネゼ=セガン、ロンドン・フィル ロッシーニ「スタバト・マーテル」   

15.10.2011 @royal festival hall

beethoven: symphony no. 2
rossini: stabat mater

eri nakamura (sp), ruxandra donose (ms),
ji-min park (tn), matthew rose (bs)
yannick nézet-séguin / lp choir, lpo


またまたロンドン・フィルハーモニックのマニアック・プログラム。今日は、ベートーヴェンの交響曲第2番とロッシーニの「スタバト・マーテル」です。ベートーヴェンの交響曲は決してマイナーではないけど、第2番はそれを聴きに人が来るプログラムとは言いづらいですよね。凄くいい曲なんですが。

ベートーヴェンの交響曲第2番は、交響曲で初めてベートーヴェンになった曲。溌剌とした若々しさと共に、ベートーヴェンらしいアグレッシヴな激しい感情もあって疾風怒濤。未来に向かって鋭い目線を投げかけてる。そんな音楽をネゼ=セガンさんとロンドン・フィルは意外なほど爽快にきびきびと演奏しました。ブルックナーのときは腰を落ち着けた悠然とした演奏だったのに、ベートーヴェンのこの曲では意外な快速テンポでざーっと風が流れるような演奏で、わたしはとても気に入りました。ネゼ=セガンさん、ベートーヴェンもいい!

後半は、ロッシーニの「スタバト・マーテル」。実は今日のチケットを取ったのは、大好きな応援している指揮者のネゼ=セガンさんを聴きたかったこと(彼の音楽会はなるべく聴くようにしています)と中村恵理さんが歌うからなんです。彼女は、ロイヤル・オペラ・ハウスの若手歌手研修プログラムを修了して昨シーズンからバイエルン国立オペラ・ハウスで歌ってらっしゃるんですね。5月にはロイヤル・オペラに凱旋したのを聴いているのですけど、とってもステキな旬の若手です。
軽妙なオペラ・ブッファの作曲家、ロッシーニのまじめな宗教曲。厳粛な雰囲気で始まるけど、4人の歌手それぞれにステキな歌が用意されているのはオペラ作家ロッシーニの面目躍如。イタリア人の歌に対する感覚ってとっても凄いと思う。歌の力を完全に信じ切って信頼してる。こういう歌、上手く歌えたら本当に気持ちよさそう。
若手の歌手(メゾ・ソプラノのドノセさんはちょっと年上かな)を起用した今回の演奏は、極上のクリームのデザートのようなまろやかでとろけるような感じではなかったけど、フレッシュなフルーツのような感じは、聴いていて爽快でした。それにしても恵理さん、とっても成長しましたね。キャリアに伴う自信に満ちている感じだし、ほんと今、筍のように旬。そして今日はロンドン・フィルの合唱もとっても良かったです。アマチュアだけどしっかり練習してきた感じ。とても好印象。ネゼ=セガンさんの音楽も多分奇をてらわない感じで、オーケストラと合唱をしっかりまとめていました。しみじみと満たされた音楽会でした。大好き♥こういうの。

恵理さんとドノセさん(男声陣はわたしの位置からだとオーケストラに隠れて上手く撮れませんでした)
フレッシュ・フルーツ・デザート ネゼ=セガン、ロンドン・フィル ロッシーニ「スタバト・マーテル」_c0055376_5155545.jpg

by zerbinetta | 2011-10-15 05:14 | ロンドン・フィルハーモニック

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