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茜さん降板はざんね〜ん 「眠れるの森の美女」初日 ロイヤル・バレエ   

22.10.2011 @royal opera house

tchaikovsky: the sleeping beauty

marius petipa et al. (choreography)

sara lamb (princess aurora), steven mcrae (prince florimund),
kristen mcnally (carabosse), helen crawford (lilac fairy), etc.

boris gruzin / ooroh


春に今シーズン(当時は来シーズン)の秋のバレエのキャストの発表があったときから、そこに当時ファースト・アーティストの高田茜さんが「眠れるの森の美女」のオーロラで主役デビュウするアナウンスを見つけてから、もの凄く楽しみにしていた今日の「眠り」。茜さんはその後、今シーズンからソロイストに昇格して、順風満帆と思った矢先、彼女が怪我をしたという情報が。オーロラ・デビュウはどうなるんだろうって、ドキドキしながら、ウェブ・サイトに載ってるキャスト表を毎日観察して、ついに数日前にキャストが変更になっているのを確認して、がっかりしたのでした。でも、悲しんでるのはわたしたちよりも当のご本人。どうか早くお怪我を治して、またあの溌剌として元気な踊りを魅せてもらいたいです。冬には「くるみ割り人形」のシュガー・フェアリーにもキャスティングされているし(ロール・デビュウ)、彼女のステキな踊りがまた観られることを楽しみに待つことにして、今日の「眠り」を観に行ったのでした。
茜さんの代役はセイラ・ラムさん。事情通の方の噂によると、マリインスキーからオブラツォワさんを呼ぼうとしていたそうですけど(ヴィザが出ずに断念?)、オブラツォワさんはうんとステキな方だけれども、わたしは、急遽代役を外から呼ぶよりも、中のダンサーで見つけた方が、コンビネイションとかもあるし絶対いいと思っていたので良かったです。もちろんオブラツォワさんが始めからキャスティングされていたのなら喜んで観に行きますよ(2年前にマリインスキーが来たとき彼女のオーロラを観ているのですね)。

「眠れるの森の美女」。実は好きなバレエではありませんでした。物語バレエの物語にわりと重点を置いて観ていたわたしは、物語の弱いこのお話にはそれほど感動できないと思っていたからです。なのでチケットも安い席で4枚しか(えっ?!しかって?)取っていないんです。でもね〜〜、バレエを見慣れてきた今は、観たら良かった!ううう、こんなことならもっとチケット買っておけば良かった(まだ取るか?)。

「眠れるの森の美女」のステキなところは、音楽。「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」ほど有名ではないけど、チャイコフスキー円熟期の作曲(交響曲第5番の頃)でとっても充実してる。それに、バレエの踊りがとっても楽しくて充実していて踊りそのものを楽しむ見せ場がいっぱい。これはもう、楽しまなくっちゃって感じです。

カラフルな舞台
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今日のオーロラは上に書いたようにラムさん、そしてキスしてくれる王子さまはマクレーさん。正直、ラムさんは、わたしにとっては、コンテンポラリーはとってもいいけど、古典は高いところで安定していて、上手いけれどもときめかない人なんですが、でもやっぱり上手いので、観ていて清々しますね。茜さんは残念でしたけど、ラムさんのチケットは取っていなかったので、観ることができて良かったです。パートナーのマクレーさんは、とっても切れがあって速い。ずばずばと回って気持ちが良かったです。そう、このバレエ、男性ダンサーの見せ場が結構しっかりあるんですね。

そしてこのバレエ、主役のおふたり以外にも結構たくさんの人に見せ場が振り分けられているんです。まずその前に、踊りはないんですけど、今日の王様(オーロラのお父さん)は、ギャリー(ガリー?)・エイヴィスさん♥いやあ、この人観るとついエロ。いい加減ムッシュのイメジを払拭しなければいけないんだけど、、、強烈すぎて。今日もこの人いつエロに変身するんだって思ってしまいました。ちなみにわたしはギャリーさんを愛してます(告っちゃった)。わたしにはエロく接して欲しいです。そしてお后にはロサトさん。好きなんですよ、ロサトさんも。ロイヤル・バレエはこういう踊らない(踊れば上手いんですよ、ふたりとも)演じる役の人たちがとっても上手いのがステキです。物語にしっかりと真実味を与えてる。

それからカラボスに、クリスティン・マクナリーさん。この人今、ソロイストですが、振り付けもするし、将来はキャラクター・アーティストになるんじゃないかしら。ギャリーさんやロサトさんのように演劇性のとっても高いダンサーだと思います。でもちょっときれいすぎたかな。もっと悪でも良かったかも。それともこの演出はあまり悪を強調しないで、童話の世界を表現しているのかしら。
もうひとり、キャラクター・アーティスト、儀典長役のアラスター・マリオットさん。この人お肌つるつるなんですよぉ〜。最初ずうっと女の人だと思ってた。幕間にキャスト表を見てびっくり。どんなスキン・ケアしてるんでしょう。教えて欲しいっ。

手前から、ギャリーさん(エロ)、ロサトさん、お肌つるつるのマリオットさん
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物語を導くリラの精は、クロウフォードさん。なんだかお久しぶりに観る気がします。プロローグでは踊りがちょっと重たいかなとも感じましたが、後半は良くなりました。

マクナリーさんとクロウフォードさん
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フロレスタンとその姉妹のエンマ・マグワイアさん、ダウィッド・トルゼンシミエッチさん、メリッサ・ハミルトンさん
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赤ずきんちゃんとオオカミのサビーナ・ウェストコンブさんとエリック・アンダーウッドさん
長靴を履いたネコのポール・ケイさんとイオーナ・ルーツさん
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第3幕は、結婚の祝宴で童話の主人公たちがたくさん出てきて踊りを披露、それがとっても楽しいんですけど、中でも良かったのが青い人。じゃなかった青い鳥。今日は直前にキャスト変更になって、ひかるさんと蔵さんの日本人コンビだったんです。もう見るからに息が合っててステキ。青い鳥って幸せの使者だけど、ほんとその通り、幸せな気持ちにさせられました。ひかるさんって踊ってる間にふっと相手を見てにっこりとするんですね。相手を思う気持ちがそういうところにも出ているような気がしてステキです。
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とっても幸福な気持ちになれる「眠れる森の美女」でした。わたしも眠りたい。

ラムさんとマクレーさん
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by zerbinetta | 2011-10-22 07:17 | バレエ

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