こんな熱いピロウトークしてたら体が火照って寝られないでしょ フィッシャー、ブダペスト祝祭管弦楽団   

04.03.2012 @royal festival hall

brahms: tragic overture
lalo: symphonie espagnole
rimsky-korsakov: sheherazade

renaud capuçon (vn)
iván fischer / budapest festival orchestra


夜は、イヴァン・フィッシャーさんとブダペスト祝祭オーケストラのチケットを持っていたのでした。それなのに何故、デセイさんのチケットまで買おうとしてたんでしょう。売り切れてなきゃダブル・ブッキング。危うくどちらを聴こうか悩まなきゃならなくなるところでした。

はじめっから失礼なことを言うと、フィッシャーさんのわたしの印象はゆでだこです。うわ〜〜っ言っちゃったぁ、ファンの方ごめんなさい。でもだって、昔の日記に「クラリネットが高い音へカデンツで上がっていくときのフィッシャーさんの表情っていったら。茹だっていくタコのようだったわ」って書いたんですもの。

フィッシャーさん、いきなり火山の噴火のようにテンション高し。指揮台に上がったかと思うとすぐに「悲劇的序曲」を始める。もの凄く緊迫した雰囲気が音楽そのものの雰囲気に重なる。がしがしと大きな鉈で木を割っていくような骨太の音楽。ステージの後ろに陣取ったコントラバスがぶわんぶわんと鳴って空気の響きが洩れる田舎のオルガンのような心地良い音。それにしてもこのドキドキするような緊迫感はどうでしょう。悲劇の音楽と言っても起こってしまった悲劇ではなく、これから起こるであろう悲劇に心を震わせるよう。力のこもったブラームスでした。鄙な感じがステキ。

2曲目はラロの「スペイン交響曲」。ヴァイオリンはカピュソン兄弟の兄、ルノーさん。わたしとしては弟のチェロの人の方が好みなんだけどってわたしの好みなんて聞いてない? ルノーさんは今まで何回か聴いたけれども、特別に強い印象は持っていなかったのでした。でも今日は違ってた! なんかとっても豊かなセクシーな音でたっぷり濃ゆく音楽を弾いていく。音量も豊かでグラマラス。「スペイン交響曲」って苦手な曲だったけど、今日の聴いたら印象変わった。いいじゃないこれ。多分、ルノーさんの演奏はちょっぴり普通じゃないと思うんだけど、わたし的にはこの濃さがちょうど良い。カルピスの一番おいしい濃度を見つけたようで嬉しい。

そして最後は「シェヘラザード」。なんでハンガリーのオーケストラがこの曲をって感じだったけど、オーケストラの実力を見せるにはここの楽器のソロも多いし、うってつけ。ハープを指揮者の右に置いて、ヴァイオリンのソロと対称にするのもステキなアイディア。コンサートマスターのヴィオレッタさん(女性です)のソロはときどきあれれと思うこともあったけど情熱的でなんか濃厚なピロウ・トークが繰り広げられていそう。オーケストラも厚みのある音でなんか濃いのよね。指揮者も熱い人だけど。
オーケストラは上手いと言うより味のある良い音のオーケストラです。ソロも上手いし、みんなハンガリーの方なのかな。日本人の方がひとり、ヴィオラにいらっしゃいました。
あっひとつ残念だったのは、大太鼓がとっても厚い大きな楽器だったんですよ。これ、どしんどしんと鳴らしてくれればいいなって思っていたんですが、わりと控えめに(音楽的に)叩いていました。最後の座礁のシーンで船を木っ端みじんに砕いてくれたら良かったのに、ってわたしだけですよね、こんな期待するの。ごめんなさい。

アンコールはわたしの知らない曲だったけど、他の方たちのブログを見たらドホナーニの曲だったそうです。打楽器の方がふたりで、トライアングルの入りを数えていたのが可笑しかったです。

それにしても、フィッシャーさんの音楽ってなんか楽しいな。指揮者って、演奏はするけど音は出せないからストレスたまると、何かで読んだことがあるけど、フィッシャーさんはもううるさいうるさい。すぅぅぅって息を吐くのかな(吸うのかな)の音が賑やかでときどき言葉で指示したり、まあ、全休符のとき思いあまって大声を上げちゃった指揮者も見たことあるけど、レコーディングのときは指揮者の声を拾わないようにするのが大変そう。面白いからいいんですけど。
それから、音合わせがドから始まってドキリしたんだけど、そうでしたそうでした、このオーケストラ、ソとラとシのフラットで音を合わせるのでした。フランスのオーケストラでも同じようなことするところありましたね。あと、ボストン・シンフォニーはオーボエではなくてクラリネットで音合わせしたのもびっくりしました。
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by zerbinetta | 2012-03-04 17:21 | 海外オーケストラ

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