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今シーズン前半の音楽会 その5 世界が震え鳴り響く   

ちょっとはしょって、そのほかのオーケストラの音楽会を。まず、フィルハーモニア。わたし的にはティンパニのスミスさんとフィオナちゃんのオーケストラなんですけど、どうもこのオーケストラ、凄く上手いんだけど、不定形で色のない、なんだか雲をつかむように感じます。主席指揮者サロネンさんよりも多彩な客演指揮者の方が目立ってる感じなのは、サロネンさんが振る機会が少ないからでしょうか。20世紀初頭のウィーン、バルトーク、そして今年は戦争関係ととっても魅力的な企画のシリーズをしているのでもっとサロネンさんに来て欲しいと願っているのですが、作曲に専念するために再来年、お休みなんですね。残念すぎ。
そのフィルハーモニア、なんと今シーズン前半の音楽会で聴いたのは1回だけです。前のシーズンからのマゼールさんのマーラーの交響曲全曲演奏シリーズは、後期の3曲、3回聴いているのですが。いや待てよ、その1回の音楽会も全シーズンからのバルトーク・シリーズの一環か。シーズン開幕音楽会だけれども。。。
サロネンさんのバルトーク「青髭侯の城」はとっても良かったんだけど、わたしが音楽を理解していないので、ここで推薦できるかはちょっと疑問。マゼールさんのマーラーからは、交響曲第9番の回が良かったけれども、これも、同曲を同じ演奏家で一昨年聴いているので、驚きはなし。ということで、フィルハーモニアからはノミネイトなしということに。シーズン後半をぜひ期待したいです。

啓蒙時代のオーケストラは、もともと音楽会の回数が少ないので聴いたのは1回だけ。ブリュッヘンさんの健在ぶりを確認した、ハイドンやシューベルト等の音楽会です。この音楽会、とおっても愉しかったんだけど、ベスト音楽会にノミネイトするのにはちょっとパンチが足りないかな。ほんわかとした気分にさせられたとっても良い音楽会ではあったんだけど。

その他、ロイヤル・フィルハーモニックの音楽会はまだ聴いてないし、ロンドンの小さなオーケストラの音楽会も聴いていません。なので最後に、外国のオーケストラ。これはのべ3回聴きました。地元中心主義なので外国の団体の音楽会は優先度低いんです。
ブーレーズさんの自作自演のアンサンブル・アンテルコンテンポラン(+ルツェルン・フェスティヴァル・アカデミー)の音楽会とアバドさんとルツェルン・フェスティヴァル・オーケストラの音楽会が2回。どちらも良かったんだけど、圧倒的に素晴らしかった(というか圧倒された)アバドさんの方をノミネイト。メインが同じ音楽会を2回聴いたんだけど、アバドさんの音楽の自由度をより楽しめた、2日目の方、モーツァルトとブルックナーの音楽会を挙げます。

10月11日
 アバドさん/ルツェルン・フェスティヴァル・オーケストラ モーツァルト交響曲第35番、ブルックナー交響曲第5番

いやはや、この音楽会では音楽の魔力的な凄さを打ちのめされました。音楽で癒されるってよく聞くけど、これは正反対の音楽によって心の深いところががらがらと揺り動かされる、しばらく音楽は聴きたくなくなるような体験でした。

by zerbinetta | 2011-12-30 20:46 | 随想

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