冬の日の幻想 ユフィ・チェ、セルゲイ・ポルーニン 「くるみ割り人形」
2012年 01月 14日
tchaikovsky: the nutcracker
peter wright (choreography)
yuhui choe (the sugar plum fairy), sergei polunin (the prince),
sabina westcombe (clara), james hay (hans-peter / the nutcracker),
alastair marriott (herr drosselmeyer), etc.
barry wordsworth / london oratory junior choir, bbc concert orchestra
「くるみ割り人形」を観ると幸せになります。
子供の頃の夢と温かい想い出が詰まっているからです。もちろん家はそんなにお金持ちではないので、クリスマスに大きなパーティーなんてしません。それにわたしの想い出はクリスマスといつもつながっているわけではありません。でも、不思議なことの起こりそうな冬の夜の景色がバレエの舞台と重なるんです。想い出が理想化されて。サンタクロースを信じていた時代に。
わたしがこのバレエ(ピーター・ライトのプロダクション)で一番好きなのは、ドロッセルマイヤーの魔法でクララが小さくなって夢の世界に入っていくシーンと闘いが終わってふわ〜っと青い幕が背景に落ちてくるところ。世界が変わるシーン。多分、大人になったわたしもまだいつかこんな世界が変わることを夢見ているからかも知れません。
音楽が好きです。
チャイコフスキーはもう全霊で音楽を書いてますね。チャイコフスキーのバレエは「白鳥の湖」が好きだけど、音楽は「くるみ」が一番充実してると思います。音楽だけで全曲聴いても全然飽きない。魅力的な曲満載です。今日はワーズワースさんがしっかり手綱を締めてオーケストラを上手くコントロールしていました。さすが経験豊か。それにしてもワーズワースさんっていっつもにこやか。ここまでにこやかな人って滅多にいないよ。
今日の「くるみ」がわたしの最後の「くるみ」になります。そう思ったらなんだかおセンチになっちゃって。しっかり目に焼き付けようと思ったのに、最初から最後まで涙でいっぱい。マチネだし「くるみ」なのでおめかし(コスプレ?)をした子供たちが多くて、わたしの隣にもちっちゃな子(4歳くらい)が座ってたんだけど、最後までちゃんと舞台を観てたね。偉い偉い。大人でもマナーの悪い人いるからね〜。
今日良かったのは、ドロッセルマイヤーのマリオットさん。お肌つやつやだし、ちょっとお姉入ってる、みたいな独特のキャラ。それがなんだか変態チックなドロッセルマイヤーにぴったりなんです。前に観たときは少し違和感を感じたんだけど、今日はおやっいい、と思いました。
クララはウェストコンブさん。ちょっと固かったかなぁ。振り付け足りない(多分わざとそうしてたんじゃないと思う)ところあったし。ハンス・ピーターはヘイさん。ヘイさんはかっこいいと思った。でも、このおふたりはまだまだこれから。将来に向かってがんばって〜〜。
ダンス教師はマクナリーさんで、今日は若い先生。口説くキャプテンのステパネクさんも力が入ったでしょう。茜さんがヴィヴァンディエールにキャスティングされていたけど、パジュダックさんに変更。兵士はズチェッティさんの代わりに蔵さんが踊りました。今日はキャスト変更が多かったです。アラビアン・ダンスの男性陣は蔵さんと平野さんの日本人のそろい踏み。もうひとりはホワイトヘッドさんで、ブリジッテ=バンヴナーニさんを一瞬落としそうになってドキリとした(よく見てないと気がつかないくらいのミスだけど)。
いや〜引っ張りましたね。金平糖の精は、ユフィさん。まつげにも銀のラメ入れてきらきら〜。似合う似合う、かわいらしい金平糖です。踊りはとても優雅で時間が止まってるみたいでしたけど、ぐいっと引き込むオーラは今日はあまり出ていませんでした。これが出るようになるとプリンシパルかなとも思うのですが。まだかなぁ。
ポルーニンさんも銀ぎら王子がよおく似合って、ってか、こんなに似合う人っていませんよね。ジャンプは相変わらずきれいですごかったです。
というわけで、最後の「くるみ」、堪能しました。
今日の立役者。指揮のワーズワースさん
花束をもらったユフィさん
花のワルツの人たち
スパニッシュ・ダンス
アラビアン・ダンス 平野さん大変
チャイニーズ・ダンス
ロシアン・ダンス
葦笛の踊りは若手中心
バラの精のチャップマンさん 久しぶりに見た気が。。
ヘイさんとウェストコンブさん
似合いすぎてるユフィさんとポルーニンさん
by zerbinetta | 2012-01-14 10:01 | バレエ